今日の中国ニュース(2020年11月13日分)

リベラル21 革命の嵐の中で生き抜いた少年の記録宮里政充*1(元高校教師)
 「元高校教師」阿部治平が解説を書いた本(翻訳は阿部ではなく棚瀬慈郎*2)『ナクツァン:あるチベット人少年の真実の物語』(2020年10月、集広舎)を阿部の元同僚・宮里(中国専門家かどうかは不明)が紹介しているようです。
 しかし

よりによって「アキとカズ」のトンデモウヨ出版社・集広舎かよ!(呆)

ですね。
 阿部は過去に『もうひとつのチベット現代史:プンツォク・ワンギェルの夢と革命の生涯』(2006年、明石書店)、『チベット高原の片隅で』(2012年、連合出版)という著書を「トンデモウヨ出版社・集広舎」とは違う「非右翼の出版社」から出していますが今回はそれらに話を持ち込んでも断られたのか、はたまた最初から話を持ち込まなかったのか。しかしいつもながら、「リベラル21の阿部治平特別扱い」には苦笑させられます。「評者まで阿部の推薦(?)で阿部の友人ですか!」ですね。「宮里の個人ブログ」ならまだしも、それでまともな書評って言えるんでしょうか?

 本来、マルクス・レーニン主義、つまり唯物主義*3チベット仏教ばかりでなく、世界の宗教とは相いれない。

 「おいおい(苦笑)」ですね。日本共産党など世界各国の多くの共産党が信教の自由を認め、党員にも宗教信者がいること(有名どころでは例えば、日本共産党副委員長でクリスチャンだった小笠原貞子)をどう思っているのか?。「宮里の個人ブログ」ならまだしもこんな文章をそのまんま掲載するなんてリベラル21の馬鹿さにはいつもながら呆れます。


嗚呼、中国よ。その大地には民主主義の芽は育たないのか。 | ちきゅう座(沢藤統一郎)
 単なるボヤキにすぎず「何だかなあ」ですね。

 菅政権が、学術会議が推薦した6名の新会員候補の任命を拒否して、その理由を語ろうとしない。これも、野蛮な権力の行使である。決して、中国を嗤う資格はない

としている点(日本も民主主義や人権の観点からは自慢のできる国ではない)は評価できますが他はほとんど共感できません。
 特に「この超大国の大地には民主主義の芽は育たないのだろうか。」というのは「中国へのヘイト(中国人には民主主義を運営する能力がそもそもなく、中国共産党が仮に下野しても事態は変わらない)」と誤読されかねない危うい文章でしょう。
 まあ日本の隣国にして、経済大国なのでどうしても注目は集まりますが、世界において「中国レベルの独裁的国家」は今でも山ほど発展途上国にはあるでしょう。
 だから「中国が独裁的でもいい」とはいいませんが、こういう「中国をやたらあげつらう文章」にはどうも共感できません。

*1:著書『あれは何の足音だ?:全体主義国家への危機』(2015年、ブイツーソリューション

*2:アマゾンの著者紹介によれば滋賀県立大学教授。著書『ダライラマの外交官ドルジーエフチベット仏教世界の20世紀』(2009年、岩波書店)、『インドヒマラヤのチベット世界:「女神の園の民族誌」』(2011年、明石書店)、『旅とチベットと僕:あるいはシャンバラ国の実在について』(2013年、講談社)、『草原と鉱石:モンゴル・チベットにおける資源開発と環境問題』(編著、2015年、明石書店)など

*3:そもそも「唯物主義=マルクス主義(あるいはマルクス・エンゲルス主義)」ならまだしも「唯物主義=マルクス・レーニン主義」とする時点で「おいおい」ですが。レーニンは「マルクスの友人」エンゲルスと違いマルクスと直接のつながりはないので「レーニンマルクス主義をゆがめた」とする批判もあるのにまあ何とも無神経です。