「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年1/28分:荒木和博の巻)

自衛隊と拉致問題(1月28日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG

 令和3年1月28日木曜日のショートメッセージ(Vol.301)。拉致問題だけではないのですが自衛隊が抱える矛盾についてお話ししました。

 8分20秒程度の動画です。まあ、馬鹿馬鹿しいですね。「世界最強の軍隊」を持つ米国だって「ワームビア君」救出は「米軍の特殊作戦」ではなく「北朝鮮との外交交渉」でした。
 イラン駐在米国大使館占拠事件の解決は「米軍による特殊作戦」が失敗したことで結局、イランとの外交交渉でした。
 つまり自衛隊拉致被害者救出なんて事は全く現実的ではありません。
 何せ「場所がどこにあるか分かる」イラン駐在米国大使館ですら作戦は失敗しました。「拉致被害者がいる場所がどこにあるか分からない」のにどうやって自衛隊で救出するのか。荒木が強弁する「憲法九条云々」「専守防衛云々」などという話では全くない。非常識の極みです。
 「拉致問題だけではないのですが」云々というのは、たとえば小生が「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年1/22分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログで紹介した自衛隊の防衛駐在官(駐在武官)について(1月23日のショートメッセージ): 荒木和博BLOGなどといった話です。「荒木の主張の是非」はひとまずおきますが、もちろん全く拉致とは関係が無い。
 なお、動画において荒木が「荒谷某(荒木が代表を務める予備役ブルーリボンの会メンバー。荒木と同レベルのバカウヨでバイデン不正選挙論やコロナ『ただの風邪』論を公言するキチガイとして知られる)」について批判的な記事、たとえば

陸自OBが私的に戦闘訓練「楯の会に酷似」三島信奉 - 社会 : 日刊スポーツ
 陸上自衛隊特殊部隊のトップだったOBが毎年、現役自衛官予備自衛官を募り、三重県で私的に戦闘訓練を指導していたことが23日、関係者の証言などで分かった。訓練は昨年12月にも開催。現地取材で実際の訓練は確認できなかったが、参加者が迷彩の戦闘服を着用しOBが主宰する施設と付近の山中の間を移動していた。自衛隊で隊内からの秘密漏えいを監視する情報保全隊も事実を把握し、調査している。
 自衛官が、外部から戦闘行動の訓練を受けるのが明らかになるのは初めて。防衛省内には、職務遂行義務や守秘義務などを定めた自衛隊法に触れるとの指摘がある。OBは作家の故三島由紀夫が唱えた自衛隊天皇の軍隊にする考え方に同調するなど保守的主張を繰り返しており、隊内への過激な政治思想の浸透を危惧する声も出ている。
 関係者によると、訓練を指導するのは、テロや人質事件などに対応する陸自唯一の特殊部隊で2004年に発足した「特殊作戦群」の初代群長を務めた荒谷卓・元1等陸佐。

について「防衛省自衛隊情報保全隊のリークに違いない(確かにそうなのでしょうが)」「我々は防衛省にとって敵扱い、危険人物扱い、厄介者扱いなのか!(確かにそうなのでしょうが)」と防衛省に悪口するのには呆れました。まあ、防衛省の方も荒木や荒谷には「憎悪や軽蔑の思い」しかないでしょうが。
 あげく歴代の防衛庁長官、防衛相や防衛大校長を

防衛庁長官、防衛相】
中曽根康弘*1
 佐藤内閣防衛庁長官(後に首相)。1)防衛庁長官時代に発生した三島事件について「迷惑だ」などと荒木らウヨの崇拝する「アイドル」三島を非難したこと、2)首相時代に日中、日韓関係を考慮し、「韓国併合を正当化した」藤尾文相を更迭したこと、靖国参拝を結局1回で辞めたことなどで荒木らウヨが敵視
金丸信*2
 福田赳夫内閣防衛庁長官。1)防衛庁長官時代にいわゆる「超法規的措置発言」をした栗栖統幕議長を更迭したこと(なお、後に栗栖は荒木が党職員だった民社党から参院選に出馬するが落選)、2)1990年に訪朝しいわゆる「三党(自民、社会、朝鮮労働党)合意」を行ったことで荒木らウヨが敵視。なお、金丸氏は防衛庁長官時代にいわゆる「思いやり予算」を開始した事で知られる
加藤紘一*3
 中曽根内閣防衛庁長官。リベラル派(ハト派護憲派)、親中国派であることで荒木らウヨが敵視
山崎拓*4
 宇野内閣防衛庁長官改憲派でありながら「早期の日朝国交正常化」を主張する興味深い御仁。もちろん「早期の日朝国交正常化」を主張したことで荒木らウヨが敵視
衛藤征士郎
 村山内閣防衛庁長官衆院副議長時代に福田康夫*5の依頼で訪朝しようとしたこと(ただし救う会、家族会の非難に結局、屈し、訪朝せず)で荒木らウヨが敵視。
石破茂*6
 小泉内閣防衛庁長官福田康夫内閣防衛相。「平壌への常駐事務所設置」を主張したことで荒木らウヨが敵視
防衛大学校長】
五百籏頭眞氏
 神戸大学名誉教授(日本政治史)。現在、兵庫県立大学理事長、宮内庁参与。著書『日米戦争と戦後日本』(2005年、講談社学術文庫)、『占領期:首相たちの新日本』(2007年、講談社学術文庫)など。首相靖国参拝に否定的なリベラル保守派であり、荒木らウヨが敵視。ウヨ連中の五百籏頭氏敵視の例としては例えば陛下の相談役として五百旗頭氏は適任か 有元隆志(産経新聞正論調査室長兼月刊「正論」発行人) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所
國分良成氏*7
 2021年現在、防衛大学校長。慶應義塾大学名誉教授(中国現代政治史)。著書『中華人民共和国』(1999年、ちくま新書)、『中国政治からみた日中関係』(2017年、岩波現代全書)など。中国政府にある程度批判的な「保守派の学者」とは言え、さすがに荒木ら救う会右翼ほどの反中国極右では無く「首相靖国参拝」にも批判的なため、結局、荒木らが敵視。

を「あんなの*8防衛庁長官、防衛相や防衛大学校長かと思うと腹が立つ。だから防衛省はダメなんだ」と悪口雑言です。まあ、俺は荒木の悪口には何一つ賛同しません。むしろ「お前や西岡力救う会会長)、島田洋一救う会副会長)みたいなバカウヨが幹部の救う会の方が余程ダメだろ」と思いますがそれはさておき。「お前、その悪口と拉致問題解決と何も関係ねえだろ?」て話です。
 しかし荒谷だの田母神だの「ひげの佐藤」だの「一部の自衛隊OB」のキチガイ右翼振りにはため息が出ますね。
 なお、荒木が非難する防衛庁長官、防衛相経験者はもっぱら「アンチ極右」ですが、世論の批判を受けた防衛庁長官、防衛相経験者としては

松野頼三*9
 佐藤内閣防衛庁長官。ダグラスグラマン事件で日商岩井から多額の現金を受領した「灰色政治家(防衛族議員)」の一人として名前が挙がる。
◆増原惠吉
 佐藤、田中内閣防衛庁長官全日空機雫石衝突事故で佐藤内閣防衛庁長官を、増原内奏問題で田中内閣防衛庁長官引責辞任 
宇野宗佑*10
 田中内閣防衛庁長官。首相時代に発覚した女性スキャンダルで短命政権に追い込まれる
◆久保田円次
 大平内閣防衛庁長官(初入閣)。防衛政策通ではなかったことから度々「重大な問題でございますので、防衛局長(政府委員)から答弁をさせます」といった答弁をして批判を受けた(衆議院予算委員会昭和55年2月1日など)。後に宮永スパイ事件で引責辞任。(久保田円次 - Wikipedia参照)
久間章生*11
 第一次安倍内閣防衛相。「原爆は当時としては仕方が無かった」発言が批判を浴び、引責辞任
稲田朋美*12
 南スーダン自衛隊日報問題や都議選での失言が批判され引責辞任

がいます。

*1:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*2:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、中曽根内閣副総理、自民党副総裁(宮沢総裁時代)など歴任

*3:中曽根内閣防衛庁長官、宮沢内閣官房長官自民党政調会長(河野総裁時代)、幹事長(橋本総裁時代)など歴任

*4:宇野内閣防衛庁長官、宮沢内閣建設相、自民党政調会長(橋本総裁時代)、幹事長、副総裁(小泉総裁時代)など歴任

*5:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*6:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*7:正直「安倍政権下で国分氏」と言うのは意外でした。もっと酷いレベルの極右でも任命するかと危惧していたのですが。

*8:つまりは「左翼」だの「北朝鮮シンパ」だのという悪口でしょう。

*9:岸内閣労働相、佐藤内閣防衛庁長官、農林相など歴任

*10:田中内閣防衛庁長官自民党国対委員長(三木総裁時代)、福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相などを経て首相

*11:橋本内閣防衛庁長官自民党総務会長(小泉総裁時代)、第一次安倍内閣防衛相など歴任。

*12:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相など歴任