つくる会『『新しい公民教科書』推薦文掲載』

「憲法」成立の事実を明示した、真っ当な教科書の出現を歓迎する城西大学准教授・小野義典

 大日本帝国憲法の下で、「天皇主権」であったのか、と問われるのであれば、帝国憲法四条は「統治権ヲ総攬」する立場であるので、「天皇主権」ではないことが、条文をみても明らかである。

 「はあ?」ですね。まさか戦前において「天皇は主権者ではなかった」と言い出すとは意味不明です。
 そもそも「統治権ヲ総攬」するとなぜ「天皇主権ではない」のか、意味不明です。
 「統治権を総攬」とは「統治権(司法、立法、行政の三権)を統合して一手に掌握すること(総攬(そうらん)の意味 - goo国語辞書参照)」ですがそれのどこが「主権者でない」のか。
 そもそも天皇は主権者であるからこそ
1)明治天皇の支持を得た征韓論反対派(岩倉具視*1大久保利通*2木戸孝允*3など)は賛成派(板垣退助*4江藤新平*5西郷隆盛*6など)に政治的に勝利したし
2)張作霖暗殺事件の処理について、「食言(当初、実行犯・河本大作を処分すると報告したが、陸軍の反発からそれを撤回)を昭和天皇に『そんなことで首相が務まるのか』と叱責された田中義一*7」は首相を辞任するほかなかったし、
3)226事件を利用して首相になろうとした真崎甚三郎*8昭和天皇が「そんなことは絶対に許さない」という強固な意志を示したことでその企みを諦め、青年将校たちを見すてざるを得なかった*9
わけです。これらの政治劇を「天皇は主権者ではない」としてどう理解できるのか。


「家族」の重要性を強調した、時代が要請する教科書麗澤大学*10大学院特任教授・高橋史朗*11

 自由社の公民教科書が、第1節「家族の中で育つ私たち」の冒頭に「家族の役割」として、「家族は男性と女性の愛と尊敬から始まります。そこで生まれた子供は、とても無力な状態にあり、肉体的かつ精神的に一人前になるまで親の長期間にわたる世話を必要とします」と、家族の基本について明記していることを高く評価したい。

 現代において「同性婚(日本では事実婚しかあり得ませんが)の夫婦」がいることは「多くの人に知られている事実」である以上、「家族は男性と女性の愛と尊敬から始まります」と書くことは「同性婚を否定している」と受け取られても仕方がない*12「あまりにも無神経な記述」であり修正要求の検定意見がついてもおかしくなかったと俺個人は思います。
 ちなみに後で気づきましたが男女共同参画会議議員名簿 | 内閣府男女共同参画局によれば高橋は「安倍が任命した男女平等の審議会委員」です。改めて安倍には絶句しますね。
 ちなみにこの審議会、最近

「女の子は1人でどのくらいするの?」人気アパレル元社長が女子社員にしたセクハラ発言 | 文春オンライン
 「ストライプインターナショナル」創業者の石川康晴氏(49)が、3月6日、社長を辞任した。1994年創業の同社は宮﨑あおいをイメージキャラクターに、若い女性向けの服飾ブランド「アース ミュージック&エコロジー」などを展開してきた。石川氏は女性社員らへのセクハラ行為が問題視され、18年12月に臨時査問会が開かれたが、「セクハラの事実はなかった」として「厳重注意」に留まった。それが、朝日新聞週刊新潮にスクープされたのだ。
 週刊文春にも関係者からの告発が相次いで寄せられた。
 「店舗開店祝いの飲み会で石川社長の隣に座ったら、ずっと私の太ももを手で触っていた。その日以降、デートに何度も誘われ、渋々応じると『女の子は1人でどのくらいするの?』と下ネタ連発で、『家に来て』『10分だけでいいから』と懇願された。何とか難を逃れましたが、その後も『秘密倶楽部開こうよ』などSNSでメッセージが送られてきたんです。上司に相談したら、本部から(セクハラの証拠)写真を消して欲しいと言われた」(元社員)

男女共同参画会議の「アパレル社長」がセクハラで辞任 被害女性に送った恥ずかしいメッセージ | デイリー新潮
 人気ブランド『アースユージック&エコロジー(earth music&ecology)』などを展開する「ストライプインターナショナル」の創業者・石川康晴氏(49)が、3月6日、突如として代表取締役社長の辞任を表明した。その理由は、本誌(「週刊新潮」)や朝日新聞が報じた〈自身にかかわる一連の報道〉だという。
 (ボーガス注:そのファッションブランドが)若い女性から絶大な支持を集める同社は、〈約9割が女性社員〉〈当然、女性社員が働きやすく、輝ける職場でなくてはいけません〉〈女性社員が多様な人生設計を自分で選べるように、全力でサポートしています〉(同社HPより)とアピールしていた。だが、本誌が報じた石川前社長のセクハラ疑惑を知れば、こうした美辞麗句も虚しく響くばかりなのだ。
 当時を知るストライプ社の関係者はこう語る。
「石川のセクハラ疑惑については以前から社内で問題視されてきました。彼は社内でカリスマ的な存在ですから、誘われれば立場の弱い若い女性社員は従わざるを得ません。確かに、査問会が開かれてその行状が発覚したわけですが、石川に対する処分は下されませんでした。そのため、多くの社員はこの件について何も知りませんでした」
 査問会は形だけで、誰もワンマン社長の首に鈴をつけられなかったようだ。それにしても、内閣府男女共同参画会議で議員まで務める男がこの有り様とは……。
 だが、本誌の報道を受けての世論の反発に耐え切れなくなり、辞任に至った格好だ。
 本誌の取材には逃げ回るばかりで一切語らずじまいだったが、男女共同参画会議の議員も辞職する意向だという。

【独自】大手服飾社長が社員にセクハラ 政府会議の議員:朝日新聞デジタル
 女性向け洋服ブランド「アースミュージックエコロジー」などを展開するストライプインターナショナル(岡山市)の石川康晴社長(49)が複数の女性社員やスタッフへのセクハラ行為をしたとして、2018年12月に同社で臨時査問会が開かれ、厳重注意を受けていたことが分かった。
 石川氏は19年3月から、男女の人権尊重や政策立案への女性の参画などを目的とする内閣府男女共同参画会議の議員を務める。
 朝日新聞が入手した資料や関係者への取材によると、査問会では、石川氏のセクハラ行為として、15年8月~18年5月にあった4件が報告された。
 4件のうち1件は、石川氏が16年に地方視察した際、女性の店舗スタッフを朝にホテルに呼び出し、本人の同意がないままわいせつ行為に及んだとしている。ほかの3件は①石川氏が宿泊研修時、LINEで社員に「内緒だよ」とメッセージを送り、部屋に来るよう誘った②店舗スタッフに深夜にホテルのバーに来るよう誘った③地方在住の店舗スタッフに、東京に来て「デート」するよう誘った――などとしている。
 関係者への取材によると、査問会後、石川氏は食事に誘ったりホテルに行ったりした事実について認め、陳謝したという。石川氏への処分はなく、厳重注意となったという。
 朝日新聞の取材に、ストライプ社は「石川(社長)のセクハラに関する処分はありませんでした。(査問会の)審議の内容については開示致しかねます。弊社としてはセクハラ防止を含め、コンプライアンス確保に真摯(しんし)に取り組んでおります」(広報部)などと回答した。
 同社のサイトによると、1994年に創立。18年度の年商(グループ連結)は1364億円、19年1月末時点の社員数は3699人。主力ブランドである「アースミュージックエコロジー」は、就職活動サイト「マイナビ」の大学生人気ファッションブランドランキング(19年)でユニクロ、GU、ナイキに続く4位と、高い人気を保っている。

earth石川社長、男女共同参画会議の議員を辞任意向:朝日新聞デジタル
・服飾ブランド「アースミュージックエコロジー」などを展開するストライプインターナショナル(岡山市)の石川康晴社長によるセクハラ行為があったとして社内で「臨時査問会」が開かれ、石川氏が厳重注意された問題を受け、ストライプ社は5日、石川氏が務める政府の「男女共同参画会議」議員を辞任する意向を内閣府に伝えたと明らかにした。
・石川氏は、仕事と子育てを両立させる環境整備に熱心な企業の経営者として、2019年3月に議員に選ばれていた。

ストライプ石川元社長、男女共同参画会議議員を辞任: 日本経済新聞
 政府は9日、「アースミュージック&エコロジー」などを展開するカジュアル衣料品大手ストライプインターナショナル(岡山市)元社長の石川康晴氏が内閣府男女共同参画会議の議員を同日付で辞任したと発表した。石川氏は同社の女性社員に不適切な行為*13をしたと疑われるやりとりがあったとして、厳重注意処分を受け6日付で社長職を辞任していた。

なんて事件で多少話題になりました。


民主主義や自由の大切さを子供たちに教えるために必要拓殖大学教授ぺマ・ギャルポ*14

 この公民教科書が、181頁では天安門事件劉暁波のこと、186頁では「近隣諸国の人権問題」として、チベットウイグル内モンゴル北朝鮮、韓国などの人権問題を取り上げてくれたことに感謝したい。チベット120万人虐殺と現在も続く焼身抗議、ウイグルにおける強制収容所南モンゴル*15の虐殺と環境破壊、北朝鮮の人権弾圧や韓国における「親日派」への言論弾圧などは、どれも否定できない事実だ。

 前も指摘しましたが「おいおい」ですね。中国に反共主義の立場から悪口雑言することの何が「公民教育」なのか。
 それにしても『韓国における「親日派」への言論弾圧』て(苦笑)。一体、何のことを言っているのか?
 「チベット出身」ペマが『アンチ中国、ダライ一味万歳の立場から中国に悪口すること』は理解は出来ます(支持はしませんが)。
 嫌韓国発言をしてウヨ連中に媚びへつらうとはどこまで恥知らずのクズなのか。そんなことがチベットのためになると本気で思ってるのか?
 こんな奴を容認して恥じないのだからMukkeという自称「チベット支援者」も呆れたバカです。

*1:右大臣、外務卿を歴任

*2:参議、大蔵卿、内務卿を歴任

*3:参議、文部卿、内務卿を歴任

*4:参議、第1次大隈、第2次伊藤、第2次松方内閣内務相を歴任

*5:参議、司法卿を歴任

*6:参議、陸軍大将、近衛都督を歴任

*7:参謀次長、原、第二次山本内閣陸軍大臣立憲政友会総裁などを経て首相

*8:台湾軍司令官、参謀次長、陸軍教育総監を歴任

*9:226事件青年将校が「岡田啓介首相(暗殺未遂)」「高橋是清蔵相(暗殺)」「斎藤実内大臣(暗殺)」を襲撃した理由の一つは「真崎を首相にするため」です。岡田を暗殺しても首相経験者で天皇の信頼も厚い高橋や斎藤が生きていれば彼らが「ポスト岡田の首相になる可能性がある」のでその可能性がないように事前に殺しておくという話です。まあ、高橋の場合「蔵相として軍縮予算を組んだこと」で軍部の反感を買っていたというのもありますが。

*10:ウヨ宗教モラロジー系列のウヨ大学。古森義久(元産経ワシントン特派員)、八木秀次日本教育再生機構理事長)などもここの教員。

*11:国家基本問題研究所理事。元つくる会副会長。著書『日本が二度と立ち上がれないようにアメリカが占領期に行ったこと』(2014年、致知出版社)、『「日本を解体する」戦争プロパガンダの現在:WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の源流を探る』(2016年、宝島社)

*12:いや実際につくる会高橋史朗は否定しているのでしょうが。

*13:「朝日、新潮、文春の記事」を見れば分かりますが、要するにセクハラです。「朝日、新潮、文春」と違い、日経がはっきりそう書かないのはストライプ社への忖度でしょうか。

*14:著書『北京五輪後のバブル崩壊』(2008年、あ・うん)、『中国が隠し続けるチベットの真実』(2008年、扶桑社新書)、『最終目標は天皇の処刑:中国「日本解放工作」の恐るべき全貌』(2012年、飛鳥新社

*15:内モンゴル自治区のこと