今日の産経ニュースほか(2020年6月30日分)

◆犯罪被害者遺族が「死刑反対」「少年法適用年齢引き下げ反対」「加害者家族の支援も必要」と主張

少年法適用年齢下げ反対/与野党議員参加 弁護士、市民ら集会
少年法適用年齢引き下げに反対する集会が9日、参議院議員会館で開かれ、弁護士、市民ら172人が参加しました。
・「被害者と司法を考える会」の片山徒有(ただあり)さんは、「犯罪被害者の立場から被害者をゼロにするためにも、罪を犯した少年が立ち直れるよう環境を整える必要がある」と述べ、「適用年齢引き下げには当然反対」と述べました。

少年法「適用年齢引き下げ反対」の意見書、犯罪被害者の支援団体が提出 「少年たちのチャンス奪わないで」 - 弁護士ドットコム
 少年法の適用年齢引き下げをめぐり、犯罪被害者や遺族の支援をおこなっている団体「被害者と司法を考える会」は6月29日、18歳・19歳の非行少年への刑事訴訟手続きの拡大や厳罰化に反対する意見書を森まさこ法相、法制審議会長、少年・刑事法部会長あてに提出した。
 提出後、同会代表の片山徒有さんは東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、「社会の中には、厳罰化をすすめたり、適用年齢を引き下げたほうが、犯罪が防げるという人がいることは知っています。しかし、少年法の理念は守らなければなりません」とうったえた。

 この片山さん、
隼ちゃん事件 - Wikipedia

受刑者と月8回の対話 息子失った父が求める死刑廃止:朝日新聞デジタル
 交通事故で小学生の息子を失ったことをきっかけに犯罪被害者の支援をしてきた男性が、死刑制度の廃止をめざす市民団体の立ち上げに携わっている。遺族として、受刑者らと対話を重ねてきた結果、更生の可能性を信じるようになったからだ。
 「もう誰の命も奪ってほしくない」。
 31日の設立集会では、代表の一人として登壇する。

ひと:片山徒有さん=死刑廃止訴える市民会議の共同代表世話人になった - 毎日新聞
 今年6月に発足した「死刑をなくそう市民会議」の共同代表世話人となった。呼びかけ人には映画監督の山田洋次さんや村山富市元首相らが名を連ねる。「生きていれば誰かの役に立つチャンスがあるにもかかわらず、国が命を奪うことには賛成できない」と死刑廃止を訴える。
 1997年に次男の隼(しゅん)さん(当時8歳)をひき逃げ事故で亡くした。運転手は不起訴処分となったが、捜査の不十分さや処分の連絡がなかったことへの憤りが、検察の再捜査を促し、その後運転手は起訴され、有罪判決を受けた。

交通事故加害者:考える 外部からの支援重要 仙台でシンポ /宮城 - 毎日新聞
 交通事故加害者やその家族を取り巻く現状について理解を深めてもらおうと、仙台市青葉区の市民活動サポートセンターで28日、「交通事故加害者家族支援を考える」と題したシンポジウムがあった。NPO団体や弁護士らが外部からの支援の重要性を訴えた。
 イベントは仙台市を中心に犯罪加害者家族の支援活動をしているNPO団体「ワールドオープンハート」(WOH)が主催。WOH理事長の阿部恭子さん*1▽犯罪被害者の支援をしている片山徒有(ただあり)さん▽交通事故加害者の弁護を担当してきた草場裕之弁護士*2(この記事は有料記事です。残り372文字(全文620文字))

ということでご子息を交通事故で失った犯罪被害者だそうです。片山『隼までとどけ七通の手紙:父が息子のためにできること』(1999年、河出書房新社)、『犯罪被害者支援は何をめざすのか』(2003年、現代人文社)と言う著書があります。
 失礼ながら犯罪被害者遺族の方が「死刑反対」「少年法適用年齢引き下げ反対」「加害者家族の支援も必要」(つまり感情的な厳罰論への反対)とはいわゆる「人が犬を噛むような数少ない話」で「ニュースバリューは大いにあり」、また内容も正論だと思います。
 しかし厳罰論の方が視聴率や部数がとれるのか、マスコミは彼のような御仁より「岡村勲名古屋闇サイト事件被害者遺族の母親のような厳罰論支持の遺族」を取り上げるわけで正直うんざりします。「岡村勲などとは人間のできがあまりにも違う」片山氏には大いに共感するのでここで紹介しておきます。そして片山氏を紹介する記事についても大いに評価します。
 なお、毎日の記事ひと:片山徒有さん=死刑廃止訴える市民会議の共同代表世話人になった - 毎日新聞は著名な賛同者としては山田監督と村山元首相の名前しか出てきませんが、活動に賛同いただいた方 | 死刑をなくそう市民会議運営委員一覧 | 死刑をなくそう市民会議で賛同者などの名前が確認できます。村山元首相以外の政治家では

(あいうえお順)
亀井静香 - Wikipedia
 元衆院議員(自民党国民新党)。村山内閣運輸相、橋本内閣建設相、自民党政調会長(小渕、森総裁時代)、国民新党代表、鳩山、菅内閣金融等担当相など歴任。
平岡秀夫 - Wikipedia
 元衆院議員(民主党)。野田内閣法相。弁護士
二見伸明 - Wikipedia
 元衆院議員(公明党)。羽田内閣運輸相。
不破哲三 - Wikipedia
 元衆院議員(日本共産党)。共産党書記局長、委員長、議長を歴任。
横路孝弘 - Wikipedia
 元衆院議員(社会党民主党)。元衆院議長。元北海道知事。弁護士

がいます。


GoTo事業の事務委託「厳正な審査を」 赤羽国交相 - 産経ニュース
 俺みたいな「安倍友への利益誘導を警戒しよう」という意見の存在を公明党の赤羽大臣もよほど気にしてるようですね。まあ、「モリカケ疑惑」「桜を見る会疑惑(安倍後援会員など身内をお手盛りで招待)」「布マスク疑惑(ユースビオ疑惑)」「給付金疑惑(電通疑惑)」で全て安倍擁護に動いた公明党の自業自得ですが。


観光支援に5者応募 7月選定 - 産経ニュース

 観光庁は29日、新型コロナウイルスで打撃を受けた業界を支援する「Go To キャンペーン」の観光事業について、事務委託先となる事業者の公募を締め切った。企業グループを含め5者から応募があった。外部の有識者を含む委員会がヒアリングを実施し、7月上旬に事業者を選定。夏休みで旅行需要が高まる8月上旬に事業を開始したい考えだ。

 「モリカケ疑惑」「桜を見る会疑惑(安倍後援会員など身内をお手盛りで招待)」「布マスク疑惑(ユースビオ疑惑)」「給付金疑惑(電通疑惑)」と「安倍友への利益誘導」の疑惑が何度も取り沙汰される安倍政権では、単純な低価格入札*3(一番価格が安いところが落札)ではなく「特別に設置した有識者委員会が、業者ヒアリングの上、価格だけで無く内容面も検討し、総合評価で決定の予定」では「不正の危険性(安倍友への利益誘導)」が今から危惧されます(まあ、野党など安倍批判派もその点は警戒してるでしょう)。
 まあ、まともな人間は「モリカケなどが叩かれた今」そう言う事は普通しませんが、安倍はまともではないので。

*1:著書『息子が人を殺しました:加害者家族の真実』(2017年、幻冬舎新書)、『家族という呪い:加害者と暮らし続けるということ』(2019年、幻冬舎新書)など

*2:有料記事なので、途中までしか読めませんが『阿部恭子氏のWOH』が主催と言うことでどういう集会かは想像がつきますし、「死刑反対」のリベラル派・片山氏なら「細部はともかく」大筋は阿部氏と同意見でしょう。

*3:まあこれだって「官製談合」などによる不正の危険はありますが