「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年1/1日分:島田洋一の巻)

島田洋一
 謹賀新年
 今年もよろしくお願いします。
 昨年初秋に出した拙著のタイトル『3年後に世界が中国を破滅させる』に即せば、あと2年以内に世界は中国共産党政権を倒す、前後して北朝鮮政権も、ということになります。
 為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり*1

 言ってることが非常識すぎて吹き出しました。
 まあ常識的に考えて「あと2~3年以内」に「中国共産党政権」や「朝鮮労働党政権」が倒れる可能性は皆無でしょう。
 つうか「救う会の副会長」の新年挨拶ツイートが「今年こそは拉致被害者救出、なせばなる(以下略)」ではなく「今年こそは中国、北朝鮮打倒、なせばなる(以下略)」とは「はあ?」ですね。
 そしてここまで大口叩いたからには

「あと2~3年以内に中国共産党政権や朝鮮労働党政権が倒れなかったら、お前、もちろん『3年後に世界が中国を破滅させる』は絶版にするよな?」
「その上で『嘘書いて済みませんでした』と謝罪くらいはするよな?」
「当然、もう二度と中国崩壊だの北朝鮮崩壊だのという本は書かないよな?」
「その程度の覚悟があって物言ってるんだろうな?」

て話です。たぶん島田にはそんな責任感は皆無でしょうが。

島田洋一
(ボーガス注:現時点での緊急事態宣言発令を求めた都知事に対し、発令を否定した)政府側(西村康稔担当相)も、飲食店の営業時間を午後8時までとするよう知事らに求めたという。経済壊しと責任転嫁を競ってどうするのか 
政府、緊急事態宣言に慎重姿勢崩さず 「責任転嫁」の都に不信感 - 産経ニュース

島田洋一
 今、感染症原理主義によってこうした居酒屋文化が壊されている。無責任な煽動的メディアの批判を気にしないトランプのような指導者が欲しい。まず武漢ウイルスをエボラ出血熱並みに扱う愚を排することだ
紀行・教養・ドキュメンタリー 太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選 | BS11(イレブン)|全番組が無料放送

 まず武漢ウイルス*2を(ボーガス注:二類で原則入院として、一類で入院扱いの)エボラ出血熱*3並みに扱う愚を排することだ

とは拙記事「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年12/29日分:島田洋一の巻) - bogus-simotukareのブログでも以前触れましたが

「二類(新型コロナの現状)」だと「原則、病院に入院」なので「病床数が足りない今」、(どこまで下げるかはともかく)「入院しなくてもいい」三類以下に下げざるを得ないのではないか、そして宿泊施設療養とすべきと言う意見

であり、これ自体は「一理ある」と俺も思います。ただし、島田の場合は「完全にコロナをなめて」、外食産業などの規制不要、自粛不要ですから論外ですね(さすがにその島田でもマスク着用や三密防止、手洗い、うがいは否定しませんが)。
 島田は「自粛論者は居酒屋業界を潰す気か!」と強弁しますが、もちろん「感染防止のためには外食産業(島田が触れてるのは居酒屋だけですが)の営業規制、自粛もやむなし」と言う論者は「外食産業が潰れて良い」と言ってるわけではありません。
 例えば共産党のキャッチコピー「#自粛と補償はセットだろ」のようなことを主張してるわけです。
 そして「トランプ支持者」島田のように「コロナなんて高齢者と基礎疾患患者以外は死亡率低いんだから外食産業は通常営業で良くねえか?」「感染症原理主義反対!」「居酒屋を通常営業しろ!」などと馬鹿なことを言っていたらいつまで経ってもコロナが終息しないでしょう。
 当然ながら「居酒屋を通常営業しろ!」の島田においては「GOTOトラベル、イートは続行して良かった(なぜ菅政権は野党やマスコミの批判に屈した、一時的な支持率低下など気にするな!)」「緊急事態宣言の発令など勿論問題外」なので「常軌を逸してる」としか言いようがないですね。
 そして「居酒屋評論家」太田和彦*4もこんな文脈で紹介されるのは迷惑でしょう。おそらく太田氏は島田のような「自粛全否定論」ではないのに島田のせいで「自粛全否定論者」と誤解されかねないからです。
 それにしても

政府、緊急事態宣言に慎重姿勢崩さず 「責任転嫁」の都に不信感 - 産経ニュース
 東京都など1都3県の知事が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を求めたのに対し、政府は即座の再発令に慎重な構えを崩さなかった。飲食店にさらなる営業時間の短縮を要請しない東京都に対するいらだちもあり、再発令の前に知事が必要な措置を取るべきだとする立場を鮮明にした。
「国からは、直ちに行う措置として知事に次のような要請を行った」。
 西村康稔経済再生担当相は2日夜、小池百合子都知事らとの会談後、記者団にこう述べ、飲食店の営業時間を午後8時までに短縮することなどを求めたと明らかにした。
 政府は飲食店での大人数での会合が主な感染源とみているが、時短要請の権限は都道府県知事にある。特に新規感染者数が1日1300人を超えてもなお、午後10時までの営業が可能な都の対応を問題視してきた。しかし、小池氏は「現実は厳しい」として応じていなかった。

 と言う小池の態度は意味不明ですね。
 緊急事態宣言発令を国に要求するのなら「緊急事態宣言発令」より飲食業界にダメージが少ない「午後8時までの営業自粛」を要請されたら「分かりました、自粛をやります。でもそれで効果が無かったら緊急事態宣言を発令してくれますか?」「分かりました。でも国が自粛を要請してる(都の単独判断ではない)のだから、業者への補償についてはある程度国も面倒を見てくれますか?」と畳みかけるべきでしょうに。
 そこで「8時短縮では業者の営業が厳しい」と言いだしたら国から「あなたが要請する緊急事態宣言発令したら、もっと厳しくなるでしょ?」「『営業自粛で倒産した』などの批判が出たときに、単に、国に責任転嫁したいだけじゃ無いのか?」という反発が出るのは当然です。

*1:「なせばなる」とは「事実認識や方法論が間違っていても精神力で何とかなる」と言う話ではありません。それならば「日独伊は連合国に勝利できた」し、「毛沢東の大躍進も成功していた」でしょう。

*2:いい加減「新型コロナウイルス」を「武漢ウイルス」と呼ぶのは辞めたらどうなのか。

*3:確かに「入院が原則」と言う意味では「一類も二類も同じ」ですが「一類の方がよりレベルが高い」のに「二類の新型コロナ」と「一類のエボラ(しかも新型コロナと違い死亡率が非常に高い)」を同列に並べる島田の物言いは詐欺的と言って良いのでは無いか?。ちなみに「新型コロナと同様の二類」としては「結核」『サーズ(重症急性呼吸器症候群)」「ジフテリア」「ポリオ」「マーズ(中東呼吸器症候群)」があります。二類指定の是非はともかく治療法が確立され、「高齢者や基礎疾患を持つ人間」でない限りもはや死亡することはまずない結核が指定されてることで分かるように「死亡率の高さ」だけで二類指定されるわけではありません。

*4:1968年、大学卒業後、デザイナーとして資生堂に入社。1989年に独立し、「アマゾンデザイン」を設立。2001年からは東北芸術工科大学教授も務める。資生堂在籍時より居酒屋巡りを趣味としている。著書『完本・居酒屋大全』(1998年、小学館文庫)、『ニッポン居酒屋放浪記 立志篇』(2000年、新潮文庫)、『ニッポン居酒屋放浪記 疾風篇』、『ニッポン居酒屋放浪記 望郷篇』(以上、2001年、新潮文庫)、『超・居酒屋入門』(2003年、新潮文庫)、『自選 ニッポン居酒屋放浪記』(2010年、新潮文庫)、『居酒屋百名山』(2013年、新潮文庫)、『居酒屋を極める』(2014年、新潮新書)、『銀座の酒場を歩く』(2015年、ちくま文庫)、『日本の居酒屋:その県民性』(2016年、朝日新書)、『老舗になる居酒屋 東京・第三世代の22軒』(2018年、光文社新書)、『居酒屋へ行こう。』(2018年、ポプラ新書)、『居酒屋道楽』(2020年、河出文庫)、『太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選 名酒放浪編』(2020年、光文社新書)、『BARへ行こう。 居酒屋へ行こう。』(2020年、ポプラ新書)など。また、現在、BS11で『太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選』が放送中(太田和彦 - Wikipedia参照)