「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年9/2分:天を回せの巻)

加藤健の「天を回せ! ロビー活動で挑む」 : 石破茂氏の北朝鮮ハニートラップ報道
 ハニートラップとは要するに美人局のことです。過去にも「産経などウヨが親中派扱いしていた竹下*1派出身の橋本龍太郎*2」について「橋本への中国によるハニートラップ疑惑(ハニトラのせいで橋本は中国に甘いのだ)」などという誹謗を「反中国ウヨ連中」が垂れ流していたことがあるので「ああ、またか(呆)」でしかありません。もちろん石破にしても橋本氏にしても「北朝鮮(あるいは中国)のハニートラップ(美人局)」なんてことが証明されたことは無論ありません。
 まともな根拠があるのならまだしも、根拠も無く「ハニートラップ(美人局)」などというのは「そのような誹謗をされた」政治家や外国に失礼なのはもちろん、「女性蔑視」であり、『俺もそういう性接待を受けてみたいだの、男という物は例外なくそう言う性接待を喜ぶ物だ』とか言う「げすなスケベ心の露呈」といっていいでしょう。つまりはそんなことを言う奴の方が「人間性が疑われる」「お里が知れる」て奴です。
 似たような「スケベ心の露呈」としては西村真悟の暴言『「罰せられないのであれば、すべての者が強姦魔になっている。(民主党:西村政務次官の暴言は国民の迷惑である参照)』なんかもあります。全く、俺も含めて「全ての男性」が「準強姦・内柴」など「性犯罪者の同類」扱いされてはたまったものではない。
 要するに西村は「罰せられないのであれば強姦してみたい」と思う「げすなスケベ野郎(性犯罪者予備軍?)」のわけです。そういう「異常な性的価値観」を西村が持っている上に「公言しても問題ない」と考えるほど「西村が気が狂ってる」と思わない限り、西村発言は理解ができません。常人には「発言する」どころか、思いつくことすら困難な暴言を吐く西村の異常さは「極右とかそう言うレベルの代物」では明らかに無い。
 「話が少し脱線しましたが」、こういう石破への誹謗中傷を公然と主張できる一部極右(安倍信者)のキチガイぶりには心底呆れますね。これが本気で「総裁選挙において石破批判として有効」だと思ってるのか。安倍の「モリカケ」「桜を見る会」「アベノマスク」などの疑惑と比べたら何の証拠も無い石破誹謗の与太でしかありません。
 石破のどこが北朝鮮びいきなのか。石破の主張する「平壌への常駐事務所設置」をその様に理解するのはおよそ正気の沙汰ではありません。
 まあ、石破も、「産経新聞辺りが大々的に報じたのならまだしも」、実害も無い「こんな小物ウヨのタワゴト」に対して名誉毀損刑事告発民事訴訟をするほど暇人でも無いでしょうが、本来、そのような法的措置を石破に執られても文句の言えない話です。
 というか、石破が北朝鮮シンパだ、北朝鮮に政府情報など(防衛機密など)を勝手に流したりしてるかもしれないというなら「一体いつの時点でそうなのか」説明してみろという話です。
 小泉内閣防衛庁長官の時点か、福田内閣防衛相の時点か、麻生内閣農水相の時点か、自民党政調会長(谷垣総裁時代)の時点か、幹事長(第二次安倍総裁時代)の時点か。
 もちろん、その場合、「石破を要職に任命した人間(小泉氏*3、福田氏*4、麻生*5、谷垣氏*6、安倍*7)」にも「そんな北朝鮮シンパを要職に就けた」政治的責任が生じることは言うまでもありません。
 「石破が安倍に干されてから」ハニートラップというならともかく、そうでないなら「石破を幹事長などに登用した安倍」にも政治的責任が発生するわけですが、良くもこんなデタラメなことが言えたもんです。

 昨年11月20日付の拙ブログで解説したように、アメリカ政府が細川護煕*8首相に「武村正義*9官房長官北朝鮮スパイだ」と通告した事件が1994年にありました。あまり知られていませんが20世紀最大のスパイ事件の一つだと思います。

 「20世紀を代表するスパイ事件」というなら俺の思いつくのは「ゾルゲ事件」「ブラントが西ドイツ首相退任に追い込まれたギヨーム事件*10」あたりですがそれはさておき。
 もちろん「武村氏がスパイ云々」などという事実はどこにもありません。武村氏への誹謗中傷が良くもできたもんです。なお、武村氏自身はいわゆる「国民福祉税騒動」を契機に細川氏と対立関係になり、はては「敵(細川首相)の敵は味方」として自社さ連立に動くことになります。
 大体その理屈だと「細川政権以降」の村山*11・自社さ連立政権で
1)武村氏が村山内閣蔵相を務めたこと
2)「武村氏が蔵相を務めた」村山・自社さ連立政権に、自民党幹部である河野洋平*12総裁、橋本龍太郎*13政調会長(後に河野氏の総裁再選を阻止して総裁に就任)がそれぞれ、村山内閣外相、通産相として入閣したことはどう理解されるのか。
 細川首相に「武村官房長官北朝鮮スパイ」と通告したという米国政府は村山首相や河野自民党総裁、橋本自民党政調会長に「武村氏は北朝鮮スパイ」とは通告しなかったのか。それとも通告したのに村山氏や河野氏、橋本氏が無視したのか。まさか「官房長官としての入閣は問題だが蔵相としての入閣なら問題が無い」とでも強弁するのか。
 もちろん「そんな事実はそもそも無くウヨのデマ」でしかないわけです。

 石破茂氏が自民党総裁選への立候補を正式表明しました。今回勝利は難しいものの「次の首相にふさわしい人」世論調査で首位に立ち菅官房長官を大きく引き離しています。いずれ首相になる可能性が十分あり*14、これまで噂のように語り継がれてきた北朝鮮ハニトラ疑惑を徹底検証すべきと思います。
 「虎ノ門ニュース」でジャーナリスト*15の大高未貴*16先生が取り上げてくれました。
 石破氏ハニトラ疑惑を最初に報じたのは『週刊文春』2003年5月1・8日合併号「高官が私に告白した―北朝鮮で女をおねだりした『拉致議連』代議士」という上杉隆氏の記事です。
 石破氏側は「(女性との関係は)五百パーセント、千パーセントない」と反論しています。

 今や週刊文春ですら持ち出さない「17年も昔の怪しい記事」を良くも持ち出せるもんです。大体、上杉隆なんか今や事実上「ライター廃業」ですし。上杉隆 - Wikipediaによれば上杉は「N国党幹事長」というのだからその「劣化ぶり」には心底呆れます。

*1:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*2:そもそも橋本氏の出身派閥・竹下派自体が「田中角栄首相(竹下氏の親分)の日中国交正常化」以来、中国と親密な関係にある派閥です。また、日中平和友好条約を締結した福田赳夫首相(岸派出身で岸から派閥を継承)、天皇訪中時の宮沢首相(鈴木派出身で鈴木から派閥を継承)、渡辺副総理・外相(中曽根派出身で中曽根から派閥を継承)が「竹下派でないこと」でわかるように日中国交正常化以前はともかく、「日中国交正常化以降」は自民党政治家のほとんどは親中派です。「中国ビジネスは日本にとって重要」なので当たり前の話ですが

*3:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*4:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*5:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、外相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相。現在、第二~四次安倍内閣副総理・財務相

*6:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長福田内閣国交相自民党総裁、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)などを歴任

*7:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*8:熊本県知事、日本新党代表を経て首相

*9:八日市市長、滋賀県知事を経て国会議員。新党さきがけ代表、細川内閣官房長官、村山内閣蔵相を歴任

*10:ただしそれでもブラントのデタント外交が誹謗中傷され、完全に放棄されなかった辺りは「さすが西ドイツ国民は賢明(日本人としてうらやましい)」というべきでしょう。日本で同様の事件が起こった場合は、常軌を逸したデタント外交叩きが危惧されます。何せ、何の非もない田中均氏すら不当にも外務省から追放される国ですから。

*11:社会党国対委員長、委員長を経て首相

*12:新自由クラブ代表、中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官自民党総裁、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任

*13:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党幹事長(宇野総裁時代)、政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相自民党総裁などを経て首相

*14:まあ確かに仮に菅が次の首相になっても短命に終われば反動で石破首相就任の方向に行くかもしれません。

*15:というよりはもちろん極右活動家ですが

*16:著書『日韓「円満」断交はいかが?:女性キャスターが見た慰安婦問題の真実』(2014年、ワニブックスPLUS新書)、『「強欲チャンプル」沖縄の真実』(2015年、飛鳥新社)、『父の謝罪碑を撤去します:慰安婦問題の原点「吉田清治」長男の独白』(2017年、産経新聞出版)など極右著書多数