今日の産経ニュース(2021年1月30日分)

【主張】旭川医大問題 患者不在の「白い巨塔」か - 産経ニュース

 旭川医科大学が、同大学病院の病院長を解任した。
 文部科学省に透明性ある早急な調査と解明を求めたい。
 旭川医大をめぐっては、昨年11月の学内の会議で、学長がクラスター(感染者集団)が発生した市内の民間病院について「コロナを完全になくすためには、あの病院が完全になくなるしかない」などと不適切な発言*1をしたとされる。週刊文春が報じた。
 萩生田光一文科相は「善しあしを述べる立場にない。道民や患者に不安を与えるので冷静に対応してもらいたい」としたが、それでは「白い巨塔」への不信が募るだけではないか。
 病院長の解任理由は、会議を録音して外部に漏らしたことや、マスコミの取材を受け学内を混乱させたことだという。病院長は漏洩(ろうえい)の証拠はないといい、感染者受け入れを求めた際「その代わりおまえがやめろと言われた」と辞任を迫られたと主張している。
 クラスターが発生した病院に勤務する職員の子供が、旭川医大病院に診療を断られたとして学長が提訴される問題も起きている。
 大学が組織統治不全に陥っているなどとして、学長の辞任を求める署名活動も行われている。病院長解任は適正だったのかを含め、文科省は、大学任せにせず調査を主導すべきだ。
 昨年には北海道大学の学長が解任される問題が起きている。学長のパワーハラスメントなどの問題が発覚後、休職して学長不在が1年半にわたった末だった。
 大学改革で学長の役割が増し、権限強化が図られ、学外識者を入れた学長選考会議が適切な人材を選ぶ制度となった。
 それが機能し、適正な運営ができているのか。事は旭川医大だけの問題ではない。

 「事は旭川医大だけの問題ではない」とまでいうのなら産経は「学長選考会議の廃止(教職員による学長選挙制度の復活)」まで言うべきでは無いのか。
 いずれにせよ、「学長の暴言」「無法な診療拒否→訴訟沙汰」「無法な病院長更迭」で、もはや旭川医科大学執行部には俺は怒りと軽蔑の思いしかありません。

【参考:萩生田文科相の記者会見(旭川医科大学問題)】

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和3年1月8日):文部科学省
記者)
 北海道の旭川医科大学の学長、吉田学長がですね、大学病院で新型コロナウイルスの感染者の患者受け入れることを巡って、院長に対してですね、お前が辞めろ。受け入れるならお前が辞めろ、とそういう発言をされたという問題が報じられています。それで、文科省も調査に入っているということなんですが、大臣も報告を受けていらっしゃると思うんですが、この発言についてどういうふうに受け止めていらっしゃるか、また、今後の調査はどういうふうにされていくのか教えていただきたいなと思います。
大臣)
 この発言の事実についても含めて、今、事実関係の確認をしているので。報道など含めた一連の報告は聞いていますけれど、その前後がどういう状況だったのかとかですね、そういうことが分からなくて言葉だけ切り取ったところで、これ*2がいいか悪いかと言われれば、そのワードだけ聞けばですね、不見識だなというふうに感想としては思いますけれど、なぜこういうやりとりになったのかというのは、含めて、今調べています。本来、その学校の理事会やあるいは監事がいるわけですから、文科省が調査をするまでもなく、学内でこういう問題についてはしっかり整理をして、もし正すところがあれば正すべきだと思いますけれど、12月の25日にですね、念のため、事実関係の確認を行うための文書を大学側に発出をしておりますので、その返事を見て、関係者へのみなさんへのヒアリングを行うなど、対応も含めて、適切な対応をしていきたいなと思っています。

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和3年1月26日):文部科学省
記者)
 私から2問、お伺いします。まず旭川医科大学で附属病院の病院長が解任されるという事態になりました。新型コロナウイルスに感染した患者受入れをめぐって、学長と対立していたことが明らかになっていますけれども、文科省として把握されている事実関係と、それから今後の対応について。あと、一連の騒動について、大臣の受止めを教えてください。
大臣)
旭川医科大学において、昨日、学内の会議情報を漏えいしたことなどを理由に、古川病院長を解任したとの旨のプレスリリースが行われたことは承知をしております。学内人事については、各大学の判断で行われるものであり、文部科学省が良し悪しを述べる立場にはありませんが、文科省においては、吉田学長の言動に関する報道について、先月25日付で同大学に対して事実関係の確認を求める文書を発出しており、既に法人及び監事からの回答を得ているところですが、現在、その内容を精査しているところであり、引き続き、事実関係の確認を進めてまいりたいと思います。
記者)
旭川医大について追加でお聞きしたいんですけれども、一部報道ではその患者の受入体制、大学側が文科省に対して患者の受入体制が整っていない中で受け入れるわけにはいかないというふうに説明しているということですけれども、大臣、先日、言葉だけ見れば不見識だというふうにおっしゃっていましたが、内容を受けてですね、現時点でどういうふうにお考えになっているか、教えてください。
大臣)
 今、こちらからの問い合わせに関しての事実関係を求める文書について、(ボーガス注:旭川医科大から)回答いただいたばかりでございますので、その中を精査した上でですね、判断をしたいなと思っています。で、あのとき、言葉の、言うならパワハラという前提で聞かれたものですから。前後の脈略なくその部分だけを聞けば(ボーガス注:学長発言「受け入れるならお前が辞めろ」は不見識に聞こえる)という条件付きで答えたつもりでおりますので、(ボーガス注:学長と病院長の言い分が食い違い、現在、文科省が調査中ですので)直ちにですね、パワハラだと、けしからんというつもりはないということも申し上げたつもりです。あの、いずれにしても学内のことなので、学長と附属病院の病院長という、言うならば、ある意味、執行部、トップの方たちがこういう形で言い争うことそのものが、やっぱり道民や利用される患者さんたちにとっても不安を与えるのじゃないかと思うので、ここは、ぜひ冷静な対応をきちんと学内でしてもらいたいし、そのために各大学に、監事というものをですね、コンプライアンスを高めるために外部の人も含めて設置をしたわけですから、監事機能というものをしっかり発揮していただいて、まずは、学内できちんと整理をしてもらいたいなと、そう思っています。

*1:「不適切発言」というより「差別暴言」ですね。

*2:『受け入れるならお前が辞めろ』発言のこと