今日の中国ニュース(2020年8月5日分)

戦わざる国に独立なし 戦後75年-日本は呪縛を解くべき時 楊海英 - 産経ニュース

 戦後75周年を迎えても、敗戦国の日本は未だに戦争の呪縛から解かれていない。ここでいう呪縛とは二つある。一つは、如何なる戦争も絶対悪だという偏った見方*1が根強く残っていることで、これがために日本人の思想的源泉は枯渇してしまっている*2。もう一つは、現実離れした非武装*3が蔓延り、そのために日本の国家としての国際的立場を悪くしている*4ことだ。世界史的に見て、この二つの呪縛を解かない限り、先進国から転落*5するのも時間の問題だろう。

 有料記事なのでここまでしか読めませんが「ここまででも、非常にうんざり」「楊もここまで劣化したかとげんなり」ですね。
 「日本が先進経済国から転落するとしたら」楊がここで放言してるような軍国主義的な話では無くむしろ「科学技術の問題」でしょう。
 以前も別記事で触れましたが

“科学技術強国”中国の躍進と日本の厳しい現実|まるわかりノーベル賞2018|NHK NEWS WEB
 「科学技術力をたゆまず増強させれば、中国経済はもっと発展できる」
 中国の習近平*6国家主席が繰り返し強調している言葉だ。
 いま、中国は国を挙げて科学技術力の強化に取り組んでいる。
 文部科学省の科学技術・学術政策研究所によると、2016年の中国の研究開発費は45兆円余りと、10年で3倍以上に増えている。その額は日本の倍を超え、1位のアメリカに迫る勢いだ。
(日本:18.4兆円、アメリカ:51.1兆円)
 その成果は着実に形となって現れている。
 中国の研究論文の引用数は、2006年までの3年間の平均では世界で5位だったが、2016年までの3年間では2位に上昇。同じ時期に4位から9位に下がった日本とは対照的だ。
 躍進を続ける中国の科学技術。その担い手の確保にも抜かりはない。それが「千人計画」だ。
 恵まれた環境は、外国人研究者にとって大きな魅力だ。
 中国の名門、復旦大学の服部素之教授(36)は、日本やアメリカでタンパク質の構造などを研究していたが、3年前、「千人計画」に応募して中国にやってきた。
 大学からは、教授職と、5年間で1億円以上の研究費を提供され、10人の研究員や学生を率いて研究を続けている。
「日本だと、私の同僚で私より業績がある人でも、研究室をまだ持てないという人がたくさんいます。日本だとほぼ不可能な環境なので、非常に感謝しています」
 服部さんが指摘する中国の恵まれた研究環境。その1つが、高額な実験装置を大学側が学内の研究者向けの共有の機器として購入する点だ。
 日本ではそれぞれの研究室が予算を捻出しなければならないケースが多いが、大学側で購入してもらえれば、自分の研究費を学生の経済支援や消耗品代などに充てることができる。
 一方、日本の科学技術研究はどうなっているのか。現場を歩くと、躍進を続ける中国と対照的に悲痛な声が相次いでいた。
 使えなくなる機械。減っていく研究者。いずれも背景にあるのは大学の資金不足だ。
 国は10年余り前から、競争力があると見込まれる分野に研究予算を選択的に投入。その一方で大学の運営費は減り続けている。
 静岡大学*7の場合、この13年で13億円削られた。
(H16年度:108億円、H29年度:95億円)
 危機感を募らせているのは地方大学だけではない。
「ここ数年、『先に論文を出された』と思って調べると、たいていは中国人なんです。ネイチャーやサイエンスなどの科学誌に論文を出しても、必ずっていうほど中国人に負けるんですね」
 こう話すのは、東京大学大学院理学系研究科の濡木理教授。
 濡木教授は、近年、中国の急成長を肌で感じている。
 その背景にあるのが豊富な資金力だという。
 たとえば、「クライオ電子顕微鏡」という最新鋭の装置。定価は1台10億円で、東京大学でも配備されたばかり。国内でも5台しかないが、中国ではすでに数十台も稼働しているのだ。
「研究者の数と研究費、それはすなわち設備になるわけですが、それらが大量に投入されると、どうしても負けてしまうという状況ですね。もうわれわれも抜かされていますね」
 もう1つ濡木教授が危惧しているのが、日本の将来を担う若い研究者の海外流出だ。
 実は、「千人計画」で復旦大学に移った服部素之教授は、かつての濡木教授の教え子。
 服部さんの研究室の映像を見た濡木教授は、こうつぶやいた。
「これではみんな、中国に行ってしまいますよ。こういう環境は、日本はさせてくれない。彼は中国に行ってよかったのでしょう。日本のことを考えると残念ですけど」
 中国の科学者は、日本の現状をどう見ているのか。
 中国科学院の穆栄平書記が語ったのは、日本の科学のすそ野の広さへの敬意だった。
「日本は、生命科学、化学、物理学、環境問題など、多くの分野で今も世界のリーダーです。毎年のようにノーベル賞も受賞しています。これからもっと日本と一緒に共同研究を行いたい」
 しかし、日本の科学研究の行く末が危ぶまれる中、穆書記が語るような世界のリーダーであり続けられる保証はない。

中国が科学技術で急速に日本に追いついた理由 研究者は日本の2倍、研究費は1.4倍 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
 20世紀末まで、中国の科学技術は欧米日に大きく遅れていた。それが今世紀に入るや急速に発展し、いまや日本と肩を並べ、欧米にも肉薄してきた。
 どうして中国はこのように急激な科学技術の発展を遂げたのであろうか。
 まず挙げなくてはならないのは、豊富な研究開発資金である。図表4は、2000年と2016年の主要国の研究開発費の絶対値(IMFレートによる円換算)と増加倍率を示したものである。2000年では米国の30分の1、日本の14分の1程度であった中国の研究開発費であるが、2016年では2000年比約21倍となって世界第2位となり、米国の半分近くとなっている。
 研究開発費の増大に伴い、中国のトップレベル研究室には、欧米や日本の研究室以上の実験機器、分析機器などがずらりと並んでいる。
 もう一つ、何といっても、中国の科学技術上の強みは、科学技術人材にある。図表5に示したように、2000年で70万人前後と日本と同等であった研究者数が、2016年現在で約169万人を数え、米国の約138万人(2015年)、日本の約85万人を抜いて世界一となっている。
 日本は中国との科学技術協力を積極的に実施すべきである。日本の科学技術関係者は、これまで長く中国を科学技術の発展途上国として見てきたため、対等の日中協力には抵抗があると思われる。
 しかし、このままではじり貧となり、日本の科学技術に展望は無い。

などと言う話です。
 「中国が、将来を見据えて経済発展のために、科学技術研究に多額の予算をつぎ込むなどしてるのに、日本は逆に科学予算を減らしていいのか」「服部・復旦大学教授のように日本人学者すら好待遇に惹かれて中国のスカウトに応じるような事態でいいのか」と言う話です。
 楊の与太「日本の軍事大国化」はこうした「科学技術で発展する中国と、逆に没落しかけてる日本」と言う問題を解決するどころか、目をそらせかえって、事態を悪化させる有害な物でしか無い。まあ、楊も産経も「いたずらに中国を敵視するだけ」で事態を客観的に、論理的に考える能力ないし意思がないからこうなるわけですが。

*1:侵略戦争は悪」ならともかく、どこの世界にそんな日本人がいるのか。

*2:どう「具体的に枯渇したのか」説明できる物ならしてみろという話です。

*3:社会党が最大野党だったときですら、社会党支持者ですら「社会党の非武装論」を全面支持する人間は少なかったろうし、今や最大野党の立民はそんな立場ではないのに良くもデマが飛ばせたもんです。

*4:安倍が「靖国玉串料を送る」など、戦前に無反省なことが「日本の立場を悪くしている」のに良くもデマが飛ばせたもんです。

*5:後述しますが日本は楊が言うのとは別の意味で「先進経済国から転落するのも時間の問題」となっています。

*6:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*7:単なる偶然ですが楊海英が在職しているのは静岡大学です。