高世仁に突っ込む(2021年2/9日分)

日本政府はミャンマーの人々の声に応えよ - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 朝鮮半島問題で知られた「毎日新聞」の鈴木琢磨さん*1の記事が出、SNSでも閉店が惜しまれていた。

 有料記事なので途中までしか読めませんが鈴木氏の記事というのが

ああ、コロナブルー:「人間さんよ、このままでいいのかい?」高畑勲監督も通った「ポラン書房」2月で閉店 - 毎日新聞
 在宅勤務の味けなさは会社の帰り道、ちょっと一杯がかなわなくなったこと、それにも増して古本屋めぐりができなくなったことだ。なにせ毎日新聞東京本社は世界に冠たる古書街、神田神保町のすぐそば、ヒマを見つけてはぶらぶらしていた。そんな「神保町ロス」を埋めるべく散歩がてらに通いだした西武池袋線大泉学園駅そばの「ポラン書房」は、品ぞろえよく、目利きのご主人がいる、わが意を得たりの古本屋だった。過去形にしたのは2月7日をもって閉店するからだ。
 足を運ぶとご主人の石田恭介さん(73)、淡々と本を棚に補充していた。
 「正月の年賀状で閉店をお知らせしましたが、みなさん、残念だ、まちの文化の灯が消える、とまで惜しんでいただいて。僕は返す言葉が見つからない。必ずもう一度来ますから、と言ってくださるお客さまのために新ネタ、珍しい本を入れておこうと」。
 店舗をたたむ決心をしたのは昨夏だった。
 「コロナで1カ月半ほど休みましたが、再開後も客足は戻らず、売り上げが落ち込んだまま。家賃の支払いが困難になり、『多少なりとも値下げを』とオーナーに相談しましたが、のれんに腕押しの状態で」。
 パソコンに向かっていた妻の智世子さん(75)がぽつりと一言こぼす。
 「いい本が出なくなった。それも致命的」
 二人三脚での古本商いはかれこれ37年になる。二人が出会ったのは学園紛争の華やかなりし時代、智世子さんは埼玉大教養学部の1期生、恭介さんは2期生だった。一緒に「埼玉大ベ平連」を結成した仲らしい。
ベトナムに平和を!って作家の小田実さんらの提唱した市民運動ベ平連』に共鳴してね。僕は大学を中退し、学習塾をやるようになるんですが、大手の進学塾に押され、もう古本屋しかないかってね。古本屋のおやじへのあこがれはありました」。
 埼玉県和光市で5坪の物件から始めた。
 「東京に出ようとまず大泉学園に移り、さらにこの駅近くに店を構えたのは僕が還暦を迎える直前でした。屋号は、チャランポランな生き方をしてきたからってことと、大好きな宮沢賢治の童話に出てくる『ポランの広場』からとりました」

です。なお、高世曰く

「ポラン書房」は今後はネットの通販を手掛けるという。

だそうです。
 さて鈴木氏の名前でググったら

森喜朗氏、会長辞任の可能性に言及 「女性が…」発言の波紋拡大で(毎日新聞) - Yahoo!ニュース鈴木琢磨
 東京オリンピックパラリンピック組織委員会森喜朗*2会長が3日の日本オリンピック委員会JOC評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言した問題を巡り、森会長は4日、毎日新聞の取材に応じ、「女性を蔑視する意図は全くなかった」と釈明した。そのうえで森会長は自身の去就に触れ、「責任を果たさなければならないと思っているが、辞任を求める声が強くなれば、辞めざるを得ないかもしれない」と、辞任の可能性に言及した。
 女性蔑視とも受け止められる発言*3が国内外で波紋を広げており、森会長は「軽率だった。おわびしたい」と述べ、今回の発言の真意について「一般論として、女性の数だけを増やすのは考えものだということが言いたかった。女性を蔑視する意図はまったくない」と説明した。森会長はさらに「昨夜、女房にさんざん怒られた。『またあなた、大変なことを言ったのね。女性を敵にしてしまって、私はまたつらい思いをしなければならない』と言われてしまった。今朝は娘にも孫娘にもしかられた」と語った。
 今回の発言を受け、会長職の辞任を求める声が上がっていることについて、森会長は「そういう声が強くなれば、辞めざるを得ないかもしれないですね。迷惑をかけるわけにいかないですから。私は報酬をもらっているわけじゃないし、政治家としての経験を生かした最後のご奉公として今までやってきた。もう私についていけないと組織委の役員とか皆さんがおっしゃるなら、それはやむを得ないこと。邪魔になるというなら、辞めなきゃしようがないんじゃないかな」。

と言う記事がヒットしました。
 この記事については

辞任の可能性を言及させた「森喜朗氏と毎日新聞・鈴木琢磨記者の関係」(ニッポン放送) - Yahoo!ニュース
 ニッポン放送飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月5日放送)に元内閣官房副長官慶應義塾大学教授の松井孝治*4が出演。森喜朗東京五輪パラリンピック組織委員会会長が評議会で語った不適切な発言について解説した。
◆飯田)
 毎日新聞の夕刊で、森さんの去就について、単独だと思うのですが、(ボーガス注:問題発言後、謝罪記者会見前に)コメントを取って来ているのですよね。
◆松井)
 これは、鈴木琢磨さんというすごい記者です。この人は読売新聞の渡辺恒雄さんに、「うちに鈴木琢磨のような人はいないのか」と言わせたほどの人で、いまのメディアにはこのような人はいませんよね。しかも「女房からはこう言われていて、娘からはこう言われている」というようなことまで喋らせて、そこも含めて辞意をほのめかすようなことを取って来たというのは、(ボーガス注:『森さんはきちんと反省している』とアピールして会長辞任論を封じ込めたい、森さんをかばいたいという)鈴木琢磨さんの森喜朗さんに対する愛情を感じましたね。
◆飯田)
 森さんへの愛情。
◆松井)
 この何段抜きにもなっている記事を、早朝の電話などで取材したのだと思いますが、森さんも鈴木さんの電話に出る(ボーガス注:親しい)関係性なのです。この人は政治部ではありませんから、番記者と政治家の関係ではありませんが、メディアと政治家が、ある種一体化してここまでの発言を引き出す*5。鈴木さんは森さんのために(ボーガス注:会長辞任論を封じ込めるには)このように言った方がいいと思って引っ張り出しているのだと思います。しかし、この関係が森さんを甘やかしているのかも知れません。要するに(ボーガス注:森さんの周囲に彼をきちんと批判して)ぶった切る人がいない。

という指摘がありますが恐らく「この指摘の通り」でしょう。
 「安倍万歳のニッポン放送」に「毎日の鈴木記事は森会長辞任論を封じ込めるためのかばい手ではないのか、メディアがそんなことをして良いのか」という資格があるとは「全く思いません」。「そう言う偉そうなことを抜かすのは手前らが過去の安倍万歳を謝罪してから言え!」と思いますが、おそらくそう言う思惑の記事なんでしょうねえ。鈴木氏の、そして、鈴木氏を幹部(編集委員)として処遇し、鈴木記事を載せる毎日新聞の政治スタンスにはかなり問題があると思いますね。まあ、有能な記者ではあるのでしょうし、もちろん毎日には森氏に批判的な記事もありますが。
 さて「話が脱線しますが」森発言についていくつか「俺的に面白い記事を見つけた」のでこの機会に紹介しておきます。
【参考:森発言】

ラグビー協会の女性理事、谷口真由美氏 森会長発言は「残念」 (スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース2/4
 3日の日本オリンピック委員会JOC)臨時評議員会で、東京五輪パラリンピック組織委員会森喜朗会長(83)による女性蔑視発言の矛先となった日本ラグビー協会の5人の女性理事の1人、谷口真由美氏*6(45)が4日、取材に応じ、「少し残念。女性活躍推進は、政府も言っている。政府の中にいらっしゃった(元首相の)森さんの時も、そのように進めていたと認識している。お忘れになったのかなと思う」などと遺憾の意を表明した。
 2019年6月に理事に就任した谷口氏は、現在が1期目。
 旧体制では“密室政治”と指摘される理事会運営が続き、2019年6月の改選期直前に体制刷新に動いたのが、他でもない森喜朗氏。その結果、谷口氏は理事に就任し、理事会の議論が活発化したことはあまりに皮肉な現実だが、「ある意味、こんなことを言ったら後から何を言われるとか、考えていない。言われたら、言われた時だと。誰の顔色もうかがわない。必要なことを、必要な時に述べている」と女性理事全員の思いを代弁した。
 森喜朗氏はラグビー協会の全ての役職から離れているが、現在もラグビー界に隠然たる影響力を持っている。“保身”のためには沈黙を貫くのが賢明との見方があるが、谷口氏は「今、私たちが発言しなかったら、なぜ黙っているの?となる。後ろに続く女性のためにも、言うべきだと思った」と毅然とした態度を示した。

森氏の発言「もしかして、私のこと?」 日本ラグビー協会の稲沢理事 質問止められたことも:東京新聞 TOKYO Web2021年2月6日
 東京五輪パラリンピック組織委員会森喜朗会長が「女性がたくさん入る理事会は時間がかかる」などと発言し、撤回した問題で、森氏が2015年まで会長を務めた日本ラグビー協会の理事、稲沢裕子さん*7(62)昭和女子大特命教授=が5日、取材に応じた。13年に女性で初めて理事に就き、会議で基本的な質問を重ねて森氏に止められた経験も。「女性が増えることは、議論の活性化につながる」と力を込める。(兼村優希)
 森氏の発言と、ラグビー協会を例に挙げたことを報道で知り、稲沢さんはとっさに「もしかして私のことかな」と思ったという。森氏の会長時代に理事だった女性は自分だけ。
 「ラグビーのことを全く知らない素人の立場も私だけだった」
 森氏や他の理事は、ラグビー界でキャリアを積んできた人ばかり。自分のもともとの仕事が新聞記者だったこともあり、理事会ではささいな疑問も遠慮せず質問した。
 「非常に長引かせた張本人だと思う」。
 会議の場では矢継ぎ早に問いを投げかけ、森氏に制止されたこともあった。
 ただ、会議が長引くのを女性と結び付けた森氏の発言は「正しくない」と断じる。
 「女性かどうかではなく、議論しなければならないことは時間がかかる。活発に議論することは必要」
 当時は出場選手が男子に偏りがあったレスリングが五輪種目から除外されそうになり*8、柔道では男性指導者による女子選手へのパワハラ*9が明るみに出るなど、スポーツ界が揺れていた。競技団体の役員に女性がほとんどいないことも問題視され、女性問題を長く取材していた稲沢さんに声がかかった。むしろ「ラグビーの素人」としての意見を求められての起用だった。
 4年ほど女性1人で理事を続けた中で感じたのは、「1人だと、浮く」ということ。
「私の言動が、全て『女は』になってしまう。私1人の発言でしかないのに、あたかも女性が皆そう思っているみたいに捉えられかねない」。
 女性理事が5人に増えた現在は「それぞれの観点から質問し、議論している。それは男性理事も含めて。性別は薄れている」と肌で感じている。
 森氏の発言には大きな反応があったことに希望を見いだす。
「男性もおかしいと声を上げてくれた。間違いなく社会は良い方向に変わっていく」
東京五輪パラリンピック組織委員会森喜朗会長による発言について、日本ラグビー協会の稲沢裕子理事の主な一問一答は次の通り。(兼村優希)
◆記者
 森会長の「女性がたくさん入る理事会は時間がかかる」との言葉をどう受け止めた。
◆稲沢
 『女性が増えると発言が長いから、増やすのは大変だろう』という議論の組み立ては事実と違う。むしろ、異質なものが入ることで議論は活性化する。今まで当たり前だったものが、改めて基本的なところから問い直すと、本当は必要ないことかもしれない。女性が入ることで議論が始まるものもある
◆記者
 実際、森会長にそう言われるような心当たりは。
◆稲沢
 森さんが会長のころ、私の発言を制止された記憶は、正直ある。私は新聞記者だったので、質問をするのが仕事。しかも、初の女性であり、ラグビーのことを全く知らない素人。理事会でも次々と分からないことは聞いちゃう。止められたとき、どんな話をしていたかは覚えていないが、時間はきっと延びていた。逆に他の理事は見えない序列があるようで、質問しにくく、『代わりに聞いてほしい』と頼まれることもあった
◆記者
 森会長に女性蔑視の考えはあったと思うか。
◆稲沢
 森さんには、蔑視するという意識はない*10と思う。ただ、そもそも日本には、『女性は話が長い』と思いがちな風潮が根強くある。そうした女性に対するアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見、思い込み)の一側面ではないか。認識がないまましゃべってしまい、後から指摘されて初めてバイアスがあったと気付く。

 なお、ラグビー協会の女性理事は2019年度、2020年度 役員人事のお知らせ|日本ラグビーフットボール協会|RUGBY:FOR ALL「ノーサイドの精神」を、日本へ、世界へ。によれば、取材に応じた稲沢氏(再任)、谷口氏(新任)以外では「浅見敬子氏*11(再任)」「石井淳子氏*12(新任)」「齋木尚子氏*13(新任)」ですね。
【参考おわり】

 ご主人の石田恭介さんは山形県出身とかで、同郷の井上ひさしさんを慕っていたそうだ。私ともご縁があるわけだ。

 何が「ご縁か」と言えば、高世も山形出身と言うことですね。高世仁 - Wikipedia井上ひさし - Wikipediaに寄れば高世が山形県南陽市、井上が山形県東置賜郡小松町(現在は川西町)です。井上が主宰者だった劇団「こまつ座」の「こまつ」はおそらく「小松町」からとっているのでしょう。

 ミャンマーの軍事クーデターの報には「まさか」と驚くと同時に大きな失望をおぼえた。
 ミャンマーは、独裁からの民主化を平和裏におこなうことに成功した。その後の国づくりがうまく進めば、他の独裁国へのお手本になれると大いに期待していたからだ。
 おさらいしておくとー
 軍事政権が続いていたビルマ(当時の国名)に1988年民主化を要求する大衆運動が起きた。国軍はこれを武力で弾圧し、たくさんの市民が命を失った。
 1990年には総選挙が行われ、スーチー氏率いる国民民主連盟 (NLD) が圧勝するが国会は一度も開かれず、国軍は民主化勢力を弾圧。
 2010年11月、スーチー氏の自宅軟禁が解かれ、11年には前年の総選挙(NLDは参加していない)にもとづいた国会が開かれ、形の上では軍事政権から民政移管された。
 2015年11月8日、民政復帰後初めての総選挙が実施されNLDが圧勝。しかし、憲法の規定で、スーチー氏の大統領就任がかなわず、かわりに大統領にはNLDのテイン・チョー氏がなった。スーチー氏は国家顧問、外務大臣、大統領府大臣を兼任して政権の実権を握る。
 去年11月の総選挙でもNLDが396議席と圧勝し、国軍系政党はこれまでより議席を減らして33議席と惨敗した。いまの制度では、選挙なしで国軍には全664議席の4分の1の166議席が与えられるが、それでもNLDは楽に多数を確保できる。
 クーデターで全権を握った最高司令官のミン・アウン・フライン氏は、2016年に5年間延長された総司令官の任期切れが迫り、引退が目前となって焦りが募ったとも言われている。
 2010年以降の民主化は、国軍がスーチー氏らに妥協する形をとり、スーチー氏も国軍を立てながらで、だましだましやってきた感がある。例えば、民主化以前の国軍の行為(弾圧を含む)について個々の軍人の責任を問わないなどNLDも相当妥協してきた。
 二つの勢力が妥協しながら進めてきた10年の民主化が、ここにきて崩壊した。こうなった以上、ミン・アウン・フライン司令官はちょっとやそっとでは折れないだろう。
 ミャンマー国内では抗議活動が広がっているという。またかつてのような流血の事態にならぬよう祈る。

 中国や北朝鮮については「体制打倒」など、散々悪口雑言する男がミャンマーについては漸進的民主化でもOK、軍部に妥協したスーチーについて「スーチーに失望した、妥協するな!」などと批判はしないというのだから全くデタラメなもんです。ミャンマー政府は白昼堂々、日本人(長井健司氏)殺害すらしているのに。
 それにしても中国や北朝鮮についてはやれ「日本人の身柄拘束(中国)」「日本人拉致(北朝鮮)」で「同胞である日本人の人権が侵害された。日本人として許せない」と悪口雑言し、北朝鮮相手には経済制裁まで主張し、政府に制裁発動させるウヨ連中が、「同胞である」長井氏の殺害でろくにミャンマー批判せず、日本政府のミャンマー経済支援や日本企業のミャンマー進出を容認する(もちろんミャンマーへの経済制裁など主張しない)のはデタラメにもほどがあると言うべきでしょう。結局、そこには

ミャンマーは中国や北朝鮮と違って共産国家ではない
ミャンマーは中国や北朝鮮に比べて日本の侵略をうるさく批判しない
◆中国と違ってミャンマーは日本にとって「経済的脅威」にはなりえない
ミャンマーで金儲けがしたい
◆フリージャーナリストが死のうが知ったことじゃないという職業差別
◆戦前から続く中国や北朝鮮への差別意識

などといった「人権と全く関係ないこと」が考慮されてるわけです。そんなウヨ連中が人権云々で中国、北朝鮮批判とは全く片腹痛い。
 中国や北朝鮮を人権面で批判するならミャンマーも批判しろ、ミャンマー批判しないなら、お前らウヨは「人権」云々と嘘八百ほざかないで黙ってろて話です。

 どこで人権弾圧があってもグローバルな問題として扱われなければならないが、ここでいつも出てくるのが中国。現在でもミャンマーの最大の貿易相手国であり投資国で、今後ますます影響力を強めるだろう。これが軍政を長期化するのではと危惧されている。

 中国もミャンマーと経済的つながりがあるとは言え、中国が当事者である香港問題や少数民族問題(チベットウイグルなど)ならまだしも、言いがかりも大概にしろという話です。
 「欧米や日本、あるいはミャンマーの隣国である東南アジア諸国ミャンマーと付き合いは無かった」のか。そんなことはないわけです。

日本企業は433社がミャンマーに進出しているが、さっそく動きがでた。
 《キリンホールディングス(HD)は5日、ミャンマーでのビール事業に関し、国軍系企業との合弁を早期に解消すると発表した。クーデターで実権を掌握した国軍の資金源となっている可能性を人権団体や国連から指摘されていた。既に合弁解消を申し入れており、今後別のパートナーを探して同国での事業継続を目指す。》(時事5日)

 「キリン良くやった」といいたげな高世ですが、でもキリンは「今回のクーデター以前」は国軍企業と合弁していたわけです。
 国際的な「ミャンマー軍批判の高まり」の中、「欧米でのキリン不買運動」などを恐れたに過ぎないでしょう。
 しかもキリンがやるというのは「国軍系企業との合弁解消」。ミャンマーからの撤退ではありません(撤退しろとはいっていませんが)。
 今後の動きを監視していないと

◆例のウヨ歴史教科書を扶桑社からでは無く育鵬社(扶桑社の子会社)から出版

のような「国軍系企業Aと合弁解消し、別企業Bと合弁したが実はBは、Aとつながりがないように偽装しているだけで、人脈、資金源などはAと深いつながりがあり事実上はAと変わりない」とかそこまで酷くなくても「結局、合弁先はAではないものの、別の国軍系企業のダミー企業(軍とつながりがないように偽装してるだけ)だった」ということにもなりかねません。
 いやもっと酷いと「合弁解消しようとしたが、難しいので諦めた」なんてことすらありうる。
 何せミャンマー軍は軍事クーデターすら実行する連中です。キリンが「合弁解消したい」といって「はい、分かりました」で応じるほど向こうも甘くないでしょう。

 日本外務省のHPには菅政権成立後の去年10月27日の日付で以下のような「人権外交」をアピールしている。
国連憲章第1条は、人権及び基本的自由の尊重を国連の目的の1つとして掲げ、また、1948年に世界人権宣言が採択されるなど、国連は設立以来、世界の人権問題への対処、人権の保護・促進に取り組んできています。日本は、アジアでの橋渡しや社会的弱者の保護といった視点を掲げつつ、国連の主要人権フォーラムや二国間対話を通じて、国際的な人権規範の発展・促進をはじめ、世界の人権状況の改善に貢献してきています。》
 「アジアでの橋渡しや社会的弱者の保護」を具体的にどうやっていくのか、注視していきたい。

 ミャンマー問題で「『人権外交』云々というなら、日本企業の利益優先で、クーデターを前面容認することだけは辞めよ」「欧米と共に、ミャンマーへの圧力を強め、スーチーら国民民主連盟 (NLD) 幹部の釈放を求めよ」と日本政府を牽制、批判する高世です。
 もちろんそこには「こんなものはお為ごかしに過ぎない」という高世の日本政府への不信があるわけですが。

*1:毎日新聞夕刊編集部編集委員。著書『金正日高英姫』(2005年、イーストプレス)、『テポドンを抱いた金正日』(2006年、文春新書)、『今夜も赤ちょうちん』(2012年、ちくま文庫)、『日本国憲法の初心:山本有三「竹」を読む』(2013年、七つ森書館)など

*2:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相。現在、東京五輪組織委員会会長、日本スポーツ協会最高顧問(元日本スポーツ協会会長)

*3:どう見ても「女性蔑視発言」でしかない発言をこう書く当たりが「鈴木琢磨さんの森喜朗さんに対する愛情」(松井孝治氏)でしょう。

*4:元通産官僚。通産官僚退官後、民主党から参院議員に出馬し2期12年(2001~2013年)務めた。鳩山内閣官房副長官。現在は政治家を引退し慶應義塾大学教授(松井孝治 - Wikipedia参照)。

*5:この種の関係で特に悪名高いのが「中曽根元首相とズブズブの関係だったことを自ら認めているナベツネ」ですね。

*6:大阪国際大学専任講師、准教授などを経て、現在、大阪芸術大学客員准教授。近鉄ラグビー部の選手やコーチを務めた谷口龍平の長女。この縁で、日本ラグビー協会理事(2019年6月に就任)の他にもラグビー協会新リーグ法人準備室長を務めている。2012年9月には、「全日本おばちゃん党」を創設し、2019年12月に解散するまで、代表代行を務めた。メディア・講演活動のマネジメント業務を三桂(関口宏が会長)に委託しており、サンデーモーニング(TBSテレビ)コメンテーター(2020年3月まで出演)などを務めた。著書『リプロダクティブ・ライツとリプロダクティブ・ヘルス』(2007年、信山社)、『日本国憲法 大阪おばちゃん語訳』(2014年、文藝春秋)など(谷口真由美 - Wikipedia参照)

*7:リレーエッセイ Vol.18 稲沢裕子さん|株式会社 オデッセイ コミュニケーションズによれば読売新聞元記者。YOMIURI PC(現在は休刊)元編集長

*8:これについては例えばオリンピックのレスリング競技 - Wikipedia参照。結果的にはレスリングは残留し、野球・ソフトボールが除外された。

*9:これについては、例えば女子柔道強化選手への暴力問題 - Wikipedia参照

*10:まあ、稲沢氏も「日本ラグビー協会理事」という立場上、「ラグビー界の重鎮」森氏に悪口雑言するわけにもいかないでしょうが、確かに主観的には「蔑視意識は無かった」でしょう。そう言う意味では『女性はいくらでも嘘をつく(杉田水脈)』のような暴言に比べればまだマシだとは思います。だからといって「謝罪し、発言を撤回したから森氏は組織委員会会長を辞めなくて良い」とは全く思いませんが。

*11:元日本ラグビー女子代表選手。元日本女子ラグビー代表チームヘッドコーチ(浅見敬子 - Wikipedia参照)

*12:厚生労働省社会・援護局長。退官後も『女性初の全日本柔道連盟副会長』や、川崎重工業取締役、三井住友海上火災保険監査役等を歴任。(石井淳子 - Wikipedia参照)

*13:元外務官僚。外務省経済局長、国際法局長、外務省研修所長などを歴任。退官後も双日取締役、日本政策投資銀行監査役日本スケート連盟副会長など歴任。外務事務次官を務めた齋木昭隆の妻(斎木尚子 - Wikipedia参照)。