今日の産経ニュースほか(2020年7月7日分)

【正論】「大国」中国と「強国」日本の角逐 東京国際大学特命教授・村井友秀 - 産経ニュース

 日中戦争で日本軍に主要都市を占領された毛沢東はどのようにすれば「(ボーガス注:領土や人口は?)大きくて(ボーガス注:経済力や軍事力が?)弱い中国」が「(ボーガス注:領土や人口は?)小さくて(ボーガス注:経済力や軍事力が?)強い日本」に勝てるか考えた。毛沢東戦略の核心は戦争の長期化であった。

 毛沢東もそうでしょうが、「蒋介石が」ですね。当時の中国正統政府は蒋介石中華民国ですし。長期化させるとともに英米の支持を得て、英米に対日経済制裁させることで勝利を目指したわけです。その路線は小林英夫『日中戦争』が指摘するように成功しました。

 現在の日中対立は「大きくて弱い」中国政府と「小さくて強い」日本政府の角逐になっている。

 びっくり仰天ですね。今の中国のどこが「弱いのか」と思ったら

 政治体制を比較すると、(ボーガス注:一党独裁なので)国民の支持がない*1中国共産党政権は脆弱(ぜいじゃく)であり、選挙で勝利し国民の支持が証明されている*2日本政府は強靱(きょうじん)である。

だそうです。さすがに今の中国を「軍事力や経済力が弱い」とはいえず「複数政党制で無いから政治基盤が弱い」と話をすり替えてるわけです。
 ただその理屈なら何も「中国と日本」に話を限定する必要も無く「一党独裁国家より複数政党制国家の方が強い」といえるわけで、「複数政党制でさえあれば」全ての国(米英仏独イタリア、韓国、インドなどなど)が「中国より強い」わけです。どう見ても詭弁でしか無い。

 対立が長期化すれば、内外の脅威が深刻化する中国共産党政権は弱体化するだろう。

 反中国「産経」らしいですが、「秋に習主席を国賓で招く」という安倍政権のどこが「日中対立の長期化」なのか。
 もちろん「内外の脅威(内は少数民族問題や『都市と田舎の経済格差』、外は米国との経済摩擦?)が深刻化する中国共産党政権は弱体化する」という主張も「はあ?」ですが。


◆今日は何の日
 今年6月25日は朝鮮戦争勃発70周年でした | 三浦小太郎BLOG Blue Moonという三浦ではありませんが今日7/7は「日本にとってそれなりに重要な日」です。
 7月7日 - Wikipediaによれば、
 まず第一に、今日は「盧溝橋事件(1937年)」の日です。これを機に日本は日中全面戦争へ突入していきます。
 第二に「サイパン島守備隊玉砕(1944年)」の日です。サイパンの陥落によって本土空襲が激化していきます。この結果、政治的に追い詰められた東条*3首相は7月22日に内閣総辞職せざるを得なくなります。昭和天皇ら政府首脳もサイパン陥落に「敗戦」を覚悟せざるを得なくなるわけです。
 しかし国体護持にこだわった天皇が降伏するのはサイパン陥落から約1年後のことですが。


河井議員夫妻、買収後押し…自民提供1・5億円 一部「原資」か(1/2ページ) - 産経ニュース
 そりゃ普通に考えて原資でしょうし、「通常の選挙資金を大幅に超える1億5千万」なんてどうみても「河井夫婦の言いなりに金をつぎ込んだ」「河井夫婦が買収するであろう事を認識しながら容認していた」としか理解できないでしょう。
 ちなみにこの産経記事も指摘していますが、溝手氏*4への党本部からの資金提供は1500万円程度だそうです。明らかに異常な差があります。
 「当時、現職議員だった溝手氏が1500万なのに何で新人の河井案里が1億5千万も受け取るのか」「他に1億5千万も受け取ってる候補がいるのか」などと聞かれても、安倍自民にはまともに回答することは出来ないでしょう。正直に言えば「安倍総理が私怨から溝手を潰したかったから、そのためには河井夫婦の要望はできる限り何でも叶えてやった」「そもそも安倍総理は溝手なんか党候補として擁立したくなかった、だから自民2議席など、過去の実績から見て、とても無理なのに、溝手を落選させるために無理矢理河井案里を擁立した」という恥ずかしい話をするしか無いからです。
 「安倍首相が恨んでる溝手が落選して河井案里が当選すればすべてごまかせる」という甘い考えだったのでしょうが、「『安倍首相がバックにいれば怖くない』とばかりに隠す気も無いらしい河井夫妻の露骨な買収行為」「溝手陣営の河井への反撃」「そうした反撃を野党やマスコミ、検察が取り上げて追及したこと」のおかげでそうはいかなかったわけです。しかし無役時代(谷垣総裁時代)の「首相を辞めた過去の人が谷垣*5総裁を無視して勝手なことをしないで欲しい」程度の溝手発言をここまで逆恨みするとはいつもながら安倍も気が狂っています。まあ、そんな安倍をたしなめられない二階*6幹事長、岸田*7政調会長自民党執行部連中もどうしようも無い連中ですが。


【産経抄】7月7日 - 産経ニュース

 都知事の職責を全うできれば、カイロ大卒業の真偽など、誰も問題にしなくなるだろう。

 小池万歳の産経らしいですがそういうわけにはいきません。
 そもそも「コロナ感染者1日100人超」の小池が「職責を全うできるのか」も疑問ですが、小池が「卒業したこと」を疑いなく示せない限り、「学歴詐称の疑惑」は「疑惑のママ、語り継がれていく」でしょう。
 政治倫理とはそう言うもんです。
 「日中国交正常化は偉大だからロッキード事件なんかどうでもいい(田中角栄*8)」などと言う話では無い。
 

*1:当然ながらいかに独裁国家でも全く国民の支持がなかったら政権は維持できません。ルーマニアチャウシェスク政権、エジプトのムバラク政権などのように崩壊してしまいます。「中国共産党以外に支持できる政治勢力が無い」「どうせ誰が政権トップになっても同じ」という「政治的無関心」「消極的支持」を含むにせよ「一定の支持」のもとに中国共産党政権は成立しています。産経が言うほどその政治基盤は恐らく脆弱ではないし、そんなことは産経も本当は分かってるでしょう。

*2:といったところでたとえば投票率が50%なら「選挙民の25%得票すれば当選する」のだから産経が言うほど盤石の支持ではありません。棄権者はどう政権与党に好意的に見ても「政治に無関心」も含む「消極的支持」でしかありません。一方で野党もそれなりの支持を得ているわけです。

*3:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、陸軍航空総監、第二次、第三次近衛内閣陸軍大臣、首相を歴任。戦後、死刑判決。後に靖国に合祀

*4:第一次安倍内閣国家公安委員長

*5:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相自民党総裁、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)などを歴任

*6:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長

*7:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長

*8:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相