今日の産経ニュース(2020年8月25日分)

差別防止へメッセージ 子供らの感染、文科相 - 産経ニュース

・メッセージは、感染者を責めるのではなく、励ますことが大切だと指摘。
・感染者への差別をめぐっては、新型コロナのクラスター(感染者集団)が発生した立正大淞南高(松江市)の生徒の写真がインターネットに出回る問題が発生。島根県は人権侵害の恐れがあるとして対応している。

1)「最近になってコロナが蔓延しだしたわけじゃ無い(当然感染者差別も以前からある)のに今更?」感あるし、文科大臣の声明なので学校限定だし
2)官僚のつくった原稿を萩生田が棒読みしてるだけだろうし
3)「武漢ウイルスなどと反中国差別暴言吐く奴を自民はなんとかしろよ(自民党議員にもそう言うバカがいる)」と思うし、といったモヤモヤ感はありますが、こうした声明自体はいいことだと思います。


大阪都構想 自民府議団は自主投票 賛否同数で集約断念 - 産経ニュース

 大阪市を廃止して特別区に再編する大阪都構想をめぐり、賛成の立場を表明していた自民党大阪府議団は25日、制度設計図にあたる協定書議案を採決する28日の府議会本会議で賛成討論を行わず、自主投票とすることを決めた。
 自民党大阪府連が17日に反対の方針を決定したことを受け、この日の会合で府議団所属の16人で投票を行ったところ、賛否がそれぞれ8人で同数となり、集約を断念した。

 ということで完全に混迷状態の自民党府議団です。いずれにせよ「維新を抱き込んで改憲するために都構想で維新を応援する」などというのは安倍の思惑にすぎず、地元の自民党はそんな立場では無いことは分かります。


「貧乏くじとは考えない」 自民・岸田政調会長、長期政権後の後継に意欲 - 産経ニュース

 長期政権後の内閣は短命とされ、実際、5年5カ月続いた小泉純一郎*1政権後の第1次安倍政権は約1年で幕を閉じた。

 産経は書きませんが、何もこれは「小泉の後の安倍*2(まあ、安倍の場合、安倍自身の劣悪さもありますが)」だけではなく「佐藤*3の後の田中*4」「中曽根*5の後の竹下*6」もそうであり、これはおそらく「偶然では無い」でしょう(もちろん「池田*7の後の佐藤」のような長期政権もありますが)。
 長期政権が「何の問題も無く万々歳」ならともかく多くの場合「だましだまし何とかやってきた」ケースが多いわけです。そのだましだましが「政権交代を機に噴出する」つうことでしょうね。
 とはいえ「今太閤(岸*8、池田、佐藤といった前任首相やライバルの福田*9が一流大学出*10のエリート官僚出身だったのに対し、田中はそうではないため)」「庶民派」などと呼ばれて就任当初は大人気だった田中が一番わかりやすいですが、田中にせよ、竹下にせよ短命政権で終わった後に結果的に「佐藤や中曽根の長期政権で生まれた歪みに潰されたのでは無いか」と後智恵で語られるのであって就任当初は誰も「短命政権」とは思ってなかったわけです。
 にもかかわらず、今現在において「安倍応援団」産経ですらこんなことを書くのは明らかに異常ですが、それは安倍の場合、佐藤や中曽根と違い「モリカケ」や「桜を見る会」など無理矢理ごまかしてる部分が多いことが「今現在ですら明白」だからこそ「政権交代を機に噴出し政権危機」と言う可能性は充分あるということが「今から予想できる」し、それを産経も認めざるを得ないと言うことでしょう。
 首相になった場合に、石破*11の場合なら干されてることを理由に「ポスト田中の三木*12」が検察のロッキード捜査を黙認したような態度もとれるでしょうが、「第二次、第三次安倍内閣外相&自民党政調会長」と「ずっと安倍べったりの岸田」ではそれも難しいでしょう。


高須院長、愛知知事リコール署名開始 名古屋市長も参加 - 産経ニュース
 このコロナ禍において「慰安婦像の展示されたあいちトリエンナーレを非難しない大村知事が許せない*13」などというこんなふざけたリコールが通るとも思えませんが、どうなることやら。むしろ「名古屋においてももちろんコロナが深刻」なのに、愛知県知事・大村氏と連携するどころか、こんな「右翼運動」にいそしんでる河村の方こそ「コロナにまともに対応する気が無いバカ市長」として市長をリコールされるべきでしょう。しかし前も書きましたが、昔は「河村の子分」扱いされていた大村氏は、意外なことに「河村とは違い」それなりにまともだったようです(大村氏に対する過大評価はしませんが)。


【河村直哉の時事論】戦後の左傾 源流は日本否定にある - 産経ニュース
 産経の言う「日本否定の左傾」とはもちろん「戦前日本批判(植民地支配批判、侵略戦争批判、国家神道批判など)」のことにすぎずマルクス主義がどうこういう話では全くありません(もちろん左派が「戦前日本に批判的なこと」は事実ですが、まともな人間なら保守派だって戦前日本なんか美化しません)。
 そして戦前日本批判なら何も社会党共産党といった左派だけでは無く「東条*14内閣商工相だった岸信介」など「戦前の戦争推進人脈を抱える自民党」においてすら一応はそれが建前だったわけです。国際社会においてはあの戦争は「日本の聖戦」などとは勿論評価されていませんので。
 靖国神社に参拝する安倍ですら「A級戦犯は犯罪者では無い。彼らは英雄だ」などとはさすがに公言できません。


立民・安住氏、首相の連続在職日数歴代単独最長「野党の責任大きい」 - 産経ニュース

 立憲民主党安住淳*15国対委員長は24日、安倍晋三首相の連続在職日数が歴代単独最長となったことについて「わが国で最も長く政権を維持してきたことに関しては、きちんと敬意を表したい」と述べた。国会内で記者団の質問に答えた。

 呆れて二の句が継げません。安倍に悪口雑言しろとは言いませんが、安倍を批判する立場の野党が何で「敬意を表するのか」。
 在任期間が長ければ敬意を表するというなら「独裁的政治」で欧米から非難される「ロシアのプーチン*16(2000年から大統領)」や「カンボジアのフン・セン*17(1985年から首相)」にも「きちんと敬意を表したい」のか。
 英国労働党やドイツ社民党だって「サッチャーやコールの長期政権」に敬意を表したりしなかったのでは無いか?
 そこは「在任期間が長かろうと我々は安倍政権を評価しない。安倍政権が長く続いたことは、むしろ国民にとって不幸だったと思う。そんな不幸を打開できなかった自分たちの無力さを国民にわびたい」とでもいったらどうなのか。
 こんな馬鹿なことを言ってるようだから、立民の支持率も上がらないし、安倍長期政権のわけです。立民のようなろくでもない政党が最大野党とは全く不愉快です。
 

【主張】連続最長政権 安定基盤生かし力尽くせ - 産経ニュース

 気がかりなのは首相の体調だ。
 2週連続の受診は異例といえる。
 第1次内閣で首相は、持病の潰瘍性大腸炎の悪化*18により約1年で退陣したことがある。首相の職務は多岐にわたるが、今はめりはりをつけて体調を整えることが大切である。

 本気で言ってるとはとても思えませんが、
1)「国会に下手に出たら野党の追及でサンドバッグになり支持率が更に落ちる、逃げるしか無い」として安倍のインチキ(体調不良を口実に野党の国会開会要求拒否)に加担してるだけなのか
2)安倍のインチキで皮肉にも「そんなに体調が悪いなら首相を辞めろよ」「せめて麻生副総理を首相代理にしたらどうか」などという形で政権支持率低下に拍車がかかること(その結果、暫定首相に麻生が就任するなど)を恐れてるのか、どっちなんでしょうか。

 長期政権を生かして、国際社会における首相の存在感は増していき、トランプ米大統領とも良好な関係を築いた。

 そもそも「日本が経済大国である」以上、首相が誰であろうと日本は国際社会でチヤホヤされます。
 安倍になってから日本の地位が向上したと言える出来事など何もない。
 「トランプと仲がいいことそれ自体」が産経にとっては「いいこと」のようですが問題は「その結果、日本の国益がどう増進されたのか」ですが、それについては語らない(語れない?)産経です。

 自由貿易を重視し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を発効させた。

 TPPの是非はともかく「TPPそれ自体」は民主党政権自体からの取り組みであり首相が安倍でなくても発効はしたでしょう。

 韓国の反日行為にはきちんと反論し対応策をとる姿勢を示した。

 おいおいですね。その「反論」「対応策」とやらは「道理にかなった物」なのか、その結果「産経の言う反日行為がなくなるなどのメリットがあったのか」と言えばいずれもノーでしょう。「ハルノートを拒否し、米国に毅然とした態度をとった(しかしその結果、1945年の敗戦)」レベルの物言いは馬鹿げています。
 そもそも「安倍政権以前」には産経の言う「反日行為」など無かったわけです。

 内政では、202年ぶり*19天皇陛下の御代(みよ)替わりを支えた。

 支えるも何も今や天皇は「国家元首では無く」彼の退位や即位にたいした社会的意味はありません。
 つうか「天皇の代替わりに立ち会った」というなら、「昭和天皇死去、現上皇天皇即位」の時の竹下内閣もそうなのですが?。
 あるいは戦前の内閣では大正天皇即位時の「西園寺内閣」や昭和天皇即位時の「若槻内閣」もそうなのですが?。
 しかし「消費税導入」など具体的施策ならともかく「天皇の代替わりに立ち会った」だけでは産経も西園寺内閣、若槻内閣、竹下内閣を評価しないでしょうに安倍だとこれです(呆)。

社会保障財源を確保するために消費税を2度にわたり引き上げた。

 社会保障費を増やしても居ないくせによくもこんなことが言えたもんです。共産党が指摘するように「法人税減税の穴埋め=消費税増税」でしょう。
 それはともかく、今回も産経は「入管法改定(移民受け入れへのシフト)」「働き方改革法」を「安倍の業績として紹介しません」でした。
 是非はともかく、いずれも重要な法制定、改定でしょうが、どちらも産経にとっては評価に値しないのでしょう。

*1:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*2:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*3:運輸次官から政界入り。吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*4:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*5:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*6:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*7:大蔵次官から政界入り。吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*8:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*9:大蔵省主計局長から政界入り。岸内閣農林相、自民党幹事長(岸、佐藤総裁時代)、政調会長(池田総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*10:岸、佐藤、福田が東大卒、池田が京大卒

*11:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*12:国民協同党書記長、委員長、片山内閣逓信相、改進党幹事長(重光総裁時代)、鳩山内閣運輸相、自民党幹事長(石橋総裁時代)、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、池田内閣経済企画庁長官、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官などを経て首相

*13:なお、大村氏の立場は「芸術作品について政治家が何か言うのは不当な政治介入の疑いがある」というもので展示内容を積極的に支持しているわけではありません。

*14:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、陸軍航空総監、第二次、第三次近衛内閣陸軍大臣、首相を歴任。戦後、死刑判決。後に靖国神社に合祀。

*15:野田内閣財務相民進党国対委員長岡田代表時代)、代表代行(蓮舫代表時代)などを経て立憲民主党国対委員長

*16:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*17:カンボジア人民革命党常任委員会委員、外相などを経て首相

*18:もちろん「安倍の言いわけ」であり、実際に体調は良くなかったのでしょうが、本当の退陣理由は勿論「支持率低下により党内からも安倍退陣希望の声が上がってきたこと」です。

*19:生前退位による代替わりは202年ぶりでしょうが、死亡による代替わり自体ならもちろん明治、大正、昭和天皇死去時にあります。