今日の産経ニュース(2021年3月16日分)

旧宮家の皇籍復帰が焦点 政府、皇位継承議論を始動へ - 産経ニュース
 もちろん「元皇族の復帰」など「およそ現実的ではない」。焦点はやはり「女帝容認」でしょうが、産経はそれに反対し、現状維持という放置プレーが今後も続くんでしょうか?


NTT接待、政務三役経験者らを告発 市民団体 - 産経ニュース
 こうした政治腐敗を追及する動きには大いに共感しますね。それにしてもテレビがろくに報じないことが実に腹立たしい。


<独自>同性との不倫も「不貞行為」 妻の相手に賠償命令(1/2ページ) - 産経ニュース

 これまでは、婚姻関係にある男女の一方が同性と不倫をしても、法律上の不貞行為には該当しないとの見解が法律家の間で有力だった。原告代理人によると、同性同士の不倫を不貞行為と認めた司法判断は珍しい*1
 令和元年に原告の30代男性が、妻と性的な行為に及んだ女性を提訴。女性側は、不貞行為は「異性との行為を意味する」などとして同性同士の行為は対象にならないと反論していた。
 今年2月16日の判決は、不貞行為は男女間の行為だけでなく、「婚姻生活の平和を害するような性的行為」も対象になると指摘。「同性同士の行為の結果、既存の夫婦生活が離婚の危機にさらされたり形骸化したりする事態も想定される」として、妻と女性の行為を不貞行為と認定した。
 原告代理人の葛西臨海ドリーム法律事務所の島田栄作弁護士は「同性か異性かではなく、当事者らの関係性を実質的に考慮してくれた。多様な共同生活の形が存在する社会の実態を反映した判決だ」と評価。
 不貞行為をめぐる訴訟は近年、性別に捉われない司法判断が続いており、専門家は「司法でも性別に関係なく、当事者の意思や生活実態を尊重する傾向が強くなっている」と指摘する。
 法律家の間では長らく、婚姻関係にある男女の一方が同性と不倫をしても不貞行為に当たらないとの見方が有力だった。男性と性的関係があった夫との離婚訴訟で、夫と男性の関係について、民法770条で定める5項目*2の離婚事由のうち、不貞行為ではなく「その他の婚姻を継続しがたい重大な事由」と位置付ける名古屋地裁判決があったことなどが影響している。
 ただ、この判決は昭和47年のもの*3
 夫が男性に付きまとったという事情もあったが、夫を「性的に異常」と指摘し、「妻が夫の同性愛を知ったことによる衝撃の大きさ*4を考えると婚姻関係を取り戻すことはまず不可能」とするなど、性的少数者への配慮が少ない時代を反映した内容だった。
 早稲田大の棚村政行教授(家族法)は「おそらく同性同士の不倫について正面から争われた例は過去になく、今回の判決は注目に値する」と指摘。「相手への感情は異性間と変わりないという意味で、同性カップルも法的に保護され、一方で不倫があれば不貞行為と判断される必要があった。性的マイノリティーへの理解が司法でも一定程度進んでいることを示した判断として意義があり、実務上も参考になる」と述べた。

 「不貞」を異性間に限る正当な理由があるとは俺は思いませんので、「正しい判決」だと思います。棚村氏が言うように「同性愛差別は恥ずべき物」という認識が定着してきたことの反映でもあるでしょう。
 

同性婚否定は「違憲」 札幌地裁、初判断 北海道在住3カップル - 産経ニュース
 「ついにそんな判決が出るようになったか」と思うと感慨深い。
 なお、賠償請求は否定されたとのこと。そのため「国からは控訴できません」。今回「二審で判決がひっくり返ること」を恐れて「原告があえて控訴しないこと」もありうるとのことです。


【主張】総務省の接待問題 疑念晴らす明確な説明を - 産経ニュース
 「疑念をはらす」とためらいなく書ける辺りが産経らしいくだらなさです。
 例えば産経は自らが敵視する「プーチン」の「政敵暗殺疑惑」「中国」の「ウイグル・ジェノサイド疑惑」で「疑念を晴らす」云々と書くのか。
 おそらくそうではないでしょう。
 「まともな説明を求める」とは書いても「疑念を晴らす」とは書かないでしょう。
 当たり前ですが「疑念が晴れるかどうか」は説明して、初めて分かることだからです。説明の結果「不自然な説明であり、疑念は更に深まった」ということもありうる。
 「疑念を晴らす」云々と書く時点で産経の「自民党応援団振り」が露呈していると言うべきでしょう。とはいえ産経ですら「疑念を晴らすため説明を求める」と言わざるを得ない(説明しなくて良い、野党の言いがかりだとは強弁できない)わけですが。

*1:そもそも「同性愛差別が深刻だった過去の日本」では裁判になるケースが少ないでしょうからね。裁判沙汰にして「私は同性愛者です」と世間に宣伝したいという人間も少ないでしょう。

*2:5項目とは「一:配偶者に不貞な行為があったとき」、「二:配偶者から悪意で遺棄されたとき」、「三:配偶者の生死が三年以上明らかでないとき」、「四:配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」、「五:その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」

*3:「ストーカーだった」と言う事情があるとは言え裁判判決で「同性愛の夫は性的に異常」「妻が夫の同性愛を知ったことによる衝撃の大きさを考えると婚姻関係を取り戻すことはまず不可能」とためらいなく書いちゃう時代が昭和47年(1972年)です。今こんなことを判決文に書いたら確実に「同性愛差別」と批判されるでしょう。志位氏が「同性愛差別だった」と謝罪した「1970年代の赤旗記事」など「ある意味仕方が無かった」と思いますね。

*4:産経の書きぶりから見て判決の言う「衝撃」とは「夫が浮気して衝撃(信頼が裏切られた!)」と言う意味では無く「夫が異常な変態(同性愛)で衝撃」というどう見ても「差別的な意味」でしょう。