「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年9/28日分:荒木和博の巻)

チャンネルAJER(ゲスト・丹羽文生拓殖大学海外事情研究所教授): 荒木和博BLOG

 チャンネルAJER、ゲストは同僚の丹羽文生・拓殖大学海外事情研究所教授です。今月4日の公開だったのですが、島根・岡山のイベントでこちらにシェアするのを忘れていました。大変失礼しました。タイトルは「湿」。日本政治が専門の丹羽教授の奥の深いお話し*1、ぜひお聞き下さい。

 13分程度の動画です。説明文で分かるように拉致はあまり関係ありません。丹羽の著書も『日中国交正常化と台湾』(2012年、北樹出版)、『「日中問題」という「国内問題」』(2018年、一藝社)ということで拉致は全く関係ない。
 「荒木は拉致に対するやる気を本心では失ってるのでは無いか」と思いますね。
 一応視聴したんですが、荒木や丹羽曰く「今は大野伴睦*2のような、義理、人情に厚い風格のある大物政治家がいない、だから拉致も解決しない」。
 つまりは今回、荒木の言う「湿」とは「大野的な義理人情の世界」を意味しているわけです。つうことで延々、大野伴睦の話がされます。
 吹き出しました。「義理、人情に厚い(後で、ウィキペディア大野伴睦』のエピソードを紹介しますが)」という辺りが荒木や丹羽が大野を高評価する理由のようですが、それはさておき。
 大野伴睦もこいつらに評価されても、まあ「迷惑千万」でしょうねえ。大野が現在、存命だとして荒木や丹羽の期待するような極右的な動きをするか疑問ですし。つうか「お前らみたいなゲス右翼が義理、人情とか、笑わせるな」「何が大野みたいな大物政治家がいないのが悪い、だ。手前らが蓮池透家族会除名、特定失踪者認定とか無茶苦茶なことやるからだろ。そもそもお前らは拉致を解決する気なんか無いだろ」つう話です。
 そして「大野のような義理、人情に厚い風格のある大物政治家がいない」ねえ。「つまり安倍前首相は大野に比べたら月とすっぽんですか?」と聞いたら何と答えてくれるのやら。
 あるいは大野伴睦 - Wikipediaによれば、安保闘争時に、自民党内で岸おろしの動きが起こり、政権危機に陥った際に、大野相手に「岸政権の運営に協力すれば、ポスト岸に指名する意思がある」と放言(その場には岸の弟・佐藤栄作*3や、大野と親しい関係にあったウヨの大物・児玉誉士夫なども同席していたと言われる)し、大野の協力を得ながら、その約束を反故にして池田*4を後継指名したあげく、

「床の間に肥溜めをおけるわけがない」(何故、「大野ではなく、池田を後継指名したのか?」という質問に対する回答。「床の間=首相ポスト」、「肥だめ=大野」のこと)

とまで大野を悪口し、大野を激怒させ、その結果、岸が首相退任パーティーで暴漢(岸の約束反故で面子を潰されたことに激怒した児玉が放った暴漢と言われる)に刺されたと聞くと大野が思わず「ざまあみろ!」と言ったという岸信介*5について「どう思うのか?」と荒木や丹羽に聞いたら何と答えてくれるのやら。話が脱線しますが、「祖父がこんな人間のクズ」ですからね。いくら何でも「首相後継指名」を餌に協力を要請した人間相手に「肥だめ呼ばわり」は酷すぎでしょう。安倍がああいう「人間のくず」になるのも無理がない気はします。
 なお、大野のように「副総裁を務めた大物政治家」といえばもちろん(?)金丸信*6がいますが、訪朝した金丸氏を荒木らウヨ連中が評価することは無いわけです。金丸氏の訪朝のおかげで「第18富士山丸船長、機関長」は解放されたのですが。

【参考:大野伴睦

大野伴睦 - Wikipedia
・「政治は義理と人情だ」という名言(?)を残し、義理人情に厚い性格から「伴睦殺すにゃ刃物はいらぬ、大義大義と云えばよい」という戯れ歌で知られた。
・義理と人情に厚いという評判から、『信憑性の怪しい人情話(都市伝説?)』に事欠かない政治家であった。
 例えば、大野の在宅時に、自宅に泥棒が入った際、外遊のために用意していた金を渡し、「今これだけしかないが、もっといるのか?」と聞いたという。泥棒は大野の思いもよらない対応に仰天し、逆に「これから一生懸命働いて、必ずこのお金をお返しに来ます」と言ったという。以上のような態度・対応をとったのは、泥棒をするのはよほど困ったことがあったのだから、できるだけのことをしてやろうという考え方があったのではないかといわれている。


鳥取県米子市周辺のお話し(9月28日のショートメッセージです): 荒木和博BLOG

荒木和博
 令和2年9月28日月曜日のショートメッセージ(Vol.178)。鳥取県米子市周辺のことについてお話ししました。11月3日には米子で「国民の集い」が行われ私もお話しに参ります。ともかく怪しい事件の多いところです。

 6分程度の動画です。
 米子市について「(北朝鮮工作員による?)怪しい事件の多いところ」よばわりとはいつもながら荒木も酷い男です。
 米子市民からすれば「根拠があるのか!」「ふざけんな!」でしょう。確かに「政府認定拉致被害者松本京子さんは米子在住(従って拉致も米子で行われたとみられる)ですが、他に「その種の事案の発生」が米子において認定されてるわけでは勿論全くありません。

特定失踪者 古都瑞子さん/とりネット/鳥取県公式サイト
・古都瑞子(ふるいち*7・みずこ)さん(当時47歳)は、1977(昭和52)年11月14日、米子市・皆生(かいけ)*8温泉街またはその周辺で失踪しました。
 古都さんは、特定失踪者問題調査会により「北朝鮮に拉致された疑いを否定できない失踪者」として公表されています。

と言う事件は荒木もこの動画で触れていますが、この失踪事件が北朝鮮拉致と疑う根拠は何もない。
 「松本京子さんと同じ米子在住だから特定失踪者認定してしまおう(荒木)」レベルのふざけた話でしか無いでしょう。
 ちなみに特定失踪者 古都瑞子さん/とりネット/鳥取県公式サイトにも書いてありますし、荒木も動画で語っていますが、米子には「皆生温泉」という「群馬・草津温泉」「静岡・熱海温泉」「大分・別府温泉」などメジャーな温泉と比べ、やや知名度の落ちる、マイナーな温泉があります。

【参考:皆生温泉

鳥取・皆生温泉に高級ホテル カニや和牛、人間国宝作品 :日本経済新聞2020/3/12
 鳥取県米子市皆生温泉に高級ホテルが誕生する。客室数は10室で、宿泊料は最高で1泊20万円程度を想定し、鳥取産ブランドのカニや和牛など高品質な食材を提供する。利用客の要望に応じて、宿泊前後の旅行プランのサポートまでを担うコンシェルジュ機能も強化する。不動産関連業の三井トラスト(広島市)の計画で、2021年春の開業を目指す。
 ホテルの名称は「やど紫苑(しおん)亭」。
 施設内の庭園は様々なコンテストで受賞歴がある坂本造園(山口市)が担う。代表の坂本利男氏はテレビ東京が全国放送していたTV番組(ボーガス注:TVチャンピオン)の日本庭園職人選手権で優勝した経歴も持つ。
 露天風呂のついた最高級特別室(2室)は専有面積が約150平方メートルで、想定する宿泊料は1人1泊2食付きで20万円。プレミアム(6室)は同15万円で、スタンダード(2室)は同5万円程度を見込む。
 東京など大都市の富裕層を中心とした利用を想定。
 美術品のギャラリーも設け、13年に鳥取県在住者として初めて重要無形文化財白磁」保持者(人間国宝)に認定された前田昭博氏の作品も展示する。本格的な茶室も用意し、地元の茶道家らが日常的に開くお茶会に宿泊客は体験参加できる。
 ホテルの売りのひとつが食事だ。京都府宮津市の高級リゾートホテルで総料理長兼総支配人を務めた大石昌彦氏を料理長として招く。冬場の漁期には県独自のズワイガニの認定ブランド「五輝星(いつきぼし)」を提供する。17年の全国品評会で鳥取県の主力種雄牛の子牛が肉質日本一になるなどブランド化が進む「鳥取和牛」も年間通して楽しんでもらう。

 もちろんこんな高級旅館は皆生温泉の主流では明らかにあり得ませんが。

山陰中央新報社|歌声で宿泊客おもてなし 米子「皆生菊乃家」の柴野社長2020年9月15日
新型コロナウイルスの影響で観光客が減少する中、鳥取県米子市皆生温泉の「皆生菊乃家」の柴野憲史社長(69)が、音楽で宿泊客らを楽しませ続けている。18年にわたり週末に旅館でライブを続け得意の歌を披露。「皆生の森進一」として知られる。9月には自身を育んだ皆生の海を題材にしたCDが完成。
・柴野社長は関西学院大学時代にギターにはまり、お客さんに楽しんでもらおうと2002年から週末や連休にライブを開く。ギターとハーモニー担当の相棒・浅井貞雄さん(64)とフォークソングを中心に披露。森進一の顔マネでの「襟裳岬」がおはこで、時には東京や大阪でのイベントでも歌う。
 皆生温泉旅館組合の組合長を務めた経験があり、温泉への愛着から「古希と皆生温泉100周年を記念したオリジナル曲を作ろう」と一念発起。境港市観光協会の妖怪レーベルの協力を得て米子市の歌手・石田光輝さんに作曲を依頼し、ポップバラード調の「ハローアゲイン」「海と話そう」の2曲入りCDを完成させた。
 12日夜には、飛沫(ひまつ)防止用のビニールを設けるなど感染防止策を施しライブを行い、(ボーガス注:中島みゆきの)「糸」や(ボーガス注:の)「海岸通り」などの名曲を披露。歌や人との出会い、海への感謝の気持ちを織り込んだ「ハローアゲイン」では、♪いつも見つめる おだやかな皆生の海へ♪などと伸びやかな声を響かせ、宿泊客から大きな拍手を受けた。
・コロナ禍の影響は今も温泉街に残り、皆生菊乃家も8月の宿泊客は前年比2割減。芝野社長は「皆生の海はわれわれの財産。コロナの前の日常が再び来る日を願い歌い続けたい」と話す。海辺の温泉郷を訪れる人への感謝の気持ちを胸にステージに立ち続けるつもりだ。
 CDは千円で皆生菊乃家で購入できる。問い合わせは皆生菊乃家、電話0859(22)6560。

*1:後述しますが「大野伴睦は義理と人情に厚かった」なんて話のどこが「奥が深い」んでしょうか?

*2:日本自由党幹事長(鳩山、吉田総裁時代)、衆院議長、吉田内閣北海道開発庁長官、自由党総務会長(吉田総裁時代)、自民党副総裁(岸、池田総裁時代)など歴任

*3:運輸次官から政界入り。吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*4:大蔵次官から政界入り。吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*5:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*6:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、中曽根内閣副総理、自民党副総裁(宮沢総裁時代)など歴任

*7:「古都」で「ふるいち」ですからねえ。難読名字というのは本当に知識が無いと全く読めません。「古都」は米子に多い名字らしいです。

*8:「皆生(かいけ)」も知識が無いとまず読めない地名ですね。