今日の産経ニュースほか(2021年2月14、15日分)

◆2/15・TBSラジオ森本毅郎スタンバイ「日本全国8時です」で森下NHK会長再任問題を批判的に取り上げる
 森下問題については例えば

澤藤統一郎の憲法日記 » 情けなや。【不適】マーク刻印の森下俊三を経営委員再任 ー これが我が国の「民主主義」。
 経営委員会委員長の任にあるのが、森下俊三である。総務省や官邸におもねってNHKの良心的な番組制作潰しに狂奔し、現場をかばおうとしたNHK会長を脅したとんでもない人物。
 昨日(2月9日)の衆院本会議は、NHK経営委員会人事を議事に上程し、この明らかな不適格者である森下俊三の経営委員再任を賛成多数で可決した。立憲民主・共産・国民民主の野党3党は反対したが、多勢に無勢で再任を阻止することはできなかった。
 そして本日、まことに情けなくも、参院本会議においても、数の暴力が正論を押しのけた。額にくっきりと【不適】のマークが刻印されている森下俊三が、経営委員として再任された。経営委員長職は互選だが、事情通の語るところでは、この委員不適格者が経営委員長になるという。
 森下再任に明確に反対した朝日・毎日新聞の社説を引用しておく。
 森下氏は委員長代行時代の2018年、かんぽ生命保険の不正販売を報じたNHK番組を巡り、日本郵政グループの抗議に同調して番組を批判し、当時の会長への厳重注意を主導。放送法が禁じる委員の番組介入の疑いが強い行為をした。注意の際の経営委議事録についても、NHKの情報公開の審議委による全面開示の答申などを実質的に尊重せず、概要しか公開していない。こうした問題を理由に、立憲民主、共産、国民民主党は、森下氏の再任に反対した

を紹介しておきます。
 コメンテーターの山田惠資氏(時事通信社解説委員)は「森会長の女性差別問題ばかりでは無く、我々マスコミや国民は『森』の下に『下』がつく森下会長の問題も公共放送の中立性という意味でもっと問題にしていくべきだと思います」「この件ではかんぽ生命の詐欺的な勧誘手法で被害者も出てるわけですし」と言っていましたが全く同感ですね。しかし、荻上チキ「セッション」といいTBSラジオは比較的、政権批判という意味で頑張ってる方ではないかと思いますね。


首相、五輪組織委会長人事への関与認める - 産経ニュース
 川淵の辞退について「密室談合と理解されるような行為はいかがな物か?」との否定的意見を川淵や森に伝えたと言い「会長人事」に政治的影響力を発揮したことを認めた菅です(まあ、それだけが川淵の辞退の理由では無いでしょうが『世論の川淵批判に対し、菅は一緒になって批判はしないまでも、川淵をかばう気は無い』と知らされたことは辞退の意思を助長したでしょう)。
 もちろんそのことは「川淵の代わりに橋本聖子を会長で」などのごり押しを菅がしない限り何ら悪いことではない。
 しかしそうした批判発言を「密室談合的な行為は良くないという意見を単に伝えただけ、組織委員会の人事に不当介入したわけではない」と言って正当化するなら何故あれほど「森氏の発言は不適切だ。辞任を求める声も国内外に多いし、退任すべきでは無いか」程度の事を言えずに、そうした辞任要求を求める声を「独立組織には政治介入できない」といって拒否し続けたのかと言うことになります。
 結局「森をかばいたかっただけ」「森発言が問題発言だと思わなかっただけ」の話です。「独立組織には政治介入できない」といって「その程度の事すら拒否する」なら森が画策した「川淵への禅譲」についても「会長人事は組織委員会が決めること。不当な政治介入を避けるためノーコメント」と言わないと論理整合性が全くない。
 一方で「川淵への禅譲路線」に「望ましくない」と介入したのは1)川淵への禅譲を支持した場合の「世論の政権批判」を恐れた、2)そうした批判をあえて受けてまでかばうほどの思い入れは川淵にはなかったという話です。

 首相は選択的夫婦別姓制度に関し、「結婚をすれば本人たちが判断すべきだ」と述べ、肯定的な考えをのぞかせた。

 ここからは菅が「リベラル派ではないが、極右でもない」「夫婦別姓を積極支持するほどの思い入れもないが、一方で全否定するほど敵視もしていない」ことがうかがえます。結局「夫婦別姓」についての菅の態度は「党内世論、支持者の世論に従う(特に菅個人の考えはない)」という日和見な物でしかないわけです。極端な話、「二階幹事長」「麻生副総理・財務相」といった政権幹部が「夫婦別姓支持」を公言すれば菅はためらいなく別姓を支持するでしょう。


稲田氏らが森氏発言批判 二階幹事長に女性役員増など緊急提言 - 産経ニュース
 「いつまで経っても何も言わない」よりは「マシ」でしょうが、野党女性議員が「森氏の会長辞任前から彼を批判していた」のに、森氏が辞めてから批判を始め「これを契機にスポーツ界でも政治の世界でも女性幹部を増やしていく必要がある」なんて稲田が言い出しても「滑稽でしかない」。
 それはともかく、この記事からは
1)未だに産経が稲田*1を持ち上げようとしていること(稲田の主張がウヨ的な物では無くむしろ森批判的な物にもかかわらず)
2)「反極右」などという態度は取らない物の、稲田ほどの極右ではない上川陽子*2(法相)、野田聖子*3(幹事長代行)、橋本聖子*4(五輪担当相)などの女性議員が重用されることに「安倍が辞任した今、ウヨ言動だけではかえって低迷する」と「ウヨイメージからの脱却」を彼女なりに目指してることがうかがえます。


ハンドドライヤー禁止、幅の狭いアクリル板…その対策、意味ありますか? 専門家が提言する「真の感染防止」(1/2ページ) - 産経ニュース

 追加注文など、会話がやむを得ないときは、マスクを着け直すか、ナプキンで口をぴったり押さえながら話すといい。

 正直、俺も注文時にそこまではしていませんので今後はそうした点にも「気をつけた方が良いか」とは思います。この点、大手居酒屋チェーンなどであるタッチパネル方式は「触る部分を消毒する必要がありますが」会話不要で便利です。

 一人での黙食を徹底できるなら「営業時間は短縮しなくてもいい」(堀教授)。

 ただし「食事スペースが完全に個人別に区分された店」でもない限り、そんなことは事実上不可能なわけです。
 「家族連れ」などで来店した客に「入店拒否」するわけにもいかないし、入店した場合に「黙食への協力」は要請できても「周囲を無視して大声で話してる」のならともかく「小声で『おいしい』レベルの短い言葉」で「退店してくれ」とも言いづらいでしょう。

*1:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相など歴任

*2:第一次安倍、福田内閣少子化問題等担当相、第三次、第四次安倍内閣法相などを経て菅内閣法相

*3:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、第四次安倍内閣総務相などを経て現在自民党幹事長代行

*4:自民党参院議員会長、第四次安倍内閣五輪担当相などを経て菅内閣五輪担当相