高世仁に突っ込む(2021年2/13日分)

「三行半」は妻の再婚のための証明書だった - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 150年前、日本女性は世界を魅了した - 高世仁の「諸悪莫作」日記の続きです。

 桂木さんは一つの例として、夫から妻への離縁状、「三行半(みくだりはん)」をあげる。これが夫が好きなように妻を追い出すことができた専横を示す、というのは誤解だという。

 これについては、離縁状 - Wikipediaも「妻が離縁を望む場合」はもちろん何の問題も無いわけですが、「望まない場合」も「相当量の金銭を妻に持たせる」などの条件が必要であり、「好き勝手に離婚できたわけではない」と書いてありますね。

 江戸の男たちはみな「イクメン」だったようだ。

 江戸時代は自営業が多く「職住近接だった」と言う面に注意する必要があるでしょう。単純に現代と比較できる話では無いでしょう。


150年前、日本女性は世界を魅了した - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 スポーツジャーナリストの二宮清純*1が、昨夜の「ニュース23」に登場して、国際五輪委員会(IOC)の収入の7割がNBCからのテレビの放映権料であり、そのNBCが辞任すべしと主張したのがIOCを動かし、辞任に至ったと解説した。
 NBCのサイトを見たら「森氏は辞任しなければならない」との見出しの記事で、
「(IOCにとって)肝要な試練は、正しいことをやることであり、森氏に辞任させることだ。野卑な行為を見過ごすことは、もっと野卑な行為を招くだけである」
“the key test is whether the IOC will do the right thing and force Mori to resign. Ignoring boorish behavior only begets more boorish behavior.”
と非常に強く主張している。

 まあ、NBCだけでは無く「五輪スポンサー各社」が「森が会長を続けるなら、企業イメージが悪くなるからスポンサーを下りる」と言ったこともあるでしょうが、「結局カネで決着した」わけで「何だかなあ」ですね。
 まあ、世論の批判がNBCや五輪スポンサーの「IOCJOC五輪組織委員会への批判」を促進したことは事実なので批判が無意味とは言いませんが。
 ただし、極論すればモスクワ五輪で「出場したいならしろ、国の補助金が出ないことは覚悟しろよ」と政府に恫喝されて当時のJOCが屈服して五輪ボイコットしたのと変わりませんからねえ。まあ、「モスクワ五輪ボイコット要求」と違い「森辞任要求」は「何ら悪いことでは無くむしろ良いこと」ですが。

 今回の騒動で、男女格差(ジェンダーギャップ)の国別ランキングで、日本が153カ国中121位と下位に低迷し、主要7カ国*2(G7)では断トツの最下位であることが話題になった。

 この国別ランキングつうのは世界男女格差指数 - Wikipediaジェンダーギャップ指数ともいう)のことです。ググったら2020年の順位表としてhttps://www.pref.kanagawa.jp/documents/13623/ggi2020.pdfがヒットしました。
 森失言問題に絡んで「ジェンダーギャップ指数が話題になった例」としてはググって見つけた以下の記事を紹介しておきます。

森会長問題で海外の非難の矛先は日本社会全体へ「性差別発言は、日本に深く根差したジェンダー問題の象徴」:中日スポーツ・東京中日スポーツ2021年2月9日
 米誌ザ・ディプロマットは9日、「東京五輪に新たな障害―性差別主義 組織委員会の長が発した性差別発言は、日本に深く根差したジェンダー問題の象徴」と題して特集した。
 同誌は、世界経済フォーラムが男女格差を分析した「ジェンダーギャップ指数2020年」で、日本は153カ国中121位だったにもかかわらず、米シンクタンクのピュー研究による昨年4月の発表では、日本の男性の77%が「既にジェンダー平等は達成されている」と感じていると指摘。日本男性のお気楽な男女平等感が、社会の現状と乖離していると批判した。
 「現実は、日本にはジェンダーにおける偏見や、役職や報酬の格差がはびこっている。森会長の考えは社会が抱えるもっと大きな問題の象徴でしかない」と同誌。さらに「政治家や企業のリーダーたちが『男女は平等だ』と思い込むことは、表面的にはいいことだが、あくまでも具体的な政策や推進度が吟味、精査され、広範囲に及ぶ説明責任が果たされる必要がある。そうでなければ、善意で『男女平等』と口にすることなど無意味だ。有り体に言えば、言葉とは安っぽいものだから」と報じた。 

「森会長辞任へ」伝える 米メディア:時事ドットコム2021年2月11日
 米CNNテレビ(電子版)は11日、東京五輪パラリンピック組織委員会森喜朗会長が辞任する意向であるとの日本国内の報道を受け、東京発で「性差別発言の後、辞任へ」などと伝えた。
 森氏の女性蔑視発言の内容に加え、男女格差を国別に比較した世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数」で、日本が153カ国中121位であることにも触れ、「日本の女性は性差別に頻繁に直面している」とした。

森会長の「女性蔑視」発言 〜 日本は男尊女卑の国!?|シアトル発 マインドフルネス・ライフ|World Voice|ニューズウィーク日本版2021/02/12
 東京オリンピックパラリンピック組織委員会森喜朗会長が、2月3日の日本オリンピック委員会JOC)臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と女性差別的な発言をしたことについて、その波紋は止まることなくさらに広がっている。
 同氏は、会長職の辞任に関して当初は否定していたものの、世論の批判に押される形で11日にようやく辞任する意向を固めた。この一連の騒動はアメリカでもCNNやウォール・ストリート・ジャーナル紙など主要メディアでこぞって報じられた。
 多くのアメリカ人はこのニュースを見て、「日本は男尊女卑の国であり、男女平等という観点ではきわめて後進国」という思いをますます強めたことだろう。電車の中吊り広告ではビキニ姿の女性、テレビに出演する女性の多くも補助的な役割、政治やビジネスの世界でも指導者の女性はまだまだ少ない。実際に、2019年の男女平等の度合いを示す「ジェンダー・ギャップ (不均衡) 指数」では、日本は前年の149か国中110位からさらに順位を落とし、中国(106位)や韓国(108位)、タイ(75位)やインド(112位)よりも下位の153か国中121位で、過去最低となった。
 また、毎年「国際女性の日」に発表されるイギリスのエコノミスト誌による「ガラスの天井指数」でも、日本は経済協力開発機構OECD)加盟国29カ国*3中28位と不名誉な結果を得ている。

CNN.co.jp : 五輪組織委の森会長が辞任 日本の男女格差は世界最悪級2021.02.12
 東京オリンピックパラリンピック組織委員会森喜朗会長(83)は、女性に対する性差別的な発言が先週、国内のメディアで報じられたことを受け、会長職を辞任する意向を固めた。
 日本の女性は常に性差別に直面している。世界経済フォーラムの2020年版「ジェンダーギャップ指数」によると、日本の順位は153カ国中121位と、全主要国の中で突出して男女格差が大きい。上場企業の取締役に占める女性比率は5.3%にすぎず、国会議員に占める比率はわずか10%と、世界の中でも最低級レベルに位置する。

【佐野慎輔の目】問われているのは日本社会、スポーツ界の「男女平等」 - サンスポ2021.02.12
 森氏の辞意で、すべてが解消するわけではない。問われているのは「女性の社会参画」や「男女平等」における日本の社会、スポーツ界のあり方である。
 男女平等度合いを示す世界経済フォーラムジェンダーギャップ指数の順位で153カ国中121位と低い。

 ただし以前から「ジェンダーギャップ指数云々」はマスコミでも報道されてることであり「何を今更」ではあります。森発言以前の報道としてはググって見つけた以下の記事を上げておきます。

【三浦まり】ジェンダーギャップ121位から1年 政治を変えるヒントは地方にある:朝日新聞GLOBE+2020.12.26
◆記者
 男女の格差に社会が気づき、意識が変化したポイントは何だったのでしょうか
◆三浦*4
 最も大きいのはやはり、2019年12月に出た「ジェンダーギャップ指数121位」という数字だったと思います。
 その前には#MeToo運動があり、それまで表面化してこなかった女性の声が可視化され、社会がゆっくりと問題に気づいていきました。日本は他国と比べると#MeToo運動が広がっていないという指摘がありましたが、(性暴力のない社会を訴える)「フラワーデモ」が続いたことは大きかったと思います。
 フラワーデモがなぜ起きたかというと、女性への性暴力事件の無罪判決が全国で4件出て、「こんなひどいことがあるのか」とみんな思ったから。そして、それが報道されたことで問題を知ることができたわけです。
 2018年に財務省事務次官が女性記者にセクハラ発言を繰り返したという問題があり、(ボーガス注:レイプもみ消し疑惑という)伊藤詩織さんの件もありました。

 伊藤さんの件については
 高校生、大学生、警察庁に入庁したばかりの中村格が現在の自分を見たら、ああいうクズにだけはなりたくないと思ったろう - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)(2020年2月3日)
 伊藤詩織さん「世界の100人」に選出・・菅新総理は何思う? - 高世仁の「諸悪莫作」日記(2020年9月23日)を紹介しておきます。
 ちなみに、何故「ジェンダーギャップ指数が低いか?」というと「女性のリーダー(政治家、財界人)が極端に少ないから」ですね。なお、【三浦まり】ジェンダーギャップ121位から1年 政治を変えるヒントは地方にある:朝日新聞GLOBE+で女性議員増加について「クオーター制度(女性枠制度)導入」ばかり強調するのには俺個人は賛同できません。
 むしろ「クオーター制度(女性枠制度)導入」よりも

◆高額すぎる供託金の廃止または減額(女性の多くは資金力が弱い)
◆現職に有利な小選挙区制の廃止(中選挙区制の復活や比例制の導入)や、いわゆる『べからず選挙』の是正(現職は男性が多い)

の方が大事だと個人的には思います。これらはクオーター制と違い「女性議員増加」だけではなく「国民の政治参加の障害を低める」という「クオーター制にはない重要な効果」もあるからです。

 女性の権利、地位、活躍度では圧倒的な後進国なのだが、この状態を、「昔を引きずっている」からだと思っている人が多いと思う。

 「思う」んじゃなくて「事実そうだろ」って話です。
 ただし「女性の社会進出が進んでなかった」なんてのは昔は「どこの国もそうだった」わけです。

フェミニズム - Wikipedia
 1960年代後半から1970年代前半にかけて女性解放運動(米国のウーマン・リブ運動、フランスの女性解放運動 (MLF) など)が世界中に広まり、ニューヨーク、パリなど各地で数十万規模のデモが発生した。

て、ウィキペディアに書いてありますが、まあ、女性の社会進出、特に「男の世界」扱いされてた政治や経済の分野(政治家や財界人)への進出なんてこの時代以降のことです。
「1960年代」なんて今から「たった60年前」ですからねえ。その頃は欧米だって今の日本とそんなに変わらなかったと。
 1975年を国連は「国際婦人年(国際女性年)」としますが、これも「1960~1970年代の女性運動」の動きを受けた流れです。
 今では「ドイツのメルケル首相」「米国のカマラ・ハリス副大統領」などと「欧米中心に」女性の有力政治家も増えてきましたが、昔なんか「サッチャーの首相就任(1979年)」「土井たか子社会党委員長就任(1986年)」なんてのは本当に「びっくり」で「シェー(おそ松くんのイヤミ風に)」だったわけです。
 まあ、アジアにも女性の有力政治家は過去にいますが「土井たか子社会党委員長」「蔡英文台湾総統」など一部を除いて、多くの場合

◆インディラ・ガンジー首相(インド)
 初代首相ネールの娘
◆朴クネ大統領(韓国)
 朴正熙大統領の娘
ベナジル・ブット首相(パキスタン
 ズルフィカール・アリー・ブット首相の娘
アウンサンスーチー国家顧問(外相兼務)
 建国の父アウンサンの娘

とほとんど「世襲」ですからねえ。余り自慢も出来ません。
 「それはともかく」そう言う意味で「昔、日本は女性差別だった」なんてのは「欧米もそうだった」んだからあえて言えば「そんなに恥ずかしいことじゃない」。恥ずかしいのは「いつまで経っても日本が変わらないこと(「変わらない」が言い過ぎなら欧米などと比べて変わるスピードが遅すぎること)」です。
 それも「欧米と比べてどうこう」言うレベルでは今やなくなってる。
 台湾では女性の蔡英文が総統に就任し、一応同性婚も容認している。もはや「欧米どころか、アジアの民主国(台湾、韓国など)と比べても人権的な意味で日本ってどうなのよ?」て状況になっている。

 私の愛読書、渡辺京二*5『逝きし世の面影*6』は、江戸末期から明治初期にかけて日本を訪れた欧米人の目に写った日本を紹介している。これをひもとくと、日本の女性は実に自由で活発、初めて見る外国人にも物おじせず、加えて愛くるしいと激賞されている。

 「外人(いわゆる御雇外国人)が褒めたから何なんだ?」ですね。
 外人は日本の事情に詳しいわけではないし、御雇外国人とは要するに日本政府から「高いサラリー」をもらってるわけです。日本に好意を抱いて何でもかんでも「日本スゴイですね」でも全然珍しくない。世界が驚いたニッポン! スゴ〜イデスネ!!視察団 - Wikipediaテレビ朝日、2014~2019年までレギュラー番組(1時間番組)、現在は不定期放送(2時間番組))、世界!ニッポン行きたい人応援団 - Wikipediaテレビ東京、2016~2020年までレギュラー番組(1時間番組)、現在は不定期放送(2時間番組))に出てくる「日本スゴイ」の外国人みたいなもんです。
 しかも「在野の歴史研究者」と言えば聞こえは良いですが要するに渡辺は「大学教授」などのプロじゃ無いわけです。
 「アマチュアのうさんくさい、信用性の怪しい本」を持ち出して「昔の日本女性は輝いていた!」。
 まだ「尼将軍・北条政子(将軍・源頼朝の妻、初代執権・北条時政の娘、2代執権・北条義時の姉)」「日野富子(将軍・足利義政の妻、将軍・足利義尚の母)」をネタに「中世日本の女性は政治に関与していた!、昔の日本女性の地位は高かった!」という方がまだマシじゃ無いか。
 「お前はアホか(横山ホットブラザーズ風に)」「そんな馬鹿だから会社が潰れるんだよ」「故郷の山形に帰れ、バカ」と高世に悪口したくなります。

「アジア的生活の研究者は、日本に来ると、他の国に比べて日本の女性の地位に大いに満足する。ここでは女性が、東洋の他の国で観察される地位よりもずっと尊敬と思いやりで遇せられているのがわかる。日本の女性はより大きな自由を許されていて、そのためより多くの尊厳と自信を持っている」(福井藩校で教えたグリフィス*7

 高世の紹介するグリフィス発言は「具体性がなさ過ぎて意味不明」ですし言ってることは「他の東洋やアジアの国家(中国や韓国?)」よりは「恵まれてる」程度の話にすぎません。

「農民の婦人や、職人や小商人の妻たちは、この国の貴婦人たちより多くの自由と比較的高い地位をもっている。下層階級では妻は夫と労働を共にするのみならず。夫の相談にもあずかる。妻が夫より利口な場合には、一家の財布を握り、一家を牛耳るのは彼女である」(明治6年に来日し明治44年まで滞在したチェンバレン*8

 「外人の評価」がどれほど信用できるか疑問ですが、「下層階級」つうのがポイントですよねえ。つまりは上流階級(公家や武士など?)では「女性の地位は低い」わけです。
 下層階級だから「猫の手も借りたい」から「女性の地位が高くなっている(つうか女性も男性と共に働く)」にすぎないでしょうに。かつこの場合の「労働」は明らかに「職人や小商人の妻たち=自営業」ですよね。
 自営業だから「職住近接」で一緒に労働できる。今だって自営業で職住近接ならそうした「女性の労働」はありうるでしょう。日本テレビnews every. - Wikipediaの「暇ネタコーナー(every.特集)」で紹介される「街の洋食屋や惣菜屋」とか。
 でも今の日本において自営業で職住近接なんて「労働形態の主流」では明らかにない。
 「一家の財布を握り」つうのも「何だかなあ?」ですね。ドラえもんサザエさんなんかでも「金を稼ぐのは夫(父親)」でも、一家の財布を握ってるのは妻(母)である「のび太のママ」「サザエさん」のわけです。夫は妻から小遣いをもらう。
 そういう家は日本では珍しくない。ならばドラえもんサザエさんの世界は「男女平等」なのか?。聞くだけ馬鹿馬鹿しい話です。

「日本の婦人は作法や慣習の点で、ずいぶん中国女性と違う。後者にとっては、外国人の顔を眼にするや否や逃げ去るのがエティケットなのだが、日本の女は逆に、われわれに対していささかの恐怖も気おくれも示さない。これらの茶屋では、彼女らは笑顔で近づいて来てわれわれをとり囲み、衣服しらべにとりかかる。握手することさえ覚えてしまうのだ」(プラントハンターとして1860年(万延元年)に来日したフォーチュン*9が名所の梅屋敷に立ち寄ったさい)

 『外人に対して当時の日本女性が物怖じしない』が事実だとしても「江戸時代日本の女性の地位」が高いかどうかと何一つ関係ないですが。「お前はアホか(横山ホットブラザーズ風に)」「そんな馬鹿だから会社が潰れるんだよ」(以下略)。

 江戸の庶民には、男言葉と女言葉の差がほとんどなかったという。
 飲酒喫煙もほぼ自由だった。
 離婚歴は当時の女性にとってなんら再婚の障害にはならなかった。その家がいやならいつでもおん出る。それが当時の女性の権利だった。

 最後に、外国人をとりこにしたかつての日本の女たちについて。
「開国したこの国を訪れた異邦人の“発見”のひとつは、日本の女たち、それも未婚の娘たちの独特な魅力だった。ムスメという日本語はたちまち、英語となりフランス語となった。オイレンブルク*10使節団の一因として1860年初めてこの国の土を踏み、62年領事として再来日、72年から75年まで駐日ドイツ大使をつとめたブラント*11のいうように『ムスメは日本の風景になくてはならぬもの』であり、『日本の風景の点景となり、生命と光彩を添え』るものだった」
 この当時の日本女性は実に魅力的だったようである。これを復活させよう。

 赤字部分(飲酒喫煙の自由、離婚の自由)は「女性の権利面で評価できる話」でしょうが、そんなことは、森暴言問題を契機に論じられている「男女の地位が対等かどうか(女性が対等に男性と話が出来るかどうか、女性がお飾りでは無く権限のある役職に就けるかどうかなど)」とは関係ない話です。かつ既に「飲酒喫煙の自由*12、離婚の自由」なんて日本女性にあるし(単身女性は生活苦に陥る危険性があるので、事実上離婚がしがたいという問題はひとまずおきます)。
 ましてや黒字部分(男女の言葉に違いが無い、外国人にとっての『未婚の日本人女性』の魅力)に至っては「女性の権利」とも全く関係ない。
 大体外国人にとっての『未婚の日本人女性』の魅力て、高世の引用文を読んでも何が何だかさっぱりわかりません。
 それにしても高世の「江戸時代礼賛」も酷いですが、明治以降について

【誕生年順】
平塚雷鳥
 1886~1971年。日本婦人団体連合会初代会長、世界平和アピール七人委員会委員など歴任(平塚らいてう - Wikipedia参照)
奥むめお
 1895~1997年。日本生活協同組合連合会副会長、全国婦人会館協議会会長、主婦連合会初代会長など歴任(奥むめお - Wikipedia参照)
宮本百合子
 1899~1951年。作家。日本共産党員。新日本文学会中央委員や婦人民主クラブ幹事など歴任(宮本百合子 - Wikipedia参照)。
土井たか子
 1928~2014年。日本社会党委員長衆院議長、社民党党首など歴任(土井たか子 - Wikipedia参照)

などといった女性活動家*13がいることに全く触れないのも酷いもんです。
 高世のように「江戸時代賛美」なんて馬鹿げたことをやる前に「明治以降の女性活動家の功績と限界」を振り返る方が余程有益でしょうよ。     
 つうか、今回の森辞任もそうですが、過去において

◆1945年:女性参政権の容認
◆1986年:男女雇用機会均等法の制定、土井たか子社会党委員長就任(主要国政政党で初の女性党首)
◆1999年:男女共同参画基本法の制定
◆2000年:ストーカー規制法の制定
◆2001年:DV防止法の制定
◆2014年:リベンジポルノ防止法の制定

など(例は何でもいいですが思いついたものをあげました)があり「欧米に比べればスピードが遅い」とはいえ「女性の人権」は「長い目」で見れば一応「改善の方向に向かってる」のになんで高世は「江戸時代万歳」という訳の分からないことを始めるのか。
 何で「森辞任で女性権利を拡大する運動はまた一歩前進した。この前進を更に続けよう」つう話にならないのか。

*1:著書『スポーツ名勝負物語』(1997年、講談社現代新書)、『最強のプロ野球論』(2000年、講談社現代新書)、『スポーツを「視る」技術』(2002年、講談社現代新書)、『プロ野球の一流たち』(2008年、講談社現代新書)、『プロ野球の職人たち』(2012年、光文社新書)、『プロ野球「衝撃の昭和史」』(2012年、文春新書)、『プロ野球 名人たちの証言』(2014年、講談社現代新書)、『プロ野球名脇役』(2014年、光文社新書)、『広島カープ 最強のベストナイン』(2016年、光文社新書)、『プロ野球 人生の選択:なぜあの選手は生き残ったのか?』(2018年、廣済堂新書)など

*2:米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、日本のこと

*3:OECD加盟国は米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、スペイン、ポルトガル、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクスウェーデンデンマークノルウェーアイスランドアイルランド、スイス、オーストリアギリシャ、トルコ、日本、フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、チェコハンガリーポーランド、韓国、スロバキア、チリ、スロベニアイスラエルエストニアラトビアリトアニア、コロンビアで全部で37カ国です(経済協力開発機構 - Wikipedia参照)。なお、29か国がどこかはこの記事掲載の表を見れば分かります。

*4:上智大学教授(政治学)。『私たちの声を議会へ:代表制民主主義の再生』(2015年、岩波現代全書)、『日本の女性議員 どうすれば増えるのか』(2016年、朝日選書)など(三浦まり - Wikipedia参照)

*5:著書『神風連とその時代』(2006年、洋泉社MC新書)、『北一輝』(2007年、ちくま学芸文庫)、『なぜいま人類史か』(2007年、洋泉社MC新書)、『日本近世の起源』(2008年、洋泉社MC新書)、『維新の夢:渡辺京二コレクション1』、『民衆という幻像:渡辺京二コレクション2』(以上、2011年、ちくま学芸文庫)、『私のロシア文学』(2011年、文春学藝ライブラリー)、『神風連とその時代』(2011年、洋泉社新書y)、『ドストエフスキイの政治思想』(2012年、洋泉社新書y)、『私の世界文学案内』(2012年、ちくま学芸文庫)、『近代の呪い』(2013年、平凡社新書)、『無名の人生』(2014年、文春新書)、『私のロシア文学』(2016年、文春学藝ライブラリー)、『幻影の明治:名もなき人びとの肖像』(2018年、平凡社ライブラリー)、『黒船前夜:ロシア・アイヌ・日本の三国志』(2019年、洋泉社新書y)など

*6:2005年、平凡社ライブラリー

*7:1843~1928年。著書『ミカド:日本の内なる力』(岩波文庫)、『明治日本体験記』(平凡社東洋文庫)(ウィリアム・グリフィス - Wikipedia参照)

*8:1850~1935年。海軍兵学寮(後の海軍兵学校)や東京帝国大学で英語教師を務めた。著書『日本事物誌』(平凡社東洋文庫)(バジル・ホール・チェンバレン - Wikipedia参照)

*9:1812~1880年。著書『幕末日本探訪記』(講談社学術文庫)(ロバート・フォーチュン - Wikipedia参照)

*10:1815~1881年。訪日使節団団長、プロイセン内務相など歴任(フリードリヒ・アルブレヒト・ツー・オイレンブルク - Wikipedia参照)

*11:1835~1920年。駐日公使、駐清国大使など歴任。著書『ドイツ公使の見た明治維新』(新人物往来社)(マックス・フォン・ブラント - Wikipedia参照)

*12:まあ飲酒はともかく喫煙について言えば「喫煙場所以外での喫煙が不可」とされる上に「喫煙場所がどんどん減ってる(ファミレスなどは喫煙場所などもはやない)昨今」喫煙人口自体が減っていますが。

*13:まあ、挙げる名前は誰でも良いので、ここであげた名前は思いつきです