今日の中国ニュース(2021年1月4日分)

中国共産党、100年目の孤独: 日本経済新聞
 「孤独ねえ(苦笑)」ですね。登録してないと、途中までしか読めませんが記事タイトル「(ボーガス注:中国共産党創設)百年目の孤独」云々から予想される通りの内容です。たぶん「百年の孤独」(ガブリエル・ガルシア=マルケス*1小説タイトル、またはそれにヒントを得て付けられた焼酎の名前)にひっかけて「上手いことを言ったつもり」なんでしょうけど。
 昨年末に「大筋合意した」EUと中国の間の投資協定問題一つとっても「国際社会から孤立する中国」云々といった物言いは明らかに事実に反しています。それにしても「これが日経の中国総局長か」と思うと「悪い意味で絶句」ですね。


【産経抄】1月4日 - 産経ニュース

 正月休みは『目に見えぬ侵略』(飛鳥新社)を読み返していた。副題に「中国のオーストラリア支配計画」とある本書は、蜜月だった豪州と中国の関係が険悪となるきっかけにもなった。

 やれやれですね。「中国の対豪州外交」を批判的に評価するにせよ、中国がどうすれば豪州を支配できるのか。馬鹿馬鹿しくて話になりません。まあ飛鳥新社も東京サザエさん学会『礒野家の謎』(1992年、飛鳥新社)、『磯野家の謎・おかわり』(1993年、飛鳥新社)で一発大きく当てた以外には「その後も同様の謎本を出す」などしてもろくに実績が上げられず「貧すれば鈍する」で今や「ウヨ本の量産に励む」と言うのだから哀れな会社です(まあ、それでウヨの組織購入でそれなりに儲かるというのも嫌な話ですが)。ちなみに「月刊Hanada」の版元も飛鳥新社です。
 ちなみに東京サザエさん学会は

東京サザエさん学会 - Wikipedia
◆磯野家の謎(1995年、集英社文庫
◆磯野家の謎・おかわり(1995年、集英社文庫
◆磯野家の危機(2018年、宝島社)

ということで今は飛鳥新社との縁が切れたようです。
 過去には

雁屋哲『日本人の誇り』(1995年、飛鳥新社
◆アマゾンの著書紹介
 日本がいかなる理由があったにせよ(ボーガス注:太平洋戦争において)アジアの国々で残虐行為をした事は事実だ。それなら、きれいに謝ろう。「美味しんぼ」の原作者が現地取材で明らかにする、日本軍の原罪。

なんて本も出してるのにねえ。まあ、今の飛鳥新社の酷さを考えるに

ヒットマンガ「美味しんぼ」の作者の著書なら売れる

程度の思惑しかなかったのでしょうが。

 元日付の毎日新聞は、(ボーガス注:中国では承認されたが日本では)未承認のワクチンが日本国内に持ち込まれ、一部の富裕層が接種を受けている事実をすっぱ抜いていた。提供したのは中国共産党幹部に近い中国人コンサルタントだ。

 やれやれですね。毎日記事はさすがに、恐らく「中国ガー」ではなく「未承認のワクチンが日本に持ち込まれて果たして良いのか、健康被害が出たらどうするのか」「日本政府はきちんと取り締まるべきだ」と言う話だと思います。つまり問題は「中国」云々では無く「ロシアワクチン」「アストラゼネカ(英国)、ファイザー、モデルナ(米国)のワクチン」でも同じ*2なのに「中国ガー」に話をゆがめてしまう産経がいつもながら酷い。

 読売新聞は、中国の「千人計画」を取り上げていた。日本学術会議の問題をめぐって話題になった人材獲得プロジェクトに、少なくとも44人の日本人研究者が関与していることがわかった。中国軍と関係が深い大学*3に所属する研究者も含まれる。日本人研究者が本人の自覚のないまま*4、中国の軍事力強化に協力している可能性がある。そんな悪夢のような実態を伝えていた。

 いつものウヨの「千人計画へのくだらない言いがかり」です。「軍事転用の危険ガー」などという産経、読売等ウヨの物言いには何一つ根拠がない。
 読売新聞もそこまで落ちぶれたか、産経とまるで変わらない非常識極右だな、『極右ナベツネ』の悪影響か、と言葉もありませんね。ナベツネの「負の遺産」はあまりにも大きく「奴が死ぬまでは読売は改善しないんじゃ無いか(早くナベツネに死んで欲しい)」「いやナベツネが死んでも読売は改善されるのか?」と絶望的になります。
 そもそも日本人研究者が「千人計画に応じる」のは「日本より中国の待遇が良いから」です。
 日本ではいつまで経っても専任講師や助教止まりで、教授どころか、いつ准教授になれるか分からない、研究予算もろくに付かないという若手研究者に中国に限らずどこの国であれ、「あなたを准教授として雇用し、研究予算もこれだけ付けます」などの好待遇を示せば、それに惹かれるのは当然の話です。それに対して「今まで酷い待遇で済まなかった、これからはきちんと好待遇に務めるので中国に行かないでくれ」ならともかく「何で中国に行くんだ!、中国の軍事力強化に加担するのか!」と非難するとはどういう神経をしているのか。
 それは「研究予算を付けたくないけど、中国に行って欲しくない」という産経や読売、あるいは自民党など「反中国ウヨ」の自分勝手でしかないでしょう。そんなふざけた話がどこの世界で通用するのか。まあ、仮に「産経などウヨの非難を嫌って中国の大学等に行く研究者が減った」としても、今のままでは「中国以外の外国(欧米など)」か「大学を嫌って日本の民間企業」かどっちにしろ「日本の大学で研究する人間の数」は減り続けるでしょう。どこの世界に待遇の悪い場所にいたい人間がいるのか。

*1:1982年にノーベル文学賞受賞(ガブリエル・ガルシア=マルケス - Wikipedia参照)

*2:というか日本で承認されたワクチンは今のところありません、日本での承認を前提にアストラゼネカファイザー、モデルナと契約はしていますが

*3:日本の大学だって最近は防衛省との共同研究をしているところがある(その是非はひとまずおきます)わけで全くくだらない言いがかりです。

*4:故意に加担してるとは読売や産経ですら言えないのでこう書くわけですが、「軍事転用」云々に根拠は全くないのでふざけた話です。