今日の産経ニュースほか(2020年9月10日分)

【評伝】村上正邦氏 憂国の士だった「参院のドン」 - 産経ニュース

 服役後は永田町に事務所を構え、政界に一定の影響力を持った。

 「KSD事件で有罪になろうが、自民を離党に追い込まれようが」ウヨ仲間の村上*1にシンパシーを感じる産経としてはこのように村上を持ち上げるわけです。正直、晩年の村上にそんな政治力があったとはとても思えませんが。
 赤旗に登場して安倍批判したことで産経が嫌ってる野中*2官房長官の方がよほど「晩年の政治力があった」でしょう。

 その真骨頂は国の行く末を憂い、自民党政治左傾化を食い止めようと努めた点にある。
 平成7年、加藤紘一政調会長らは与党社会党の意をくみ*3先の大戦侵略戦争だったとする戦後50年決議を衆参両院で通そうとした。参院幹事長の村上氏は抵抗し、参院で決議をさせなかった。国会決議化を防いだのである。自民党内にもあった夫婦別姓制度導入や外国人地方参政権付与の動きも村上氏がいればこそ鎮(しず)まった。憲法改正靖国神社参拝、皇位の男系継承の大切さを訴え続けた。

 なんて事を評価するのは産経のようなウヨだけです。それにしても加藤紘一*4自民党リベラルを左翼呼ばわりとはいつもながら呆れます。もちろん産経にとっては加藤氏だけで無く「河野談話河野洋平*5」「加藤氏、河野氏官房長官として登用した宮沢喜一*6」なども「左翼」なんでしょう。過大評価はしませんが「宮沢、加藤、河野」とそれなりにまともな政治家が幹部(総裁や幹事長など)だった自民が今や「安倍や菅が幹部」とは「共産党なども指摘していますが」、昔と比べて随分と劣化したもんだと絶句しますね。
 なお「参院では決議されなかった」という産経ですがそれは裏返せば「衆院では決議された」ということです。
 「あんたも参院幹事長としての面子があるだろうから参院決議はしなくてもいい、しかし衆院決議は認めろ。それも認めないというなら全面戦争だ」と加藤氏ら党執行部から言い出したのか、「あんたらの面子を立てて衆院決議は認めてもいい。しかし俺が参院幹事長である以上参院決議は認めない。それが嫌だというなら全面戦争だ」と村上から言い出したのかはともかく、これは産経が描き出すような単純な「村上の勝利」つう話では無いでしょう。「お互い痛み分け」だったわけです。
 なお、、「村上らが政治的に敗北したためか」産経は書いていませんが「1970年代の靖国国営化運動(勿論国営化できず)」「1990年代の天皇訪中反対運動(宮沢内閣は天皇訪中を実行)」などにも村上は関わっています。要するにゴリゴリの極右です。
 

玉木氏「選挙協力する」 合流新党に政策一致要求 - 産経ニュース
 枝野ら合流新党の側からすれば「今更ふざけんな」でしょう。さんざん「共産党を含む共闘はしたくない」と言っていたのは何だったのか。
 結局、玉木の予想以上(?)に「玉木新党」の支持率が低迷し、「菅が早期解散を打った場合は、勿論そうでなくても」、このままでは政治的に終わってしまうが、「共闘相手と考えていた」維新やれいわの態度はつれなく、細野のように自民党に入党するわけにも行かず、もちろん共産と手など組めず、結局「昔の仲間」枝野に泣きついたわけです。
 しかし、枝野からすれば「あんたと違って合流新党に入党してくれた元国民民主の連中や、あんたが共闘したくないといった『共闘相手』共産のことを考えればそんな勝手な要求が受け入れられるわけが無いだろう。大体、予想以上に支持率が低くて、単独でやっていけず、とはいえ、ウチ以外に手を組めそうなところもないから今頃になって泣きついただけだろ!」でしょうね。
 枝野も玉木に対しては好意なんか今更示す気も無いでしょう。「とにかく自民を有利にしないために一緒の党を作りましょう」という枝野の要望を「野合はしない」と足蹴にしたのは玉木の訳ですから。


合流新党代表に枝野氏 新党名「立憲民主党」 - 産経ニュース
 「菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長」などの要職を務めた枝野と違い知名度は無い、人気は無い、国民民主党執行部の一員として「国民民主党の低支持率の元凶の一人」である、と何らプラス材料の無い泉が相手では「予想通りの結末」でしかないですね。泉も良く出馬したもんだと思います。


「後任は菅氏」首相が4月に意向 田原総一朗氏が明かす - 産経ニュース
 4月時点で「安倍が退陣を決意していた」のに「8月まで引っ張る」というのは不自然であり、田原発言が本当か疑問を感じます。「安倍首相は早い段階で菅後継を考えていたのだから受け入れてくれ」という自民支持層向けの宣伝臭い気がしますが、いずれにせよ、これを田原氏が「名誉であるかのように」得意げに言ってるのが「アホと違うか」ですね。
 「これが事実だとして、」安倍のような男は「子分か味方」と見なした人間でもない限り、そういうことは言いません。つまりは安倍は田原氏を「子分か味方」と見なしていたわけであり、「政権批判派であるべきジャーナリスト」が与党政治家、それも安倍のようなゲスにそのように見なされることは汚点、恥辱でこそアレ、名誉にはなりません。


「 政治家「安倍晋三」に残された使命 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト
 安倍が首相を辞め無役になるというのに「残された使命」もないもんです。もちろんよしこは「病気が治ったら首相として三度目の再登板」だの「それが無理でも小渕、森内閣蔵相になった宮沢元首相、政界引退後の今、東京五輪組織委員会役員を務める森*7元首相などのように活躍して欲しい」などと与太飛ばすわけですが。
 まあ、「安倍信者」よしこの与太とは関係なく俺が思う「安倍に残された使命」は「安倍が自らの罪を償うこと」ですね。モリカケ桜を見る会などの不正の償いをする以外に安倍に「残された使命」などあるわけもないでしょう。


◆朝からTBS「あさチャン」で不愉快になる
 司会の夏目が「国会議員の7割前後の票を固めたと言われ、総裁就任確定とされる菅氏に対し、選挙後をにらみ最低でも2位狙いの石破氏、岸田氏の動きが注目されます(いわゆる政局報道)」だの、面白ニュースとして「三候補の名刺がメルカリで高値売買されてる(例えば日刊スポーツ『菅氏「驚いちゃう」総裁3候補の名刺メルカリ売買額』参照)」だの「政策とまるで関係ないこと」ばかりですから本当に朝から「TBSの馬鹿さ」にうんざりさせられます(TBSの名誉のために断っておけば勿論『報道特集』『サンデーモーニング』など、まともな番組もありますが)。
 「世論調査での菅の意外な高支持率」はこうしたマスコミの「くだらなさ」が明らかに助長しているでしょう。そもそも、TBS「あさチャン」の「三候補の名刺がメルカリで高値売買」て、明らかに菅氏「驚いちゃう」総裁3候補の名刺メルカリ売買額の後追いでしかないし。内容がくだらない上に、「スポーツ紙の後追い」とはなんとも恥ずかしい。

参考

日刊スポーツ『菅氏「驚いちゃう」総裁3候補の名刺メルカリ売買額
 総裁選に出馬した3候補の名刺が、ネット上で高額売買され(中略)ている。スマホアプリのメルカリでは直近の最高値は石破茂元幹事長の(ボーガス注:麻生内閣)農水大臣時代のもので、なんと「2万円」で完売済み。菅氏は官房長官の名刺が「1万2000円」、岸田氏は政調会長の名刺が「1万1500円」だった。
(中略)
 肩書が内閣総理大臣となれば、さらに高騰する可能性もある。14日の投開票へ向け、名刺バトルも注目を集めそうだ。

*1:宮沢内閣労働相、自民党参院幹事長、参院議員会長など歴任

*2:村山内閣自治相・国家公安委員長小渕内閣官房長官自民党幹事長(森総裁時代)などを歴任

*3:もちろん社会党の意向への配慮はあるでしょう。しかし『社会党政権では無い1)鈴木内閣がいわゆる教科書問題沈静化の為に、宮沢官房長官談話を出したこと、2)「韓国併合を正当化する暴言」を吐いた藤尾文相を中曽根首相が更迭したこと、3)宮沢内閣が慰安婦問題で河野官房長官談話を出したこと』などで分かるように「いつまでも戦争問題を引きずっていては中韓と友好関係が築けないし、それでは中韓相手のビジネスにも支障がある」という自民党の判断も当然あったわけです。

*4:中曽根内閣防衛庁長官、宮沢内閣官房長官自民党政調会長(河野総裁時代)、幹事長(橋本総裁時代)など歴任

*5:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任

*6:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相

*7:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相