「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年10/23日分:荒木和博の巻)

北朝鮮工作機関の弱点について(10月23日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG

 令和2年10月23日金曜日のショートメッセージ(Vol.204)です。『KGBの男』*1という本を読んであの冷戦時代のソ連KGBでさえ、内部が硬直化し、また出世欲とか利権とか個人的恨みが渦巻いていたということを知りました。ならば北朝鮮はもっとひどいのではないか、こちらからもいくらでも突っ込み所はあるのではないかというお話しです。

 8分30秒程度の動画です。いつもながら荒木のアホさにげんなりですね。
 「北朝鮮工作機関の弱点」だの「いくらでも突っ込み所はある」だのが、荒木ら巣くう会の建前である「拉致被害者の救出」と何の関係があるのか。
 荒木らの建前は「拉致被害者の救出」なのだから、それにつながる話をしなければ意味が無い。そして今日も「拉致被害者の救出につながるまともな話」は何一つされないわけです。後述しますが「二重スパイ」云々なんてのはまともな話ではない。
 なお、荒木の紹介する著書『KGBの男』については

「KGBの男」書評 核攻撃の不安を伝え西側が反応|好書好日
 本書は、KGBの敏腕な情報工作員が、自らの祖国の政治姿勢に疑問を持ち、スパイとして担当している西側社会に惹かれ、やがて二重スパイになる、という実話だ。ソ連が崩壊に向かう70~80年代*2である。

『KGBの男 冷戦史上最大の二重スパイ』 | ソ連のエリートがMI6に、歴史を動かした二重スパイ | 厳選ノンフィクション | 週刊東洋経済プラス
 スパイ小説といえば007シリーズの作者イアン・フレミングや、(ボーガス注:映画寒い国から帰ったスパイ(1965年)、リトル・ドラマー・ガール1984年)、ロシア・ハウス(1990年)、テイラー・オブ・パナマ(2001年)、ナイロビの蜂(2005年)、裏切りのサーカス(2011年)、誰よりも狙われた男(2014年)、われらが背きし者(2016年)の原作者として知られる)ジョン・ル・カレといった英国の作家の名が頭に浮かぶ。「やはり、スパイ小説は英国に限る」と通ぶってみたくなるが、実は、ノンフィクションの世界にも同じようにスパイ分野の第一人者といえる作家がいる。
 その一人が、本書の著者ベン・マッキンタイアーだ。代表作には、第2次世界大戦中の対ナチス諜報を描く『ナチが愛した二重スパイ*3』『ナチを欺いた死体*4』『英国二重スパイ・システム*5』の3部作がある。どの本も、歴史の裏側で行われた諜報戦の熾烈さと独創性に驚かされる。
 戦後の冷戦時代を扱った『キム・フィルビー*6』も見事だ。

を紹介しておきます。
 さて、『KGBの男』の内容から荒木の与太が「動画を見なくても想像つく」でしょうが、『情報入手のために、北朝鮮工作員を二重スパイにすればいいんだ』という与太です。
 まったく「やれるもんならやってみな!」(『半沢直樹』の大和田常務風に)ですよねえ。
 いずれにせよ「拉致問題の解決」には情報や人脈が大事です。荒木の言う「二重スパイ」などという与太は論外ですが。もちろん荒木ら巣くう会にはそうした「重要な情報や人脈」を得る能力どころか意思すらないでしょうが。そうした「重要な人脈や情報」の成果が小泉訪朝による拉致被害者帰国でしょう。
 なお、荒木がこの動画で「拉致解決のためには国民世論を高める必要がある。国民世論を高めるために、この動画や荒木の本などを拡散してください」つうのには呆れました。そんなことが拉致の解決にどう関係するのか。小泉訪朝前ならともかく、訪朝後は「国民世論を高める」などという話では無い。「日朝交渉」をどう進めるかという話です。いずれにせよ「国民世論を高める必要がある」などと荒木がいうことで
1)『時間の経過』及び『拉致解決の見通しがないこと』から、国民の拉致への関心が低くなってることを荒木が事実上認めていること
2)まともな問題解決の方策がないので「とにかく国民世論を高めよう」と言うしかできることがないことを露呈しているのは実に滑稽です。

*1:ベン・マッキンタイアー著、2020年、中央公論新社

*2:1970~1980年代は「ソ連が崩壊に向かう」とはいえないと思いますが。

*3:邦訳は2009年、白水社

*4:邦訳は2011年、中央公論新社

*5:邦訳は2013年、中央公論新社

*6:邦訳は2015年、中央公論新社