今日の中国ニュース(2021年1月31日分)(副題:酒井信彦、楊海英のクズさ、バカさに心底呆れる)

コロナ問題で大勝利を収める中国 - 酒井信彦の日本ナショナリズム

 アメリカのコロナ被害を、一方的にトランプの責任に押し付けて、トランプを落選させたことは、中国にとって予想以上の大戦果といえるだろう。

 馬鹿馬鹿しいとしか言いようがないですね。トランプの落選は「トランプのコロナ対応の失敗」によるものでトランプの自滅でしかありません。
 「中国が押しつけた」のではなくトランプが「全てを中国に押しつけて逃げようとした」がさすがに逃げ切れなかっただけの話です。
 一方で「コロナ対応が評価された」台湾の蔡英文や韓国の文在寅は選挙で勝利したわけです。トランプがまともなコロナ対応をしていれば蔡や文のように政治的に勝利したでしょう。
 「中国の戦果」とは馬鹿馬鹿しいにもほどがある。

 朝日新聞ニューヨーク・タイムズは親密なお友達

 呆れて二の句が継げませんね。もちろん朝日とNYタイムズは「友達」などという関係にはありません。

 特にアジアにおいて中国のライバルと目されるインドに重大な被害を与えたことは、中国にとって多大な喜びとすることである

 これまたトランプ同様「モディ政権のコロナ対応の失敗」でしかありません。

バイオテロの張本人、中国

 故意にコロナを蔓延させたわけでは無く、また中国自体もコロナ被害を受けてるのに「バイオテロ」呼ばわりとは無茶苦茶にもほどがあります。


◆楊海英*1のツイート

楊海英
 尖閣に常在する国*2が来年に、冬のオリンピック開催予定。彼らの国からの武漢肺炎が1億人を感染させた。ウイグル人とモンゴル人*3をジェノサイドの対象にしている。平和の祭典と言えるか?

 突っ込みどころかありすぎです。まず第一に「尖閣に常駐」とは何のことなのか。尖閣周辺に中国艦船が頻繁(?)に来ることは「常駐」とはいえないでしょう。もちろん尖閣を実効支配しているのは日本です。
 第二に正式名称である「新型コロナウイルス(covid19)」ではなく「武漢*4肺炎」といって中国差別を扇動しようとしているところがクズすぎる。また新型コロナが必ずしも「肺炎を引き起こさないこと」を考えれば「肺炎」云々というのも適切な表現ではありません。
 第三にコロナは「自然災害」であり、中国の初期対応に問題があるとしても「少数民族統治の問題」とは意味が違います。後述するように「コロナ予防」を理由に大会を中止、または延期するならともかく「コロナ蔓延は中国が悪い!」などという理由で中止または延期できるわけもない。
 また、死者数について言えば「韓国、台湾が適切な対応で死者数が少ない」一方、「対応に問題があった米国で死者数が多いこと」で分かるように、中国ばかりを非難できる話でもない。
 第四に「ジェノサイド」云々は中国が否定しており、日本政府も現時点では「真偽不明、判断保留」とするように争いのない話ではない。
 そもそもこの「ジェノサイド」とやらが「ナチスユダヤホロコースト」のような「物理的ジェノサイド」を意味するのか、「同化政策=いわゆる文化的ジェノサイド」を意味するのかもよく分かりませんが。
 第五に既に「夏季五輪(2008年)」を中国でやってること、全斗煥軍事独裁時代・韓国(1988年)で夏季五輪をやってることなどを考えれば「人権問題」を持ち出したところで北京冬季五輪が中止されることは無いでしょう。せいぜいソチ五輪(2014年)開会式について「ロシアの同性愛差別(犯罪行為として同性愛を処罰対象にしている)」を理由に米国のオバマ大統領が欠席したようなことしかないでしょう(その米国もモスクワ五輪(1980年)ボイコットとは違い、ソチ五輪ボイコットはしませんでした)。
 なお、コロナの感染状況によってはもちろん「来年(2022年)の北京冬季五輪」は楊が言うような理由(人権問題)とは違う理由、つまり「コロナ感染予防」によって延期、または中止される可能性が勿論あります。
 そもそも「当初予定から1年延期」で今年開催予定の「東京五輪」だってコロナのために開催できるか疑問です。

*1:静岡大学教授。著書『草原と馬とモンゴル人』(2001年、NHKブックス)、『モンゴル草原の文人たち:手写本が語る民族誌』(2005年、平凡社)、『ユーラシア草原からのメッセージ:遊牧研究の最前線』(共著、2005年、平凡社)、『チンギス・ハーン祭祀』(2005年、風響社)、『墓標なき草原(上)(下):内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2009年、岩波書店→後に2018年、岩波現代文庫)、『続・墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(2011年、岩波書店)、『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)、『植民地としてのモンゴル:中国の官制ナショナリズムと革命思想』(2013年、勉誠出版)、『ジェノサイドと文化大革命内モンゴルの民族問題』(2014年、勉誠出版)、『モンゴルとイスラーム的中国』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋→後に『モンゴル騎兵の現代史:チベットに舞う日本刀』と改題した上で、2020年、中公文庫)、『狂暴国家中国の正体』(2014年、扶桑社新書)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)、『モンゴル人の民族自決と「対日協力」:いまなお続く中国文化大革命』(2016年、集広舎)、『フロンティアと国際社会の中国文化大革命: いまなお中国と世界を呪縛する50年前の歴史』(共著、2016年、集広舎)、『「中国」という神話:習近平「偉大なる中華民族」のウソ』(2018年、文春新書)、『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店)、『最後の馬賊:「帝国」の将軍・李守信』(2018年、講談社)、『モンゴル人の中国革命』(2018年、ちくま新書)、『中国人の少数民族根絶計画』(2019年、産経NF文庫)、『モンゴル最後の王女:文化大革命を生き抜いたチンギス・ハーンの末裔』(共著、2019年、草思社文庫)、『独裁の中国現代史:毛沢東から習近平まで』(2019年、文春新書)、『逆転の大中国史』(2019年、文春文庫) 、『中国が世界を動かした「1968」』(共著、2019年、藤原書店)、『世界を不幸にする植民地主義国家・中国』(2020年、徳間書店)、『モンゴルの親族組織と政治祭祀』(2020年、風響社)、『内モンゴル紛争:危機の民族地政学』(2021年、ちくま新書)、『紅衛兵とモンゴル人大虐殺:草原の文化大革命(仮題)』(2021年3月刊行予定、筑摩選書)など

*2:中国のこと

*3:もちろん「外モンゴル」ではなく「内モンゴル自治区

*4:湖北省省都