今日の産経ニュースほか(2020年6月1日分)

企業給付金の事務受注団体代表が辞任へ - 産経ニュース
 この件について明らかに「報道が少なかった産経」ですが、辞任については記事にしています。辞任の件は隠しようがないという判断なのか。
 はたまた辞任で追及を打ち止めにして欲しいのか。もちろんこの「怪しい法人が解散したわけでもなく」、また「過去の不正が是正されたわけでもない」ので「代表辞任」で済む話ではないですが。結局、この代表は「金だけもらってるお飾り(名ばかり代表)」だったのでしょう。
 従って追及されると「よくわからない」としどろもどろになる。当人も「こんな追及を受ける危険があるなんて話は聞いてない、もう辞めたい」と言いだし、電通側も「辞めさせるしかない」と判断したのでしょう。


持続化給付金 なぜ再委託? 差額20億円の用途は? 説明渋る与党 - 毎日新聞
給付金業務、97%を電通に再委託 不透明な769億円 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
給付金受託団体、国から14件1600億円 再委託9件 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
業務ほぼ丸投げで収入6億か 持続化給付金の事業受託法人:東京新聞 TOKYO Web
赤旗持続化給付金委託団体の不透明問題/野党が政府聞き取り
持続化給付金の受託法人、代表理事が辞職へ:東京新聞 TOKYO Web

持続化給付金 なぜ再委託? 差額20億円の用途は? 説明渋る与党 - 毎日新聞
 新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した中小企業に国が支払う「持続化給付金」の業務が、民間団体に約769億円で委託され、さらに大手広告会社の電通に約749億円で再委託されていた。経済産業省は差額の約20億円について、給付金の振込手数料や民間団体の人件費など「事業遂行に必要な経費」と説明しているが、野党は「再委託で事業費が膨らんだ」と批判を強めている。
 野党は「電通が直接受託すればコストダウンできた。中抜きではないか」などと批判。経産省は「協議会は遂行能力を持っており、委託費は必要な額」と説明した。
 国民民主党原口一博*1国対委員長は1日の記者会見で「(コロナ禍の)どさくさ紛れというか、事務費が莫大(ばくだい)すぎる」と批判し、予算委員会などで追及する方針を示した。衆院予算委の渡辺周*2・野党筆頭理事(国民民主)は同日、坂本哲志*3・与党筆頭理事(自民)と会談し、協議会の代表理事を予算委に参考人招致するよう要求。坂本氏は難色を示した。
 毎日新聞は協議会、電通に取材を申し込んだが、1日までに回答はなかった。小黒一正*4・法政大教授(公共経済学)は「大規模な事業は再委託するケースがあり、一概に問題があるとは言えない。ただ、経産省は差額の約20億円が合理的かどうか丁寧に説明する必要があるだろう」と指摘する。

給付金業務、97%を電通に再委託 不透明な769億円 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
 政府の緊急経済対策の柱となる事業で、手続き業務全体が769億円で民間団体に委託されていたことがわかった。この団体は業務の大部分を、大手広告会社の電通に749億円で再委託していた。経産省や団体、電通は詳しい経緯や金額の根拠などについて公表していない。
 事業をめぐってはコールセンターがつながりにくいなど問題が相次ぐ。巨額の費用をかけて民間委託していたことの是非が問われそうだ*5
 経産省によると、協議会は委託費の97%にあたる749億円で業務の大部分を電通に再委託した。経産省や協議会、電通は委託費の根拠や差額の20億円の合理性などについて明らかにしていない。
 協議会は取材に「中小企業庁の委託事業につき、回答は控えさせていただきます」と答えた。電通広報部は「個別事案に関しては回答を控えさせていただきます」としている。

給付金受託団体、国から14件1600億円 再委託9件 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
 中小企業などを支援する持続化給付金の事業で、手続き業務全体を受託した民間団体「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」が、過去に経済産業省の計14件の事業(総額約1600億円)を受託していたことがわかった。そのうち少なくとも7件では協議会だけが入札をしていたという。
 再委託を受けた企業・団体のなかで、電通はグループ会社の電通ワークスの分を含め、件数や金額が大きい。自らが関わる協議会を通すことで、企業名が出にくい形で多額の公的事業を受託していたことになる。
 給付金事業をめぐっては、業務を協議会から再委託された電通が、パソナやITサービス業のトランスコスモスに再々委託していたことも判明した。

業務ほぼ丸投げで収入6億か 持続化給付金の事業受託法人:東京新聞 TOKYO Web
 (ボーガス注:コロナに苦しむ)中小企業などに最大二百万円を支給する持続化給付金で、国から業務を受注した一般社団法人サービスデザイン推進協議会が業務のほぼ全てを(ボーガス注:電通に)再委託しながら、少なくとも六億五千万円を得る見通しであることが分かった。経済産業省が二十九日、立憲民主党など野党の合同ヒアリングで説明した内容を基に本紙が試算した。
 国の委託費七百六十九億円のうち、97%に当たる七百四十九億円で広告大手の電通に業務を再委託している。
 財務省幹部は「国と電通の間に法人が入ることで事業費が増える」として、予算の無駄遣いにつながる今回の構造を批判する。

赤旗持続化給付金委託団体の不透明問題/野党が政府聞き取り
 日本共産党と、立憲民主党、国民民主党などの共同会派は29日、国会内で合同ヒアリングを開き、新型コロナウイルスの影響で減収した中小企業などに対する「持続化給付金」の給付作業の業務委託が不透明だとされる問題について政府から説明を受けました。
 経済産業省によると、給付作業は、大手広告代理店の電通や人材派遣会社のパソナなどが設立した「サービスデザイン推進協議会」が国から769億円で業務委託をうけ、同協議会から749億円で電通に再委託されています。
 野党議員からは、同協議会のホームページに問い合わせ電話番号の記載がないことなどが指摘され、「769億円もの業務委託を受ける団体として不自然」「詳細を明らかにする必要がある」との声が相次ぎました。

持続化給付金の受託法人、代表理事が辞職へ:東京新聞 TOKYO Web
 (ボーガス注:コロナで苦しむ)中小企業などに最大二百万円を支給する持続化給付金で、国から事業の委託を受けた一般社団法人サービスデザイン推進協議会のトップである笠原英一*6代表理事が六月八日付で辞職することが分かった。この法人を巡っては、給付業務の大部分を広告大手の電通に再委託し、国からの七百六十九億円の委託費の97%を払うなど業務の不透明さが表面化している。
 笠原氏は三十日の本紙の取材に「(給付業務については)一切知らない」と話し、巨額の国のお金を使う事業の中身をトップが説明できない法人の異様な実態が浮かんだ。

 モリカケ桜を見る会、布マスクに続き「また税金私物化か?」と疑わざるを得ない怪しい話です。電通に業務のほとんどを再委託するのでは「ピンハネ目的の法人か?」という批判は出て当たり前です。
 いずれにせよ「東京新聞朝日新聞毎日新聞よくやった!」でしょう。しかし「コロナを利用して利権あさり」とはどれほどゲスなのか。
 現時点ではマスコミの報道(特にテレビ)がまだまだ少ないことについては「電通タブーか」と言う声も出ているようです。


元AKB48の渡辺麻友さんが芸能界引退 健康上の理由で - 産経ニュース
 別に彼女のファンでも何でもないですが「随分とファンに対して不親切なことだ」とは思います。
 これが「山口百恵のような結婚引退」や「芸能界での活動に限界を感じたので新天地を目指す」などというなら「残念だ」とはなっても「大丈夫か?」と言う不安感はない。
 しかし「健康上の理由(ただしどんな健康上の理由かは説明なし)」では「一体どんな健康上の理由なのか?(うつ病でまともな生活が出来ないとか相当深刻な話なのか?)」「実は表沙汰に出来ないような不祥事(沢尻エリカのような薬物問題など)を健康上の理由とごまかしてるだけなのでは?」とファンとしては不安を感じざるを得ないでしょう。まあ、とはいえ本当に健康が重大に害されていれば、デリケートな問題でなかなか説明もしがたいでしょうが「何だかなあ」とは思います。


元AKB「神7」初…まゆゆ引退、昨秋事務所に「休ませて」木村花さん中傷問題も影響か― スポニチ Sponichi Annex 芸能
 元AKB48の渡辺麻友さんが芸能界引退 健康上の理由で - 産経ニュースの「健康上の理由で引退」とはわけがわかりませんでしたが

 5月23日に他界した女子プロレスラーの木村花さんがネットで中傷を受けていた問題にショックを受けていたという。
 事務所に近い関係者によると「私ももうバッシングされたくない。静かに生きていきたい」とスタッフらに訴えていたという。周囲は「急な引退に見えるが長年積もったものがあったのだろう」と話している。

だそうです。要するに「芸能人としてあれこれ言われること」について精神的に耐えられないと言うことのようですね。
 その「耐えられない」が「深刻なうつ病」ならまた話も別ですが「芸能界を去って静かに暮らしたい」レベルなら「安心できる話」です。まあうつ病でも芸能界を去った上できちんと治療すれば問題ないのではないか。
 まあファンからすれば「休養して復帰して欲しい」ところでしょうが。
 この引退話で、ドラえもんの秘密道具「めだちライト」を思い出しました。
 「目立ちたい」というのび太が「めだちライト」をあびたところ、始終、赤の他人に「有名人ののび太だ!」と追いかけ回される上に「何でそんなに勉強が出来ないの?。なんでそんなに運動音痴なの?」と聞かれたくないことまで、しつこく聞かれ閉口するという落ちでしたが。

【参考】

ドラえもんのひみつ道具 (め-も) - Wikipedia
◆めだちライト
「めだちライトで人気者」(てんとう虫コミックス第24巻に収録)に登場する。
 このライトの光を浴びた者は、まるで大人気スターのように周りに注目され、みんなに些細なプライベートの質問を多数浴びせられたり、追い回されたりしまう。ただし普段から同じような立場である人物(人気アイドルなど)には効力はない様子で、作中では人気アイドルの星野スミレ(ボーガス注:パー子ことパーマン三号の正体。つまりドラえもんへのゲスト出演)がめだちライトを浴びたのび太を匿ってくれた。

めだちライト | ドラニュー
 誰からも関心を持たれずに悲しんでいるのび太ドラえもんから『めだちライト』を借ります。
 このライトを浴びると他の人が自分に興味津々になり、根掘り葉掘りいろいろなことを聞かれるようになります。
 はじめのうちは注目を浴びることを楽しんでいたのび太でしたが、どこまでも付け回されることに次第に嫌気を感じ始めます。
 そんな時に芸能人『星野スミレ』と偶然再開したのび太は星野スミレとともに海に逃げます。
 星野スミレをしつこく追い回していたレポーターに『めだちライト』を浴びせ、追っ手から逃れることができたのび太達なのでした。

めだちライトで人気者 | 横山泰行オフィシャルブログ「ドラえもんマンガの古典化大作戦」Powered by Ameba
 のび太が新しいあやとりを土管の広場で披露しても、だれも見てくれなかった。そこへ、「ダンシングオールナイト」をテレビ(ボーガス注:の子ども・のど自慢で)で歌って、優勝した男の子が登場すると、みんなそちらのほうへ行ってしまった。
 テレビでは、直撃レポーターが星野スミレを追い回し、(ボーガス注:落目とはそんな関係ではないというスミレを無視し)俳優の落目といつ結婚し、いつ新婚旅行に行くかを執拗に聞き出そうとしていた。テレビ番組の最後に、本日の直撃レポートは失敗しましたが、「ねばり強く取材をつづけ、かならず近いうちにみなさまに、真相をご報告いたします」ジャジャジャーンで終わっていた。
 のび太はテレビ番組を見終わると、「一度あんなにさわがれてみたいよ」とドラえもんに語りかけている。
 その望みを叶えるため、ドラえもんひみつ道具『めだちライト』を取り出している。この光をあびるとめだっちゃってどうしようもないから、使わないほうがいいと言われたが、のび太は自分自身で「ピカ」とあびた。
 すると、ドラえもんの目つきがかわり、「どこへいくの? ネ、ネ、ネ」と執拗に尋ねるので、「めだつかどうか、空き地へ」と答えた。「だれに試すの? 試してどうするの? 何時ごろ帰る?」とうるさいので、のび太は「いってみなきゃわかんない」と言いながら家を飛び出している。
 のび太が土管のある広場に現れると、バレーボールのパスに熱中していた、しずちゃんジャイアンスネ夫がやめて、のび太のところへ走って集まった。
  のび太があやとりを披露すると、「すごい」の連発であった。土管に座ったのび太は三人から、「どうしてそんなにあやとりがうまいの? だれか先生について習ったのか? どんなときにアイディアがひらめくの?」と質問攻めになった。
 さらに、「きのうのテスト何点だった? 今まで何回0点とった? いまでもおねしょするか。どうしてそんなにばかなの?」とエスカレートして、追いかけられたので、一時よその庭に入って身を隠していた。
 その庭の主人に見つかり、「のび太くんじゃないか!」と声を掛けられると、近所の人が殺到し、「本物ののび太!」「日本一のろまでぐずで弱虫で」とうわさされた。
  取材陣が「チンパンジーと知恵くらべしてかつ自信ある? きみのかあちゃんでべそ? おふろに入るときどこから洗うの?」とぶしつけな質問を連発するので、懸命に逃げると、「ブブッ キーツ」と危うく車にひかれそうになった。
 車から降りてきたのは星野スミレであった。のび太は彼女から「あら、あなた前にうちへきた子ね*7」と言われ、「海を見にいくの、いっしょにくる?」と誘われたので、喜んでついていくことにした。
 人気のない海の大好きなスミレさんはときどき一人きりになりたくなったとき、来るという話であった。のび太にうるさく質問しないので、理由を聞くと、「自分がいつも、追い回されてるから」という返事であった。
 海岸にペンダントが落ちていたので、スミレさんにわたすと、「あたしのいちばんだいじな物なの」ということであった。そのペンダントには、パーマン一号の須羽みつ夫の写真がはめ込まれていた。古いお友だちで、「いまは遠い世界へいってるけど。でも…。いつかきっと帰ってくるわ」と真情を吐露してくれた。
 突撃レポーターとマスコミ関係者が追いかけてきたので、帰ろうとすると、「車のキーをぬいておいたから」ぜひ話を聞かせてもらいましょうと脅してきたので、のび太は「めだちライト」を「ピカ」とレポーターに浴びせた。
すると、野次馬が「テレビに出ているレポーターじゃないか!」と追いかけだした。のび太は遠くの方からこの光景を見て、スミレさんに「当分逃げ回るからスミレさんとこへこられないと思うよ」と楽しげに説明している。

 手塚治虫も「ブラックジャックお茶の水博士」など、別マンガのキャラクターを良く登場させますが、このドラえもんもそれと同じパターンです。
 パーマンを知ってる小生からすれば「星野スミレ」「須羽みつ夫」登場で「にやり」とするところですが今の子どもは多分パーマン(1983~1985年までテレビ朝日でアニメ放送。三輪勝恵 - Wikipediaパーマン1号(須羽みつ夫)を、増山江威子 - Wikipediaパーマン3号(星野スミレ)を演じた)を知りませんからねえ。藤子Fといえば「ドラえもんばかり」という現状は少々寂しいところです。まあ、ドラえもんは確かに一番のヒット作ですが。
【参考終わり】


菅氏「コメント控える」 韓国側の輸出管理厳格化措置撤廃要求に - 産経ニュース
 「コメントを控える」、つまり「韓国側の要請に応じる気は無い」とか「積極的に応じたい」とか具体的なことは何も言わないというのは普通に考えれば「フリーハンドにしたい」ということでしょうし、それはやはり「水面下で色々やってる(そして何をどうするかはまだ決まってない→解除もあり得る)」つうことなんですかね。


【産経・FNN合同世論調査】ポスト安倍、石破氏が再びトップ 自民党支持層では依然首相優位 - 産経ニュース
 自民党内・安倍支持層は安倍を支持し、「自民党内・アンチ安倍&野党支持層」は石破支持という「いつもの構図」にあるわけです。 
 野党支持層の場合は石破積極支持というよりは
1)解散総選挙で野党側が勝利しない限り、野党への政権交代はないが、その可能性は必ずしも高くはない(自民が選挙で不利な場合は、解散を避けて、党内でいわゆる「疑似政権交代」をし、有利な場合のみ解散する可能性が高いので)
2)とにかく、安倍に辞めて欲しい、その場合、自民党内で安倍に批判的なのは石破しかいないから石破一択
といったところでしょう。
 また、自民党内・アンチ安倍においても、やはり「石破」に支持が集まってるのでしょうね。その辺りは安倍に干されても石破が意気軒昂な理由だし、「安倍政権で重用されていても」岸田政調会長の意気が上がらない理由でもあるわけです。


【産経・FNN合同世論調査】コロナ対策評価上昇も、黒川問題で支持率急落 - 産経ニュース

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の世論調査安倍晋三内閣の支持率が急落したのは、黒川弘務前東京高検検事長が賭けマージャンで辞職した問題が主な原因とみられる。新型コロナウイルス対策で徐々に上がってきた評価は、スキャンダルで相殺された形だ。
無党派層内閣支持率は19.9%と低迷した。その理由の1つと考えられるのが、黒川氏の賭けマージャン報道に端を発した問題だ。無党派層のうち、黒川氏への訓告処分を「納得できる」と回答した人は10.2%にとどまっている。

 産経ですら黒川問題のダメージが大きいことを認めざるを得ないわけです。

 新型コロナ対策を「評価する」と答えた人は43.6%だった。前々回の調査では28.7%に落ち込んだが、前回の36.4%に続いて着実に評価を戻しつつある。

 「本当かよ」「日本人ってバカ?」とげんなりしますね。「緊急事態宣言が解除されて良かった」というのなら呆れますね。そもそも「三密をするな」などと国民に命令しただけでそれ以上のことはほとんど何一つしてないんですが。かつ、北海道や東京、福岡については患者数が着実に減少してるとは言いがたい状況にある。
 そして経済的ダメージは雲散霧消したわけではないでしょうに。安倍もさすがに「どんどん外出して下さい」などとは言ってないので、当面ダメージが続くことは間違いないでしょうに。とはいえ、「当面経済的ダメージはゼロではありえない」以上、今後の経済の動向によっては支持率は当然落ちることがあり得るでしょう。

 逆に内閣支持率が増加したのは10・20代で、前回比8.9ポイント増の52.6%。
 10・20代男性は安倍内閣の景気・経済対策で前回比19.7ポイント増の63.8%が「評価する」と回答、現金10万円の一律給付などを好感したとみられる。

 おいおいですね。そもそも「10万支給論」は野党の主張(当初は安倍は反対)ですし、10万ばらまいただけでは景気対策として十分とは到底言いがたい。
 「10・20代男性の脳みそは大丈夫なのか(若者男性の右翼化?、知的劣化?)」と本当にげんなりします。安倍の支持率がなかなか落ちないことには安倍批判派として本当にいらいらさせられますね。安倍のような恥知らずは「20%台前半の低空飛行がずっと続く→そろそろ10%台突入も間近」とでもならないと辞意など生じないでしょうからねえ。モリカケでは30%台に突入しましたが、居直り続けてなんとか40%台に持ち直した「ある種の成功体験」で「居直り続ければなんとかなる」と思ってるのが明らかに安倍ですからね。


【産経抄】6月1日 - 産経ニュース

▼競馬の格言に「ダービーは幸運な馬が勝つ」というのがあるが、コントレイルは強い上に運がある。世界中のほとんどの競馬が、コロナ禍によって中止か延期される中、無観客ながら予定通り、ダービーを開催できたからだ。関係者の並々ならぬ努力に頭が下がる。
▼無観客での日本ダービー開催は、初めてではない。前回は米軍がサイパン島に上陸した直後の昭和19年6月18日で、戦局悪化もあって馬券は発売されなかった。勝ったカイソウという馬はその後、数奇な運命をたどる。
 引退後は、血統に難があったこともあり、種牡馬になれず、軍馬となった。
▼有力説では、名古屋にあった第十三方面軍に引き取られ、岡田資司令官の乗馬になったが、昭和20年5月14日、名古屋城が全焼した大空襲で厩舎(きゅうしゃ)が焼け、行方不明になったという。このとき撃墜したB29の搭乗員27人を処刑したとして司令官は、戦争犯罪に問われ、巣鴨プリズンの露と消えた。
 ▼裁判で、彼は「無差別爆撃こそ戦争犯罪だ」と堂々と主張し、大岡昇平は「ながい旅」と題した小説にした。藤田まことが岡田に扮(ふん)して熱演した映画「明日への遺言」も記憶に新しい。カイソウと岡田司令官の運命を狂わせた名古屋大空襲から幾星霜。無観客ダービーに平和のありがたさをしみじみと思う。

・コロナで不幸にもなくなった志村けんNHK朝ドラ『エール』(山田耕筰をモデルとした小山田耕三)もそうですし、今日の産経抄が取り上げる「てなもんや三度笠藤田まことの『明日への遺言』(岡田資・第十三方面軍司令官兼東海軍管区司令官)もそうですし、他にも色々といますが、一世を風靡したコメディアンでも年をとると「お笑い一本で生きることが難しい」のかどうしてもシリアスな方向に行く人が多いですね。
 「仕方ない」「むしろシリアスな演技も見たい」と思う反面、何か寂しい気もします。
 まあ、それはともかく。
・この岡田の処刑の件については、小生の持ってる本、林博史『戦後平和主義を問い直す:戦犯裁判、憲法九条、東アジア関係をめぐって』(2008年、かもがわ出版)は「小説の描き方は問題がありすぎる」と批判しています。
 ご興味のある方はお読み頂けると幸いです。なお、小説については批判していますが、映画については特に林氏はコメントしておらず、どういう評価なのかはわかりません(そもそも映画の存在をこの著書執筆時点では知らない可能性もある)。
 ちなみに映画『明日への遺言』を信じれば必要充分かどうかはともかく、映画は『大規模な日本軍による中国の重慶や南京爆撃(日本軍の無差別爆撃)』に簡単にではアレ、触れたそうなので、林氏のような批判にある程度配慮しているようです。
 それはともかくなぜ、林氏が大岡を批判するかと言えば

1)無差別空襲は名古屋大空襲以前に『ゲルニカ空襲(ナチドイツ)』『重慶大空襲(日本)』があり、実行犯の一人は日本だから(そしてドイツは勿論日本の同盟国です)
2)有名な風船爆弾は無差別攻撃だから
 →実際、米国の一般市民(非戦闘員)がこれで超少数(6人死亡)ながら死亡していることは風船爆弾 - Wikipedia参照。そもそも風船爆弾は『米国本土を戦闘機で空襲したいが日本の国力的に無理、しかし空襲的なことをしたい』という考えから考案された兵器であり、当初から「無差別殺傷」をその性格としています。

だからです。岡田個人がこうした無差別攻撃(重慶大空襲、風船爆弾など)にどれほど加担したのかはともかく、「彼が幹部として在籍した日本軍が無差別攻撃をためらいなくやる野蛮な軍隊だったこと」は確かです。そして岡田はこうした日本軍の野蛮性について、直接加担していれば「法的責任は免れない」し「自分の行為を棚上げして何様だ!。自分の行為なら非難しないで、他人の行為なら非難するのか!」ということにもなる。
 また、直接関与していなくても、「法的責任」はともかく、そして一兵卒ならともかく陸軍幹部である岡田は「道義的、政治的責任」は免れないでしょう。
 そうした「日本軍(あるいは岡田)の加害性(重慶大空襲、風船爆弾など)」に目をつぶりながら、「日本軍(あるいは岡田)の被害性(名古屋大空襲など)」ばかり騒ぎ立てたあげく、

ながい旅 大岡 昇平:文庫 | KADOKAWA
◆戦犯裁判をたった一人で戦い抜いた岡田中将の誇り高き生涯
 映画化決定!東海軍司令官・岡田資中将は、軍事法廷で戦う決意をする。米海軍の残虐な無差別爆撃を立証し、起訴された部下の命を救い、東海軍の最後の名誉を守るために。大岡昇平、渾身の裁判ノンフィクション。

大岡昇平/著 『ながい旅』 | 新潮社
 藤田まこと主演の映画『明日への遺言』原作。戦争の悪は敗戦国だけが負うのか? B級戦犯として起訴された東海軍司令官・岡田資中将は軍事法廷で戦いぬく決意をした。
 米空軍の残虐な無差別爆撃の実態を立証するため、同時に起訴された部下の生命を救うため、そして東海軍の最後の名誉を守るため。
 信念を貫き通してスガモ・プリズンに消えた一人の日本人の、誇りにみちた生涯。

などと大岡のようにただただ岡田を美化することは「ダブルスタンダード」「恥さらし」だ、日本人はもっと「加害(南京事件慰安婦731部隊バターン死の行進などの戦争犯罪など)の歴史」に目を向けなければならない、「戦後日本の平和主義」は「日本の加害」に目をつぶってきた問題点があるという林氏のご指摘には全く同感です。
 「加害の歴史」に目を向けてこなかったからこそ「安倍のような河野談話否定派」がでかい面をしてるし、産経新聞などウヨメディアも性懲りもなく「南京事件否定論」「河野談話否定論」などのデマを垂れ流すわけです。
 なお、そんな林氏のライフワークは勿論「日本軍の加害(戦争犯罪)の歴史」であり、

◆『華僑虐殺:日本軍支配下マレー半島』(1992年、すずさわ書店)
◆『裁かれた戦争犯罪:イギリスの対日戦犯裁判』(1998年、岩波書店→2014年、岩波人文書セレクション)
◆『BC級戦犯裁判』(2005年、岩波新書
◆『シンガポール華僑粛清:日本軍はシンガポールで何をしたのか』(2007年、高文研)
◆『沖縄戦 強制された「集団自決」』(2009年、吉川弘文館
◆『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)

などの著書があります(本や論文などの紹介のページを参照)。
 林氏のサイトWelcome to Hayashi Hirofumi'もこの際紹介しておきます。

【参考】

カイソウ - Wikipedia
 1959年に日本中央競馬会が編纂・発行した『日本ダービー25年史』において、カイソウの消息は「競走馬引退後軍馬となり、名古屋師団に配され師団長の乗馬になったとの風聞あり」とされていた。その後、同会の広報誌『優駿』1963年1月号から5月号にかけて、丘雅男による小説「カイソウは何処にいる」が連載され、引退後の詳細がルポタージュ調で描かれた。小説ではあるがカイソウの関係者は実名で登場、証言をしており、以下参考として要旨を記述する。

 最後のレースに出走した2日後、カイソウはセリ市に出され、名古屋師団に落札された(吉田三郎の証言)。当時の師団司令官は岡田資で、師団内では「司令官の乗馬は元競走馬で、とても速い馬だった」という話があった(当時師団に在籍していた男性の証言)。5月14日の名古屋大空襲で厩舎は焼けてしまい、暴れていた馬のうち数頭は裏門から街中へ飛び出していったが、それに構っていられる状況ではなかった。

 「カイソウは何処にいる」では岡田の乗馬をカイソウと断定し、空襲時に街中へ駆け出して死亡あるいは行方不明になったと結論づけている。

*1:鳩山、菅内閣総務相、国民民主党代表代行などを経て、現在、国民民主党国対委員長

*2:鳩山、菅内閣総務副大臣、野田内閣防衛副大臣などを経て、現在、国民民主党副代表

*3:福田、麻生内閣総務大臣政務官、第二次安倍内閣総務副大臣など歴任

*4:著書『アベノミクスでも消費税は25%を超える』(2013年、PHPビジネス新書:著書名で分かるように小黒氏は消費税増税論者です)、『財政危機の深層:増税・年金・赤字国債を問う』(2014年、NHK出版新書)、『日本経済の再構築』(2020年、日本経済新聞出版社)など

*5:「そうだ」いらんでしょう。はっきりと「問われる」と言いきるべきです

*6:アジア太平洋マーケティング研究所所長。立教大学大学院客員教授。著書『戦略的産業財マーケティング』(2018年、東洋経済新報社)など

*7:星野スミレ - Wikipediaによれば「オールマイティパス」(てんとう虫コミックス15巻)、「影とりプロジェクター」(同19巻)のこと。