今日の中国ニュース(2020年8月28日分)

【主張】弾道ミサイル発射 中国は乱暴な挑発やめよ - 産経ニュース
 挑発と騒ぎ立てる産経ですが、日本ではこんなことよりも「コロナの脅威」が騒がれてるのだから皮肉です。産経的にはそれは「平和ボケ」なのでしょうが。


リベラル21 対中国外交はまるごとアメリカ追従で良いか(阿部治平)

 自民党習近平*1主席が年内に国賓として訪日するのに反対して、その旨を政府に申し入れた。政府はこれを拒否しなかった。

 ガス抜きのために「申し入れを受けた」だけの話であり、「だから訪日計画が撤回される」ということにはならないでしょう。

 トランプ大統領の対中強硬政策は、ほとんどこの秋の大統領選挙の劣勢を挽回するための世論対策である。有権者ナショナリズムをくすぐって、新型コロナウイルス感染防止に失敗して失った支持を取り戻そうという、権力者がよくやる手である。だが、トランプ氏が大統領に再選されたら,どうひっくり返るかわからない代物だ。

 浅井基文氏の記事トランプ&ポンペイオの中国批判発言(環球時報社説)|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページも指摘していますが、この点が「トランプの恐ろしさ」ですね。支持者受け狙い(コロナの蔓延や、産業空洞化を全て中国に責任転嫁する)で政治をしているが故に、支持者に受ければ「中国万歳」で180度政策が変わる恐れがあるし、一方で支持者に受ければ今の反中国路線がどんどんエスカレートする恐れもある。トランプ再選が適切で無い理由の一つです。

 バイデン氏の民主党政権が成立したとき、WHOへの復帰などアメリカの外交政策はかなり変わるだろう。だが対中外交は、人権や軍事問題では、むしろ強硬になる可能性がある。

 「むしろ強硬になるか」どうかはともかく、「バイデンは、トランプ支持層がバイデンを悪口雑言するほどには米中友好万歳では無いだろう」「そのことは中国側も理解していることだろう」ということは浅井基文氏の記事米中対決(「冷戦」?)は不可避か?|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページアメリカの対中敵対政策の行方|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページなども指摘しているところです。ただしバイデンの手法はトランプほど無茶苦茶ではなくなるでしょうが。しかし「ソフトであろうとも」一定の中国批判はされるだろうという話です。

 だが、もし政府が自民党国会議員の意向にそって、日本側から習近平訪日を断ったとき、それがどのくらい相手側を侮辱し体面を傷つけたことになるか、そしてそれがどのくらい深刻な影響を日中関係に与えるかわかっているだろうか。
 早い話が経済だ。中国との安定した関係なしに日本経済を考えることはできない。日本にとって中国は最大の貿易相手国で、対中貿易は総額の20%を占める
(中略)
 しかも中国に拠点を置く日系企業は他のどの国よりも多い。だから相手がどんなに専制国家であろうが、また覇権国家*2であろうが、おいそれとはこの密接な関係を解消することはできない。

 「日中経済関係は重要だ」と言う指摘には全く同感ですが、阿部治平&リベラル21一味はそう言う人間たちでは無く「ただのアンチ中国」と思っていたので意外です。

*1:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*2:浅井氏も指摘していますが、「覇権国家」の定義は何なんですかね?。浅井氏は「覇権国家」が「対外侵略」や「米ソのように世界の覇権を握ろうとすること」を意味するなら明らかに中国はそれに当たらないと批判し、「覇権国家の定義を明確にすべきだ」と批判しています。俺も全く同感です。