今日の中国ニュース(2021年1月24日分)(副題:楊海英のクズさ、馬鹿さに今日も呆れる)

【正論】中国共産党、怪物となった百年 文化人類学者、静岡大学教授・楊海英 - 産経ニュース

 中共という幽霊の生みの親は日本である。

 何のことかと言えば、中国共産党の指導者は「マルクス直訳」ではなく、「河上肇」など、日本のマルクス経済学者の著書から学んだ人間が多いし、その結果、「中国におけるマルクス主義関係用語(例:同志)」は「日本製の漢語」から多くを持ってきているという話です。
 ただしそれはもちろん「結果論」であって日本人が中国共産党を支援したという話とはまた違いますが。

 国際的に孤立していた中共は72年に「生みの親」の日本と外交関係を結んだ。賠償金は不要、との寛大のパフォーマンスを演じて日本の政治家を虜(とりこ)にした。

 吹き出しました。「英国との国交樹立(1950年、アトリー労働党政権)」「フランスとの国交樹立(1964年、ドゴール政権)」「イタリアとの国交樹立(1970年)」「ニクソン訪中発表(1971年7月)「中国の国連加盟(1971年10月)」「ニクソンが実際に訪中(1972年2月)」などということで日本(1972年9月に国交樹立)は中国と国交を樹立したのが「西側では最も遅い方の国に属する」のに「(日本の国交樹立当時)国際的に孤立していた中国」とは「大学教授」の肩書きを持つ男が、よくも「モロバレの嘘」がつけたもんです。むしろ「米英仏」などの国交樹立の動きによって「日本が中国との国交樹立に追い込まれた」というのが事実です。特に日本にとって最も衝撃的だったのがいわゆる「ニクソン訪中発表(ニクソンショック)」でしょう。
 もちろん「賠償金は不要」は「賠償金は不要として日本と国交を締結した台湾(中華民国)との対抗上そうした」と言う面が強いのであって、「中国が狡猾」と言うような話ではないし、ましてやこんなことで「虜にされる」ほど日本の政財官界も単純ではない。彼らが「虜になった」のはむしろ「魅力的な中国の巨大市場」でしょう。

 善良な日本国民は国を挙げて中国の復興に尽力し、賠償金以上の巨額の援助が投じられた。

 もちろんそんなきれいごとではなく、巨額の援助は多くの場合「紐付き援助」であり、日本企業が「援助にくっついていた」わけで、日本企業の金儲けのネタでもあったわけです。

 生みの親としての責務からも、日本は中共と毅然(きぜん)と向き合い、戦わなければならないだろう。

 「生みの親」などという無茶苦茶な言いがかりも大概にして欲しいですね。中国ビジネスを行っていたのは何も日本企業だけでは無く欧米企業もそうですが。


台湾で日本人との同性婚が可能に 国際結婚の制限撤廃へ:時事ドットコム
 「そうした法案が提出されただけ」でまだ「国会で可決されてない」ので、仮に「可決されることがほぼ確実な見込み」だとしても、記事タイトルはミスリーディングです。
 それはともかく、興味深いニュースとして一応紹介しておきます。とはいえ「日本が同性婚を認めてない事」を考えると「こうしたケースで法的に複雑なトラブルが発生しないかどうか」は気になります。今まで認められてこなかったのも「そうしたトラブルを危惧したから」でしょうし。


台湾総統「東京五輪実現して」 コロナ禍日本にメッセージ:時事ドットコム
 「中国への対抗のため」に日本ウヨに媚びることが習い性になっている蔡英文らしいですが、非常識ですね。蔡には「沈黙は金」と言う言葉を贈りたい。
 蔡が誰かに「東京五輪についてどう思うか」と聞かれれば、「開催を期待」とリップサービス、社交辞令を述べても仕方が無い。それまで攻撃する気はさすがに俺にも無い。
 しかし今回は明らかにそうではないでしょう。いかに「日台友好イベントの挨拶」とはいえ、こんなことは言わず「もっと一般的な友好のメッセージ」でいいでしょうに。
 「こんなことは言う必要も無い」のにわざわざ言ってる上に、「コロナが終息する保障」がどこにもない。
 もちろん「開催を期待」と放言する蔡だって、「こうすれば解決できます」という解決策を提示したわけでもない(する気も無いし、そもそもできないでしょうが)。
 「国際社会の期待に応えざるを得ない、東京五輪は今年開催する!」という居直り材料を菅政権やIOCJOCなどに提供してるようなもんで、実に腹立たしい。


◆楊海英*1のツイート

楊海英
 尖閣が中国に占領されたら、何省に入れられるか?。

 こういう明らかなデマを放言できる神経には心底呆れます。

*1:静岡大学教授。著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『ユーラシア草原からのメッセージ:遊牧研究の最前線』(共著、2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)、『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店→後に2018年、岩波現代文庫)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋→後に『モンゴル騎兵の現代史:チベットに舞う日本刀』と改題した上で、2020年、中公文庫)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『フロンティアと国際社会の中国文化大革命: いまなお中国と世界を呪縛する50年前の歴史』(共著、2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)、『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店)、『最後の馬賊:「帝国」の将軍・李守信』(2018年、講談社)、『モンゴル人の中国革命』(2018年、ちくま新書)、『中国人の少数民族根絶計画』(2019年、産経NF文庫)、『モンゴル最後の王女:文化大革命を生き抜いたチンギス・ハーンの末裔』(共著、2019年、草思社文庫)、『独裁の中国現代史:毛沢東から習近平まで』(2019年、文春新書)、『逆転の大中国史』(2019年、文春文庫) 、『中国が世界を動かした「1968」』(共著、2019年、藤原書店)、『世界を不幸にする植民地主義国家・中国』(2020年、徳間書店)、『モンゴルの親族組織と政治祭祀』(2020年、風響社)、『内モンゴル紛争:危機の民族地政学』(2021年、ちくま新書)など