「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年10/2日分:荒木和博の巻)

失踪後の不審な電話(10月2日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG

 令和2年10月2日のショートメッセージ(Vol.182)。失踪者のご家族の中には失踪後不審な電話や無言電話を受けたケースが少なくありません。もちろん中にはイタズラや間違い電話もあったでしょうが、そうとばかりは受け取れないケースも多数あります。そこにどんな意味があるのかお話ししました。

 5分30秒程度の動画です。
 まあ、ばかばかしいですね。「そうとばかりは受け取れない」などというのはもちろん荒木の勝手な決めつけにすぎません。
 「いたずらや間違い電話」と見るのが一番自然でしょう。仮に「不審電話と失踪の間に関係がある」としても、それは「その失踪が北朝鮮拉致だ」と見なせる根拠には全くなりません。そもそもここで荒木がいう「失踪者」とは「国内で40人も発見された例の特定失踪者(自発的失踪が含まれる)」ですからお話になりません。
 「そこにどんな意味があるのか」。
 まあ、失踪者家族にとっては何の意味もありませんね。
 誰が何故そんな電話をしたのか、なんてことはもはやわかりません。繰り返しますが、北朝鮮工作員どころか「イタズラ電話や間違い電話」かもしれない。仮に「拉致実行犯の電話」だとしてもそれが「北朝鮮工作員」だなんて判断できる根拠はもちろん無い。そもそもその「電話の主」が誰なのかも分かりようが無い。
 荒木ら巣くう会一味も根拠レスで妄想を放言しているにすぎません。
 そんなことでは仮に「百歩譲って」
1)その失踪が「自発的失踪や事故ではなく」拉致であり
2)実行犯が北朝鮮工作員であり
3)不審電話の主もその北朝鮮工作員だとしても、その犯人が逮捕できるわけでも無ければ、拉致被害者救出に役立つわけでも無い。


横田めぐみさん拉致現場について(調査会特別検証の記録): 荒木和博BLOG

 横田めぐみさん拉致現場の話。「ショートメッセージ」などでもお伝えしていますがぜひご覧下さい。

 21分というかなり長い動画です。まあ、ばかばかしいですね。事件発生から30年以上経ってから「拉致現場と思われる場所(残念ながらここが拉致現場だという確定はできていない)」で捜査のプロでもない荒木らが「探偵ごっこ」なんかしてもわかることがあるわけもない。
 そんな「探偵ごっこ」で真実に近づくなんてのは「ミステリ小説」「ミステリードラマ」、つまりは「フィクションの世界」だけで起こる話です。フィクションなら何を描いてもいい。絵空事であることは皆分かってるわけですから。面白ければいい。
 たとえば

真犯人 (翔田寛の小説) - Wikipedia
小学館の雑誌『STORY BOX』において、2012年7月号から2013年11月号まで「誘拐時効」のタイトルで連載された。2015年10月に単行本、2018年8月に小学館文庫が刊行された。
・41年前に発生し未解決のままになっている誘拐殺人事件において二度の敗北を喫した警察が、静岡県で発生した殺人事件の捜査と合わせて威信を掛けた三度目の捜査を行うさまを描く。
 2018年秋にWOWOWの「連続ドラマW」枠でテレビドラマ化された。
◆あらすじ
 平成27年(2015年)、静岡県東名高速道路の脇で須藤勲(尾美としのり)の遺体が発見される。須藤の殺人事件を捜査する日下悟警部補(小泉孝太郎*1)は、須藤が41年前に息子を誘拐事件で亡くしたという情報を得る。日下は殺人事件と41年前の誘拐事件がつながっていると考え、誘拐事件の時効1年前に特殊捜査班の管理官として事件を再捜査し、既に警察を辞めている重藤成一郎(上川隆也)に話を聞きに行く。
 昭和49年(1974年)、三島市に引っ越してきたばかりの尾畑家の5歳の息子・守が誘拐された。犯人からの電話の録音・逆探知に失敗し、身代金の受け渡し現場にも犯人が現れなかったため、捜査は難航。事件発生から23日後、守は多摩川の水中で発見された。
 その14年後の昭和63年(1988年)、誘拐事件の時効*2まであと1年に迫っていた。重藤は新任の本部長・榛泰秀(高嶋政伸)から特別捜査班を編成して誘拐事件を再捜査することを命じられる。重藤は特別捜査班に選ばれた6名の捜査官に、直接すべての事件現場に行き、すべての事件関係者と証拠品を調べなおす「直当たり」を指示する。捜査員によって3つの筋読みが示され、それを1つに絞り込もうとしていた矢先、捜査は最悪の結末を迎えてしまう。

なんてことを書いても何一つ構わないわけです。まあ、「41年前の未解決事件が解決するなんてこと(そもそもそれ以前に普通、そんな事件を41年後に捜査しない)」も「41年後に発生した事件が、41年前の事件に関係しているなんてこと」も現実世界ではほぼありえませんが、フィクションなら問題ない。
 しかしノンフィクションの世界でそんなふざけたことが許されるわけも無いでしょう。
 さて荒木の探偵ごっこを見てみましょう。
 荒木曰く「めぐみさん失踪直後に近所で若い女性の遺体(事故死体?)が見つかったのに、横田夫妻に確認作業を依頼しなかったことがわかった。これは当時から警察が北朝鮮拉致であると認識していたことを証明しているのでは無いか?」
 ばかばかしくて話になりませんね。中学生の失踪を失踪直後に「北朝鮮拉致だ」と思うわけが無いでしょう。そして仮に「北朝鮮拉致だ」と思ったとして何故それを隠すのか。
 そもそも「そんな遺体を見せて『もしかしてめぐみは死んだのか?』と両親を悲しませること」は警察関係者の誰しも避けたいでしょう。当然ながらまず横田夫妻に見せる前に「見せる必要があるかどうか」を慎重に判断するでしょう。その結果、『見せるまでも無くめぐみさんでは無いと判断した』。それで説明がつく話です。
 どっちにしろ、そんなことと拉致被害者救出と何の関係があるのか。
 それにしても協力を求めるべき警察に向かってこんな誹謗中傷をするのだから心底呆れますね。
 次に「まーた、例の反物事案」です。「アホか?」ですね。「反物事案」と言う与太については絶句するほどひどい(拉致問題って、ここまでネタがないのかと思う) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)を紹介しておきます。
 何で「怪しい反物販売(実際に怪しいかどうかも今となっては疑問符がつきますが)」が「北朝鮮の拉致工作員」になるのか。未だかつて「怪しい反物販売員=北朝鮮の拉致工作員」なんてことは警察など公的な団体によって認定されていません。荒木ら巣くう会が、まともな根拠も無いのに勝手に放言してるだけです。
 どっちにしろそんなことと拉致被害者救出と何の関係があるのか。もちろんそんなことで北朝鮮工作員が逮捕できるわけでも無い。
 ちなみにこの探偵ごっこには家族会からは増元照明が参加していますが、どうやら「増元だけ」のようです。横田滋氏が入院したこともあるのでしょうが、当事者のはずの早紀江や「早紀江の息子」は参加しなかったようです。こんなアホな探偵ごっこをやるバカなど家族会メンバーでも「次世代の党から衆院選に出馬したトンデモ極右の増元(もちろん落選し、次世代も消滅)」ぐらいしかいないわけです。


いくつかお知らせと「法治」について(10月1日のショートメッセージです): 荒木和博BLOG

 今日発売の月刊「正論」11月号。小説の連載が始まりました。論文で書けないことも色々書いてあります。もちろん想像の産物ですが、現実とそれほどは違わないのでは。御一読いただければ幸いです。

 8分程度の動画です。まあばかばかしいですね。
 「論文では書けないことを小説に書く」てそれ、デマや妄想を書き飛ばしてると言うことでは無いのか。
 なお、動画タイトルの「法治」云々とは法治国家?【調査会NEWS3340】(R02.10.1): 荒木和博BLOGとほとんど同内容の与太なので法治国家?【調査会NEWS3340】(R02.10.1): 荒木和博BLOGを読めば、このアホ動画を見る必要は余りありません。法治国家?【調査会NEWS3340】(R02.10.1): 荒木和博BLOGについてはこの拙記事の下の部分で突っ込みコメントをしました。


法治国家?【調査会NEWS3340】(R02.10.1): 荒木和博BLOG

 日本は「法治国家」なのでしょうか。

 ここで

◆「モリカケ疑惑」「桜を見る会疑惑」「アベノマスク疑惑」「持続化給付金疑惑」「山口某のレイプもみ消し疑惑」など、安倍政権下での数々の「犯罪にも該当する疑い」濃厚な疑惑
◆つい最近の、菅による不当な「日本学術会議」委員任命拒否

などをネタに「こんなことが許されていいのか!。日本は本当に法治国家なのか!」と言うなら「安倍、菅の狂信的支持者」以外は誰も異論は無いでしょうが、荒木は勿論そう言う「まともな話」をしているわけではありません。

 例えば日米関係。(ボーガス注:ジラード事件など、)法律など無視した話はいくらでもあると思います。日米合同委員会など、「米国の言うことだから聞くしかないよね」という話ばかりでしょう。

 おいおいですね。現実の日米安保が「米兵犯罪不起訴密約(例:ジラード事件)」などで「法治主義」に反してるのなら是正すべきであって「日米安保法治主義に反してるんだから法治主義なんてどうでもいい」なんて馬鹿な話は無い。そもそも荒木は「自称愛国右翼」としてそんな米国の無法に腹が立たないのか?。中国、韓国、北朝鮮、ロシア相手には散々悪口しながら米国相手にはどれほど腰抜けでヘタレなのか(まあ、その種のヘタレは荒木だけで無く、産経、国基研、日本会議など日本のウヨのほとんどがそうですが)。
 なお、荒木の言う「日米合同委員会」については、小生は未読ですが

吉田敏浩『「日米合同委員会」の研究』(2016年、創元社
吉田敏浩『横田空域:日米合同委員会でつくられた空の壁』(2019年、角川新書)
吉田敏浩『日米戦争同盟:従米構造の真実と「日米合同委員会」』(2019年、河出書房新社

の著書があります。筆者の吉田氏には他にも

吉田敏浩『密約:日米地位協定と米兵犯罪』(2010年、毎日新聞社
吉田敏浩日米安保と砂川判決の黒い霧:最高裁長官*3の情報漏洩を訴える国賠訴訟』(2020年、彩流社

があり日米安保問題がライフワークのライターです。
 「日米合同委員会」については
赤旗
日米合同委の密約暴露 穀田議員/今も米軍が日本の空を支配 根本にある密約を暴露
も紹介しておきます。
 小生が上で触れた「米兵犯罪不起訴密約」については
米兵を起訴するのは、法相が指揮をすることらしい(それじゃ、検察だって、起訴なんかしたいわけがない) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
赤旗
米兵不起訴8割超/裁判権放棄の「密約」裏づけ/日本平和委が資料入手 2001―08年
米軍犯罪8割超不起訴/平和委入手の資料で判明/背景に地位協定と密約

特権を問う:日米関係を揺るがしたジラード事件 「密約」が阻んだ捜査 63年前の父の悔しさ - 毎日新聞
 群馬県相馬村(現榛東村)で日本を激怒させた事件が63年前にあった。日本人女性を射殺した米兵の名前からジラード事件と呼ばれ、日本側が元被告を軽い罪にするように合意した「密約」があったことがのちに指摘されている。当時の県警幹部は思うように捜査を完遂できなかった悔しさを家族に伝えていた。
 事件は1957年1月30日、榛名山麓(さんろく)の相馬ケ原米軍演習地(現・陸上自衛隊相馬原駐屯地)で起きた。ウイリアム・S・ジラード3等特技兵(当時21歳)が、近くに住む坂井なかさん(同46歳)を小銃で撃って死亡させた。
 朝鮮特需で金属が貴重だった当時、演習地の周辺住民は空薬きょうなどの鉄くずを拾って換金し、生活の足しにしていた。鉄くずを拾っていた坂井さんはジラード元被告から「ママサンダイジョウビ。タクサン、ブラス(薬きょう)、ステイ」と拙い日本語で手招きされたという。近寄ると逆に威嚇され、逃げたところを背中から撃たれた。
 坂井さんには夫と6人の子どもがおり、事件が報道されると国内世論は反米一色に染まった。
(以下略)

を紹介しておきます。
 また、「小生はいずれも未読ですが」既に紹介した◆吉田敏浩『密約:日米地位協定と米兵犯罪』(2010年、毎日新聞社)の他にも

◆布施祐仁『日米密約:裁かれない米兵犯罪』(2010年、岩波書店
◆山本英政『米兵犯罪と日米密約:「ジラード事件」の隠された真実』(2015年、明石書店

等の著書もあります。

 昭和52年(1977)9月のダッカ・ハイジャック事件は(ボーガス注:当時の福田赳夫首相が)「人命は地球より重い」とか言って法律を曲げて、というより破って(ボーガス注:いわゆる超法規的措置を)やりました。

 「それ仕方が無いよね?。あくまでも『苦渋の決断』で『例外的な措置』だよね?」て話です。ならば「人質には申し訳ないが、法は曲げられない。奥平純三大道寺あや子(以上、現在も逃亡中で国際指名手配)、浴田由紀子(後に逮捕され懲役20年の服役を経て現在は出所)、城崎勉(後に逮捕され、現在服役中)など逮捕した極左過激派メンバー釈放も身代金支払いもできない。犯罪者(赤軍グループ)の不当な要求には応じない。人質が全員殺されたとしてもやむを得ない」といって人質を見殺しにすべきだったのか。
 福田首相だって好きで「超法規的措置」をしたわけでは全くない。
 しかしダッカ事件についてのこの発言からは荒木が「拉致被害者なんか死んで構わない。絶対に北朝鮮に土産なんか出せない」と思ってることがうかがえます。こんな奴と家族会が付き合って、田中均氏や小泉元首相、蓮池透氏を敵視するような馬鹿な真似してるからいつまで経っても拉致が解決しない。家族会はとっとと荒木ら巣くう会と縁切りし蓮池氏と和解すべきです。
 なお、よど号事件の処理(佐藤内閣時代:これも超法規的措置)も荒木にとっては「人質が死んでも北朝鮮亡命を認めるべきで無かった」なんでしょうねえ。
 幸いにも「岸の実弟(佐藤)」「岸の子分(福田)」であり岸信介同様に右寄りでありながらも佐藤や福田には「荒木とは違い」人質を見殺しにしない常識があったわけですが。
 ちなみにダッカ事件では福田一法相が最後まで「いわゆる超法規的措置極左過激派メンバー解放と身代金支払い)」に反対して最終的には法相を抗議辞任しています(ダッカ日航機ハイジャック事件 - Wikipedia参照)。
 つうかむしろ荒木は拉致問題において「よど号事件やダッカ事件では人質解放のためにあえて苦渋の決断で身代金支払いなどの超法規的措置をした。拉致でも同じ事をすべきだ。バーター取引で拉致を解決するために北朝鮮を経済支援すべきだ」と何故言えないのか。
 何故「憲法の制約など無視して、自衛隊拉致被害者救出のために北朝鮮に投入しろ(憲法の制約以前に拉致被害者の居場所が分からないので投入のしようが無い)」という馬鹿なことしか言わないのか。
 いや「バーター取引で拉致を解決するために北朝鮮を経済支援すべきだ」と言えない理由はもちろん良く分かりますが「本当に荒木たち巣くう会はクズやな、お前ら拉致を解決する気ないやろ。日朝国交正常化妨害に拉致を悪用してるだけやろ」と心底呆れます。まあそんな救う会の言いなりである家族会にも心底呆れますが。

 先帝陛下の譲位(ボーガス注:表明)にしても日本国憲法や現在の皇室典範にも反したことだったはずです。しかし結局は「天皇陛下がおっしゃるんだから、そうするしかないよね」ということでそうなってしまいました。私はある意味これは「陛下のクーデター」ではないかと思っています。

 おいおいですね。
 その理屈なら明仁天皇から「君が代、日の丸強制支持発言」を引き出そうとした米長邦雄の無茶振りはどうなるのか。
 その理屈なら昭和天皇の「いわゆる沖縄メッセージ」「増原防衛庁発言問題」などの政治的言動はどうなるのか(昭和天皇というのも、時代錯誤な人だ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)、拙記事今日の産経ニュースほか(7/31分)(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログ等参照)。
 明仁天皇の退位の場合「当人が辞めたいというのに無理矢理続けさせるのもいかがな物か」と言う話であり、彼の退位表明が支持されたことの是非はともかく、「天皇の言うことだから従おう」なんて話では無い。
 極論すれば「キャンディーズ原節子都はるみ山口百恵が芸能界引退したいならもったいないけど仕方ないんじゃ無いの(ただし、都はるみキャンディーズ伊藤蘭田中好子は後に復帰)」「ちあきなおみ露口茂が表舞台に出ない(現在、事実上の引退)のは(以下略)」程度の話でしか無い。
 もちろん荒木のような明仁「退位表明」批判(天皇の政治的中立に反し、違憲の疑い)は

天皇の生前退位 「特措法」は違憲の可能性 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)
 天皇自身が強く希望し、国民の多くが支持しているとされる「生前退位」。政府は特措法での実現を目指しているが、「違憲」の指摘もある。これでいいのだろうか。
 「違憲の可能性」を指摘するのは、憲法学が専門の首都大学東京の木村草太教授だ。

澤藤統一郎の憲法日記 » 本日退位する天皇夫妻が客観的に果たした役割とは
 (ボーガス注:憲法皇室典範では)天皇生前の、退位も皇位承継も想定されていない。
 現天皇は生前の退位を希望し、内閣と国会を動かして生前退位を実現した。いわば、ロボットが自らの意思をもってロボット操縦者を逆に操ってしまったのだ。これは、由々しき事態と言わねばならない。

などでわかるように、左派を中心にありますが、荒木の場合、「あるべき天皇制」を論じたいわけでは無く、木村教授、澤藤弁護士らの批判と違い「俺が自衛隊投入論を主張して何が悪い」という強弁の前振りにすぎませんから呆れます。なお、俺個人は「昭和天皇のような、天皇個人と全く関係ない露骨な政治的発言」ではないので「一応許容範囲」だと思っています。
 さて、一方で昭和天皇や米長の行為は「前天皇明仁の退位表明」以上に「天皇の政治的中立性」に抵触する問題行為ですが、ウヨ連中はこちらは全く批判しません。どれほど荒木らウヨはデタラメなのか。
 明仁天皇の退位表明をどう評価するにせよ、重要なことは「彼は昭和天皇や米長ほど天皇の政治的中立性に無神経では無い」ということです。
 だからこそ彼はまず最初は「水面下で宮内庁経由で安倍に『退位したい』と表明した」。
 安倍を無視して退位表明などすると「違憲行為」の批判が出かねないという躊躇が彼にはあった。
 しかし退位反対の安倍が無視し続けるから彼は「退位表明を決意した」。
 その退位表明も「体力の限界なので辞めたい」という面が前面に押し出されており、彼が「違憲行為」の批判を避けたいと思ってることがよくわかります。そして彼は「退位したい」のような「彼個人に密接に関わる話」以外では政治的言動はしない。昭和天皇のように「沖縄メッセージ」など、「彼個人に関係ない政治的な話」はしない。
 荒木らが批判する天皇訪中にしても、明仁天皇は「訪問するからには日中友好に貢献したい」とはいっても訪問それ自体の是非については「民主的に選ばれた政府が決めたことで私が賛成とか反対とかいう話では無い(それは憲法の定めた天皇の政治的中立に反する)」として賛否の意思表明を絶対にしない。
 しかしこんなことを未だに言う荒木はよほど「退位反対」なんでしょう(「退位に反対しているわけでは無い」と言い訳しますが)。
 なお、安倍や前天皇が「違憲行為」の批判を恐れて「譲位(長男に地位を譲る)」と言う言葉を避け「退位」ともっぱら表明してるのに荒木がためらいなく「譲位」と言うのが興味深い。

 何しろ「法と証拠に基づいて厳正に」と言って拉致認定に抵抗する警察がDNAデータ偽装事件を起こして未だに認めていない。

 「山形の海岸で発見されたと警察が発表した特定失踪者・山本美保さんの遺体は別人の遺体だ。美保さんは北朝鮮にいる。美保さんと断定したDNA鑑定は故意の捏造だ」なんてデマがよくも言えたもんです。まともな人間なら「デマも大概にしろ」で荒木と縁切りですがそうじゃないんだから家族会には呆れます。産経ですらこんなもん「荒木との付き合い程度」で報じただけでほとんど報じない。

 総理は一昨日飯塚代表ら家族連絡会の方々に面会されました。それは良いことですが、組閣直後に特定失踪者家族会と調査会で求めた特定失踪者家族の総理との面会については全く何の返事もありません。

 「特定失踪者なんかと会うわけねえだろ、バカ。何人、特定失踪者が国内で発見されたと思ってるんだ。
足立区女性教師殺人事件 - Wikipedia(特定失踪者女性が国内で他殺体で発見された上、殺害犯人は北朝鮮と全く無関係)なんて不祥事もあったし」って話です。

 幸か不幸か今月24日の国民大集会では私の発言の時間もなくなったので、これを一つの転機として、発想と行動の転換をするべきではないかと思っている次第です。

 荒木の発言の時間が無くなったのはやはり荒木が「救う会、家族会」から「何だ、あいつは安倍前首相や菅首相の悪口ばかり言って。あんな奴に発言させる必要は無い」つう話なんですかね。西岡や島田が失脚したわけではないので手放しでは喜べませんが荒木の政治力が衰退すること自体は万々歳です。
 それにしても「これを一つの転機として、発想と行動の転換」ねえ。具体的に何をするのか言えないところが荒木は全く無様です。

*1:当初は「小泉首相の長男のお遊び(いずれ消えるだろ?)」扱いされていた彼ですが、今やドラマの主役を演じて違和感がないわけです。「政治家(小泉首相の次男である小泉環境相)が親の七光りで務まって、俳優が努力しないと務まらない」というのも「何だかなあ?」な話です。

*2:1988年当時の殺人の時効は15年です(従ってミステリにおいては、この当時に起こった事件の設定は「15年時効」設定です)。その後20年に延長され、今は殺人には時効はありません(時効が廃止された)。

*3:砂川判決時の長官・田中耕太郎のこと