今日の産経ニュースほか(2020年9月6日分)

幼児教育無償化除外を批判 北朝鮮外務省の日本研究所 - 産経ニュース
 「幼保無償化からの除外は不当な差別」と言う指摘には全く同感なので紹介しておきます。


「モリ・カケ」批判、石破氏に野党が熱視線…共闘に期待? - 産経ニュース
 記事本文を読まなくても想像がつくでしょうが、野党と言ったところで「石破に熱視線」を送ってるのは
1)「安倍総裁万歳!」に引き続き、安倍の後継者たる菅に「菅総裁万歳!」と菅にこびを売る維新(まあ、そもそも維新は野党の名に値しませんが)でも無ければ
2)改憲派の石破に熱視線を送るわけも無い「護憲派」「左派」の共産、社民、あるいは(少なくとも現時点においては)「共産との共闘」を推進する立憲民主(立憲民主への合同を決めた国民民主議員も含む)でも無く

 国民民主党前原誠司*1元外相らは安全保障分野の勉強会で石破氏と席を並べる。国民の玉木雄一郎代表や山尾志桜里衆院議員は、憲法改正に向けた姿勢をめぐり、石破氏との親近感を隠さない。

ということで「合同に反対してニュー国民民主党をつくろうとしている連中」である玉木、前原、山尾ら「だけ」のわけです。それでこんなタイトルを付けるのは「まさに詐欺」であり、「ニュー国民民主が熱視線」とでも書いて欲しいところです。
 まさに「石破に色目を使う」ニュー国民民主連中はまさに「名実ともに第二自民」です。問題は当の石破が「支持率で最大与党・自民、最大野党・立憲民主どころか、公明、共産、維新を常に下回る支持率をたたき出すような無能な旧国民民主党執行部連中(玉木グループ)と共闘しても俺にメリットが無い」「俺に離党しろというのか?」『お前らが細野*2みたいに自民に入党申請しろよ(そうすれば石破派に入れてやる?)』と玉木らに冷たいことですが。


大阪都構想「賛成」の公明、支持層の6割近くが「反対」 - 産経ニュース
 「過大評価は禁物」ですが、ひとまずは素直に喜びたい。沖縄県知事選で「少なからぬ公明支持者」が翁長氏やデニー氏に投票して「彼らの当選に貢献した」のと同じ事態が起きる可能性があるわけですので。


都構想世論調査、吉村知事のコロナ対策「評価」が89% - 産経ニュース
支持率75・5%、圧倒的「吉村人気」危うさも - 産経ニュース
 在阪マスコミがまともに批判しないことが大きいのでしょうが、「イソジン吉村なんぞの何が支持できるのか?」とうんざりします。
 とはいえ、「吉村支持7割」ですら、「都構想支持はそこまでの支持ではない」というのも興味深い話です。さすがに「いったんぽしゃった話」を持ち出すことには維新支持者ですら疑問視する人間がいるという話です。 


大阪都構想、49・2%が賛成 反対を上回る - 産経ニュース
 正直、げんなりしますが、「過半数を超えてないこと(つまり「反対+その他(わからない、無回答)」では50.8%)」が不幸中の幸いでしょうか。今後、投票までの間、いかに「都構想の問題点」を指摘し、反対派を増やしていけるか、維新批判派の奮闘が求められているわけです。


新政権発足直後の解散言及 自民・鈴木総務会長 - 産経ニュース
 「発足直後ならご祝儀相場や清新イメージで国民をだまして解散が打てるんじゃ無いか、議席も減らないで済むんじゃ無いか」(俺の要約)とは「ふざけてる」としか言いようのない話ですね。
 「コロナに真剣に対応すべき時に何を言っているのか」という話であり、「新政権の方向性も見えない状況で何について国民に信を問うのか」と言う話でもある。最低限「首相演説と国会審議を行い、ある程度の政権の方向性が見えたこと」と「コロナの終息」がなければ解散などすべき話では無い。


【日曜に書く】「スガノミクス」を提示せよ 論説委員・井伊重之(1/3ページ) - 産経ニュース
 本文を読まなくてもタイトルだけで分かること、それは産経ですら「アベノミクスの継続」を表明するだけでは、深刻なコロナ不況が危惧される中、国民へのインパクトが弱い、つまり、もはやアベノミクスは賞味期限切れと認識していると言うことですね。


合流新党代表選出馬の枝野、泉両氏 NHKで論戦 ともに消費税減税主張 - 産経ニュース
 「党員投票否定&派閥間の談合」で総裁選前に結果が事実上、決まってる上に、それが「安倍の子分・菅(モリカケ桜を見る会、アベノマスクなど、安倍の不祥事は全て隠蔽する方針)」という醜悪極まりない自民党総裁選に比べればましとはいえ、こちらも「何だかなあ」ですね。
 立憲民主党からは「特に枝野に不満は無い」「枝野を下ろす理由が無い」としてほかの立候補はなし。
 国民民主党からは政調会長だった泉*3が名乗りを上げたとは言え、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田時代)、民進党代表代行(前原代表時代)など要職を歴任した「枝野」に比べ「人気も知名度も無く」、「国民民主党を低支持率にした元凶の一人=党執行部の一人である和泉」というのでは「枝野勝利は動かない見込み」であり、なんとも興味の生まれない代表戦です。


【花田紀凱の週刊誌ウオッチング】〈787〉総裁選「大本命」は岸田文雄? - 産経ニュース

 病身にムチ打ち、いわれなき批判を浴び続けながらの7年8カ月、安倍総理、ほんとうにお疲れさまでした。

 予想の範囲内ですが「モリカケ桜を見る会もアベノマスク(政治私物化)も、gotoトラベル批判も、とにかく安倍批判は全て言いがかり」とは全くよくもまあデタラメなことが言えたもんです。

 『週刊新潮』(9月10日号)は「日々没する国ニッポン」という11ページの大特集の中で約4ページを割いて「『菅義偉』総理への道」。菅さんの履歴中心の記事だが、おもしろかったのは一時すきま風が吹いていたという横浜の港湾荷役業「藤木企業」会長で「横浜のドン」といわれる藤木幸夫氏との手打ちの話。
 記者が「去年のインタビューでは『(菅氏は)安倍の腰巾着』と言っていたが」と聞くと、ドン慌てず騒がず、
 〈「いまでも腰巾着ですよ。腰巾着ってのは、すごい褒め言葉なんですよ。腰の巾着だよ。旅に出る時に持っていくんだよ。腰巾着が無くなったら旅は中止だよ」〉。さすがドンだ。

 おいおいですね。この藤木企業というのはぐぐれば分かりますが、昔は「藤木組」という暴力団(反社会的勢力)であり、今は「ヤクザから足を洗ってかたぎになった」と言ってるとは言え「本当にそうなのか」疑問符がつく代物です(なお、「日本最大の暴力団山口組も元々は神戸港の港湾荷役を仕切っていたし、火野葦平『花と竜』も北九州の港湾荷役ヤクザをテーマとしており、港湾荷役を仕切るヤクザは現在はともかく、過去においては珍しいものではありません)
 そんな人間と、菅(神奈川選出なので藤木企業と付き合いがあるのでしょう)が付き合いがあることについて、批判的に扱うどころか「当然扱い」とは週刊新潮も産経も花田も常軌を逸してますね。これが菅でなければさすがに批判してるでしょうが。
 まあ、さすがに花田も「横浜のドン」とは書いても「元ヤクザ」とは書けないわけですが。しかし、菅が首相になったとして、この種の反社会的勢力との付き合いをどうしていく気なんですかね?。そしてマスコミはこれらの問題をどう報道していくのか。

 『ニューズウィーク日本版』(9・8)では同誌コラムニストのグレン・カール氏が、「安倍が残した日本のレガシー」。〈安倍晋三首相の辞任は(中略)世界中の人々にとって大きな損失〉〈第2次大戦後の日本で最も成果を上げた首相〉と高く評価している。

 米国の「ニューズウィーク本家」はともかく、日本版は「SAPIO」「月刊ウイル」「月刊hanada」などとレベルの変わらないトンデモ右翼雑誌なのでこうなるわけです。
 まあ自民党支持層ですら「第2次大戦後の日本で最も成果を上げた首相」と聞かれて安倍の名を上げる人間はまず居ないでしょう。
 名が上がるのは「高度経済成長の池田勇人*4」「日韓国交正常化(1965年)、沖縄返還(1972年)の佐藤栄作*5」あたりじゃないか。


【ザ・インタビュー】舞台は「尖閣」から「北極海」へ 漫画家・かわぐちかいじさん - 産経ニュース
 「低レベルな右翼マンガしか書けないとは哀れな奴だ」ですね。初期のかわぐちにはハード&ルーズ - Wikipedia(原作付きですが)などの非右翼マンガもあったのですが、例の『沈黙の艦隊』(1988~1996年、講談社『モーニング』連載)のヒットからそういう右翼方向に特化していくわけです。


【新聞に喝!】空襲被害者を差別する「言論権力者」 元東京大学史料編纂所教授・酒井信彦(1/2ページ) - 産経ニュース

 空襲被害者の救済がなされなかった重大な責任は、明らかにメディアにあると言わざるを得ない。

 呆れて二の句が継げませんね。責任があるのはそうした救済制度を作ってこなかった自民党政治家や官僚に決まってるでしょうに、何を馬鹿なことを言ってるのか。しかもその場合の「メディア」として酒井が悪口するのは「酒井が敵視するリベラルメディア(朝日、毎日など)」だけです。むしろ「空襲被害者も救済すべきだ」と主張しているのがリベラルメディアで、産経などはそんな主張は全くしていないのですが。


【第714回・特別版】獅子奮迅の働き、安倍氏に感謝 « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所

 国際社会においても首相は果敢に提言した。最も警戒すべき中国の脅威に備えてインド太平洋戦略を打ち出した。

 「その戦略は事実上、習主席訪日(今秋予定)によって反故になっただろ」ですね。「未だに有効です」と強弁するとは全く正気では無い。

 拉致問題を政治家の責務を象徴する課題と位置づけ、拉致被害者の奪還こそ国家の当然の責務であることをその行動で示した。

 首相在任中、拉致問題での成果など何もなかったのによくもアホなことが言えたもんです。

 そして信じている。治療と休養の後に健康を取り戻した首相には、必ず三たび出番があると。

 こういう与太をためらいなく書ける櫻井と言い、ためらいなく掲載する国基研といい正気の沙汰ではありませんね。ここまで常軌を逸した持ち上げがされてるのは安倍だけでしょう。

*1:鳩山内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相、民進党代表など歴任

*2:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)、民進党代表代行(蓮舫代表時代)など歴任

*3:民進党組織委員長、希望の党国会対策委員長、国民民主党国会対策委員長等を経て国民民主党政務調査会長泉健太 - Wikipedia参照)

*4:大蔵次官から政界入り。自由党政調会長(吉田総裁時代)、吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*5:運輸次官から政界入り。自由党幹事長(吉田総裁時代)、吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相