今日の産経ニュース(2020年7月18日分)

【話題の本】『戦国大名の経済学』川戸貴史著 戦争1回の準備に1億円 - 産経ニュース

 現代の貨幣価値に換算すると、刀は兵卒が持つ普及品で1本3万~4万円。槍(やり)はそれより少し高い。具足は廉価品で30万円程度。新兵器の鉄砲はおおよそ1挺50万~60万円。徒歩兵士1人の装備は、60万~70万円ほどとなる。大名の重臣クラスで1回の戦争準備に1億円程度を見込んでおり、もし敗戦して領地拡大=収入増に失敗すれば、たちまち財政危機が目前に迫ってくるシビアな時代だった。

 産経記事タイトル『戦争1回の準備に1億円』が興味深いですね。川戸*1戦国大名の経済学』(2020年、講談社現代新書)の学問的価値、評価はともかく、戦争は古今東西、いつの時代、どこの国でも「戦争能力&勝算が無ければ出来ない」というのは確かに真理でしょう。チンピラが町中で暴れるのと戦争するのはわけが違う。戦争はそう簡単にできる話では無い。
 そして戦争能力において重要なのが『武器を買ったり兵隊に飯を食わせたりする経済力』であったと。川戸『戦国大名の経済学』(2020年、講談社現代新書)の帯の文句は『銭がなくては戦はできぬ』です。「当時の最新兵器」鉄砲がわかりやすいですが、鉄砲を調達するには金がかかるわけです。まあ日本刀だって槍だって、弓矢だってただではないですが。
 あるいは農民を兵隊として徴兵すれば「農業生産に響く」危険性があったわけです。それをどうするかなどという問題もあった。
 おそらく織田信長豊臣秀吉が「天下統一した(あるいはそれに近づいた)」のも「京都や堺」といった重要な経済都市を抑えたことも大きいでしょう。彼らの武将(軍人)としての軍事的才能だけに着目するのは一面的でしょう。
 そして、戦争能力(何度も言うように経済力という側面が大きい)があって、勝算があって、勝った場合にペイするという見込みがあって初めて戦争は行われる(その見込みが常に正しいとは限らず敗戦する場合も勿論ありますが)。
 何が言いたいかと言えばもはや韓国(人)にとっては、北朝鮮は「脅威」「打倒の対象」よりもメロドラマのネタ程度のものなのだろう(たぶん日本も同じ 関川某も自分の書いたことを撤回しろとおもう) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)ということですね。もはや経済力に韓国と北朝鮮の間であまりにも差がついた以上、北朝鮮は軍事的に韓国を圧倒することなど到底無理です。戦争は今や昔以上に「武器の性能」が大きく物を言うし、高性能な武器を入手するには金がかかります。
 今の北朝鮮には勝算が無いし当然「勝った場合のペイ」などありえない。救う会などが言うような北朝鮮からの開戦など、まず起こりえない。
 そして「戦争能力=経済力」という観点から言えば、経済小国・日本が経済大国・米国相手に開戦した「太平洋戦争」は明らかに無謀だったわけです。


国民・玉木代表「国民は野党政局なんか見たくもない」 - 産経ニュース
 「希望の党騒動」などという「見たくも無い野党政局の生みの親」玉木*2がよくもいったもんです。
 確かに多くの国民は「アンチ国民民主、アンチ立民」「自公や維新、共産などの支持層」に限らず「国民民主や立民の支持層」ですら「野合では無いのか」と批判的でしょう。
 しかしその玉木は先日の都知事選では自らや馬淵*3国交相は「れいわの山本」支持、平野*4幹事長や小沢一郎*5などは「立民、共産、社民擁立の宇都宮支持」、そして前原*6民進党代表は「維新の小野」支持となり、玉木は代表でありながら「党内を一つにまとめる気概や能力が無いこと」をさらけ出しました。
 今や国民民主は支持率は最大与党自民や最大野党立民どころか、「ほぼ毎回」公明、共産、維新を下回るていたらくです。場合(調査時期や調査機関)によってはれいわや社民党を下回ることすらある。
 “支持率1%政党”国民民主党入り 山尾志桜里氏はどこへ向かうのか? | 文春オンラインと言う記事タイトルでも分かるように長い間「支持率1~2%」という低い支持率です。
 「無能でやる気の無い玉木が展望の無いまま、国民民主代表を続けるくらいなら、まだ立民と統合した方がましじゃ無いか」と思っている党所属議員や党員、党支持者は少なくないでしょう。
 だからこそ玉木も代表でありながら「立民との合同論」に上手く対抗できず政治的に追い込まれてるわけです。
1)都知事選での「山本善戦」を前提に、玉木が山本支持をしたところが、山本は3位に惨敗し、2位は宇都宮
2)大西の暴言への当初の甘い対応でれいわへの失望、批判が高まったこと
で、立民との連携論が高まっていくわけです。

 自民党甘利明*7税調会長は野党合流の動きについて「一周周って民主党。新民主党というには顔ぶれが一緒だし『再民主党』というのがいいんですかね。まあ頑張ってください」と冷たいエールを送った。

 「UR疑惑のクズがほざいてんじゃねえよ」「UR疑惑のせいで税制調査会長という党要職には就けても大臣にはもはやなれないし、党要職でももはや党三役にはなれないんじゃねえか」です。こいつにこんなことを言う資格があるとは全く思いません。また、自民党だって二階氏*8、石破氏*9などは「小沢氏らと一緒に自民を離党して新生党に参加したのに羽振りが悪くなるや、自民に復党した」いい加減な連中ですが、ここでの旧民主批判自体は一応正論でしょう。

*1:千葉経済大学准教授。著書『戦国期の貨幣と経済』(2008年、吉川弘文館)、『中近世日本の貨幣流通秩序』(2017年、勉誠出版

*2:民主党政調副会長、民進党幹事長代理、希望の党代表等を経て国民民主党代表

*3:菅内閣国交相民主党選対委員長(海江田代表時代)、民進党選対委員長(蓮舫代表時代)など歴任

*4:鳩山内閣官房長官民主党国対委員長(野田代表時代)、野田内閣文科相、国民民主党総務会長などを経て国民民主党幹事長

*5:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、自由党党首、民主党幹事長、「生活の党」代表など歴任

*6:鳩山内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相、民進党代表など歴任

*7:小渕内閣労働相、第一次安倍、福田内閣経産相麻生内閣規制改革等担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相、自民党選対委員長などを経て、現在、自民党税制調査会

*8:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)などを経て幹事長

*9:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相等歴任