新刊紹介:「前衛」12月号

 「前衛」12月号について「興味のある内容」のうち「俺なりに何とか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
◆今月のグラビア『日本文学風土記:高知』(小松健一
(内容紹介)
 『日本文学風土記:高知』というタイトルですが、吉井勇のみ取り上げられています。

◆高知の侠客鬼龍院政五郎(通称・鬼政)とその娘花子の生涯を描いた『鬼龍院花子の生涯』の著者・宮尾登美子高知市出身)

など高知関係の作家が幅広く取り上げられてるわけではありません。
 

参考

[no.961] 2016年10月12日 歌人・吉井勇の”百八の煩悩”を薄れさせた土佐の自然と人々の温もりある心・・・。この地で暮らした4年余りは、勇にとって「人生再生の日々」であった。そのゆかりの地を巡る・・・。 - 写真家小松健一のオフィシャルサイト
 僕のライフワークのひとつに「日本文学風土記」がある。このシリーズに取り組んでからすでに40年以上の歳月が流れている。全国47都道府県すべてを近現代の日本文学を切り口にして、日本の風土、文化、人々の暮らしなどを写真によって、記録・表現しようというアプローチである。
 高知も何度か取材をしているが、今まで歌人吉井勇については取材をしたことがなかった。勇は1931(昭和6)年5月に初めて土佐の地を踏んだ。46歳の時だ。その後、昭和8年8月に再び訪れ、のちに3年4か月余り暮らすことになる在所村猪野々集落(現香美市香北町猪野々)を訪れ、約1か月間滞在している。
 昭和12年10月、高知市築屋敷に居を移し、再婚してここで約1年間の生活を送った。勇、52歳のときである。僕は吉井勇が土佐で過ごした4年余りの日々は、自然のなかで己を見つめた「人生再生の日々」として勇のそれから生き方にとっても、文学活動にとっても大きな転機となった重要な時期だったと思っている。

吉井勇って?? | いなかみライフ
 香美市にまつわる有名人に必ず入ってくる「吉井勇」という人物。香北町猪野々に一時期暮らしていた方なのですが、どれだけすごい人なん?って方も多いかも…
 ちょっとご案内をさせていただきたいと思います。
 早稲田大学を中退後は本格的に文学の道に進み、交友関係には石川啄木平野万里北原白秋斎藤茂吉などなど、有名人がずらり。その中で続々と戯曲を発表して脚本家としても名をあげ、歌集『酒ほがひ』、戯曲集『午後三時』で耽美派歌人・劇作家としての地位を築いています。
 日本中に名がとどろいたのは、なんと言っても1915年(大正4年)発表「ゴンドラの歌」の作詞者であったこと。これは芸術座公演『その前夜』の劇中歌として生まれ、大正時代の日本で大流行。この曲は平成の世になっても、たくさんの有名な歌手がリバイバル曲として発表し、YouTube(ユーチューブ)でもご覧いただけます。
 勇は1931年(昭和6年)初めて土佐に来られ、1933年(昭和8年)から3年間、香北町猪野々で生活をしています。実はここに来る前にある事件*1に巻き込まれ、人生消沈の時。勇は猪野々で過ごした日々について「私は一種の人間修業をすることができて、不遇時代のさすらいの身から再び起ち上がることができたのです」と振り返っています。
 たった3年間ですが、その後の勇は見事に復活し、京都で活躍することになります。

 「ゴンドラの歌」というとやはり俺的には黒澤映画「生きる」の志村喬ですね。


◆シリーズ座談会・党国会議員団の役割と値打ち③「国政私物化を許さず、日本の平和・安全守るため問題の根源を示し追及」
(内容紹介)
 新刊紹介:「前衛」11月号 - bogus-simotukareのブログで紹介したシリーズ座談会・党国会議員団の役割と値打ち②「安倍暴走政治と正面から対決し暮らしと経済を守る」の続きです(なお、①はコロナ問題)。
 「国政私物化」が「モリカケ疑惑」「桜を見る会疑惑」の追及を、「日本の平和・安全」が「オスプレイ配備反対運動」「イージスアショア配備反対運動(イージス配備挫折後は敵基地攻撃能力批判)」「原発汚染水の海洋廃棄反対運動」などを意味しています。

参考
解説/オスプレイ 道理ない木更津「暫定配備」/首都圏全域で訓練も
「桜を見る会」 出資“見返り”に招待/田村氏、マルチ被害拡大で追及
主張/「森友」改ざん訴訟/真相語るのが安倍政権の責任
陸上イージス配備断念/経緯 一刻も早く明らかに
福島第1汚染水海洋放出 断じて認められない/田村政策委員長が会見
主張/森友公文書改ざん/菅政権は全容を公開すべきだ
主張/福島原発汚染水/海洋放出の決定を強行するな
主張/「敵基地攻撃」検討/際限ない危険な軍拡許されぬ
森友「再検査予定ない」/会計検査院検査官候補聴取 塩川議員に答弁


特集『緊急インタビュー日本学術会議「任命拒否」を問う』
◆「任命拒否」はなぜ違憲・違法なのか(岡田正則*2
◆学問の自由と国民主権を踏みにじる(小沢隆*3
◆戦争の反省の上に立つことこそ学術会議の思想的基盤(松宮孝明*4
(内容紹介)
 インタビューされてる方々はいずれも「任命拒否された6人のウチの一人」です。ネット上の記事で内容紹介に代替します。

赤旗学術会議存立 脅かす/菅首相の人事介入/任命拒否された3氏が抗議/小澤・岡田・松宮氏 要請書2020年10月2日

学術会議会員の任命を拒否された岡田正則教授「イエスマンばかりでは役割を果たせない」:東京新聞 TOKYO Web2020年10月2日
 政策提言を行う国の特別機関「日本学術会議」が、新会員として推薦した法律・歴史学者ら6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題で、拒否された1人、早稲田大大学院の岡田正則教授が、東京新聞の取材に応じた。岡田氏は「イエスマンばかりでは学術会議の役割を果たせなくなる」と語り、政府の対応に不信感を示した。

「理由を示さぬ決定は不当」 学術会議会員の任命を拒否された小沢隆一教授 :東京新聞 TOKYO Web2020年10月2日
 政策提言を行う国の特別機関「日本学術会議」が、新会員として推薦した法律・歴史学者ら6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題。拒否された1人で、東京慈恵会医科大の小沢隆一教授(憲法学)は東京新聞の取材に、「内閣府は任命しない理由を明らかにしていない。理由を示せない決定は不当だ」と語った。

 まあ今回の任命拒否に限らず「一般的に言っても」、根拠を示さない決定は違法の疑いが濃厚です。

#排除する政治~学術会議問題を考える:学術会議除外の小沢隆一氏「独裁に向かう危惧」 安保法「違憲」指摘で排除か - 毎日新聞2020年10月3日
 菅義偉首相から任命されなかった「日本学術会議」の新会員候補6人のうち、小沢隆一・東京慈恵会医科大教授(憲法学)が毎日新聞の取材に応じた。小沢さんは、安倍晋三政権が進めた安全保障法制の成立前、公述人として呼ばれた国会で安保法の違憲性を指摘した過去があり、「それが今回の判断の根拠になっているとすれば、学問の自由に対するとてつもない侵害だ」と主張。

日本学術会議「推薦リスト見ずに任命は違法」岡田教授 | 日本学術会議 | NHKニュース2020年10月10日
 「日本学術会議」の会員人事をめぐり、菅総理大臣が9日、任命されなかった会員候補6人を含む105人の推薦者リストを「見ていない」と説明したことについて、任命されなかった1人で早稲田大学の岡田正則教授は「リストを『見ていない』ということは、学術会議からの推薦リストに基づかずに任命したということで、明らかに法律の規定に反する行為です」と述べました。
 そして「任命権を有する内閣総理大臣に推薦リストが到着する前に何者かが名前を105人から99人に削除したということであれば、総理大臣の任命権や学術会議の選考権に対する重大な侵害です」と述べ即座に是正するよう求めています。
(ボーガス注:「見てないのなら違法」という岡田氏らの批判に対し、後に菅は「リストは見た」と言いだし支離滅裂振りを露呈した)

官邸、「反政府先導」懸念し拒否 学術会議、過去の言動を問題視か|全国のニュース|京都新聞2020年11月7日
 首相官邸日本学術会議の会員任命拒否問題で、会員候補6人が安全保障政策などを巡る政府方針への反対運動を先導する事態を懸念し、任命を見送る判断をしていたことが7日、分かった。安全保障関連法や特定秘密保護法に対する過去の言動を問題視した可能性がある。複数の政府関係者が明らかにした。
 菅義偉首相は国会審議で6人の任命拒否に関し「個々の人事のプロセスについては答えを差し控える」と繰り返し答弁。拒否理由は今回の問題の核心部分となっていた。日本学術会議法は会議の独立性をうたっており、政治による恣意的な人事介入に当たるとして、政府への批判がさらに強まる可能性がある。
 任命を拒否されたのは松宮孝明立命館大教授や小沢隆一東京慈恵医大教授、加藤陽子東京大教授ら6人。官邸はこの6人が政府の重点政策に強い反対を打ち出し、国会を含む公の場で積極的に発言していたと判断。今後も同様の主張を続け、学術会議内でも反対運動を主導しかねないとして「公務員としては適任ではない」と考えたという。
 松宮氏は2017年に参院法務委員会に参考人として出席し、共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法を「戦後最悪の治安立法となる」と非難した。小沢氏は15年、中央公聴会で安保法の廃案を主張していた。


◆発効する核兵器禁止条約をどう力にするか(川田忠明*5
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。核兵器禁止条約の発効を喜ぶと共に日本政府の批准を強く求めている。
核兵器禁止条約に参加する新しい政府を――「橋渡し」論は欺瞞/長崎で志位委員長が会見
核兵器禁止条約の発効の確定を心から歓迎する│核兵器│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会


◆「自助・共助・公助」発言の冷酷と無責任(雨宮処凛*6
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

第532回:「自助・共助・公助」〜「共倒れするまで助け合え」という呪い(雨宮処凛) | マガジン9
 この連載で5年前、私は「利根川一家心中未遂事件」について書いている。
 2015年11月、40代の娘が両親とともに車で利根川に突っ込み、両親が命を落とした事件だ。娘は一命をとりとめたものの、殺人と自殺幇助の疑いで逮捕された。
 この事件を受け、私は現地取材を何度かして、また、一家が暮らしていた深谷市の職員にも話を聞いている。そんな市の職員との面談で、印象に残っていることがある。こちら側が一家に対し、「もう少し踏み込んだ対応をすべきだったのでは」と言った時、市の職員は「それよりも、地域の見守りとか、地域の人に頑張ってもらわないと」ということを言ったのだ。
 「地域社会での見守り」。
 それを、地域の人たちが率先して言うのならまだいい。が、役所の職員が介護心中事件を受けてそんなことを言うのは大問題だと私は思う。
 なぜなら、それは「役所は何もしない」という宣言だからだ。税金から給料が支払われている役所の職員が何もせず、一円ももらっていない、ただそこに住むだけの、その道のプロでもなんでもない人が義務を負うなんて、絶対におかしいのだ。というか、これはただ「行政はちゃんと仕事をしろ」というだけの話なのだ。そして私たちは、そんな「公助」のために税金を払っているのだ。だからこそ「地域社会」なんて、あるかどうかもわからないものに丸投げするなと言っているのだ。
 丸投げされるのは「地域」だけではない。時に民間のボランティアにも責任が押し付けられる。
 自民党議員の中には子ども食堂の応援などと言う人もいるが、するべきは「子ども食堂が必要なくなるような貧困対策」に他ならない。
 民間のボランティアにはバックアップ体制などない。誰かがコロナで倒れれば支援ストップ、という危うさの中でやっているのだ。こういう状態が危険だから、民間のボランティアに任せるのではなく、国が一刻も早い公的な支援制度を、「公助」をちゃんと機能させてくれとずーっと要求し、政府交渉も重ねている。が、一向に進んでいないのはご存知の通りだ。
 というか、そもそもこの国の「公助」がマトモに機能していれば、コロナで失業し、ホームレス化に晒される人々からのSOSが民間の支援団体にひっきりなしに届くはずなどないのだ。
 本来であれば公助がフル稼働すべき時に自助ばかりが強調され、共助に対してなんの支援もなく「勝手に頑張れ」と放置されている。そのような状況を知るからこそ、私にとっての共助は「一家心中するまで助け合え」「共倒れするまで助け合え」に思えてしまうのだ。
 何度も書くが、私たちは税金を払っている。だから行政にちゃんと仕事をしてほしい、というだけのことなのだ。そして政治家にも、その自覚を常に持っていてほしい。


◆AI(人工知能)による「個別最適化された学び」は可能か:中教審「中間まとめ」に至る学び論の迷走(梅原利夫*7
(内容紹介)
 中教審「中間まとめ」の「AI(人工知能)による「個別最適化された学び」」なる概念、構想について具体性が乏しいことを指摘。是非以前にそのようなことが果たして可能なのかと批判している。


◆「難民鎖国」、恣意的拘禁の打破こそ:収容・送還専門部会提言及び改正入管法の問題点(児玉晃一)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
入管長期収容者 解放早く 緊急集会
国外退去拒む外国人に罰則/政府専門部会提言に批判
入管提言問題で懇談/支援団体と藤野・山添氏 共同し「対案」を
管理でなく共生こそ/入管法考える 藤野氏招き集い/東京・墨田
入管人権侵害改めよ/共産党が法務省に要請/山添・大内氏同席


◆シリーズ「沖縄新基地をめぐる25年をふり返る⑤:証言編」『基地被害の深刻さがつくりだした「オール沖縄」』(伊波洋一*8
(内容紹介)
 伊波氏が自らの沖縄県議、宜野湾市長、参院議員としての基地問題との取り組みについて述べていますが詳細な紹介は省略します。


特集「子ども虐待にどう向き合うか」
◆生活基盤の脆弱な家族をどう支えるかが重要(松本伊智朗*9
(内容紹介)
 児童虐待の一因として「生活困難による親のストレス」が指摘され「児童虐待を減らす」ためにも「シングルマザーなど」貧困家庭への経済支援の重要性が訴えられている。
 もちろん1)「貧困家庭であっても虐待がない(あるいは逆に貧困家庭でなくても虐待がある)」ケースもあり、貧困と虐待は「貧困家庭に虐待が多い傾向があるという相関関係」はあっても「貧困家庭ならば当然に虐待が発生するという因果関係はないこと」、2)虐待の有無と関係なく「子どもの貧困」が問題であることも一方では指摘されている。


◆虐待と家族を取材して(杉山春*10
(内容紹介)
 ネット上の記事(杉山氏執筆の記事など)紹介で代替。前衛論文もそうですが杉山氏のスタンスは「虐待親について彼らが刑事処罰を受けるのは当然だが、彼らだけを叩いても何も解決しない」「彼らが暴力に走った背景やそれに周囲が気づいて止められなかった原因を分析し問題解決につなげない限り意味が無い」という「社会問題としての視点」でしょう。
 なお、杉山氏が小学館ノンフィクション大賞を受賞した際の選考委員は小学館ノンフィクション大賞受賞作・候補作一覧1-26回|文学賞の世界によれば

井沢元彦猪瀬直樹櫻井よしこ、野田正彰、船戸与一

だそうで「絶句」ですね。「井沢、猪瀬、櫻井」て選考委員の半分がトンデモ右翼て。さすが週刊ポストSAPIO小学館と言うべきか。
 まあ、杉山氏自体はまともなライターだと思いますが。

我が子を虐待する親の「悲しい真実」~「バカな親がバカなことを…」で済ませてはいけない!(杉山 春) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)2016.01.19
・わが子をネグレクト死させるような親は、「不真面目」で、どうしようもない人間である。そんな考え方が一般的ではないだろうか。
 私自身、虐待が起きるメカニズムを知る前は、そう思っていた。だが、虐待事件を取材、執筆する中で、親たちには共通して、過剰な「生真面目さ」があることに気づくようになった。
・2010年7月に大阪市西区で、3歳と1歳の姉弟が、近くの風俗店で風俗嬢として働く母親に50日間放置されて変わり果てた姿で発見された事件を取材した*11。この母親も、「生真面目さ」が際立つ。
 親が20歳、21歳の専業主婦として過ごした町を歩くと、「子育ては、若いのにしっかりしていた」という声が聞こえてきた。裁判に出廷した元夫も元姑も、家事育児はよくやっていたと評価した。
 ただこの時期、すでに消費者金融などに借金をしていた。裁判でなぜ、生活費が足りないと夫に相談しなかったかと尋ねられて「よい奥さんだと思われなくなるから」と答えている。この母親が良い奥さんだと思われるために、日常を組み立てていたことがわかる。
 さらに二人目の子どもが生まれて、唐突に母親の浮気が始まった。困った夫が招集した家族会議の席で、1日で離婚が決まる。
 この席上、母親は誓約書を書いた。
・子どもは責任をもって育てます。
・借金はしっかり返していきます。
・自分のことは我慢してでも子どもに不自由な思いはさせません。
・家族には甘えません。
・しっかり働きます。
・夜の仕事はしません。
 22歳のシングルマザーが働きながら2歳と生後7ヵ月の子どもを育てるには、無理がある内容だ。
 裁判で誓約書を書くことになった経緯を問われて、自分の意思で書いたものではなく、「そこにいた皆から言われた気がした」と証言している。
 この誓約書の内容が母親を縛ったのではないだろうか。(ボーガス注:生活苦から夜の仕事(性風俗嬢)を始め)約束を守れない母親は、子育てがうまくいかなくなったとき、自分の困難を元夫側や父親側に詳しく伝えて、助けを求めることができなかった。
 この母親は、小学校時代までは、父親の自慢の「娘」だったが、中学時代に非行化した。中学時代、家出を繰り返し、友達や先生とも安定した関係が作れなかった。激しい性的な行動があり、輪姦体験もある。
 こうした環境下で、解離性障害の傾向があった。厚生労働省のホームページには「解離性障害とは自分が自分であるという感覚が失われる状態」「つらい体験を自分から切り離そうとするために起きる防衛反応」とある。幼い子どもが、命にかかわる危機に直面し、それを体験しているのは自分ではない、別の誰かだとすることで、生き延びていく身の処し方の癖ともいえる。
 そうした癖を身につけると、思春期になっても、自分の向き合うべき課題と直面できなくなる。厚生労働省のホームページには「治療では、安心できる環境にすること、家族や周囲の人の理解」が必要だとあるが、この母親の生育歴はそのような環境ではなかった。
 この母親は、離婚後、名古屋のキャバクラで働きながら子育てをしたが、子どもは思いがけず熱を出す。思うように稼げなかった。自分自身が新型インフルエンザにかかったと思った時、元夫や自分の父親に助けを求めたが、急に子どもは預かれないと断わられた。息子の1歳の誕生日には、誰からも連絡がなかった。
 その一週間後に恋人を作り、子どもだけ家に置いて恋人と過ごすようになる。元家族には頼れないと自覚した時、男性に頼ることで生き延びようとした。この時期よりも少し後、公的機関に子どもを預けたいと1度だけ連絡をしているが、支援にはつながらなかった。
 さらに、大阪の風俗店に移り、働き始める。子どもたちは託児施設に預けず、部屋に置いたままだった。10代で性暴力を体験していた母親は、客から(ボーガス注:いわゆる)本番(ボーガス注:と言われる性行為)を求められると受け入れた。もちろん、本来は拒否できる。だが、彼女は、性的な場面で、拒否をすればさらに強い暴力にさらされるという経験をしている。性的アプローチを受け入れてやり過ごすことが彼女の身の処し方だった。
 その間、ホスト遊びに手を出し、金が返せなくなる。SNSの中ではおしゃれで楽しげな生活を表現する一方で、風俗店の寮に子どもたちを隠すように置いて、男性の元を転々とし、借金の取り立てから逃げた。ネット上で楽しげな姿を示すのは、仲間たちから落ちこぼれたくないという彼女の強い思いの表れだ。彼女は周囲にSOSを出して、子育てがうまくいかない母親である自分自身を人に見せることができなかった。
 完璧に子育てをする自分でなければ、隠す以外にない。50日間、放置されて子どもは亡くなった。
 2014年5月に神奈川県厚木市のアパートで、7年前に5歳で亡くなった男児の白骨遺体が発見された。シングルファーザーで子育てをしていた父親はトラック運転手だった。月に50~60時間の残業をこなし、職場での評価は、上位20%が当てはまるAランクだった。職場にも実家にも、一人で子育てをしていることを伝えていなかった。
 妻が出て行ったのは、子どもが3歳のとき。その後、昼夜雨戸を閉め切った真っ暗闇で子育てをした。外から見られたくなかったという。子どもが部屋を出て行かないように、扉に粘着テープを張って閉じ込めた。自分の惨めさを誰にも悟られたくないかのようだ。
 この父親には知的なハンディがあったことが裁判で明らかにされた。さらに、小学生のころに、実母が統合失調症を病んでいた。精神を病む親に育てられた子どもたちもまた、独特のハンディを持つことが知られている。何重にも重なるハンディを抱えて、それでも、自己流ではあるが、与えられた場で精一杯、仕事と子育てを両立さようとした。それは「生真面目」さ以外の何物でもない。
 親たちに共通するのは、社会の規範に過剰なまでに身を沿わそうとして、力尽きてしまう痛ましい姿だ。本来なら到底実現できようもない目標を自ら設定し、達成しようとする。
 親たちの背景をみれば、全員が子ども時代、ネグレクトや暴力的な環境で過ごしている。
 子ども時代に十分に周囲の大人たちに自分の気持ちや意見を聞いてもらえないまま育った。育ちの過程で強い社会への不信を抱える。社会への不信は、自分への不信でもある。人に尊重されることを知らない。自分が周囲に物を言っていいということを知らない。環境を変える力があることを知らない。
 その上でもっとも力が及ぼしやすい我が子を思い通りにしようとする。虐待を受けて育った人たちの3割が連鎖すると言われている。

不倫、離婚、出産…それでも母であることはやめない。「社会規範」から降り、「所有」しない家族のカタチ(杉山 春) | 現代ビジネス | 講談社(5/5)2016.01.21
 あらためて、最初に紹介した、我が子をネグレクト死させた親たちの姿を見てみたい。
 状況が悪化し、困難に行き当たった時、まず、一番思い通りになるわが子のコントロールを始めている。彼らは孤立していて、周囲の人や環境を動かすよりも、自分の力の及ぶ範囲にいる幼な子を動かす方が簡単だからだ。
 彼らは、社会の規範を動かしてもいいという認識は持てなかった。つまり、規範を守らない人たちなのではなく、既存の規範から抜け出せないだけなのだ。
 自分たちを大事にすることを誰からも教わらなかった。
 格差社会の中で、労働と子育ての両立を家族単位で求められてきた。当初は夫婦の役割分担として。その後、一人ひとりの自助努力として。
 生きる力がある人たちは、そんなことは無理だといい、知恵を絞る。周囲の力を借り、経済力を使い、公的支援を使い、自分の願いを実現する。だが、力の乏しい人たちは、周囲を動かすことができず、唯一思い通りになるわが子を痛めつけ、自滅する。

「死にたい」はどのような現象なのか 児童虐待を追ったルポライター杉山春さんが自死を取材する理由(小川たまか) - 個人 - Yahoo!ニュース2018.02.27
◆インタビュアー
 まえがきでは、杉山さん自身、数年前に若い友人を自死で亡くしたとあります。これまで虐待について取材されてきた杉山さんが、自死をテーマに選ばれた理由を教えてください。
◆杉山:
 雑誌「世界」編集部から依頼があったのです。「杉山さんだったらできると思うんです」と言われて。私も友人の自死があって、もやもやしたものを抱えていて、考えたいと思っていた。そこで声がかかったというタイミングでした。
◆インタビュアー
 なぜ杉山さんだったのでしょう。
◆杉山:
 私はこれまで虐待について、虐待をしてしまう親が悪いという視点よりも、親がそこに至る経緯を考えなければ防げないという主張をしてきています。そういう意味で、自死の問題も似ていると思ったのではないでしょうか。ただ、取材を始めて半年以上は、自死という現象をどう考えていいかわからなかったですね。
(中略)
 私なりの理解ですが、自死する人は「死にたい」わけではない。自死は、状況の悪化に追い詰められて起きる。死にたいという気持ちを肯定するというよりも、どのように状況が悪化しているかに気付く必要がある。死にたいから死ぬわけではなくて、それ以外の選択肢がないっていうことを理解しないといけない。(虐待の問題の場合)子どもを殺したいわけではなくて、殺すところまで追い詰められているっていう考え方が、虐待する側への支援と結びついていくわけですよね。『家族幻想』(2016年/ちくま新書)という本を書いたときにわかったのは、ひきこもりにしてもひきこもりたいからひきこもるわけではなく、今の自分を自分で肯定できないから出ていけないという人が苦しんでいる。
 (支援の現場では)自死はやってはいけないっていう風には言ってはいけないと言われています。あなたのやることは悪いことだからやめましょうとか、社会の迷惑だからやめましょうというのではなく、違う選択肢もあると知ってほしいということですよね。私も、「死んではいけません」という本を書いたつもりはなくて。
 選択肢はたくさんあるよっていうことを伝えて理解してもらう。死なないことも選べると知ってもらう、それが自死予防なんだろうなと思います。

親と子、孤立させない 団地に居場所を 相模原でシンポ | 社会 | カナロコ by 神奈川新聞2019.03.10
 児童虐待や引きこもりなどの取材を重ねてきたルポライターの杉山春さん(60)=川崎市麻生区=が、相模原市にある県営団地で親と子どもの居場所づくりに取り組んでいる。
 杉山さんはこれまで多くの虐待事件を取材し、誰にも相談できず追い詰められていく親の姿を見てきた。
 「家庭に全ての責任を背負わせてしまう時代。困ったときにSOSが出せるように、保護者の気持ちも聞ける場にしたかった」。
 家族への生活支援や関係機関との橋渡しにも力を入れる。

目黒区・結愛ちゃん虐待死、なぜ行政は救えなかったのか | 子どもの命を守る | 特集 | 週刊東洋経済プラス2019年9月21日号
目黒区虐待死事件、「もうおねがいゆるして」反省文は母娘共作だった(杉山 春) | マネー現代 | 講談社(1/5)2020.02.08
目黒区「結愛ちゃん」虐待死事件、母・優里が書いた「獄中手記」の中身(杉山 春) | マネー現代 | 講談社(1/8)2020.02.12
子どもへの体罰禁止が法制化、小4女児虐待事件の真相 | なぜ父は実子を追い詰めたのか | スペシャルリポート | 週刊東洋経済プラス2020年4月18日号


◆あいつぐ洪水被害、治水事業に何が求められているか(石﨑勝義)
(内容紹介)
 石崎氏の主張紹介についてはネット上の記事紹介で代替。
「鬼怒川の堤防決壊はなぜ起きたのか」(石崎勝義氏による緊急報告) | 八ッ場(やんば)あしたの会
建設省OB、東京新聞に投書「倉敷の堤防決壊は人災」 | 八ッ場(やんば)あしたの会
ダム建設より安価な堤防強化 旧建設省研究所元次長・石崎さん「決壊防ぐ工法、再開を」:東京新聞 TOKYO Web


ジェンダー覚書―The personal is political『性風俗業者への持続化給付金不給付問題』(飯田洋子*12
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介などで代替。
 「風俗業は不支給」撤回を/休業補償 従事者の生存権守れ/厚労相に支援団体要望において「性風俗労働者の休業補償」について不支給を「差別ではないか」「性風俗労働に従事するほか生計の道が無い貧困女性を経済的に追い詰める」などと厳しく批判した共産党ですが「性風俗経営者(行政訴訟を起こした業者がいるらしいデリバリーヘルスなど)への持続化給付金」については「性風俗産業」は「本来、警察が営業許可を与えてる」以上、潜りの違法業者ならともかく、許可業者に給付しないことは「違法の疑いが否定できない」としながらも「現実に許可を得たはずの性風俗業者が売春防止法違反などで摘発される事実がある」ため、「きちんと実態を把握した上で、違法行為の事実が認定され給付が不適当と判断した場合は不支給もやむを得ない(もちろん不支給とした場合は多くの場合、営業許可を取り消し犯罪行為として摘発することになるだろう)」「しかし違法行為が認定されない限り、許可業者に不支給とすることは現行法上は正当化できず、むしろ給付せざるをえない」とする「ケースバイケース」の対応を主張しています。
 なお、「性風俗産業をどう考えるか(欧米など一部の国での売買春合法化を参考にした売買春合法化論や、逆に現状の性風俗産業も今後、違法行為として厳しく取り締まる売買春の徹底的な違法化論など)」はひとまず「今回の給付の是非とは別物と考えるべきだ(現状において合法な行為として許可した業者について『違法行為が認定できない』のに、不支給とすることは違法の疑いが濃厚なため)」としています。
 まあ、で「誤解を恐れず書きますが」、この「風俗営業を合法的な物として許可している以上持続化給付金を与えないとおかしいのでは?」というのは「朝鮮学校各種学校認可している以上、無償化除外はおかしいのでは?」という話にもつながるかと思います。
 こう書くと「ならば各種学校認可を取り消すべきだ」と更なる暴論を吐きかねないのがウヨ連中ではありますが。なお、誤解が無いようにお断りしておきますが俺は勿論「認可や許可している以上差別待遇はおかしい」と言う意味では「性風俗業への持続化給付金不支給」と「朝鮮学校の無償化除外」には共通点があると思いますが、もちろん「性風俗産業」と「朝鮮学校」を同一視しているわけではありません。

参考

コロナ給付金の「性風俗除外」どう思う?|【西日本新聞ニュース】
 新型コロナウイルス対策で、国は中小企業などに持続化給付金や、家賃支援給付金を支給しています。持続化給付金は中小企業に最大200万円、個人事業主に最大100万円。しかし性風俗店は対象外です。ただし店で働くスタッフは、店と業務委託契約を結ぶ個人事業主と見なされ(ボーガス注:持続化給付金の?)支給対象となります。
 性風俗店を対象外とした理由について、梶山弘志経済産業相は「社会通念上、公的支援による支援対象とすることに国民の理解が得られにくい」(5月の参院予算委員会)と説明しています。
 これに対し、関西でデリバリーヘルスを営む事業者は9月、国などを提訴しました。「法を守り、納税や確定申告もしているのに、性風俗業者だからといって一律に排除されるのは許されない」「国が性風俗業で働く人の尊厳を無視している」と訴えています。みなさんはどう考えますか?


◆論点『二〇二〇年産米価暴落を阻止し、水田農業経営を守る政策を』(湯川喜朗)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
米価下落 対策ぜひ/農水省に農民連 豪雨被害支援も
コメ コロナ禍在庫増大 暴落の危機/農村で不安広がる/農民連・共産党 備蓄米買い入れ要求
米価暴落阻止急げ/農民連中央行動 自国の食料は自国で
米価の安定求める/宮城 紙・ふなやま氏とJA懇談
主張/21年米 作付け削減/需給と米価安定は政府の責任


◆暮らしの焦点『問われるコンビニ本部 公取委が大規模調査し改善要請』(植田忠義*13
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
コンビニ24時間強制/独禁法違反の恐れ 公取委 本部に改善要請/オーナーに調査 業務時間「辛い」63% 時短希望67%
主張/コンビニ公取調査/オーナー苦しめる構造ただせ
コンビニ営業 改善急げ/8社にオーナー要望 公取委見解受け
「オーナーに過重負担」/コンビニ訴訟 支援する会結成


メディア時評
◆新聞:任命拒否問題にみる菅政権とメディア(千谷四郎)
(内容紹介)
 菅政権の御用新聞と化している産経や「前川バー通い報道」読売を批判する一方で、菅政権を批判する朝日、毎日、東京が評価されている。


◆テレビ:学術会議任命除外とメディアの姿勢(沢木啓三)
(内容紹介)
 フジテレビの平井文夫が「学術会議議員に選ばれると自動的に学士院委員になり年250万の年金が終身もらえる(学士院会員が年250万円の年金を終身もらうことは事実だが、学術会議議員が自動的に学士院会員になる事実など無い。学術会議議員でも学士院会員にならない人間も、学士院会員だが学術会議議員でない人間もいずれも存在する)」などのデマを飛ばしたことを批判。
 また、平井に限らず、『TBSワイドショーの司会・立川志らく(悪名高いウヨ芸人)』など、一部の「自民党御用マスコミ人」が学術会議を誹謗するデマを飛ばしていることを厳しく批判。一方でTBSテレビ『ニュース23』『報道特集(前川元文科次官インタビューなど)』『サンデーモーニング』、TBSラジオ『セッション(荻上チキ司会)』などを高く評価している。
 ウヨはこれらのTBS番組を共産党シンパだの何だの悪口するのでしょうが、他の番組が「菅批判しない」と言う意味で酷すぎるだけの話です。

参考

関口宏 学術会議の見直し・改革「いやいや待ってください。問題片付けてからにして」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース2020年10月11日
 関口宏が11日、司会を務めるTBS「サンデーモーニング」で、菅義偉首相が日本学術会議から推薦を受けた新会員候補者6人の任命を拒否した件で、政府や自民党から学術会議のあり方を見直す方針が示されたことが伝えられると、「その前にこの問題を片付けてからにしてくださいと思う」とコメントした。
 番組では、菅首相をはじめ政府の姿勢を「依然、具体的な理由は明らかにせず、ここにきて自民党や政府からは学術会議のあり方を見直す方針が示されました」として、河野太郎行革相が行革の点検対象とするとした発言や、下村博文政調会長がプロジェクトチーム新設を打ち出したことを挙げた。野党が論点のすり替えだと批判しているとも伝えた。
 これを受けて関口は「早くも学術会議の改革論なんてのが出てきちゃうんだけど、いやいやその前に、ちょっと待ってください。この問題片付けてからにしてくださいと思うんですけど」と述べ(中略)た。

 後でも触れますが、TBSテレビにはこうした「まともな番組がある」一方で、悪質極まりない政府御用番組『志らくのグッとラック』ですからねえ。
 しかし関口も元々は俳優ですがもう完全に『司会者&芸能プロ経営者』ですね。そして、過去においては関口の発言は「何ら珍しい物ではなかった」でしょうが、『志らくのグッとラック』など他番組があまりにも酷いが故に、関口発言が光ってしまうわけです。
 ジャーナリストではない関口の発言が「経歴上はジャーナリストのはずの平井文夫」などよりまともというのも皮肉な話です。
 そして菅らは「可能ならばサンデーモーニングと関口を潰したい」と恨みを募らせてることでしょう。
 それにしてもスポーツ紙・デイリースポーツがこうした報道というのも何とも奇妙な話です。

『サンモニ』青木氏、日本学術会議任命拒否に「説明して」 村西とおる監督は「偏向報道を続ける論拠は何か」と反論|ニフティニュース
 11日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)で、ジャーナリストの青木理*14日本学術会議の任命拒否問題について持論を展開。
 番組は一連の日本学術会議任命問題を取り上げ、例によって(ボーガス注:コメンテーターである)元衆議院議員田中秀征*15毎日新聞論説委員の元村有希子氏*16が、菅義偉総理大臣を激しく批判する。そして司会の関口宏が、青木氏に意見を求めた。
 すると、青木氏は「6人の方をなんで排除したのかを、せめて説明してもらわないと。巷では、政権の意向に反することを言ったからじゃないか、という風に思われちゃってるわけですよね」と持論を展開する。
 さらに、「いろんなネットなんかもそうだし、政権も言ってるですけど、国費を投入してるから税金を投入してるから当たり前だみたいなこと言うんだけれど。別に、税金って時の政権のものじゃなくて、納税者全員のものですよね」とコメント。
 そして、「基本的には多数決でそれを運営していくんだけれども、一方でやっぱり少数者、時の政権に対して疑問を呈する人とか、批判をする人っていうことの意見も大切にして運営していかないと。差別とかヘイトは論外なんだけれども。その多様性とか社会の進歩ってことを担保するわけですよ」と批判に耳を傾けるべきだと怒りを見せる。
 続けて、「6人がなぜ排除されたのか、最低限説明して先に行かないと。学術会議のあり方を見直すとかなんとかっていうのは別の話ですよね」と批判した。

 この記事『サンモニ』青木氏、日本学術会議任命拒否に「説明して」 村西とおる監督は「偏向報道を続ける論拠は何か」と反論|ニフティニュース自体は自民党万歳のネトウヨサンデーモーニングや青木氏に悪口するというアホ記事ですが、「その点を無視すれば」サンデーモーニングが菅に批判的だと言うことが理解できる記事ではあります。

https://twitter.com/kazu10233147/status/1317444287051816961
◆あらかわ
10月17日
 報道特集金平茂紀さんが前川喜平さんを取材
 菅と面談した日本学術会議の梶田会長に対し「なさけない。総理に会うなら6人の任命拒否の理由を問いただすべき。むしろ、ちゃんとした返事があるまで帰らないくらいの気持ちで行かないとおかしい。それを、ほとんど話題にしなかったのは信じられない。」

前川喜平氏 杉田官房副長官から差し替え求められた…「政府方針に批判的人物は…」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース2020年10月17日
 前川喜平元文部科学事務次官が17日、TBS系「報道特集」に出演し、自身も学術会議と同様のことがあったと振り返った。
 2016年8月。文化功労者選考分科会の委員を選任する際に、前川氏は文科大臣の了解を得た候補者名簿を杉田和博官房副長官に提出した。すると1週間後に杉田氏から官邸に呼び出されたという。
 前川氏は「この人とこの人は、はずしなさいと具体的な名前を言われた」と杉田氏から候補者2人の差し替えを求められたと述べた。
 前川氏は、杉田氏の言葉として「これまで政府の方針に批判的なことを言ってる人物じゃないか。こういう人物をいれてはいかん」と言われたという。また、「こういう人が入らないように初めからチェックして持ってこいと、お叱りを受けた」とも語った。

 杉田は今回の『学術会議委員任命拒否』でも「疑惑の官僚」として名前が出ている人物。「官邸のアイヒマン」の悪名を持つと言われる北村滋・国家安全保障局長と同様に、警察官僚上がりで菅政権の独裁体質を象徴する御仁とされます。
 文化功労者については 文化功労者の一覧 - Wikipediaを紹介しておきます。
 なお、過去においてはリベラル保守ないし左派の野上弥生子(1965年選出、作家)、杉村春子(1974年選出、俳優)、田中二郎(1980年選出、東大名誉教授(行政法学)、元最高裁判事)、宇沢弘文(1983年選出、東大名誉教授(経済学))、土屋文明1984年選出、歌人)、大隅健一郎(1985年選出、京都大名誉教授(商法学)、元最高裁判事)、団藤重光(1985年選出、東大名誉教授(刑法、刑訴法学)、元最高裁判事)、川島武宜(1991年選出、東大名誉教授(民法学、法社会学))、芦部信喜(1993年選出、東大名誉教授(憲法学))、伊藤正己(1994年選出、東大名誉教授(憲法学)、元最高裁判事)、山田洋次(2004年選出、映画監督)、仲代達矢(2007年選出、俳優)、吉永小百合(2010年選出、俳優)、宮﨑駿(2012年選出、アニメ監督)、池辺晋一郎(2018年選出、作曲家)、大林宣彦(2019年選出、映画監督)なども選出されており、数の大小はともかく自民党シンパのみが文化功労者に選ばれてるわけではありません(2010年、2012年は民主党政権なのでその辺りは微妙ですが)。まあ、安倍政権以降にその当たりが極端に悪化したのかもしれません。
 こういう話を聞くと「なるほどねえー、(文化功労者ではないが)だから長谷川町子国民栄誉賞もらえたのに手塚治虫は(以下略)」と思わずには居られませんね。まあ手塚の偉大さは賞をもらってる、もらってないで変わるような話でもないですが。

菅首相「日本学術会議」任命拒否問題でフジ平井文夫がデマ! 志らく、橋下徹、八代英輝もスリカエの政権擁護と学術会議攻撃|LITERA/リテラ
 ついに公共の電波を使って、信じられないようなデマまで流された。デマを喧伝したのは、平井文夫・フジテレビ上席解説委員だ。
 それは5日に放送された『バイキング』(フジテレビ)でのこと。そこで平井氏はこんなことを言い出したのだ。
「だってこの人たち6年ここで働いたら、そのあと学士院というところに行って、年間250万円*17年金がもらえるんですよ。死ぬまで。みなさんの税金から。大体。そういうルールになっている」
 この発言を受けて、番組MCの坂上忍*18らスタジオの出演者からは「えー!」という驚きの声が口々にあがったのだが、これは紛れもないデマ、フェイクニュース日本学術会議と学士院は管轄も違えば役割も異なる組織だが、そもそも日本学術会議の会員数は210人(任期6年)で、対する学士院の定員は法律で150人と定められ、しかもそれは終身会員だ。平井氏は日本学術会議の会員は任期が終われば自動的に学士院に行けるかのように語ったが、定員150人の組織に入ることなど不可能なのだ。
 この平井氏の発言は、ネトウヨまとめサイトの「アノニマスポスト」や「Share News Japan」などによってすぐさま拡散された一方、間違いを指摘する声も数多く上がった。その結果、平井氏は昨日6日放送の『とくダネ!』(フジテレビ)に出演すると、「学術会議の会員全員が学士院会員になれるとの誤解を一部に与えてしまった」などと釈明。同日の『バイキング!』でも、エンディング前に伊藤利尋アナウンサーが「昨日の放送について補足と訂正があります」と言い、平井氏の発言を訂正した。
 「誤解」でもなんでもなく明確な「デマ」を流したというのに、上席解説委員という立場にある人間が問題発言をおこなった自社の番組に出てこず、アナウンサーに訂正させるとは……。その無責任ぶりに呆れるほかないが、さらに平井氏は釈明をおこなった『とくダネ!』でも「学術会議の会員は学士院の会員に推薦されますが、ならない人もいますし、学術会議以外の人も学士院会員になる道はあります」などと発言。まるで日本学術会議の会員が全員学士院の会員に推薦されるかのように語ったが、そのような決まりはどこにもなく、性懲りもなく“年金デマ”を助長するかのような発言をおこなったのである。
 だが、平井氏の“暴言”はそれだけではない。デマを流した平井氏はその反省もなく、日本学術会議に約10億円の予算が国から出ていることに対し、『とくダネ!』でこう主張しはじめたのだ。
「やっぱり口出してほしくないなら自分でやればいいじゃないですか。なんで『口は出すな、税金はくれ』って言うの」
 しかし、これは平井氏だけの主張ではない。実際、5日放送の『グッとラック!』(TBS)では、立川志らくも「10億円の予算を国からもらってやるからいけないんであって、別にこんなのなくていいんじゃないですか?」「学問の侵害、弾圧につながるって言うんだけども、だけど別に研究はできるわけで、学者の意見を聞きたいのならば、それだけの組織をつくればいいんですよ」「私がそのメンバーだったら『いいよ、別に。自分たちでやるから』って」と発言。同番組のコメンテーターとなった橋下徹氏も「税金が入っているというところで、国民からすれば『金はくれよ、でも口出すな』って、それは学者さんのみなさん、ちょっと違うんじゃないのと思っちゃう」などと大合唱を繰り広げたのだ。
 同じように、『ひるおび!』(TBS)でも八代英輝弁護士はこう発言していた。
「私、ちょっと疑問なのは、この日本学術会議というものに国費、国民の税金を投じているわけですよ。で、やはり政府に対して厳しい意見を言うんだったら任意団体でいいわけじゃないですか。これを国費を投じておこなうという以上は、ある程度、民主的なコントロールというものも必要」
 絶句したのは、橋下氏の発言だ。橋下氏は『グッとラック!』で、日本学術会議の次に取り上げられた、芸能人の相次ぐ自殺にかんする報道の話題のときにも、“10億円を「いのちの電話」に使えばいい”などという主張をおこなったのである。
 国民の関心が高まっている自殺の問題と関係がまるでない日本学術会議の予算話をリンクさせて、「こっちに予算を回せばいい」「こっちのほうが有益だ」と主張する。そうすることで、日本学術会議に対して国から出ている10億円は“無駄金”であり、“税金泥棒”だと強調してみせたのだ。

 「笑っていいとも」の後番組「バイキング」がこれですからねえ。まあ『いいとも』も小泉や安倍を出演させるろくでもない番組ではありましたが、「まだバイキングよりはマシだった」と思いますね。しかし平井(今回だけでなく毎度のようにデマを拡散)と言い「裁判所お墨付きのデマ屋」阿比留といい、フジサンケイの悪質さは酷いですね。まともな会社なら確実に阿比留も平井も懲戒処分でしょうが「自民党政権の敵(辻元氏や学術会議)はデマで誹謗して構わない」が社是らしいので処分されないわけです。
 そしてTBSテレビ『報道特集』『サンデーモーニング*19』、TBSラジオ『セッション(荻上チキ司会)』などはまともな番組(従って沢木氏も指摘していますが、TBSテレビ『報道特集』『サンデーモーニング』、TBSラジオ『セッション(荻上チキ司会)』は菅を厳しく批判しました)なのに何でTBSのワイドショーはここまで悪質な政府御用番組なのか。『前衛今月号(12月号)の沢木コラム』やリテラ記事が批判するようにフジ『バイキング』、TBS『グッとラック』『ひるおび』などが菅を擁護していることが、「国民の間での菅批判の広がりを阻害してること」は否定できないでしょう。もちろん、こうした菅擁護の背景には『前衛今月号(12月号)の沢木コラム』が指摘するように『例のパンケーキ懇談会』があることも間違いないでしょう(なお、朝日、東京、京都新聞のように出席を拒否したメディアもあることも指摘しておきます)。
 それにしてもTBSは例の「オウム事件」で「ワイドショーは二度とやりません」と約束したくせに「視聴率がとれない」&「ほとぼりが冷める」とみるやワイドショーを復活させたあげくこれですからね。怒りを禁じ得ません。


文化の話題
◆映画:法廷での反戦と人権の闘争:映画「シカゴ7裁判」(伴毅)
(内容紹介)
 映画「シカゴ7裁判」の紹介。警察の無法な暴力がきっかけで起こったBLM運動と映画公開(但し劇場ではなくNetflix)が皮肉にも「見事にぶつかったこと」で「シカゴ7裁判」が「過去の出来事ではないことが明らかになった」とはいえるかと思います。

参考
シカゴ7裁判 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

シカゴ7裁判 - Wikipedia
 1968年のシカゴ民主党大会で暴動を企てた容疑で起訴された7人の被告人、アビー・ホフマン(サシャ・バロン・コーエン)、ジェリー・ルービン(ジェレミー・ストロング)、トム・ヘイドン(エディ・レッドメイン*20)、レニー・デイビス(アレックス・シャープ)、デビット・デリンジャージョン・キャロル・リンチ)、ジョン・フロイネス(ダニエル・フラハティ)、リー・ウェイナー(ノア・ロビンス)のいわゆる「シカゴ・セブン」を描いた劇映画。アメリカでは新型コロナウィルスの流行により配給のパラマウントは劇場公開を断念し、Netflixに権利を売却した。


◆写真:福島を撮り続ける:写真集『藤田篤男写真集:望郷―FUKUSHIMA 2011‐2020』(関次男)
(内容紹介)
 写真集『藤田篤男写真集:望郷―FUKUSHIMA 2011‐2020』の紹介。


◆美術:東京の原美術館で最後の展覧会(武居利史)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

原美術館 - Wikipedia
 原美術館は2020年12月をもって閉館の予定であることが、2018年11月に発表された。閉館の理由としては、もと個人の邸宅であった美術館の建物が老朽化し、バリアフリー化が困難なことなどが挙げられている。東京の原美術館の閉館後は、群馬県渋川市伊香保にある姉妹館のハラミュージアムアークを「原美術館ARC」と改称し、そちらに活動拠点を集約することとされている。

原美術館、2020年に閉館へ。40年の歴史に幕|美術手帖2018.11.22
いま、原美術館を見つめ直す。これまでの歩みと閉館の理由、そして美術館のこれから|美術手帖2018.12.29
原美術館の閉館を来年1月まで延期、最後の展覧会「光―呼吸 時をすくう5人」が9月開幕2020年07月18日
今を見つめる5作家を紹介 「光―呼吸 時をすくう5人」開幕(東京・原美術館) – 美術展ナビ2020.09.23
5人の美術家が共演、品川の原美術館最後の展覧会。|特集|Culture|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン)2020.10.26


◆スポーツ最前線『新型コロナ禍のプロボクシング』(小林秀一*21
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

コロナ禍 地域スポーツの苦悩/ボクシングジム プロもアマも厳しい
 ボクシング界は、ほとんどのジムが4月から5月半ばまで営業を休止していました。プロライセンスを扱うジムで構成される日本プロボクシング協会(JPBA)は、緊急事態宣言が出された地域のジムに、解除までの一般会員(プロ以外の利用者)へのジム営業自粛を要請。プロの練習にも制限を設けています。
 ジムは会員の会費で運営しており、休業すればその月の収入がほぼなくなります。持続化給付金(個人100万円まで、法人200万円まで)と合わせてJPBAは4月、独自にすべての加盟ジムに10万円の補助金を給付。5月に30万円を追加給付しました。しかし、新型コロナウイルスによる休業、営業縮小の影響で収入が減ったジムは、家賃、人件費などをまかないきれないといいます。
 JPBAの新田渉世(にった・しょうせい)事務局長(川崎新田ジム会長)は1日に行ったオンライン会見で、自粛期間の収入減によりかなりの数のジムが運営の危機に直面していると指摘しました。「そろそろ限界に達している」「国や自治体の補助金、融資だけでは追いつかない現状。実際に立ちゆかないのであれば、要請に従わないで営業せざるを得ないんじゃないか」と、窮状を訴えました。

ファイトマネー10倍 コロナ下、ボクシング興行に知恵 :日本経済新聞2020/9/4
 7月から再開されたボクシングは、新型コロナウイルス感染防止で厳しい客入れ制限が続く。興行収入の大半を占めるチケットの販売減は死活問題だが、手をこまぬいてばかりもいられない。コロナ下でもファイトマネーを大幅に増やした興行もある。従来の手法にとらわれない、新たなモデルの中身とは。
 8月31日、東京・新宿の小さなイベントホールでボクシング興行が開催された。全6試合でタイトルマッチはなし。もちろん、テレビ放送もない。「密」を避けるためチケットも一般販売されず、入場したのは招待された数十人だけだった。そんなひっそりと行われた小興行で、一人の前座ボクサーが「過去最高の10倍」ものファイトマネーを手にした。
 2回KOで敗れた山口拓也(ワールド日立)が得たのは手取りで約80万円。通算4勝12敗2分けの無名選手に日本王者クラスに匹敵する報酬*22が渡った理由は、インターネット上で行われた「投げ銭」、そして動画投稿サイト「ユーチューブ」を駆使したプロモーションだ。
 1口500円の投げ銭に火がついたのは、8月1日に山口の紹介動画がユーチューブで公開されてから。茨城の田舎町の小さなアパートで一人暮らし。コンビニのアルバイトで生計を立て、いまだ従来型携帯電話「ガラケー」を使う35歳、中年男のしがない生活を追った動画は、最後にその切り詰めた生活の理由が認知症を患う母の介護費用のため、という告白で終わる。
 どことなくユーモラスでほっこりさせる動画が公開された後、山口への投げ銭が殺到。結局、試合当日までに77万円超が集まった。もともとの山口のファイトマネーは手取りで8万円*23。これに投げ銭の手数料を引いた約90%が加わる。これには山口本人も「自分は何もしていないのに」と驚いた。
 出場した全12選手に集まった投げ銭の総額は約150万円。メキシコ帰りの実力派としてメインイベントを務めた坂井祥紀(横浜光)にも40万円近く集まった。ボクサーは通常、ファイトマネーに加え、自ら後援者や友人に売るチケット代、トランクスに付けるスポンサーロゴなどが収入源。現状では客入れ制限で売るチケットがほとんどないだけに、「本当にありがたい」(坂井)と選手も喜んだ。
 「無観客でどうやって興行を成り立たせるか、それが全ての出発点。チケット以外に『売れるもの』を考えた」。
 こう語るのは今回の仕掛け人、横浜光ジムの石井一太郎会長(38)だ。興行は八王子中屋ジムの中屋一生会長(41)との共催で、中屋会長が主に協賛スポンサーを集める一方、石井会長が目をつけたのがインターネットやSNS(交流サイト)によるマネタイズだった。
 投げ銭以外にもフェイスブックで期間限定の有料オンラインサロン(最低額2980円の任意課金)を開設し、様々な選手の情報や独自コンテンツを発信。そして、試合当日はユーチューブで3時間半にわたって無料ライブ配信した。3000~5000人のライブ試聴があり、翌日には総視聴回数が5万を超えた。
 石井会長は興行タイトル「A-SIGN.BOXING」を冠したユーチューブチャンネルを運営している。業界の仕組みや過去の名選手、注目試合の見どころをわかりやすく語る内容が支持され、現在3万2000人の登録者がいる。山口を追いかけた動画もここで公開して投げ銭につながった。オンラインサロンの参加者が興行スポンサーになってくれるなどしたという。
 動画の再生が増えればユーチューブからの収益も増える。
 「オンラインサロン、投げ銭、ユーチューブの3つをどうひも付けるかがカギだった」。
 それぞれの発信が相乗効果となって拡散し、通常のチケット主体の興行とは桁違いのファンにリーチできたと考えている。
「今回は一つの実験」と語る石井会長の頭の中には、既に次の企画がある。8月31日の興行では、世界ボクシング機構WBOスーパーフェザー級前王者の 伊藤雅雪(横浜光)が11月5日に東洋太平洋王者、三代大訓(ワタナベ)と対戦すると発表した。普通ならテレビ放送される好カードだが、ユーチューブでライブ配信する。
 「テレビに負けない演出を考えている」(石井会長)。
 世界王者経験者がユーチューブで試合をするのも異例だが、伊藤は「テレビじゃないと、というこだわりはない。石井会長の企画力を間近で見てきて、僕もやってみたいと思った」と語る。
 コロナ禍でいつ観客をフルに入れられる日に戻れるか見通せない。テレビ局の制作予算も削られるなか、放送権料もじり貧だ。今回の挑戦は小さな一歩かもしれないが、こうした新しい発想がボクシングのような古い世界にこそ必要なのだろう。

渡部あきのり、王座返上&現役引退 コロナ禍で「モチベーションやパフォーマンスを維持できない」― スポニチ Sponichi Annex 格闘技2020年10月14日
 プロボクシング東洋太平洋スーパーウェルター級王者・渡部あきのり(35=角海老宝石)が10月14日付で王座を返上し、現役を引退した。日本ボクシングコミッションJBC)の公式サイトで公示された。ジムによると「コロナ情勢、選手不足によって試合が決まりにくい状況や、今後もモチベーションやパフォーマンスを維持できないと判断」が引退理由という。

ワタナベジム会長に罰金、感染拡大予防違反繰り返す - ボクシング : 日刊スポーツ2020年10月15日
 東日本ボクシング協会は14日に理事会を開き、新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインに違反したとして、ワタナベジム渡辺均会長(70)に罰金50万円の処分を下した。
 協会主催する9月6、24、25日の東京・後楽園ホールでの東日本新人王予選で、入場券を所持せずに座席に着いたり、立ち見観戦した。協会役員らが注意したが、違反を繰り返したことで処分となった。

ボクシングジム会長を処分 試合控え室でラウンドガールが飲酒 | ボクシング | NHKニュース2020年10月19日
 プロボクシングを統括するJBC日本ボクシングコミッション)は、都内のジムの会長が先月主催した試合会場の控え室で、ラウンドの数を紹介する「ラウンドガール」と呼ばれる女性が、酒を飲むなど新型コロナウイルスの感染拡大予防のガイドラインに違反したとして、会長に対し制裁金50万円などの処分を決めました。
 JBCによりますと東京都北区にある「フラッシュ赤羽ジム」が主催し先月8日に東京後楽園ホールを会場に行われた試合で、リング上でラウンドの数を紹介する「ラウンドガール」と呼ばれる数人の女性が控え室で酒を飲み、一部が泥酔したということです。
 JBCの倫理委員会は、19日までにジムの川島勝会長に運営上の責任があるなどとして、制裁金50万円、プロモーターライセンスを試合が行われた先月8日から6か月間停止とする処分を決めました。
 プロボクシングでは、感染拡大予防のガイドラインで、原則として会場内での水以外の飲食が禁止されていて、JBCの安河内剛本部事務局長は「会場での飲酒は責任が重い。世の中がどういう状況にあるのか、責任者には改めて認識してほしい」と話しています。

来月のボクシング全日本選手権は中止に 新型コロナの影響 | ボクシング | NHKニュース2020年10月26日
 日本ボクシング連盟は、来月都内で開催を予定していた「全日本選手権」について、新型コロナウイルスの影響で中止することを決めました。
 ボクシングの全日本選手権は、アマチュアの日本一を決める大会です。

減量も禁止を迫られたボクシングで今できること(1/2ページ) - 産経ニュース2020.10.29
 10月中旬、関西学院大兵庫県西宮市)の学生会館内にあるリング上では、ボクシング部員が黙々と拳を繰り出していた。濃厚接触を避けるためスパーリングはまだ禁じられており、目の前に相手はいない。
 同大は関西学生ボクシングリーグの1部に所属する強豪。20人の部員を抱えるが、一度に練習できるのは大学のガイドラインで定められた3人まで。閑散とした練習場で、ひたすらシャドーボクシングに打ち込んだ中井隆人選手は「パンチの感覚を忘れそうです」と苦笑した。
 部員を鼓舞する掛け声は禁止。マスクを着用してのミット打ちやサンドバッグの連打でも、雄たけびを上げるのはNGだ。
感染症に対する抵抗力を低下させる恐れがあるため、負担の大きい無理な減量は行わない》
 日本ボクシング連盟が8月に出したガイドラインにはこんな記載がある。
 通常なら試合の数週間前から始める減量をやめ、何カ月も前から食生活を変えることで、徐々に体重を減らしていく。関学大の別の部員は「コロナ以降、食事の誘いを断り続けています」と明かす。コロナで変容した競技のあり方に対応するために、選手のプライベートもまた変化を余儀なくされている。

コロナ下のボクシング世界戦 入場者絞り「大声控えて」「マスクを」 後楽園厳戒 - 毎日新聞2020年11月6日
世界ボクシング機構WBO)フライ級王座決定戦(6日、後楽園ホール
 新型コロナウイルス感染拡大後、海外選手を招き、観客を動員して実施された国内初のボクシング世界戦。来夏の東京オリンピックパラリンピックに向け「海外選手を招く興行の失敗」は許されないとあって、会場は厳戒態勢が敷かれた。
 「いよいよ戦えるということに感謝したい」。
 初の世界戦を翌日に控えた5日、WBOフライ級3位の中谷潤人(22)=M・T=は前日計量をパスして新型コロナのPCR検査でも陰性となり、オンライン取材で安心した表情を見せた。
 開催が2度延期となった今回の世界戦は、異例の配慮がなされた。開催発表は2週間前の10月23日。中谷と対戦する同級1位のジーメル・マグラモ(26)=フィリピン=が検査を経て、無事来日するのを待ったからだ。マグラモは来日後2週間、ホテルで隔離生活を送り、取材対応はなし。中谷もスパーリングを公開せず、予備検診や調印式は公開されなかった。海外からの来日を最低限にとどめたため、試合役員を中立国から呼ぶこともできず、全員が日本ボクシングコミッションJBC)役員となった。
 後楽園ホールの収容人数は約2000人だが、チケットは一般販売されず、招待客やジム関係者ら約400人の入場に絞った。観客は間隔を空けて座り、場内ではスタッフが「会話や大声での応援はお控えください」「ご観戦中もマスクを着用してください」と記されたカードを掲げ、注意を呼びかけた。関係者らはリングサイドを慌ただしく動き回り、「緊張する」と言葉少なに話した。
 3日の世界ボクシング協会WBAライトフライ級タイトルマッチは、スーパー王者・京口紘人(26)=ワタナベ=の新型コロナ感染で中止になったばかり。JBCの安河内剛事務局長は「コロナと共存する難しさは実感している」と話した。

*1:不良華族事件 - Wikipediaのこと

*2:早稲田大教授(行政法)。著書『国の不法行為責任と公権力の概念史:国家賠償制度史研究教授』(2013年、弘文堂)

*3:東京慈恵会医科大教授(憲法学)。著書『予算議決権の研究:フランス第三共和制における議会と財政』(1995年、弘文堂)、『ほんとうに憲法「改正」していいのか?』(2002年、学習の友社)、『憲法を学び、活かし、守る:強まる危機に立ち向かう』(2013年、学習の友ブックレット)

*4:立命館大教授(刑法学)。著書『刑事立法と犯罪体系』(2003年、成文堂)、『過失犯論の現代的課題』(2004年、成文堂)、『刑事過失論の研究』(2005年、成文堂)、『「共謀罪」を問う:法の解釈・運用をめぐる問題点』(2017年、法律文化社

*5:日本平和委員会常任理事、原水爆禁止日本協議会原水協)全国担当常任理事など歴任。日本共産党平和運動局長。著書『それぞれの「戦争論」:そこにいた人たち(1937・南京〜2004・イラク)』(2004年、唯学書房)、『名作の戦争論』(2008年、新日本出版社)、『社会を変える23章 そして自分も変わる』(2015年、新日本出版社

*6:反貧困ネットワーク世話人、『週刊金曜日編集委員。著書『悪の枢軸を訪ねて』(2004年、幻冬舎文庫)、『雨宮処凛の「オールニートニッポン」』(2007年、祥伝社新書)、『生き地獄天国:雨宮処凛自伝』(2007年、ちくま文庫)、『プレカリアートデジタル日雇い世代の不安な生き方』(2007年、洋泉社新書y)、『ともだち刑』(2008年、講談社文庫)、『排除の空気に唾を吐け』(2009年、講談社現代新書)、『ロスジェネはこう生きてきた』(2009年、平凡社新書)、『生きさせろ!難民化する若者たち』(2010年、ちくま文庫)、『右翼と左翼はどうちがう?』(2014年、河出文庫)、『非正規・単身・アラフォー女性:「失われた世代」の絶望と希望』(2018年、光文社新書)など(雨宮処凛 - Wikipedia参照)

*7:和光大学名誉教授。著書『学力と人間らしさをはぐくむ』(2008年、新日本出版社)、『新学習指導要領を主体的につかむ』(2018年、新日本出版社

*8:沖縄県議、宜野湾市長を経て現在、参院議員

*9:北海道大学教授。著書『子ども虐待と家族』(編著、2013年、明石書店)など

*10:2004年に『伊織ちゃんはなぜ死んだか』(後に『ネグレクト(育児放棄):真奈ちゃんはなぜ死んだか』と改題し、2004年、小学館→後に、2007年、小学館文庫)で第11回小学館ノンフィクション大賞受賞。著書『満州女塾』(1996年、新潮社)、『移民環流:南米から帰ってくる日系人たち』(2008年、新潮社)、『ルポ虐待:大阪二児置き去り死事件』(2013年、ちくま新書)、『家族幻想:「ひきこもり」から問う』(2016年、ちくま新書)、『児童虐待から考える:社会は家族に何を強いてきたか』(2017年、朝日新書)、『自死は向き合える:遺族を支える、社会で防ぐ』(2017年、岩波ブックレット

*11:後に杉山『ルポ虐待:大阪二児置き去り死事件』(2013年、ちくま新書)として刊行

*12:日本共産党ジェンダー平等委員会事務局次長

*13:著書『「激変の時代」のコンビニ・フランチャイズ』(2010年、花伝社)、『フランチャイズは地域を元気にできるか』(2011年、新日本出版社

*14:著書『日本の公安警察』(2000年、講談社現代新書)、『北朝鮮に潜入せよ』(2006年、講談社現代新書)、『ルポ拉致と人々:救う会公安警察朝鮮総連』(2011年、岩波書店)、『絞首刑』(2012年、講談社文庫)、『増補版・国策捜査:暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』(2013年、角川文庫)、『トラオ:徳田虎雄・不随の病院王』(2013年、小学館文庫)、『抵抗の拠点から:朝日新聞慰安婦報道」の核心』(2014年、講談社)、『青木理の抵抗の視線』(2014年、トランスビュー)、『ルポ国家権力』(2015年、トランスビュー)、『誘蛾灯:二つの連続不審死事件』(2016年、講談社+α文庫)、『日本会議の正体』(2016年、平凡社新書)、『情報隠蔽国家』(2018年、河出書房新社)、『安倍三代』(2019年、朝日文庫)、『暗黒のスキャンダル国家』(2019年、河出書房新社)、『時代の抵抗者たち』(2020年、河出書房新社)など

*15:新党さきがけ代表代行、橋本内閣経済企画庁長官など歴任

*16:毎日新聞社論説委員、科学環境部長。著書『理系白書』(2003年、講談社文庫)、『理系思考』(2007年、毎日新聞社)、『気になる科学』(2012年、毎日新聞社)、『カガク力を強くする!』(2019年、岩波ジュニア新書)など

*17:月額20数万程度であり、俺的には全然高いカネではないですね。年間250万円だけで生活できるかと言ったらもちろん出来ないわけです。むしろ本来は一般国民もその程度の年金を終身もらい、『学士院会員』にはもっと優遇措置が執られても当然かと思います。

*18:志らく同様のウヨ芸人。

*19:まあサンデーモーニングなどはコメンテーターからして『菅批判派の青木理氏』などを呼んでますからね。橋下なんぞ呼ぶ『グッとラック』などとは比較になりません。

*20:2015年に、物理学者のスティーブン・ホーキングを演じた『博士と彼女のセオリー』でアカデミー主演男優賞、ゴールデングローブ賞主演男優賞、英国アカデミー賞主演男優賞を受賞(エディ・レッドメイン - Wikipedia参照)

*21:元日本ウエルター級チャンピオン。現在はボクサーを引退し、家業の豆腐屋を継承している。全国商工団体連合会(全商連)青年部協議会副議長。著書『「とうふ大好き!」レシピ110:元気の素を手軽においしく』(共著、2007年、新日本出版社)(小林秀一 (ボクサー) - Wikipedia参照)

*22:ボクシングに詳しくないので「日本王者クラスでそんなもんなの?、安過ぎね?」とびっくりですね。どう見てもプロスポーツとして「野球やサッカー、ゴルフなどに比べて」ボクシングは「割がいい」とはいえそうにない。

*23:いくら無名とは言え「殴り合いしてたった8万円」とは割が合わないにもほどがあると思います。