今日の中国ニュース(2021年1月7日分)

◆中国での日本アニメ、日本での中国アニメ

中国の若者文化を育んだ日本の漫画・アニメ――中国動漫産業の実態と動向(前編) | HON.jp News Blog
 おなじみ、北京大学・馬場公彦氏*1によるレポート。今回は、中国動漫産業の歴史や動向について。
・筆者の現在の職場である北京大学国語学院日本語学科に入学してくる学生たちに志望動機を尋ねてみると、十中八九挙げるのは幼少期に親しんだ日本のアニメ・漫画・テレビドラマの影響である。その学生たちと大学そばの映画館に、当時封切られたばかりの『名侦探柯南 绀青之拳(名探偵コナン 紺青の拳)』(※)を観に行った。館内びっしり詰めかけた青少年たちの熱気と喚声に圧倒された。セリフはおろかストーリーにもついていけない当方を尻目に、観客たちはすべて了解して熱狂していた。
[※追記:初出時『名侦探柯南 绯色的子弹(名探偵コナン 緋色の弾丸)』としていましたが、誤りでした。お詫びして訂正します。]
 彼ら「90後」がよく話題にする日本動漫のコンテンツを思いつくまま挙げてみよう。彼らが生まれ育った以前から放映されていた『鉄臂阿童木(鉄腕アトム)』『聡明的一休(一休さん)』『哆啦A夢(ドラえもん)』『桜桃小丸子(ちびまる子ちゃん)』『名偵探柯南(名探偵コナン)』『蝋筆小新(クレヨンしんちゃん)』『宝可夢(ポケモン)』『棒球英豪(タッチ)』などに親しみ、リアルタイムでは『七龍珠(ドラゴンボール)』『足球小将(キャプテン翼)』『灌篮高手(スラムダンク)』『網球王子(テニスの王子様)』『航海王(ワンピース)』『火影忍者(NARUTO)』などに熱中したそうだ。
〈後編へ続く〉

オリジナル作品のIPビジネス展開に乗り出す中国動漫――中国動漫産業の実態と動向(後編) | HON.jp News Blog
 いまや中国アニメは質・量とも急成長を遂げつつある。
 なかにはネット小説でもベストセラーとなった『盗墓筆記(The Lost Tomb Season)』『一人之下(The OUTCAST)』『蘿小黒戦記(The Legend of LUOXIAHEI)』のように日本語字幕版・吹替版が製作され日本でも好評を博する作品が出てきた。
 北京大学の学生から『長歌行』(夏達・作)という唐代に題材をとった漫画が翻訳出版されている(ヤングジャンプコミックスより)ことを教えられた。

ということで面白い記事だと思うので紹介しておきます。


リベラル21 争点はどこに?米中対決の今

 中国がその後、RCEPに加わり、TPPにも「積極的に参加する」と、にわかに周辺諸国に接近し始めたのは、米・欧との対立が容易ならざるものと自覚した反動であろう。

 「反中国分子」田畑*2のデタラメさに吹き出しました。田畑が言う「米欧との対立」以前から、中国は「自国の経済的利益になる」との判断から、RCEPにもTPPにも積極的姿勢でした。「にわか」なんて事実はどこにもない。田畑の認識「欧米との対立」云々を仮に肯定するにしてもせいぜい「より積極的になった」程度に過ぎません。
 そして昨年末に「EUと中国との間で大筋合意した投資協定」のことは田畑の目には入ってないのか。少なくともEU諸国(独仏伊など)が田畑が言うほどには「人権問題で中国とバトルする気がない」のは確かでしょう。

>米・欧との対立
 昨年末に「EUと中国との間で大筋合意した投資協定」のことを考えれば田畑氏の認識は間違ってると思います

というコメントを田畑記事にとりあえずしてみましたが、掲載拒否でしょうか(苦笑)(追記:やはり掲載拒否のようです)。


【主張】WHOの調査拒絶 誰が中国を増長させたか - 産経ニュース
 中国批判に話を限定すれば、「中国は疑念を晴らすためにWHOの調査に早急に応じるべきだ(産経)」は正論ではあるでしょう(もちろん応じないことを「批判する」のは、「トランプのような無茶苦茶な中国非難を支持すること」とは違うことを一応断っておきます)。
 しかし、その産経が「安倍首相や自民は、疑念を晴らすために『偽証罪の適用がある』野党の証人喚問要求に応じるべきだ』『何故自民や安倍首相は安倍昭恵氏の証人喚問要求を拒否するのか!』『自民はアキタフーズ疑惑について野党の証人喚問要求(吉川元農水相、西川元農水相)に応じるべきだ』(朝日新聞など)などについては「応じる必要は無い!」なのだから、まあデタラメです。
 産経が安倍夫婦らをかばった理由を中国に適用すれば「必ずしもWHOの調査要求に応じる必要は無い」でしょう。一方で、産経が中国を非難する理由を安倍夫婦らに適用すれば「安倍夫婦は証人喚問要求に応じろ」になる。
 結局、産経にとって「何があろうと安倍らのような『身内』はかばいたい」「中国のような敵は容赦なく非難する」というデタラメだからこうなる。
 それにしても「安倍を散々増長させた分際」でよくもまあ「誰が中国を増長させたか」なんていえたもんです。

*1:著書『『ビルマの竪琴』をめぐる戦後史』(2004年、法政大学出版局)、『戦後日本人の中国像:日本敗戦から文化大革命・日中復交まで』(2010年、新曜社)、『現代日本人の中国像:日中国交正常化から天安門事件天皇訪中まで』(2014年、新曜社)、『世界史のなかの文化大革命』(2018年、平凡社新書

*2:著書『中国を知る』(1990年、岩波ジュニア新書)、『鄧小平の遺産』(1995年、岩波新書)など