「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年9/29日分:荒木和博の巻)

黄海射殺事件の謎【調査会NEWS3339】(R02.9.29): 荒木和博BLOG
 アンチ北朝鮮、アンチ太陽政策(アンチ文政権)のウヨ荒木らしく、北朝鮮や文政権に悪口雑言ですが、少なくとも「荒木の建前上の目的」拉致解決においてこの問題は何ら関係ありません。
 俺も「韓国民ではない」ので正直、この問題については大して関心も無い(現時点では状況がよく分かりませんし)。
 「救う会の悪口」に引きずられて、小泉政権が制裁路線で「拉致敗戦」を招いたように、文政権が「右派マスコミ(朝鮮日報など)や右派野党(国民の力など)の非難」に引きずられて「北朝鮮との関係を悪化させないか」危惧はしていますが。
 もちろん「事件の経緯説明」「責任者の処罰」「再発防止策」などを北朝鮮に全く求めず、「なあなあ」で決着させるわけにも行かないでしょうが、一方でいたずらに北朝鮮を非難し、関係を悪化させるのも馬鹿げていると思いますね。


工作員の協力者について(9月29日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG

 令和2年9月29日火曜日のショートメッセージ(Vol.179)。工作員の協力者について。サムネイルのゲラは間もなく発売の月刊「正論」11月号から連載が始まる私の小説「寒い国から来た工作員」です。その中でも書いていますが、在日・あるいは日本人の協力者とはどのようなものなのかについてお話ししました。

 9分30秒程度の動画です。
 まあ、ばかばかしいですね。
 まず第一に「協力者がどうこう」言うのがばかばかしい。よほど具体的、決定的な根拠があるのならともかく、「協力者」云々などと言うことには何の意味もありません。そもそも協力者などと言う人間がいる保証もない。犯人処罰ならともかく、拉致被害者救出に話を限れば、協力者の存在など調べる必要も無い。そして、こんなことを抜かすのは在日朝鮮・韓国人(特に朝鮮総連構成員や朝鮮学校の教職員、児童など)への差別を助長しかねません。「日本人の協力者」とやらも、おそらくは「北朝鮮への経済制裁批判者」「平壌への常駐事務所設置支持者」「朝鮮学校無償化除外批判者」など荒木らウヨ連中が「北朝鮮シンパ認定した人間」に下劣な因縁つけてるだけでしょうし。
 第二に「小説って何やねん?」ですね。要するに「まともなノンフィクション」では書けない与太話、妄想を小説にしていると見ていいでしょう。
 まあ、

◆「池田*1首相の九頭竜川ダム疑惑」をネタにし、山本薩夫監督によって映画化された、石川達三金環蝕』(岩波現代文庫など)

など「実際の事件をネタにした小説」でそれなりに評価されてるもんもありますが、荒木にそんなもんが書けるわけも無い。
 それにしてもプロの小説家でもない荒木の「連載小説」ですか(まあ「百田尚樹」など、プロのウヨ作家が『娯楽性に富んだウヨ小説』を書くのもそれはそれで不愉快ですが)。読み切り小説ですら荒木の小説など読みたくありません(苦笑)。さすがに連載を掲載する正論ですら連載終了後、単行本として刊行する予定はないのでは無いか。
 しかも「寒い国から来た工作員」て(苦笑)。
 明らかに、「寒い国から帰ったスパイ」(邦題)として映画化もされたジョン・ル・カレの名作「寒い国から帰ってきたスパイ」(邦訳:ハヤカワ文庫)をもじっていますね。
 もちろん、荒木作品など、「ジョン・ル・カレ」とは「月とすっぽん」でしょうが。

【参考】

ジェームズ・ボンドと真逆の世界観!ジョン・ル・カレ映画の魅力『寒い国から帰ったスパイ』(1965年):名画プレイバック - シネマトゥデイ
 スパイ小説の大家にして、自らもイギリス秘密情報部に所属していた経歴を持つジョン・ル・カレ。1961年に小説家デビューを果たして以来、映像化作品も多く、とりわけ2000年代以降は映画化が相次いでいる。現在の活況の火付け役は、日本でも人気を博した玄人好みの『裏切りのサーカス』(2011)だろう。今年はテレビドラマシリーズ化された『ナイト・マネジャー』(2016)、『われらが背きし者』(2016)が配信、公開され、ここにきてル・カレブームの到来といっても過言ではない。その原点と言えるのが、東西冷戦下の諜報活動を描いた、ル・カレの初の映画化作品であるイギリス映画『寒い国から帰ったスパイ』(1965)だ。
 イギリス秘密情報部(ケンブリッジ・サーカス)のアレック・リーマスリチャード・バートン*2)は、東西の諜報合戦も激化する冷戦の最前線、ベルリンにおける責任者だった。だが、東ドイツの情報源だったスパイのカルル・リーメックの亡命が失敗し、ベルリンでの諜報網は壊滅。帰国したリーマスは、通称サーカスのリーダー、管理官(コントロール)から、東ドイツ諜報機関の副長官ムント(ペーター・ヴァン・アイク)を失脚に追い込むべく、密命を受ける。西側のスパイを次々と抹殺したムントこそが早急に倒すべき敵であり、リーマスの最も憎むべき相手だった。
 表向きは組織に見捨てられ、すさんだ生活を送るリーマス。職安で紹介された図書館の同僚ナン・ペリー(クレア・ブルーム*3)と恋に落ち、幸せを感じたのも束の間、東ドイツ工作員接触。舞台はオランダから東ドイツへと移り、リーマスはムントと組織内で敵対するユダヤ人のフィードラー(オスカー・ウェルナー*4)から取り調べを受け、コードネーム“転がる石”の情報を流して、フィードラーにムントが二重スパイであると告発させるに至る。ムントの裁判が開かれ、リーマスの任務は成功したかに見えたが……。
 原作はル・カレが1963年に発表し、一躍名声を高めたベストセラー小説「寒い国から帰ってきたスパイ」(翻訳:宇野利泰/早川書房)。派手なアクションはなく、リアリズムが貫かれた作風は、まさに現実のスパイとはこうなのかと苦いエピソードの連続。同時に、ル・カレ作品ではお約束とも言うべき、1度ならず読者を驚かせるドンデン返しは鮮やか。もっとも、事態の全容が明らかになってもなお、最後の瞬間までリーマスがどうなるのかはわからないので、エンドクレジットが出るまで気が抜けない。映画は、ほぼ原作通り。すべてが終わった後は、なんとも言えない無常感に襲われるあたりは社会派の要素にも優れ、メッセージ性も含めてル・カレの原作の完成度の高さを改めて思い知らされる。

*1:大蔵次官から政界入り。吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*2:1925~1984年。『寒い国から帰ったスパイ』(1965年公開)でアカデミー主演男優賞にノミネートされたが受賞は逃している(受賞は『キャット・バルー』のリー・マーヴィン(1924~1987年)(リチャード・バートン - Wikipedia参照)。

*3:1931年生まれ。チャールズ・チャップリンに見出されて映画『ライムライト』(1952年)のヒロインに抜擢された。2010年の映画『英国王のスピーチ』に、主人公ジョージ6世の母であるメアリー王太后役で出演しており、健在ぶりを示している(クレア・ブルーム - Wikipedia参照)

*4:1922~1984年。 1965年にヴィヴィアン・リーと共演した『愚か者の船』でアカデミー主演男優賞にノミネートされたが受賞は逃している(受賞は『キャット・バルー』のリー・マーヴィン(1924~1987年))(オスカー・ウェルナー - Wikipedia参照)