今日の中国ニュース(2020年12月13日分)(副題:楊海英のクズさ、バカさに心底呆れる&浅井先生の記事紹介)

◆楊海英のツイート

楊海英*1
 隣人が抑圧されている以上、日本人も安全とは言えない。

 隣人とは勿論「香港(デモ参加者逮捕など)、ウイグル強制収容所疑惑など)、チベットの件」ですがそれのどこが「日本人も安全とは言えない」なのか。
 「中国の日本侵略の危機」「中国に旅行や仕事、留学で渡航した邦人が不当に拘束される」とか具体的に書ける物なら楊は書いてみろという話です。


西側の「戦狼外交」批判と中国外交部の公式見解|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
 浅井氏の批判は小生の理解では次の3つです。
1)米国が国益から海外に軍事展開しても容認する英仏独伊などが、中国外交に対して「戦狼外交」呼ばわりするのは二重基準でおかしいのではないか。米国の方が余程「戦狼外交」ではないのか。そこには人権問題などとは直接は関係ない「反共主義」「中国脅威論」など「不純(?)な考え」があるのではないか。
2)そもそも中国外交はそれほど欧米の言う「戦狼外交」なのか(一帯一路、AIIBなどは「戦狼外交」とはかけ離れてるのではないか)
3)中国外交を批判する場合でも「客観的とは言いがたく極めて情緒的な言葉」である「戦狼外交」という言葉を使うのは不適切である(まだ覇権外交など従来から使われている類似の内容の言葉の方ががまし)。にもかかわらず「覇権外交」などでなく「戦狼外交」と言う言葉をわざわざ使うのは問題がある。
 小生も全く同感ですので上記のように浅井記事のリンクを張っておきます。

【参考:戦狼外交】

「戦狼外交」の本質は「中国脅威論」の焼き直し=外交部_中国国際放送局2020.12.10
 8日付のドイツ紙「デーリー・ミラー」は、「中国の戦狼」を題に、同紙が言う中国の「戦狼外交」を非難しました。華春瑩報道官はこの記事を受け、「根本的に言えば、『戦狼外交』に関する非難は事実、『中国脅威論』の焼き直しに過ぎず、一部の人が中国のためにカスタマイズした『言葉の落とし穴』である。しかし中国人には原則があり、気骨がある。中国の主権、安全保障、発展の利益と世界の公平と正義など根本的問題については、中国外交は断固として、あらゆる悪意ある挑発にも力強く反撃し、国の利益と尊厳を力強く守り、世界の公平と正義を守っていかなければならない」と強調しました。

獅子王になりたい? 「中国は戦狼ではなくシンバ」、華報道官:時事ドットコム2020.12.11
 中国外務省の華春瑩報道官は10日、ソーシャルメディア上で他国に対して攻撃的な言葉を使用する中国の外交官らについて、「戦狼」と呼ぶのは不当で、むしろ米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーの映画『ライオン・キング』に登場する若きライオン「シンバ」と共通点が多いと主張した。
 華氏の発言は、中国政府が「戦狼」外交を展開していると指摘したドイツメディアの報道を受けたもの。戦狼という名称は、ランボーをほうふつとさせる特殊部隊の隊員が外国の傭兵部隊と戦う大ヒット中国映画に由来する。
 華氏は10日の定例記者会見で『ライオン・キング』に言及し、中国の外交官を戦狼と呼ぶ人々は、さまざまな嫌疑をかけられ、あらゆる非難を浴びながら成長したかわいいライオンのシンバについてどう思うだろうかと発言。
 「中国にぬれぎぬを着せる人々はオオカミやトラのように振る舞うことが許される*2のに、中国は物言わぬ子羊であらねばならないのか?」と華氏は述べ、中国外交官らの攻撃的な発言を擁護。中国の戦狼外交に対する批判は、中国脅威論の表れにすぎないと切り捨てた。
 華氏はさらに、「中国は積極的にもめ事を起こすことはないが、もめ事を恐れていない。強要や脅迫に屈することもない」と述べた。

「戦狼外交」に外交部コメント 「中国は沈黙する子羊になれというのか?」--人民網日本語版--人民日報2020.12.11
 中国が「戦狼外交」を展開しているとの報道について、中国外交部(外務省)の華春瑩報道官は10日の定例記者会見で、次のように指摘した。
主権国家である中国は自らの主権・安全・発展上の利益及び国家の名誉と尊厳を守る権利を持ってはならないとでも言うのか?
・まさか彼らが「ありもしない」罪名で中国に対して狼や虎さながらに激しい非難を浴びせている時に、中国側は子羊たちのように沈黙することしかできないとでも言うのか?
・中国が無節操な非難やイメージ毀損、あざけりと罵りに対して反撃し、事実を説明していることを理由に、中国外交を「戦狼外交」と呼ぶのなら、中国の主権・安全・発展上の利益を守り、国家の名誉と尊厳を守り、国際公平・正義を守るためには、「戦狼」となっても構わないのではないか?

*1:静岡大学教授。著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『ユーラシア草原からのメッセージ:遊牧研究の最前線』(共著、2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)、『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店→後に2018年、岩波現代文庫)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋→後に『モンゴル騎兵の現代史:チベットに舞う日本刀』と改題した上で、2020年、中公文庫)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『フロンティアと国際社会の中国文化大革命: いまなお中国と世界を呪縛する50年前の歴史』(共著、2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)、『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店)、『最後の馬賊:「帝国」の将軍・李守信』(2018年、講談社)、『モンゴル人の中国革命』(2018年、ちくま新書)、『中国人の少数民族根絶計画』(2019年、産経NF文庫)、『モンゴル最後の王女:文化大革命を生き抜いたチンギス・ハーンの末裔』(共著、2019年、草思社文庫)、『独裁の中国現代史:毛沢東から習近平まで』(2019年、文春新書)、『逆転の大中国史』(2019年、文春文庫) 、『中国が世界を動かした「1968」』(共著、2019年、藤原書店)、『モンゴルの親族組織と政治祭祀』(2020年、風響社)、『内モンゴル紛争:危機の民族地政学』(2021年刊行予定、ちくま新書)など。

*2:海外に積極的に軍事展開しても英仏独伊などが容認する米国のことか?