黒坂真に突っ込む(2020年9月27日分)

黒坂真
 日本共産党は、野党の政権ができたら日本有事の際、政府が日米安保条約第五条で米軍の出動を要請する事を認めるそうです。志位さんが下記で明言。日本共産党員の本音は、日米安保自衛隊が日本国家を守っている、ですね。建前で日米安保反対。左翼の本音と建前は異なる。
野党共闘から「資本主義の限界」まで/BS日テレ「深層NEWS」 志位委員長、大いに語る
◆志位
 (前略)仮に日本が有事という事態になった場合は、安保条約第5条で対応する。
◆中北(浩爾*1一橋大学大学院教授)
 米軍に出動を求めることに、共産党も賛成する?
◆志位
 政権としては(第5条での)対応を求めるということです。

 おいおいですね。志位氏の主張を「批判するにせよ肯定するにせよ」どう評価するにせよそれは「それ以外に手段がないなら米軍出動を否定はしない」と言う話にすぎません。積極的に米軍出動を主張しているわけでは無く、「建前と本音が異なる」と言う話とは違います。
 まあ、それはともかく。「建前と本音」つうならウヨ連中の「安倍評価」はどうなんだって話ですよね。さんざん「俺たちはアンチ中国だ」と言いながら事実上安倍の親中国政策(一帯一路参加表明など)を容認してるのはどういうことなのか。
 そしてさんざん黒坂が過去に「安保反対、自衛隊違憲とは日本共産党は中国に日本を侵略して欲しいのか」などと悪口していたことはどうなるのか?
 自らの過去の悪口「日本共産党は中国に日本を侵略して欲しいのか」はなかったことにしてこの物言いとはいつもながら黒坂には心底呆れます。

黒坂真
 真島省三さん*2中国共産党尖閣に侵攻したら、日本共産党は、政府が日米安保発動を米国に要請する事を認めるのですね。

 「場合によって」はそういうことになるでしょう。ただし「言うまでも無いこと」ですが、自民党政権(安倍前政権、菅現政権など)にせよ米国政権にせよ「尖閣に中国軍が侵攻し、それを日米両軍で迎え撃つ」等という事態は回避したいと思っています。
 そもそもそのような事態になった時点で「日本の外交失政」です。というわけで日米両国も、中国政権もまともなら「そうした事態を回避する方向」で動くでしょう。つまり尖閣について「中国の侵攻で米軍出動」という事態の起こる可能性は低い。

黒坂真リツイート
 吉岡正史さん。日本共産党は野党政権ができたら、日本有事に日米安保第五条に基づき、米軍の出動要請を認めます。
野党共闘から「資本主義の限界」まで/BS日テレ「深層NEWS」 志位委員長、大いに語る
◆吉岡正史
 植民地状態を、いつまで続けるのか。沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した事故も被疑者不詳で捜査を終えた。県警は乗員らの事情聴取や証拠品の提出を米側に求めたが実現しなかった。オスプレイが名護市安部の海岸に墜落した事故も被疑者不詳のまま送検され不起訴となった。
米軍機事故、繰り返される「被疑者不詳」 根本的解決遠く(琉球新報) - Yahoo!ニュース
「東村高江の民間地に米軍CH53E大型輸送ヘリコプターが不時着・炎上した事故で、県警が被疑者の氏名を特定できないまま書類送検した。炎上事故を巡っては米軍が現場を封鎖するなど、事故直後から日米地位協定の問題が露呈している。米軍は事故機や周辺の土壌を現場から持ち去り、日本政府や県の土壌採取を妨げた。米軍の報告書でも根本的な原因が解明されておらず、事故の実態が闇に葬り去られる恐れがある。県内では同様の事態が繰り返されている。」

 いつもながら「お前はアホか(横山ホットブラザーズ)」ですね。
 まず第一に黒坂ツイートは吉岡ツイートに対する批判、反論には全くなっていません。「日本有事に米軍が出動することを場合によっては容認することがあり得る、と志位氏が発言したこと」と「沖縄差別の現状(日米地位協定の問題など)」と何の関係があるのか。「日本有事の際に米軍に世話になるのだからそのくらい我慢しろ」とでも黒坂は言うのか。
 第二に志位氏が「それ以外に手段がないなら米軍出動を否定はしない」としていることは事実です。ただし、「繰り返しますが」それはあくまでも「それ以外に手段がない場合」のみです。積極的に米軍の出動を求めているわけでは無い(もちろんそれでも、日米安保批判派、特に廃止派には志位発言を批判する方はいるでしょうがそれはひとまずおきます)。
 なお、黒坂の言う「日本有事」が「ロシアの北海道侵攻」「中国の尖閣侵攻」「北朝鮮のミサイル攻撃」など、何を想定しているのか不明ですが、そもそも日本有事自体が起きる可能性が低いわけです。そもそも戦後一度もそんな米軍出動は起こっていない。
 また一方で、黒坂がリンクを張った赤旗記事において志位氏は

野党共闘から「資本主義の限界」まで/BS日テレ「深層NEWS」 志位委員長、大いに語る
志位
 私は、ASEANのような平和の地域協力の枠組みを北東アジアでもつくるという構想を持つべきだと(思います)。われわれは「北東アジア平和協力構想」を提唱していますが、北東アジアに関連する六つの国=6カ国協議を構成している国で北東アジア版のTAC(東南アジア友好協力条約)を結ぶ。米国、ロシア、中国、韓国、北朝鮮、日本が入る。この六つであらゆる問題を平和的話し合いで解決するTACのような規範をつくって、ASEAN型の流れを東アジア全体に広げるということを提唱しています。

ともしています。単純に「有事には米軍の出動でOK」と言う立場には志位氏は立っていない。

黒坂真リツイート
赤池誠章 (あかいけ まさあき)
 9月25日の自民党文科部会の議論で、朝鮮学校幼稚部への支援予算*3は来年度盛り込まれないことを確認しました。

 赤池

赤池誠章 - Wikipedia
【経歴】
◆現在、参院議員(元衆院議員)。第3次安倍内閣で文科大臣政務官
◆学校法人日本航空学園が経営する日本航空専門学校の校長を務めたことがあり、現在、選挙では全国専修学校各種学校総連合会専修学校各種学校の全国組織)の支援を受けている。
政治的主張
◆選択的夫婦別姓導入に反対。また、最高裁違憲判断を踏まえた、婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定を削除し、区別をなくす内容の2013年の民法改正に反対した。
憲法改正集団的自衛権の行使を禁じた内閣法制局憲法解釈の見直しに賛成。
◆日本の核武装について「今後の国際情勢によっては検討すべきだ」としている。
靖国神社への首相参拝について「問題ない」としている。
村山談話河野談話の見直しに賛成。2007年6月14日、ワシントン・ポストに掲載された米国下院121号決議(慰安婦決議)の全面撤回を求める広告「THE FACTS」の賛同者に名を連ねている。
前川喜平に対する調査】
 文部科学省前川喜平元次官の授業内容を報告するよう名古屋市教育委員会に求める前に、文科省に照会したのは自民党文部科学部会長の赤池と文部科学部会長代理の池田佳隆衆院議員であった。赤池は2018年2月17日に文部科学省の藤原官房長(当時、現在は事務次官)に「法令違反をした人が教壇に立てるのか」と事実確認を求めるショートメールを送ったことを認めたうえで、「法令違反をした人が公立中学の教壇に立つことは問題がないのか、確認するためだった」と説明している。中曽根内閣で文相を務めた森喜朗元首相はこの一件について「この前、前川前文部科学事務次官の講演について、自民党の文科部会長が、文科省を通じて教育委員会を調べたことがあったよね。役人にはやってよいことと悪いことがある。与党の政治家が、そんなことも知らずに役人にやらせるからマスコミにたたかれるんですよ。」と述べている。

靖国神社/「南京大虐殺」否定の映画上映/賛同者に自民・民主議員ら
靖国神社戦争博物館遊就館で八月中の企画として、戦争美化映画「南京の真実」が上映されています。
・映画では、東条英機*4松井石根*5南京大虐殺時の中支那方面軍司令官)ら(ボーガス注:死刑となったA級戦犯)を「七人の殉国者」と位置づけて美化。巣鴨プリズンで死刑執行を待つ松井らに語らせる形で、「南京大虐殺」はなかったと主張する内容になっています。
自民党からは赤池誠章稲田朋美*6大塚拓*7戸井田徹*8松本洋平*9ら七氏、民主党からは松原仁*10笠浩史*11鷲尾英一郎渡辺周*12大江康弘ら六氏、無所属は平沼赳夫*13西村真悟松下新平*14の三氏が名を連ねています。(大江、松下両氏は参院議員で、ほかは衆院議員)

文科省の前川氏授業調査/自民議員が執拗な要請 電話とメールの間にも/吉良氏「政治介入そのもの」
 日本共産党の吉良よし子*15議員は23日の参院文教科学委員会で、名古屋市立中学校での前川喜平前文部科学次官の授業をめぐり、自民党議員の働きかけを受けた文科省が同市教育委員会への執拗な調査をしたのは、「教育内容への国家的介入の抑制をうたった憲法に反する、教育への不当介入だ」と批判し、無反省な文科省林芳正文科相の姿勢をただしました。
 調査をめぐっては、自民党文科部会長の赤池誠章参院議員と、部会長代理の池田佳隆衆院議員の働きかけが発端だったことが明らかになっています。同省は、あくまでも「初等中等教育局の判断で行った」と言い張っていますが、赤池、池田両氏の問い合わせなどがあった事実を、報道されるまで隠ぺいしていました。
 吉良氏は、これら自民党議員の要請が今回の調査の動機となった可能性が強まったと指摘。さらに、同省が事前に調査内容を池田氏に示し、同氏の意見を参考に内容を一部修正した事実を示し「これこそ政治介入そのもの。文科省が主体的に政治家のいいなりになっている」と断じました。

習氏来日反対の決議提出 自民保守系グループ - 産経ニュース
 自民党有志の保守系グループ「保守団結の会」の赤池誠章代表世話人は25日、岡田直樹*16官房副長官首相官邸に訪ね、中国の習近平*17国家主席国賓来日中止を求める決議を提出した。

と言うわけで自民党文教族で『ウヨ業界(日本会議など)&ウヨ批判業界(日本共産党など)では有名な「札付きのウヨ議員」』です。
 なお、奥野*18文相(田中内閣)、藤尾文相(中曽根内閣)、森*19元首相(中曽根内閣で文相)、中山*20文科相小泉内閣)など自民党文教族議員や自民党の文科三役経験者に「安倍政権以前から」ウヨが多いのは有名な話です(福田、中曽根内閣文相を務めた海部首相のようなウヨで無い自民党文教族議員や自民党の文科三役経験者もいますが)。
 それにしても赤池

南京事件否定論の映画『南京の真実』賛同人
◆前川氏に対し調査名目での嫌がらせを実行
◆『保守団結の会』代表世話人として習主席訪日反対を主張

ですから全くもって「札付きの極右」ですね。
 「安倍の子分・菅」が首相では「赤池のようなウヨ議員がでかい面をすること」も「赤池のようなウヨ議員によって朝鮮学校差別などのウヨ施策が継続されること」も予想の範囲内ですが、日本人として「在日の方々に対する申し訳なさ、贖罪の思い」と「このような無法を阻止できない自らの無力さや、このような状況を容認する日本人多数派の愚かさへの憤りの思い」などを禁じ得ません。
 なお、「話が脱線しますが」靖国神社/「南京大虐殺」否定の映画上映/賛同者に自民・民主議員らに名前が出てくる『南京事件否定論』鷲尾(野田内閣で農水大臣政務官)は後に自民入りし、今回の菅内閣では外務副大臣に就任しています。まあ何とも恥知らずな野郎です。
 鷲尾以外にも細野*21だの長島昭久*22だの自民入りした「旧民主党連中」は山ほどいますが、だからこそ俺は旧民主党の連中は国民民主も立憲民主も信用してないしだからこそ「共産、この道しか無い」になるわけです。

*1:東京大学助手、助教授、大阪市立大学助教授、立教大学助教授、立教大学教授を経て一橋大学教授。著書『経済復興と戦後政治:日本社会党1945‐1951年』(1998年、東京大学出版会)、『一九五五年体制の成立』(2002年、東京大学出版会)、『日本労働政治の国際関係史1945-1964:社会民主主義という選択肢』(2008年、岩波書店)、『現代日本の政党デモクラシー』(2012年、岩波新書)、『自民党政治の変容』(2014年、NHKブックス)、『自民党:「一強」の実像』(2017年、中公新書)、『自公政権とは何か』(2019年、ちくま新書)など(中北浩爾 - Wikipedia参照)

*2:衆院議員。日本共産党中央委員、党福岡県委員会副委員長(真島省三 - Wikipedia参照)

*3:要するに幼保無償化の対象から不当にも除外すると言うこと。

*4:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、陸軍航空総監、第二次、第三次近衛内閣陸軍大臣、首相を歴任。映画では藤巻潤が演じた(南京の真実 - Wikipedia参照)。

*5: 台湾軍司令官、上海派遣軍司令官、中支那方面軍司令官を歴任。映画では浜畑賢吉が演じた(南京の真実 - Wikipedia参照)。

*6:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相、自民党幹事長代行(第二次安倍総裁時代)など歴任

*7:第3次安倍内閣法務大臣政務官、財務副大臣。第三次安倍内閣環境相、五輪相を務めた丸川珠代自民党参院議員の夫(大塚拓 - Wikipedia参照)。

*8:福田内閣で厚労大臣政務官(現在は議員を引退)。

*9:第4次安倍内閣で経産副大臣

*10:野田内閣国家公安委員長民主党国対委員長(海江田代表時代)など歴任

*11:菅内閣文科大臣政務官、野田内閣文科副大臣など歴任

*12:鳩山、菅内閣総務副大臣民主党選対委員長(菅代表時代)、野田内閣防衛副大臣、国民民主党副代表、幹事長代行などを経て立憲民主党幹事長代行

*13:村山内閣運輸相、森内閣通産相小泉内閣経産相たちあがれ日本代表、維新の会代表代行、次世代の党党首など歴任

*14:第二次安倍内閣国交大臣政務官、第三次安倍内閣総務副大臣を歴任

*15:現在、日本共産党常任幹部会委員

*16:福田内閣国交大臣政務官、第三次安倍内閣財務副大臣、第四次安倍内閣官房副長官などを経て菅内閣官房副長官

*17:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*18:自治事務次官から政界入り。田中内閣文相、鈴木内閣法相、竹下内閣国土庁長官など歴任。

*19:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*20:小泉内閣文科相麻生内閣国交相を歴任

*21:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)、民進党代表代行(蓮舫代表時代)など歴任

*22:鳩山、菅内閣防衛大臣政務官、野田内閣防衛副大臣希望の党政調会長地域政党未来日本」代表など歴任