今日の産経ニュースほか(2020年10月9日分)(副題:菅の学術会議議員任命拒否など)

夫婦別姓は重要テーマ 「女性議員3割」も議論―自民・下村氏:時事ドットコム
“前向きに議論” 夫婦別姓で橋本聖子大臣

夫婦別姓は重要テーマ 「女性議員3割」も議論―自民・下村氏:時事ドットコム
 自民党下村博文*1政調会長は8日、TBSのCS番組収録で、選択的夫婦別姓について「今はほとんどの女性が結婚後も働いており、女性の視点から制度を変えていくことは、議論していかなければいけない重要なテーマだ」と述べた。
 選択的夫婦別姓は党内でも賛否が割れている。先の総裁選では石破茂*2元幹事長が導入を訴え、岸田文雄*3政調会長も議論の必要性を認めたのに対し、菅義偉首相は慎重な姿勢を崩さなかった。下村氏は収録後、記者団に「伝統的価値観、家族(観)を大切にしながら、不便に思っている女性がいるのであれば、時代の変化にどう対応させるかは議論してもいい」と語った。

“前向きに議論” 夫婦別姓で橋本聖子大臣
 橋本聖子男女共同参画相が、選択的夫婦別姓の導入について、前向きに議論する意向を示した。
 橋本男女共同参画相は、自民党の下村政調会長が、選択的夫婦別姓の議論に前向きな発言をしたことについて、「議論を進めてくださることは非常にありがたい」と述べ、政府の男女共同参画基本計画に、議論について盛り込む考えを示した。
 また、公明党の古屋範子*4副代表(ボーガス注:公明党女性委員長を兼務)も菅首相と会談し、選択的夫婦別姓の導入を求めた。

 「へえ?」ですね。相手があの極右・下村では「議論した結果、時期尚早と判断した」の可能性も大ですが「もっと素っ気ない態度か」と思っていたので意外です。下村発言後の「橋本男女共同参画担当相や公明党・古屋副代表」の動きを考えると、もしかしたら「菅政権下において夫婦別姓が実現する」つう意外な事態になるかもしれない。


韓国か親中か…WTO事務局長選で日本外交失態 究極の選択迫られる - 産経ニュース
 「中国が支援する候補(ナイジェリアの元財務相)」か「韓国が支援する候補(韓国産業通商資源省の官僚)」か「究極の選択」てバカにもほどがありますね。
 「反中国、嫌韓国」で頭が狂ってる産経でない限りこういうことは言わない。
 産経にとって中国も韓国も「敵国」のようですがそんな認識をする方がおかしい。そして「中国の擁立した候補」まらまだしも「中国も支援してる候補(もちろん他の国も支援している)」で「支持したくない」ねえ(苦笑)。
 おそらく「中国が総力をあげてプッシュしてる」ということもないでしょう。大体「ナイジェリアの候補」を「中国べったり呼ばわり」など、中国はもちろんですがナイジェリアにも失礼です。


「未来投資会議」廃止へ 安倍前政権で成長戦略を策定 - 産経ニュース
 もちろん「安倍後継を公言する菅」では安倍政治との間に「実質的な違い」が生まれるわけでは無いですが、それにしても「安倍の設置した会議」をこんなに早く廃止するとは少々驚きです。菅的には「本質的な意味で安倍を否定する気など無い」が「安倍との違いを多少アピールした方が支持につながる」と言う判断ですかね。


【新閣僚に聞く】「ですから」口癖直す? 拉致解決、機会逃さぬ環境作る 加藤勝信官房長官 - 産経ニュース
 もちろん加藤には拉致問題を解決する気など全くないでしょう。加藤が「第三次安倍内閣拉致担当相」だったときに「何の成果も上げなくても」批判一つしなかった救う会、家族会ですから。むしろ小泉政権のように「下手なこと(?)」をやると「たった5人か」などと悪口されるのだから「何もやらない方が家族会、救う会の批判を受けなくていい」わけです。実際、この記事でも「拉致は最優先課題」と舌先三寸で言うだけで具体的な策が打ち出されてるわけでは全くありません。まあ、加藤や菅の名誉(?)のために指摘しておけば「民主党政権だって」何ら解決のためには動きませんでしたが。


首相、日本学術会議の行革対象を「歓迎」 - 産経ニュース
学術会議の予算、機構検証へ 河野行革相「聖域なく見る」 - 産経ニュース
改革手つかずだった学術会議 国との距離感「改める機会」 - 産経ニュース
 安倍が退陣すれば「第一次安倍後の福田*5」のように少しはましになるだろうと思いきやこれです。全くうんざりさせられます。
 任命拒否からの流れを考えれば
1)「行革名目」で政府への従属を強め、御用機関化しようとするか
2)学術会議への予算を削減するなどの下劣な嫌がらせをしようとすることが危惧されます。そうした無法を許さない批判派の努力が大事ですね。
 しかしこうなると河野太郎*6が行革相に任命されたのも「そうした下劣な行為をためらいなくやる出世至上主義者のゲス」と菅*7に「高く(?)」評価されたと言うことなのでしょう。父親・洋平氏*8や祖父・一郎氏*9はそんなゲスではないと思うのですがね。
 しかし菅という男も「全くもってけつの穴が小さい」ですね。「野党各党の共闘分断」を画策するのが選挙勝利において「賢い戦略(?)」であるところ「野党共闘しやすい格好のテーマ」を自らつくるとはねえ。
 そして「河野もバカだな」ですね。行革云々について言えば「中曽根内閣の電電公社国鉄民営化」「森内閣の省庁再編」「小泉内閣郵政民営化道路公団民営化」などなら「全員反対」つうことはまずない。
 しかしこんな「行革とは名ばかり」の「学術会議の御用機関化」や「学術会議への報復、嫌がらせ」が想定されるもんなんかに手を出せば、まともな人間なら100パー「学問への不当介入を許さない」と河野批判です。
 野党各党も、「自民二軍の維新や玉木・国民民主はともかく」、枝野立民代表も志位共産党委員長も福島社民党党首も、つまりは「ある程度まともな野党政治家」は皆、河野批判です。
 こんなんを擁護するのは産経のような非常識極右しかいない。むしろ「厚労相になって不妊治療保険適用拡大(実際には第二次安倍内閣厚労省だった田村氏が厚労相に再登板)」か、「総務相になって携帯電話料値下げ(実際には第四次安倍内閣国家公安委員長だった武田氏が総務相に横滑り)」の方が「河野の評判は高まった」でしょうにねえ。


【産経抄】10月9日 - 産経ニュース

▼(ボーガス注:コロナに苦しむ飲食業界にとって)農林水産省が打ち出した飲食店への支援策「Go To イート」にかける期待は大きかったはずだ。その一つは、客がグルメサイトで予約して食事をすると、昼食で500円分、夕食で千円分のポイントをもらえる仕組みである。今月スタートしたばかりというのに、早くも不備が見つかった。
▼標的となったのは、全品327円(税込み)均一が売り物の焼き鳥チェーン「鳥貴族」である。客は原価率が高い焼き鳥だけでなく、酎ハイや野菜、漬物などを注文するから、トータルとして利益を確保できる。外食ジャーナリストの中村芳平さんによると、「マージン・ミックス」と呼ばれる戦略で成功してきた(『居酒屋チェーン戦国史*10』)。
▼ところが、1品だけ注文して、千円分のポイントを得る方法が、SNSで紹介されるようになった。しかも何度予約しても、現状では不正とならない。グルメサイトへの手数料ばかりかさむ。店としてはたまらない。
▼鳥貴族では、ポイントの付与をコース料理に限定すると発表した。それにしても、単純な手口をなぜ予想できなかったのか。制度を設計した霞が関の官僚は、居酒屋チェーンには無縁のようだ。

 農水大臣や菅首相といった政治家は批判しない辺りが実に産経らしい。
 「政府の手柄は自民のもの、失敗は官僚のせい」とは実にふざけています。
 しかし「グルメサイトで予約」つう方法は何とかならないものか。「グルメサイトに登録してない店」「グルメサイトを普段利用しない客(俺もその一人です)」に「グルメサイトを使え」と強要するような行為は果たして妥当なのか。


【主張】核のごみ文献調査 決断した町と村に敬意を - 産経ニュース
 マスコミ報道によれば「文献調査に申請しただけで、お土産として約20億の補助金が交付される」そうなので「申請の是非」はともかく敬意を表するような話では全くありません。
 申請した自治体の首長も「過疎化で税収が減ってる。20億もらえるなら、ありがたい」とはっきり「交付金目当て」であることは認めています。
 裏返せば「貧乏な自治体しかこんなもんは申請しない」ということです。
 まあ、それはともかく。「話が脱線しますが」拉致問題もやはり「こういうお土産(北朝鮮への経済支援)で北朝鮮を上手く動かす」しか方法はないかと思います。
 なお、俺は「脱原発派としてこういう原発推進手法をもちろん支持はしません」。

*1:第一次安倍内閣官房副長官、第二次安倍内閣文科相自民党選対委員長などを経て現在、自民党政調会長

*2:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*3:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二、第三次安倍内閣外相、自民党政調会長など歴任

*4:第三次安倍内閣で厚労副大臣

*5:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*6:第三次安倍内閣国家公安委員長、第四次安倍内閣外相、防衛相を経て菅内閣行革相

*7:第一次安倍内閣総務相、第二~四次安倍内閣官房長官を経て首相

*8:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任

*9:日本自由党幹事長(鳩山総裁時代)、鳩山内閣農林相、岸内閣経済企画庁長官、自民党総務会長(岸総裁時代)池田内閣農林相、建設相、副総理、佐藤内閣副総理など歴任

*10:2018年、イースト新書