今日の産経ニュース(2021年1月22、23日分)

同日実施は困難 4月補選と次期衆院選 自民幹部 - 産経ニュース
 コロナが終息もしてないのによくも馬鹿なことが言えたもんです。まともな人間なら「そんなことは今のコロナが終息してからの話だ」というでしょうに。


台湾新幹線の新車両、日本側の提示価格高騰で破談 「日台協力の象徴」暗礁に(1/2ページ) - 産経ニュース
 当たり前の話ですが台湾は産経らウヨが言うような意味での「親日(何でもかんでも無条件で日本支持)」ではないわけです。
 当然ながら「そんな高い金は払えない」「日本は価格を引き下げろ。それが出来ないというなら契約は白紙撤回して他から調達する」と台湾側が思えばこうなります。産経的には「台湾は親日国!」と宣伝してきた手前、困惑しているかもしれませんが。

 入札案件について産経新聞の取材に、日立製作所は「個別案件の回答は控える」、東芝は「個別の商談に関わり答えられない」としている。

 恐らく今水面下で「契約を取り消すなんて言わないで下さい、値引きとかそれなりの対応を考えますから(日立、東芝)」として必死の巻き返しなのでしょう(成功するか知りませんが)。その状況下では「ノーコメント」となるのはある意味当然です。
【追記】
 コメント欄でアンドリュー・バルトフェルドさんから指摘のあった記事については以下の記事を参照下さい。

急展開、台湾新幹線「国際入札」打ち切りの裏側 | 新幹線 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
 日本の新幹線輸出唯一の成功例、台湾高速鉄路(高鉄)が1月20日、日本企業連合の新規車両購入に関する交渉を打ち切り、第三国からの購入も含めて新たな調達を模索することとなった。
◆「なぜN700Sよりも高いのか」
 高鉄は12両1編成で12編成の新規購入を予定。このうち8編成を入札にかけた。現地報道によれば日本連合が高鉄に提示した1編成当たりの価格は50億台湾ドル(約186億円)。一方で、高鉄の関係者は日本連合の入札価格は8編成で233億台湾ドル(869億円)、つまり1編成当たり29億台湾ドル(108億5000万円)としている。
 高鉄は現在使われている700T(東海道山陽新幹線700系の台湾仕様。Tは台湾のT)を2012年に4編成を追加購入しているが、この時の1編成価格45億9000万円の倍以上に相当する。しかし、今回新規購入をするのは700Tではなく、700Tの後継車両。日本メーカーが製造するとしたら、最新の東海道新幹線N700Sを台湾向け仕様に改める可能性が高い。高鉄関係者は怒気を隠さずにまくしたてる。
 「N700Sは日本では1編成16億台湾ドル(約60億円)と聞いている。それが台湾向けになるとなんでこんなに跳ね上がるんだ!」
 高鉄は日本企業連合に抜き差しならぬ不信感を抱いている。
 台湾高鉄の日本に対する不信感は開業のはるか前まで遡ることができる。
 台湾が高速鉄道建設を決めたのは李登輝が初の民選総統となった翌年の1997年のことだった。BOT(一括事業請負後譲渡)方式で民間会社が建設、運営して投下資本回収のための一定期間の後、政府が高速鉄道そのものを回収するというプランである。
 これに応じたのが李登輝の金庫番と言われた劉泰英率いる中華高速鉄道連盟と、台湾実業界立志伝中の人物であるエバーグリーングループの総帥、張栄発とゼネコン女性経営者、殷琪(伯父は日中戦争時、国民党から対日協力に走り、北京郊外に冀東防共自治政府を建てた殷汝耕。殷汝耕は日本の敗戦後、漢奸として銃殺)ら台湾財界が結集した台湾高速鉄道連盟の2社で一騎打ちとなった。
 台湾高鉄は独シーメンス、仏アルストムのヨーロッパ方式、中華高鉄は日本の新幹線方式導入を目指し、日欧の代理戦争となった。当初、日本語を流暢に操る李登輝の金庫番、劉泰英が率いる中華高鉄有利とみられていたが、ふたを開けてみれば台湾高鉄欧州方式が受注した。当時、日欧代理戦争を取材したベテラン記者は振り返る。
「最も力があった時の李登輝ですら、その決定には口をはさむことはできませんでした。まず劉泰英自身が政府の中で疎まれていたこと。金庫番というのは国民党の党有資産を投資、管理する中華開発の責任者だったということですが、黒い金を李登輝のために集めていた。それで行政院長(首相)、交通部長(国土交通相)が支持しなかった。価格面では台湾高鉄が中華高鉄よりも圧倒的に安価ではあったが、安全保障の要因がさらに大きかった」
 アメリカはクリントン政権時代、対中関係を重視して台湾のF16売却を拒否。台湾は仏独に代替武器を求めるほかなかった。フランスはミラージュ200-5を60機台湾に売却した。それとバーターで高鉄が日欧代理戦争に勝利することとなったというのだ。
 これにあわてたのが橋本龍太郎*1小渕恵三*2の2人で、何とか逆転発注しなければいけないと親台派の梶山静六*3佐藤信二*4らを台湾にお百度参りさせ、政財界要路に対する工作を開始した。当時を知る台湾政商はその熱気は凄まじいもの立ったと振り返る。
「張栄発、殷琪ばかりか親日派財界人総なめといってもいいほどの活動でした。李登輝さんが最終的に決断したと巷間言われていますが、事実は違う。政府はすでに高鉄に受注させていたのだから、政府はもはや口出しはできない。高鉄が独自に判断した。その決定権者は最高実力者だったエバーグリーンの張栄発しかいません」
 その決断は鉄道を車両と通信システムを日本方式、そして軌道・トンネル・橋梁などを欧州方式とするというものであった。


【産経抄】1月23日 - 産経ニュース

 「延々と事情を説明してくださいと言ってません」「総理はこの期に及んでもだらだら言い訳」。
 ともに立憲民主党辻元清美副代表がかつて、安倍晋三前首相の国会答弁にぶつけた言葉だが、野党はその時代を懐かしむのか。今度は、菅義偉首相の答弁があまりに簡潔すぎると言い出した。
 安倍氏の答弁には、野党は「そんなこと聞いていない」「質問したことだけに答えて」と反発していた。その姿を間近でみていた菅首相にしてみれば、どうすればいいのかという心境かもしれない。

 おいおいですね。
 問題は答弁の長さではない。長かろうと「質問にまともに答えないはぐらかし」なら「そんなこと聞いてない」「聞かれたことに簡潔に答えろ」となるし、逆に「答えたくない」が故に「短い答弁(しかも極めて抽象的)」で片付ければ「そんな短い答弁では全然答えになってない」となるのは当たり前です。
 野党が言いがかりを付けてるわけではない。

 こんな時代だからこそ目立ちたがり屋のスタンドプレーや、口先だけで内実の伴わない奇麗ごとには気を付けた方がいいだろう。

 どうも野党への因縁のようですが、その典型は野党よりも、むしろ「パンケーキ」で親しみやすい人物を演じようとした現首相・菅や、在阪テレビに出たがる「維新の吉村・大阪府知事」といった「産経のお仲間連中」にこそ該当すると思いますが。


【主張】武漢封鎖から1年 発生源の徹底究明を急げ - 産経ニュース
 この問題をすぐにでも中国叩きのネタにしたいらしい「産経らしい社説」ですが「急ぐ必要は無い」でしょう。
 第一に「感染源がどこか」と感染予防やワクチン開発は直接には関係しない。第二に「下手に急いで怪しい結論を出す」位なら十分な調査をすべきです。


「断じて受け入れられず」茂木外相が慰安婦判決確定で談話 - 産経ニュース
 一審判決に納得がいかないなら「高裁にまず控訴する」のが普通の人間でしょうに「控訴しないで確定させた」あげく「判決には従わない」と言うのだから意味が分かりません。
 当然ながら控訴することは「控訴審で主権免除主張を行う」のならば「主権免除主張(過去の日本政府主張)を日本政府が否定したこと」を意味しませんし、高裁で「主権免除主張が受け入れられるかどうか」も現時点では分かりません。地裁の判決が高裁で変わることは古今東西、何ら珍しいことではない。
 「韓国への偏見が酷いらしい」菅政権一味は「韓国裁判所は最高裁から地裁までグルで、控訴しても判決は変わらない」と妄想して「控訴は無意味」と思ってるのかもしれませんが、そんなことは世間に公言できる話ではない。そう見なすまともな根拠が何もないからです。


自民・石破氏「不愉快の極み」 菅内閣支持率の低下報道を批判 - 産経ニュース
 記事を何度読んでも石破が何が言いたいのかさっぱり分かりません。
 発足当初、政権支持率が高かったのに、支持率低下でマスコミの批判も増えてきたケースなんて過去にも「田中内閣」「細川内閣」「鳩山内閣」などあります。何も菅内閣だけの話ではない(なお、細川、鳩山が短命に終わったように菅政権も短命化がささやかれてるわけです)。
 今頃になって菅に媚びてるんですかね?


大阪 広域一元化条例の骨子決定 - 産経ニュース
 住民投票で二度も敗北したのに「住民投票の不要な府議会、市議会での条例制定」で「大阪市を事実上廃止しよう」というのだからふざけるにもほどがあります。何とか阻止して欲しいところです。

*1:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、自民党幹事長(宇野総裁時代)、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相

*2:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相などを経て首相

*3:竹下内閣自治相・国家公安委員長、宇野内閣通産相、海部内閣法相、自民党幹事長(宮沢総裁時代)、橋本内閣官房長官など歴任

*4:佐藤栄作元首相の次男。竹下内閣運輸相、橋本内閣通産相など歴任