今日の朝鮮・韓国ニュース(2020年9月7日分)

「拉致」が解決していない|【西日本新聞ニュース】(特別論説委員・永田健)

 政治家というのは結果で全てが問われるのであり、努力を評価される仕事ではない。それを大前提にして今回の話を進めたい。
 安倍晋三首相が病気を理由に退陣を表明した。(ボーガス注:病気退陣した石橋首相、首相在任中に病死した大平首相、小渕首相のように)健康を損ねることは誰にでもあるし、それで首相としての職責を果たせなくなったのは誠に気の毒である。
 ただ、安倍氏は第1次を合わせれば通算8年8カ月、政権復帰してからも7年8カ月首相の職にある。通算でも(ボーガス注:桂太郎*1首相を超え)連続でも(ボーガス注:佐藤栄作*2首相を超え)歴代最長である。(ボーガス注:安倍氏より短い在任期間の首相たちが『日ソ国交正常化(鳩山一郎*3)』『沖縄返還や日韓国交正常化(佐藤栄作)』『日中国交正常化田中角栄)』『拉致被害者5人帰国(小泉純一郎*4)』など偉業を成し遂げたことを考えれば)最初に公約したことをやるだけの時間はここまでに十分あったはずだ。
 病気退陣への同情とは別次元で「やると言ったのにやらなかった」ことへの批判はあってよいだろう。
 安倍氏北朝鮮による拉致問題を解決しないまま、首相の座を退こうとしている。これは拉致被害者家族を落胆させたのはもちろんだが、「解決」との公約を信じた国民に対しても大きな背信行為ではないのか。
 まだ日本で拉致問題が知られていなかったころから、安倍氏は被害者家族と共に活動し、拉致を国民的な問題に位置付けた。小泉純一郎首相(当時)が北朝鮮に乗り込んで金正日(キムジョンイル)総書記(当時)に拉致を謝罪させ、被害者5人の帰国に導いたのも、安倍氏拉致問題を重要な政治テーマに押し上げていたからだ。ここまでの安倍氏の功績は大きい。
 安倍氏は2012年の総選挙で「拉致問題の完全な解決」を掲げた。これまでの関わりに加え「日本を取り戻す」という強い外交姿勢をアピールする安倍氏に国民は「安倍さんなら解決してくれるのでは」と期待。その期待感が政権奪還の原動力の一つとなった。
 安倍氏拉致問題を「政権の最重要課題」と言い続けた。北朝鮮が再調査を約束した日朝ストックホルム合意、米朝首脳会談などの動きもあった。しかし、水面下の交渉具合は不明にせよ、安倍氏の首相在任期間中、拉致問題は表向きはほとんど前進していない。(ボーガス注:拉致問題について)「首相としての実績」には首をかしげざるを得ない。
 退陣会見で安倍氏は、拉致の未解決を「痛恨の極み」としながらも、自分が尽力した結果として「トランプ米大統領習近平*5中国主席、文在寅ムン・ジェイン*6韓国大統領が北朝鮮との会談で拉致問題に言及するようになった*7」と語った。しかし「人に言及してもらった」のを成果と誇るのは無理がある。
 もちろん、ここまで解決できない最大の理由は、北朝鮮の政権が不誠実なことにある*8。中国が北朝鮮に対し十分な締め付けをしなかったのも一因だろう。しかしいずれも、初めから分かっていたハードル*9である。外的要因は多々あるにせよ、結局安倍氏は小泉氏ほどの突破力を持ち得なかった*10ということになる。
 安倍氏に勧めたい。体調が回復し次第、新内閣の拉致担当大臣*11を自ら志願してはどうか。体調が回復し次第、新内閣の拉致担当大臣を自ら志願してはどうか。そして拉致問題が解決するまで、内閣が代わってもずっと担当大臣として北朝鮮や関係国との交渉の指揮*12を執るのである。それが「この人なら解決してくれる」という期待を抱かせた政治家の責任の取り方ではなかろうか。

 長いですが全文引用しました。
 「俺はたとえ病気が仮病で無くマジでも*13、安倍に同情する気など何一つ無い」「そもそも安倍の拉致公約など俺は信じてない(ただし公約した以上実現しないことは裏切りだと思う)」「小泉訪朝に安倍の貢献、功績など無い」「安倍の政権復帰はアベノミクスへの期待が中心であり拉致など関係ない」などの点(はっきり言って社交辞令でも安倍に甘すぎる)を除けば「大筋では」全く同感ですね。
 安倍が拉致問題に対して何の進展もしなかった点は、この社説が指摘するように批判されて当然です。
 そもそも奴は「その行為を好意的に評価するにせよ、否定的に評価するにせよ、どう評価するにせよ」在任中、「何の成果もなかった拉致」とは違い、「安保関連法、特定秘密保護法働き方改革法の制定」「入管法改定」「消費税増税」などを実行しています。それは素直に考えれば「安倍にとってはそれらの方が拉致より重要だった」ということでしかないでしょう。
 しかし最後の落ちはさすがに「皇民党の竹下褒め殺し(金儲けのうまい竹下さんを首相に!)」と同じようなもんで本気では無いでしょうが、横田奥さん辺りだと「全く同感です、拉致が解決するまでは、安倍さんが巨人軍終身名誉監督長嶋茂雄)ならぬ、終身拉致担当相になってほしい」とマジで言いかねません。
 なお、 「プライドがやたら高いらしい安倍」が「首相退任後に大臣をやるとも思えない」し、安倍をそこまで菅など、「ポスト安倍の有力政治家たち」が評価してるとも思えません。
 ちなみに元首相の大臣としては

【戦前】
黒田清隆
 第二次伊藤内閣逓信
山県有朋
 第二次伊藤内閣司法相
松方正義
 第二次伊藤、第二次山県内閣蔵相
高橋是清
 田中、犬養、斎藤、岡田内閣蔵相
広田弘毅
 第一次近衛内閣外相
平沼騏一郎
 第二次近衛内閣内務相
◆米内光政
 小磯、鈴木内閣海軍大臣
【戦後】
幣原喜重郎
 吉田*14内閣副総理
宮沢喜一*15
 小渕、森内閣蔵相
橋本龍太郎*16
 森内閣行革等担当相
麻生太郎*17
 第二~四次安倍内閣副総理・財務相
内閣総理大臣の一覧 - Wikipedia参照)

がいますね(天皇が任命し、必ずしも首相が政党政治家でない戦前と、「日本国憲法制定以降」は議員内閣制であり、首相全てが政党政治家の戦後とでは性格が違いますが)。また実際にはそうはなりませんでしたし、「さすがに途中で諦めた」ともされますが、田中角栄*18ロッキード事件逮捕後、いわゆる「闇将軍」と化したのも、立花隆などに寄れば「当初は安倍のような首相再登板を画策していた」とも言われます。


拉致問題に若者も関心持って 曽我ひとみさん 新潟の短大で講演 | 拉致 | NHKニュース

 新潟市明倫短期大学で行われた、県が主催する講演会で、学生およそ60人を前に講演しました。

 まあ「多ければいい」つう単純なもんでも無いですが「60人で何の意味があるんだ?」ですね。そしてまさかこの短大も「学生全員で60人」てこともないでしょうから、希望者を募集してもそれしか集まらなかったんでしょうね。
 ちなみに

明倫短期大学 (@MeirinWebmaster) | Twitter
 明倫短期大学で歯科技工士、歯科衛生士を目指そう!

ということでそう言う分野に特化した短大のようです。
 さて、「台風10号」「新型コロナ」「自民党総裁選」「立憲民主党(?)代表選」などに押されてるとは言え、まあ、こうしたニュースが全く話題を集めなくなり、拉致も本当に風化したもんですがそれはさておき。 
 「言葉を選ばず言えば」、『はあ?』『お前(曽我さん)はアホか?(横山ホットブラザーズ風に)』ですね。
 拉致問題とは「若者が関心を持てば解決する問題」ではないのだからこんなことを言うのはおかしい。

拉致被害者全員の早期救出を訴える署名を呼びかけました。

てのも「はあ?」ですね。今更「署名」もないもんです。
 「外交問題」なのだから、ストレートに「自民党政権や外務省は今まで何をやり、これからどうするのか?」と政府に聞くべき話です。

「横田さんらの長い間の活動のおかげで、私は18年前*19に帰国が果たせた。感謝の気持ちでいっぱいだ」と思いを述べました。

 いやいやまず感謝すべきは「訪朝した小泉首相」ではないのか。なんでそこで「横田滋(元家族会会長)」なんか出てくるのか。小泉首相を「ら」扱いする気なのか?
 本気でそう思ってると言うよりは恐らく家族会や救う会へのこびなのでしょうが、そんなこびをして何か意味があるのか?
 とはいえ、ここで「安倍の名前が出なかったらしいこと」は「それなりに評価したい」。あと「子どもを家族会運動にがっつり巻き込んでる」横田奥さんと違い、子どもさんたちを「こうした政治運動」に巻き込んでないらしい事(ひとみ氏個人が活動してる)には好感が持てます。まあ、この点(自分だけの政治活動で家族は巻き込んでない)は蓮池薫氏や地村保氏も同じですが。
 彼らは「子どもの自主性を重んじてる」と言うべきでしょうか。一方、横田奥さんは未だに「めぐみちゃん」と『ちゃん呼ばわりしていること』といい「子離れができてない」「子どもを自分の所有物と勘違いしてるんじゃ無いか」つう気がします。

 講演を聞いた女子学生は「実際に体験した話を聞けることは、なかなかないのでよかった。周りの人たちにも伝えていきたい」と話していました。

 伝えたければ伝えればいいですがそんなことしても拉致解決に全く関係ないですからね。まあ、荒木、島田、西岡など、救う会右翼を講師に呼ぶよりはマシですが。

*1:第3次伊藤、第1次大隈、第2次山県、第4次伊藤内閣陸軍大臣を経て首相

*2:運輸次官から政界入り。自由党幹事長(吉田総裁時代)、吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸蔵相時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*3:日本自由党総裁、日本民主党総裁を経て首相

*4:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*5:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*6:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*7:そりゃ安倍に頼まれればその程度はするでしょう。断って安倍を怒らせる理由も無い。しかし安倍から「これこれこういう方向で動いて欲しい」という具体的な指示でもない限り「安倍首相と会って話をしたらどうか」程度の抽象的なことしか言えないし、それではほとんど意味も無いでしょう。たとえば米国のキューバへの対応から、日本の北朝鮮への対応を考えてみる - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が紹介する林東源(金大中政権の高官)の話「過去に過激な盲動分子がやったことだ』という程度に認め、遺憾の意を表し、早期の帰還措置を取るのがよい」なんてのは「家族会や救う会の反発をおそれて」、小泉元首相、福田元官房長官などは「その事実を認めない」のでしょうが、普通に考えて小泉政権との入念な事前打ち合わせがあったに決まっています。小泉政権を無視してこんなことを林が言えるわけが無いし、言っても金正日も信用しない。結局、そういう「実質のある外交」は安倍には何もできなかったわけです。

*8:とは俺は思いません。不誠実なのはむしろ「特定失踪者」などという与太を野放しにする日本政府の方でしょう。その結果、北朝鮮は拉致に取り組む気を失ったわけです。

*9:「中露の支援は最初から分かっていた」は、おっしゃるとおりで、だからこそ和田春樹氏などは「経済制裁には意味が無い」と当初から指摘していました。そこで「中露が北朝鮮支援するから経済制裁がきかない、中露が許せない」といっても何の意味もありません。「中露に北朝鮮への経済支援をやめさせるか、それが無理なら、中露の北朝鮮への経済支援が続くことをを前提に動くか」しかない。

*10:それ以前に安倍にはやる気が無かったと思います。ただし米国のキューバへの対応から、日本の北朝鮮への対応を考えてみる - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が紹介する林東源(金大中政権の高官)の話「過去に過激な盲動分子がやったことだ』という程度に認め、遺憾の意を表し、早期の帰還措置を取るのがよい」なんてのは「家族会や救う会の反発をおそれて」、小泉元首相、福田元官房長官などは「その事実を認めない」のでしょうが、普通に考えて小泉政権との入念な事前打ち合わせがあったに決まっています。そう言う意味では確かに小泉氏には「突破力」があったとはいえるでしょう。

*11:拉致担当相をやってもらうなら、「当人が引き受けるとは思えない」という「現実性」を無視するなら、むしろ「小泉訪朝」の立役者である小泉元首相か福田元首相の方がいいでしょう。まあ、小泉、福田氏は「首相が家族会に忖度して自主的に動けないなら誰が拉致担当相でもどうにもならない」「バーター取引以外には現実的解決策はないと思う」「首相時代にそれができなかった私がこんなことを言うのはおこがましいが、家族会から自立した対北朝鮮外交をすべきだ」とでもいうでしょう。

*12:ホワイト国除外などで日韓関係をズタボロにした安倍に「関係国との交渉の指揮」なんかとれるわけがない。まさか西日本は「安倍が日韓関係をズタボロにしたこと」をなんとも思ってないのか。西日本にとって韓国は「拉致問題で協力を仰ぐべき関係国」ではないのか?

*13:首相臨時代理を置かないこと一つとっても仮病の疑い濃厚ですが。

*14:東久邇宮、幣原内閣外相を経て首相

*15:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相

*16:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、自民党幹事長(宇野総裁時代)、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相

*17:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、外相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*18:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*19:もう18年も経ったんだなあと思うと改めてげんなりします。