今日の産経ニュースほか(2020年10月7日分)(副題:菅の学術会議議員任命拒否など)

安倍前首相、ウイグル協会から感謝状 - 産経ニュース
 呆れて二の句が継げませんね。安倍に一体何を感謝するというのか。


「教養のレベルが露見」 任命問題、学者知事が強く反発 [日本学術会議]:朝日新聞デジタル
静岡知事「学術会議人事は汚点」 - 産経ニュース
 熊本県知事の蒲島郁夫(元東大教授)も「現役の学者知事」なので記事タイトルはもっとはっきりと「川勝のことだ」とわかるタイトルにして欲しかった。なお、コメント欄で指摘があるように「現役」に話を限定しなければ「沖縄県知事だった大田昌秀氏」など、他にも学者知事がいます。

「教養のレベルが露見」 任命問題、学者知事が強く反発 [日本学術会議]:朝日新聞デジタル
 川勝知事は6人が任命されなかったことを「極めておかしなこと」とし、文部科学相や副総理が任命拒否を止めなかったことも「残念で、見識が問われる」とした。

静岡知事「学術会議人事は汚点」 - 産経ニュース
「(人選に)権力が介入したら、御用学者ばかりになる」と指摘し、政府は任命を拒否した理由をはっきり説明すべきだと強調した。

 川勝と言えば川勝平太 - Wikipediaにも書いてありますが、「自民党系知事」というにとどまらず

◆あの第一次安倍内閣教育再生会議議員をやった男
教育再生会議 - Wikipediaによれば、「川勝」以外では「中曽根に近いと言われた劇団四季浅利慶太」「京都市長門川大作*1」「安倍べったりのウヨ財界人であるJR会長・葛西敬之」「義家弘介(後に自民党衆院議員。第2次安倍内閣文科大臣政務官、第3次安倍内閣文科副大臣を歴任)」「ワタミ社長・渡邉美樹(一時、自民党参院議員)」などがメンバー(役職は全て当時)。
◆川勝は「日本最強内閣」としての閣僚には誰が最適かとする月刊文藝春秋(2009年4月号)のアンケートにて、首相に櫻井よしこ、外相に曽野綾子*2内閣官房長官中山恭子*3という3人の女性の名を挙げている。その他の閣僚としては、財務相堺屋太一*4農水相竹中平蔵*5行政改革担当相には渡辺喜美*6を挙げている。川勝は、櫻井について「憂国の士」「美しい大和撫子」と評している
→「櫻井首相」とは、冗談でも正気ではありません(他も相当に酷いですが)。2009年当時の櫻井は「日テレキャスター時代」とは違い既に極右活動家です(櫻井が国家基本問題研究所理事長に就任したのは2007年)。
◆1997年に行われた「新しい歴史教科書をつくる会」第二回シンポジウムに参加しており、2005年当時の「つくる会」の公式ページでも「つくる会」賛同者であると紹介されていた。しかし、2009年7月8日の知事就任記者会見において「賛同者か」との質問に対して「違います」と否定している。川勝は記者に対して「まず誤解を解かなければいけません。『新しい歴史教科書をつくる会』のメンバーには一度もなっておりません。あれは最初、会長になった西尾幹二という方が電話をかけてこられて、歴史教科書についてどう思うかと言われた。私(川勝)の観点では日本史と東洋史西洋史が分けられているのがおかしいと、そしてそれが選択科目になっているのがおかしいと、そういう観点での歴史教科書についての疑問があったので、教科書を見直すというのであればいいと(思ってつくる会のシンポジウムに参加した)。ところが御承知のように蓋を開けたところ特定の問題について必ずしも歴史家でない人たちが自らイデオロギーを論じる場になっていたので、一度もメンバーになっていません」と語った。
→川勝とつくる会の関係はよく分かりませんがシンポに出るというのは明らかに一線を越えています。
 川勝を「高橋史朗西尾幹二藤岡信勝八木秀次つくる会のウヨ学者」と同一視はできない一方で、川勝の件を「賛同者で無いのに賛同者だと嘘を宣伝された!」と阿川佐和子王貞治林真理子が抗議した一件と同一視することはできないでしょう。川勝は「世間的には立派(?)なウヨ」でしょう。

と言う人物です。明らかに左派では無い。そんな男ですら今回の件は「元学者」として批判せざるを得なかったわけです。
 しかし俺は川勝なら「菅を擁護するんじゃ無いか」と思っていたので意外です。菅や櫻井よしこら「ウヨ連中」も意外だったでしょうが。
 川勝は「ウヨであっても」この件で菅をかばう島田洋一黒坂真ほどのクズでは無かったようです。


元学術会議会員の猪口邦子氏「研究を社会と共有できたか、疑問は当然のこと」 - 産経ニュース
 元々は学者でも自民党議員となれば「これか」と思うと呆れますね。林健太郎*7有馬朗人*8も「今も自民党議員だったら」こうだったんでしょうか。しかしそこまでして「菅にへいこらして」議員の地位にしがみついて彼女に果たして何かメリットがあるのか。もはや「学者としての倫理観、節度を失った哀れな人間」としか扱われないでしょうし、そこまでしても彼女が自民党内で出世できるとも思えませんが(小泉内閣少子化等担当相をやったことがあるとは言え彼女はとても大物政治家とは言えないでしょう)。というか仮に出世できたとしても「学者としては終わった存在」になって何が嬉しいんでしょうか?
 「あの川勝ですら」批判してるのに。


自民、学術会議の「非政府組織化」議論も PT座長に塩谷氏 - 産経ニュース
 任命拒否を撤回すればいいだけの話で無茶苦茶言い出すのだからいつもながら心底呆れます。
 もちろん「学術会議のあり方」を検討することそれ自体は「悪いことでは無い」ですが今の菅政権では「改悪案」しか出てこないことは見え透いています。


【主張】わいせつ先生 教室に戻してはならない - 産経ニュース

わいせつ教員「復帰するな」に署名5万筆、性欲満たすために教員になる者も…… 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
 児童へのわいせつ行為で懲戒免職を受けた教師に復帰の道を残すべきか。
 子どもを性暴力からも守るために活動する全国学校ハラスメント被害者連絡会が9月28日、「わいせつ教員に教員免許を再交付しないで」とする5万4千筆超の署名を文部科学省に提出した。
 現行の教員免許法ではわいせつで懲戒免職となっても、3年後には教員免許を再取得できる。同会の共同代表を務める郡司真子さんはこう言う。
「免許再交付までの制限期間を5年へ延長することを検討との報道も一部ありましたが、延長したところで意味はありません。再交付しないでという声に対し、文科省は『職業選択の自由』を盾にしています。加害者側の社会復帰も大事かもしれませんが、トラウマを植え付けられる被害者の感情はどうなるのか。被害者の基本的人権がないがしろにされていると憤りを覚えています」
 同じく共同代表の大竹宏美さんはこう話す。
「児童に対するわいせつはアルコールなどの依存症に似ているのかなと思っているので、対象が近くにあれば、それが引き金となります。アルコールなどと違うのは、被害を受ける相手がいるということ。わいせつ教員を子どもに近づけてはならないんです」
 萩生田光一文科相は9月29日の会見で、「私個人は、わいせつ教員は教壇には戻さないという方向を目指して法改正をしていきたい」と語り、文科省の担当者は「法制上可能な、最大限のところを検討している」と話した。
 郡司さんは言う。
「署名提出はあくまで第一歩を踏み出しただけ。きちんと法改正がなされるまで注視していきたい」

などという動きを受けての産経社説です。
 まあ、なかなか難しいですね。
 小生も「わいせつ教員を教育現場に戻したくない」という気持ち(特に被害児童や保護者)は「人の情」として分からないでも無い。教育現場での性犯罪など言うまでも無くあってはならないことです。
 ただし仮に「教育現場には戻らなくても」社会には戻るわけです。
今日の産経ニュース(1/28分)ほか - bogus-simotukareのブログで「家栽の人」の

漫画「家栽の人」 裁判官・桑田は植物を愛し、罪を犯した少年達へも優しい眼差しで接していましたね。 - Middle Edge(ミドルエッジ)
・「どんなに長い処分を与えても、(ボーガス注:死刑や無期懲役に当たるような罪でない限り、非行を犯した)少年は社会に戻ってくるんです。誰かの隣に住むんですよ。そのときに彼が笑って暮らせる可能性を探すのが私たち裁判官の仕事じゃないでしょうか?」

と言う言葉を紹介しましたが同じ事は性犯罪者にも言えます。
 「無期刑や死刑が出ることが多い」強姦殺人でもない限り、性犯罪ではいずれ出所します(例:柔道の内柴)。
 その時に「その性犯罪者の更生、社会復帰をどうアシストしていくか」と言うこと抜きで「児童・生徒対象の性犯罪の前科がある人間を教育現場に戻すな(そもそも免許を剥奪して二度と取得できないようにしろ)」という話ばかりがされることには危惧を感じますね。仮に「教壇には立たせない」にせよ「社会から抹殺はできない」わけで、「教壇に立たせない」という「アシストなしの排除」だけでは「教育現場以外で性犯罪が起こるだけ」でしょう。
 産経以外でも
わいせつ教員 教壇に立たせない対策を急げ : 社説 : 読売新聞オンライン
<社説>教員による性暴力 完全な免許失効が道理だ - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
と「教壇に立たせるな」という話ばかりしてる新聞が多いですが「非常にがっかり」ですね。
 とはいえ<社説>教員による性暴力 完全な免許失効が道理だ - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

 教員免許は完全失効とし、大学教育をすべて履修し直す。さらに加害者更正プログラムなどの必須化や、保護司のような制度の活用により、一定期間を観察下に置くなど、厳格な手続きが必要だ。

なので(かなりハードルが高い上にそこまでハードルを高くしていいのかという問題があるとは言え)「教員としての復帰」を全否定しているわけではありません。その点はそうしたことにまるで触れない「教員としての復帰を全否定している疑い濃厚な読売や産経」よりは評価できます。
 まあ、「性犯罪をしないという保証」があればいいわけだから「大学教育をすべて履修し直す」必要は無いと俺個人は思います。それはペナルティとして重すぎるでしょう。「性犯罪前科者の加害者更正プログラム受講などの必須化」は「別に問題は無い」ように思いますが。
 小生は「この性犯罪の件」に限らず「被害者の声」「それも厳罰論に親和的な被害者の声(例:死刑万歳論)」ばかりが取り上げられることには疑問を感じますね。それはあまりにも一面的では無いのか。
 なお、

【主張】わいせつ先生 教室に戻してはならない - 産経ニュース
 萩生田光一文科相が「わいせつ教員を教壇に戻さないという方向で法改正していきたい」と述べたのは当然である。  
 首をかしげるのは「更生を阻害する」「法改正は、職業選択の自由をうたう憲法に反する」といった慎重意見があることだ。
 萩生田氏も「職業選択の自由を拒むことが憲法上できるのか大きな課題もある」などと言及し、どうやら腰砕けになっている。

として珍しく産経が萩生田に悪口しています。
 ちなみに

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年9月29日):文部科学省
記者)
 子供にわいせつ行為をした教員についてなんですけれども、以前の会見の記録を見直すと、まあその、免許の再交付をもうしないという法改正はあり得ないのかというようなご質問があったときに、大臣、そのときに、他の免許制度との関係とか横並びというような単語を用いていましたけども、改めて、なんで交付しないということができないのかっていうことをよく聞かれるものですが、なんとも明確に分からない部分がありまして、どの辺が障害になって、現状どのように考えているのか改めて伺えればと思うんですけど。
大臣)
 一つは、他の国家資格が、いわゆる懲戒免職等で失効した場合の期間の問題っていうのは一つあるんだと思います。それともう一つは、日本の法の建付は、罪を犯した人は更生ができるという前提で処罰がされていますので、私個人はですね、わいせつ教諭の皆さんは、やっぱり教壇に戻さないという方向を目指して法改正をしていきたいと思っていますけれど、今までの中にも、冤罪の方もいらっしゃったし、数年経って、本当に更生してですね、やっぱり教育への熱意が変わらないということで戻ってきたいっていう人たちに、職業選択の自由をですね、あらかじめ拒むことが、果たして憲法上できるのかっていう少し大きな課題も浮上してきました。
 そして、たとえば面接などをして、採用権者の方がですね、これだったら大丈夫だという判断をしたとすれば、その責任で採用することも一つ選択肢としては残しておかなきゃいけないのかなっていうことを考えておりまして。
 今、私たちは、法制局とも色んなやりとりしていますけれども、例えば、弁護士資格ですとか、医師資格などで同じようなわいせつで処分されて資格を失った人たちも、(ボーガス注:免許の再取得をすれば)いつか帰ってくることができるのですけれど、それは、弁護士さんとかお医者さんっていうのは、こちらが選ぶことができます*9けれど、学校の先生の場合は、これは、子供たちや親がですね、先生を選ぶことができないので、そこはちょっとアプローチが違うんじゃないかってことを今まさにやりとりしている真っ最中でございまして、そういうことが課題として残っていると思います。

ということで萩生田は産経ほど無邪気に「わいせつ教員の追放」を主張しているわけではありません。
 ちなみに萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年9月29日):文部科学省を見ていて気づいたんですが

記者)
 教育行政から離れてしまうんですが、ドラマ「半沢直樹」がですね、先週といいますか、日曜日に最終回。で、結構、世界現象的になっています。もしご覧になったりしたらご感想をお願いします。
大臣)
 「半沢直樹」が視聴率も高く、皆さんから大変評判の高い番組だというのは承知をしております。しかしながら、私、いわゆる前期の「半沢直樹」を見てないものですから。今回も見ていません(ボーガス注:俺も半澤は一度も見ていません。そう言う意味では「萩生田の同志(?)」です)。

つうのは「バカか」と心底呆れます。こういうあほな質問をしたのはTBSの記者なのか(まあ、TBS以外は、こんな質問はしないでしょう)。
 「番宣か、馬鹿野郎!」「TBSはどんな記者教育をやってるんだ!」ですね。俺も真面目な人間なのでこういうのにはマジで怒りを覚えます(もちろんまともな萩生田への質問も一方ではありますし、TBSにも『サンデーモーニング』のような良心的番組もありますが)。まあ、「それはともかく」半澤に限りませんが最近は「テレビ局の、番組内での番宣」が度を超しているように思いますね。

*1:こんな『安倍べったりの門川』を自民と相乗りして市長選に担いだ民主党社民党の連中には改めて怒りを禁じ得ません。

*2:極右の曾野なんぞ外相にしたら日中、日韓関係が確実に破壊されます。

*3:福田内閣で拉致担当相

*4:小渕、森内閣経済企画庁長官

*5:小泉内閣で経済財政担当相、総務相を歴任

*6:大伊地知安倍、福田内閣で行革等担当相

*7:著書『ワイマル共和国』(1963年、中公新書)、『両大戦間の世界』(1976年、講談社学術文庫)など

*8:小渕内閣で文相。

*9:いやー医師や弁護士だって事実上「選ぶことはできない」でしょうよ。