高世仁に突っ込む(2020年9/24日分)

伊藤詩織さん「世界の100人」に選出・・菅新総理は何思う? - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 なぜ高世がこんなことを書くのかと言えばもちろん菅*1が「安倍内閣官房長官」として安倍*2が画策した「伊藤さん*3レイプ事件のもみ消し」を「最低でも安倍の行為を黙認、最悪だと安倍の命令で自ら関与、実行」したからです(高世のこの記事によると例の『レイプ犯人・山口*4』とは安倍だけでなく、菅個人も親しく、菅が積極的にもみ消しに関与した疑いが濃厚だそうですが)。
 この辺りは「安倍政権からの留任組」、特に「官房長官の菅」並みに長期に渡って安倍政権を支えた二階*5幹事長、麻生*6副総理・財務相と言った連中も全く同じですが。
 結局、菅が総理になったのも「レイプもみ消し」「モリカケ」「桜を見る会」などの「麻生、菅、二階らが黙認した(場合によっては安倍の命令で自ら関与した)」安倍の数々の不正をこれからももみ消し続けるために他ならないわけです。安倍の不正はモリカケ桜を見る会、「安倍友のレイプもみ消し」が典型ですが、多くは奴の個人的不正であり、「竹下*7首相」「宮沢*8蔵相」「安倍晋太郎*9幹事長」「渡辺ミッチー*10政調会長」など「自民党幹部連が軒並み名前を連ね、彼らが政治的謹慎を余儀なくされ、その結果、それ以前は首相の可能性は失礼ながら皆無だった傍流の海部氏*11が首相になったリクルート疑惑」等とは性格が違う。
 そして、石破*12や岸田*13が首相では菅首相と違い、それら安倍の不正に「完全では無いにせよ」一定のメスが入るかもしれない。
 「三木武夫*14首相によって田中角栄*15ロッキード事件で逮捕されたようなこと(つまり三木が田中をかばわず検察の田中捜査を容認したこと)」は「二階幹事長ら安倍政権幹部連中」は避けたいわけです。
 造船疑惑において、指揮権を発動して自由党の佐藤*16幹事長、池田*17政調会長(役職は当時)を守った吉田茂*18・首相(自由党総裁)のようにとにかく菅に自分たちを守ってもらいたい。
 「ロッキードの田中逮捕」も「田中の盟友の大平*19(後に田中の支援で福田赳夫*20との一騎打ちとなった総裁選挙では福田に勝利)が総理なら逮捕は無かったんじゃ無いか」なんていわれてる。
 おそらく菅が官房長官を長く務めたのも安倍に「そうした悪事をためらいなくやれる男」と評価されたからでしょう。同じ安倍内閣官房長官でも「第一次安倍の塩崎恭久*21」「第一次安倍改造の与謝野馨*22」などではたぶん菅ほど下劣にはなれなかったでしょう。まあ与謝野氏の場合、「安倍に重用されて出世した菅」と違い、安倍政権以前から自民幹部ですからなおさら安倍の個人的不正になど関与する気は無いでしょう。
 もしかしたら第一次安倍政権崩壊での「安倍の教訓」は「第一次では事務所費疑惑で松岡農水相が自殺したのが痛かった、第二次ではとにかく不正をどんな汚い手を使ってでも、もみ消せる奴を官房長官にしよう。その点、塩崎や与謝野はダメだった」というとんでもない代物だったのでは無いか。
 にもかかわらずマスコミはろくに菅批判せず、ご祝儀相場とは言え、最近のマスコミ世論調査では菅政権支持率が60%台。
 本当に絶望的気持ちになりますが諦めずに戦うほかはないのでしょう。野党各党など批判派の奮起を期待したいところです。
 しかし、菅もいつになったら臨時国会を開いて、首相所信表明演説と野党代表質問をする気なのか。まさかとは思いますがそれをせずにご祝儀相場での解散を強行する気なのか。先週なら「組閣や党内人事で忙しかった」の言い訳もできるでしょうが、今週に入ってからはとてもそんなこと言えないでしょう。
 それはともかく、菅が「伊藤さんの選出」をどう思うかと言ったら「言うまでも無く」不愉快でしょうねえ。
 おそらくそんなことをマスコミや野党が質問したら、マジギレするのでは無いか。とはいえ野党はともかく、東京新聞の望月*23記者など「一部の根性のある記者」を除けば、そんな質問をやりそうに無い今のふぬけなマスコミですが。
 完全に自民応援団とかしてる読売グループやフジ産経グループには何も期待して這いませんが他には、もっと頑張って欲しい。
 まあ、朝日や東京新聞週刊文春などは頑張ってる方だとは思いますが(ただしリベラル派の朝日、東京と違い、文春の自民党批判はモリカケ桜を見る会など、『ウヨですらまともな人間なら容認できない不正行為』への批判に限定されますが)
 ついでにいえば、伊藤さんだけで無く、彼女と共に「世界の100人」に選ばれた大坂なおみについて聞かれても菅は不快なんじゃ無いか。
 大坂は単に「全豪オープン全米オープンで優勝した」アスリートとして選ばれたのでは無く「BLM賛同者(つまりはトランプ批判者)」として評価されたのであり、さすがに「一部ネトウヨ」のように大坂を罵倒しないにしても、「トランプ万歳」の菅にとって手放しで喜べる話でも無いでしょう。

*1:第一次安倍内閣総務相、第二~第四次安倍内閣官房長官を経て首相

*2:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*3:著書『Black Box』(2017年、文藝春秋社)

*4:元TBSワシントン支局長。著書『総理』(2017年、幻冬舎文庫

*5:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て現在、幹事長

*6:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、外相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)、首相を経て第二~四次安倍、菅内閣副総理・財務相

*7:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*8:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*9:三木内閣農林相、福田内閣官房長官自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党幹事長(竹下総裁時代)など歴任

*10:福田内閣厚生相、大平内閣農水相、鈴木内閣蔵相、中曽根内閣通産相自民党政調会長(竹下総裁時代)、宮沢内閣副総理・外相など歴任

*11:自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田、中曽根内閣文相を経て首相

*12:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*13:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)を歴任

*14:国民協同党書記長、委員長、片山内閣逓信相、改進党幹事長(重光総裁時代)、鳩山内閣運輸相、自民党幹事長(石橋総裁時代)、政調会長(岸総裁時代)、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、池田内閣経済企画庁長官、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官などを経て首相

*15:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*16:運輸次官から政界入り。自由党幹事長、吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*17:大蔵次官から政界入り。自由党政調会長、吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*18:戦前、天津総領事、奉天総領事、駐スウェーデン公使、外務次官、駐伊大使、駐英大使を歴任。戦後、東久邇宮、幣原内閣外相を経て首相

*19:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*20:大蔵省主計局長から政界入り。岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*21:第一次安倍内閣官房長官、第三次安倍内閣厚労相など歴任

*22:村山内閣文相、小渕内閣通産相自民党政調会長(小泉総裁時代)、小泉内閣経済財政担当相、第一次安倍内閣官房長官、福田、麻生内閣経済財政担当相、麻生内閣財務相たちあがれ日本共同代表、菅直人内閣経済財政担当相など歴任

*23:著書『武器輸出と日本企業』(2016年、角川新書)、『新聞記者』(2017年、角川新書)、『追及力:権力の暴走を食い止める』(森ゆうこ氏との共著、2018年、光文社新書)、『安倍政治100のファクトチェック』(南彰氏との共著、2018年、集英社新書)、『権力と新聞の大問題』(マーティン・ファクラー氏との共著、2018年、集英社新書)、 『同調圧力』(前川喜平氏、マーティン・ファクラー氏との共著、2019年、角川新書) 、『「安倍晋三」大研究』(2019年、ベストセラーズ)、『なぜ日本のジャーナリズムは崩壊したのか』(佐高信氏との共著、2020年、講談社+α新書)など