今日の中国ニュース(2020年6月2日分)(追記あり)

【風を読む】志位委員長が、まさかのGJ 論説副委員長・佐々木類 - 産経ニュース
 文革当時の対立や「天安門事件批判」を考えればまさかどころか「予想の範囲内」だと思いますがそれはさておき。

 日本政府の対応が生ぬるい。香港に対する中国の横暴に対してだ。
 「香港への『国家安全法』導入に強く抗議する。香港への人権抑圧強化の動きをただちに中止することを強く求める」
 談話の差出人の名前を見たら、なんと、日本共産党志位和夫委員長だった。他にこんなことも言っている。
 「中国政府は内政干渉を許さないと言うが、人権侵害は単なる国内問題ではなく、重大な国際問題である」
 中国へのスタンスは評価されてよい。GJ(Good Job)だ。どこぞの政党よりよほど芯が通っている。
 「深い憂慮」などという屁(へ)のツッパリにもならぬコメントしか出せない日本政府は、少しは日本共産党の爪のあかを煎じて飲んでみてはどうか。習近平国家主席国賓来日に遠慮があるなら情けない。習近平国家主席国賓来日に遠慮があるなら情けない。

 産経に「中国を批判して偉い」「日本政府も少しは共産党を見習え」などと褒められても共産支持者として何一つ嬉しくありません。
 何せ、一方では「日本共産党は暴力革命目指してる」「公安調査庁の監視団体だ」「敵の出方論ガー」などとデマ中傷して恥じないのが産経ですから。
 が、それはさておき。こんなことを書く産経が安倍の対中国外交の「反発を募らせてる」のは間違いないでしょう。それでも明確に安倍批判できない辺りは所詮「安倍応援団」産経ですが。

 頭だけ赤いタンチョウと揶揄(やゆ)される

 あまりそう言う「揶揄を聞いたことがない」気がしますがそれはさておき。
 この産経発言、「問うに落ちず、語るに落ちています」ね。
 「(全身が赤いのではなく)頭だけ赤い丹頂鶴」とは「容易に想像がつく」と思いますが、要するに「不破氏(元議長)や志位氏(現委員長)など党執行部(頭)は『赤いこと(マルクス主義)』にこだわりがあるが、後援会員などソフトな支持者はもちろん、党員ですら必ずしもマルクス主義にそれほどの思い入れはない(むしろ護憲とか消費税増税反対とか、マルクス主義と必ずしも関係ない部分で支持してる)」と言う話だからです。
 産経はそこから「この際、共産主義政党なんか辞めて正式に社民政党になればいいのに全く時代錯誤で(以下略)」「頭だけ赤いから、下部組織を無視して独裁的体質なのだ」云々などと思ってるのかもしれませんが、まあ、それはさておき。
 つまりは「日本共産党は暴力革命目指してる」「旧ソ連や中国のような社会目指してる」と言う発言が「デマだと知りながら故意に垂れ流してる」と事実上自白してるのが、この産経記事です。実に滑稽です。「頭だけ赤い*1」「首から下は白い丹頂鶴」で「暴力革命」「旧ソ連や中国のような社会」を目指せるわけがないでしょう。「首から下」を無視して頭が好き勝手に動けるわけもない。日本共産党については民主主義的観点から色々批判があることくらいは小生も知っていますがそれにしたって「頭が足腰を無視して好き勝手に動くこと」はできません。これは「安倍自民」「ソ連共産党」など「古今東西の独裁的政党、政治家」ですら大抵そうです。
 「アメとムチ」や「だましと目くらまし」による「インチキな支持」であれ、足腰(下部組織)によるそれなりの支持がなければ頭(執行部)は好き勝手に動けないわけです。

【追記】
 「頭だけ赤い丹頂鶴」をまねれば「頭(総裁の安倍)だけ極右」なのが安倍自民でしょう。まあ「頭だけ」と言うと言い過ぎでしょうが、それにしたって二階幹事長だの、岸田政調会長だのが積極的に安倍のウヨ路線に加担してるとも思いません。
 産経らウヨが森友だろうが桜を見る会だろうが詭弁で必死に安倍をかばうのも「安倍自民」が「頭(安倍)だけ極右」であるが故に「今の頭(安倍)」が「別の頭(石破であれ、石原でアレ、岸田でアレ)」になった場合、櫻井よしこや産経など「ウヨ連中」は落ちぶれる可能性が強いからです。


中国優位の国連専門機関 外務副大臣「透明性・公平性確保へ関与」 - 産経ニュース

 質問した自民党有村治子氏は、15ある国連専門機関のうち、4機関のトップを中国が占める一方、平成27年以降、日本人のトップがいないことに触れ、「国連専門機関の約3分の1のトップを共産党一党支配の国が占めることが、世界にとって健全なことなのか」と提起した。
 これに対し鈴木氏は、専門機関の一つの万国郵便連合(UPU)が今年実施する次期事務局長選に、日本郵便の目時政彦執行役員を擁立していることを挙げ「ポストをきちんと確保する。(運営への関与との)両面で取り組みを進めていきたい」と語った。

 有村某は第三次安倍内閣少子化等担当相を務めた「札付きのウヨ」なのである意味「当然の質問」ですが、「鈴木某の答弁ともども」まあ非常識ですね。
 ただし、安倍が習主席訪日を進める今、本気の反中国と言うより「習主席訪日に不満を強めるウヨ相手のガス抜き」ではないか。
 ちなみにググったところ、この4機関とは

国連食糧農業機関(FAO)
 屈冬玉 - Wikipedia*2事務局長
国際民間航空機関(ICAO)
 柳芳・事務局長
◆国際電気通信連合(ITU
 趙厚麟・事務局長
◆国連工業開発機関 (UNIDO)
 李勇 (1951年生の政治家) - Wikipedia*3事務局長

です。


堂々と媚中する二階幹事長 有元隆志(産経新聞社正論調査室長兼月刊「正論」発行人) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 二階氏*4を「中国に媚びてる」と悪口しながらも
1)二階氏を自民党幹事長として重用する安倍*5
2)秋に習近平主席の国賓訪日を予定する安倍
は「中国に媚びてる」とは非難できないいつもながら無様で滑稽でデタラメなウヨ連中(安倍信者連中)です。

 二階氏は昨年4月にも、安倍晋三首相の「特使」として北京を訪れ、習近平*6国家主席と会談している

と書くならきっちりと「二階氏を特使として派遣した」安倍を「中国に媚びてる売国政治家」と非難したらどうなのか。

 二階氏というと平成12(2000)年5月、(ボーガス注:森内閣)運輸相のときに旅行、観光業界関係者ら約5000人を、(ボーガス注:自民党)総務会長(ボーガス注:第二次安倍総裁時代)時代の平成27(2015)年5月にも同じく旅行業協会関係者ら約3000人をそれぞれ引き連れて訪中した。二階氏はNHKの取材に「お互いの国の人たちが仲良くしていくためには、やっぱり人々との交流を、ある程度の量をもって進めることが必要ではないか。この指集まれ、一緒にやりましょうとね」と語っている。

 この程度で「中国に媚びてる」呼ばわりとはいつもながら非常識なウヨ連中です。大体その理屈なら森内閣運輸相、自民党総務会長である二階氏の訪中を許した森*7元首相や安倍も「中国に媚びてる」のか。

 二階氏の対中外交の根底には師と仰ぎ、日中国交正常化を実現した田中角栄*8元首相の存在があるという。国交正常化以降、田中元首相に続き竹下登*9元首相、小渕恵三*10元首相ら旧田中派の系譜に連なる議員たちが中国との関係改善・維持に役割を果してきた。いま、それを受け継いでいるのが二階氏だ。

 ということで田中、竹下、小渕氏まで産経は敵視してるようです。いつもながら非常識です。
 大体「日中友好」に務めてきたのは旧田中派の政治家だけではない。
 例えば

日中国交正常化に関わった大平*11外相(後に首相)
・日中平和友好条約締結に関わった福田*12首相、園田*13外相
天皇訪中に尽力した宮沢*14首相、渡辺*15外相

は「旧田中派の政治家ではない」わけです(大平、福田、宮沢氏は派閥ボス。園田氏は福田派で、渡辺氏は中曽根*16派)。一部の極右を除きオール自民党の政治家がそうだったわけです。

 二階氏は師匠の田中元首相から受け継いできた「親中」がもはや通用しないことを自覚しない限り、幹事長のポストに留まるべきではないだろう。

 ここで安倍に「二階を更迭しろ。更迭しなければお前を『中国に媚びる売国奴』と見なし攻撃する」と通告できない辺りウヨ連中(安倍信者連中)の無様さが露呈しています。
 二階氏からすれば「お前らより俺の方が安倍と深い絆がある」と鼻で笑ってることでしょう。

*1:そう言う認識が正しいかどうかはひとまず置きます。ここで問題にしたいのは「産経がそう言う認識だ」ということです。

*2:中国農業省副大臣などを経てFAO事務局長

*3:中国財務次官などを経てUNIDO事務局長

*4:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長

*5:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*6:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席

*7:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*8:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*9:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*10:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相などを経て首相

*11:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*12:大蔵省主計局長から政界入り。岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*13:佐藤内閣厚生相、福田内閣官房長官、福田、大平内閣外相、鈴木内閣厚生相、外相など歴任

*14:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相。

*15:福田内閣厚生相、大平内閣農水相、鈴木内閣蔵相、中曽根内閣通産相自民党政調会長(中曽根、竹下総裁時代)、宮沢内閣副総理・外相などを歴任

*16:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相