島田洋一に突っ込む(2020年9月22日分)

島田洋一
 中共独特の制度に「執行猶予付き死刑」がある。沈黙するなら命だけは助けてやるという意味。

 「執行猶予付き死刑」は「政治犯」だけではなく「一般刑事犯」にも適用されますのでこうした島田の物言いは事実歪曲にも、ほどがあります。なお、「死刑廃止派」の俺個人は現状の日本の死刑制度を続けるよりは、「執行猶予付き死刑制度」を導入した方がましだろう(勿論ベストは死刑廃止ですが)と思っているので「執行猶予付き死刑制度」について島田のように全否定する考えはありません。
 実際、ぐぐれば分かることですが江川紹子*1「死刑の執行猶予」制度を検討しよう~15人執行の年の終わりに(江川紹子) - 個人 - Yahoo!ニュースと言う「俺と似たような見解」の記事を書いています。勿論江川氏が中国シンパでないことは言うまでも無いでしょう。

参考

「死刑の執行猶予」制度を検討しよう~15人執行の年の終わりに(江川紹子) - 個人 - Yahoo!ニュース
 実は、死刑の執行猶予制度を導入している国がある。
 中国だ。この国では、死刑判決に執行猶予がついた場合、2年後に再度の判断をする。この時に改悛の情が認められれば無期刑、場合によっては15~20年の有期刑に減刑する。
 建国初期に反革命の動きを鎮圧するために、この制度が導入されたそうだが、今では、一般刑事事件にも使われている。
 とはいえ、中国共産党のオリジナル、というわけではなさそうだ。遙か昔、唐の時代にも、死罪になった者の執行を猶予して反省を促したことはあったという。いわば、東洋の知恵と考えたらいいのではないか。
 「今のまま存置か廃止か」という100かゼロかというような二元論にとらわれず、民意を踏まえ、とりあえず死刑制度は続けるが、その内容を検討し、変えていく、という議論も必要ではないのか。

*1:著書『私たちも不登校だった』(2001年、文春新書)、『勇気ってなんだろう』(2009年、岩波ジュニア新書)、『名張毒ブドウ酒殺人事件:六人目の犠牲者』(2011年、岩波現代文庫)、『「カルト」はすぐ隣に:オウムに引き寄せられた若者たち』(2019年、岩波ジュニア新書)など