三浦小太郎に突っ込む(2020年6月11日分)(副題:つくる会教科書について色々)

◆阿呆右翼ラグタイムララバイ(三浦小太郎)のトンデモ書評

武漢ウイルス」後の新世界秩序 - ウイルスとの戦いである第三次世界大戦の勝者は? (ワニブックス)
西村幸祐*1(著), 福山隆 (著)

 中国へのヘイト丸出しで武漢ウイルス呼ばわりしてることといい、「ただの伝染病」を「第三次世界大戦」呼ばわりしてることいい、ばかばかしいとしか言い様がない。台湾や韓国が「ほぼ完全に封じ込めてる」ことでわかるように新型コロナは「甘く見てはいけない」ですが、戦争呼ばわりするほどの脅威ではない。
 台湾や韓国を模範に適切な対応をすれば基本的には「全く怖くない病気」でしょう(もちろん日本がそうした適切な対応をとっているかどうかはひとまず置きます)。それにしても100年前のスペイン風邪も三浦らにとって「世界大戦なのか?」聞きたいところです。
 「食生活の向上(当然、体力も向上)」「医療の進歩」などで時代がまるで違う(勿論現在の方が良い)ので単純比較できませんが新型コロナを遙かに超える死亡者を出したのが100年前のスペイン風邪です。
 そして新型コロナを「戦争呼ばわり」とは、まさかとは思いますが「新型コロナは中国が開発した細菌兵器」と言い出すのか。

 陸上自衛隊で西部方面総監部幕僚長を務めた福山隆氏は、オウム真理教サリン事件の際、現場で除染作戦に関わった人である。

 そんな人間がよりによって西村幸祐と一緒に反中国ヘイト本を出す。田母神といい、この福山氏といい、彼らのようなトンデモウヨが元幹部の自衛隊という組織は何かが狂っていると思いますね。正常化が必要でしょうが、正直どうしたらいい物やら。

 今回の武漢ウイルスが世界のパワーバランスを大きく変え、新たな秩序を作り出すことはほぼ確実

 どう確実なんだかさっぱり分かりません。まあ不適切な対応により「世界最多の死者」を出した米国の権威が「このままでは地に落ち続けること」だけは確かでしょうが、それは「トランプなどという無責任で無能な男を大統領にした」結果にすぎず、トランプが下野すれば解決する話でしょう。厄介なのは「下野する」と現時点では断言できず「再選の可能性も皆無ではないこと」ですが。


つくる会のツイート

新しい歴史教科書をつくる会【公式】
 文部科学省より回答が届きました。ゼロ回答。まあ、想定の範囲内*2ですがひどいもんですね「木で鼻を括ったような」とはこのこと。官僚答弁かよ(笑)。さらに丸山初等中等教育局長をはじめとしたデマの吹聴について公式に否定。やっちまいましたね。これで今後明確な責任が生じますよ大臣さん。

 「萩生田や丸山氏に向かって、でかい口叩いてるけどさ、一体何をどうするわけ?」ですよねえ。
 安倍に「萩生田と丸山を更迭しろ」と直談判するのか。それとも、ついに家永氏のように教科書訴訟でも起こすのか。
 あるいは「丸山初等中等教育局長をはじめとした(ボーガス注:文科省側のつくる会に対する?)デマの吹聴」とやらについて名誉毀損民事訴訟でも起こすのか。
 そもそも前も書きましたが「局長」というのはどこの省庁でも「限られた人間しかなれない重要ポスト」ですが「文科省における初等中等教育局長」は「大平内閣文相」内藤誉三郎、「リクルート次官」高石邦男、「加計告発」前川喜平氏など「後に事務次官になる人間が複数いる」超重要ポストです(ただし初等中等教育局長にならずに事務次官になった人間もいれば、初等中等教育局長になっても事務次官にならなかった人間もいる)。
 しかも丸山洋司 - Wikipediaによれば丸山氏が初等中等教育局長になったのは「2019年7月」であり1年経っていない。
 局長就任から1年も経ってないのに更迭する、しかもその更迭理由がつくる会の言うような「検定不正」云々では萩生田も引責辞任は避けられません。
 というか、仮に「検定不正」がある*3にしても、萩生田の指示なり、事前承認なりもないのにそんなことはやるわけがない。
 つまりは「萩生田が不正を認めて丸山氏を更迭する」などということは「質問状など送るまでもなくほぼ100パーあり得ないこと」はわかりきったことであり「つくる会は今更何を言ってるんだ?」ですね。ツイッターでぐだぐだ言ってる暇があったらとっとと訴訟でも起こしたらどうなのか。
 なお、例の「公開討論会出席要請」とやらについては

・検定結果は公僕としての公務であり、教科書調査官個人の私的行為ではないこと
つくる会が検定再申請した時点でこのような討論会への出席は再申請したつくる会を検定合格させるために討論会に出席し、つくる会に都合のいい発言をする出来レース討論をしたなどの『あらぬ誤解を生みかねないこと』

から『出席は適切でないと理解している』という回答が「文部科学省名義」でつくる会に手渡されたようです。まあ予想の範囲内ですがこれで出席拒否することは「大臣の指示に従った文科官僚としての当然の行為」となり、つくる会としても本来ならば「萩生田とガチバトルせざるを得ない」わけです。


公民教科書について7月19日にしゃべります | 三浦小太郎BLOG Blue Moon

東京新風倶楽部講演会のお知らせ

 新風とはあの「ヘイト&デマ極右」の維新政党新風です。東京新風倶楽部とは要するに新風の東京支部だか、東京地区後援会だかですが、まあ、まともな人間は新風なんぞとは付き合いません。つうかhttp://shimpu.sblo.jp/によれば三浦が新風副代表だそうです。非常識にもほどがありますね。しかし未だにid:noharraは三浦みたいな非常識ウヨと交遊してるんですかね?

 自由社の歴史教科書は文科省の検定が予想もしなかった不合格となりましたが、公民教科書はかなりの「検閲」に等しい修正を余儀なくされたものの合格。

 やれやれですね。文句があれば行政訴訟でも起こせばいいでしょう。
 「検定合格教科書なら訴訟できない」なんてことはもちろんありません。まあ訴訟すれば安倍自民とつくる会の関係は確実に悪くなるでしょうが。
 しかし「歴史教科書(不合格)と公民教科書(修正意見を付けた物の合格)」の扱いの違いは何なんですかね?
 育鵬社が公民教科書を出していないのかといったらそんなことはありませんし。
 もしかして「二つとも不合格にしたら、育鵬社をアシストしてることがモロバレだから(まあ一つだけ不合格でも正直モロバレですが)」「そこで一つだけ不合格にすることにしたがその場合、歴史教科書を不合格にしてくれ、という育鵬社の要請だった」「いずれは公民も不合格で抹殺し、完全に育鵬社をアシストする」のか。


公民教科書と李美一さんのこと | 三浦小太郎BLOG Blue Moon

 今回、自由社の「新しい公民教科書」の執筆者の一人として、まあごくわずかですが書かせていただきました。実はその中で、朝鮮戦争時の韓国人拉致について書いたんです。
 でも、実はこの部分、検定でいろいろ意見がついて結局削除になったんですよ。
 「戦場における人権侵害」「強制連行*4」を告発する運動をしている方は、これを読んだら「北による韓国人の拉致・強制連行の事実を削除するとは文科省*5はけしからん」と声を挙げてくだされば*6と思います。
 まあそんなこんなで、私も教科書の執筆という生まれて初めての経験をいたしました。大して役には立てませんでしたが、このような機会を与えてくださった自由社新しい歴史教科書をつくる会の皆様方には心より感謝しております。

 呆れて二の句が継げませんね。基本的に「教科書」のような「ある種のお約束(学習指導要領とか、そうした明文規則ではないが、一般常識的に求められる教育的配慮とか)があるもの」以外は「デマやヘイトなどよほど酷い内容でない限り」何を書こうが個人の自由でしょう。
 しかし今回問題となっているのは教科書であり、教科書は「好き勝手に書いていい代物」ではない。
 しかしなんで「韓国の公民教科書」ならまだしも「日本の公民教科書」でそんなことを書くのか。「日本人拉致」ならまだしもなんで「韓国人拉致」なんか書くのか。
 そんなことをすれば「修正意見がつく」のは当たり前です。どれほど非常識なのか。どれほどアンチ北朝鮮なのか。
 まさか「安倍政権はつくる会の友達だから何を書こうがノーチェック」「むしろ北朝鮮に悪口雑言すれば安倍首相や萩生田文科相が喜んでくれる」とでも思っていたのか。
 しかし「繰り返しますが」未だにid:noharraは三浦みたいな非常識ウヨと交遊してるんですかね?

*1:著書『「反日」の構造:中国、韓国、北朝鮮を煽っているのは誰か』(2012年、文芸社文庫)、『21世紀の「脱亜論」:中国・韓国との訣別』(2015年、祥伝社新書)、『韓国のトリセツ:やたら面倒な隣人と上手に別れる方法』(2019年、ワニブックスPLUS新書)、『朝日新聞への論理的弔辞』(2020年、ワニブックス)など

*2:ならば質問状など送らずにとっとと訴訟でも起こしたらどうなのか。

*3:もちろんないかもしれませんが。

*4:朝鮮人強制連行や慰安婦問題などを批判する左派への嫌みのつもりでしょうがばかばかしいですね。「日本の公民教科書」にそんなもんを書けば、「削れ」と言う意見がつくのは当然です。これはもちろん「北朝鮮云々」に限らない。基本、外国のこと(米国の黒人差別でアレ、中国の少数民族問題でアレ、インドのカースト差別でアレ、なんであれ)をやたらめたら「バランスを書いた形」で書けば「これは教科書であってあなたが外国政府に悪口雑言する場所じゃないんですよ!」と言うダメ出しが出るのは当たり前です。

*5:「萩生田文科相と安倍首相はけしからん」ではない辺りが「いつもながら」腰が引けています。これが「自民党リベラルの宮沢首相、福田康夫首相」「非自民の細川首相、村山首相、鳩山首相菅首相」「いわゆる民間人大臣の永井文相(三木内閣)、赤松文相(細川、羽田内閣)、遠山文相(小泉内閣)」辺りなら首相や文科相(文相)にまで悪口雑言でしょうが。

*6:意味不明ですね。文句があるなら家永氏のように訴訟でも起こせばいいでしょう。声(三浦の記述を認めろという陳情?)などあげたところで文科省が法的に従う義務は何一つありません。