今日の産経ニュースほか(2021年3月19日分)

【正論】誰を称賛し誰に名誉を与えるか 東洋学園大学教授・櫻田淳 - 産経ニュース

 過去に日本で開かれた3度のオリンピックで組織委員会会長職を務めたのは、「東京1964」時の安川第五郎*1「札幌1972」時の植村甲午郎*2、「長野1998」時の斎藤英四郎*3といった財界人士だった。
 にもかかわらず、なぜ、「東京2020」に際しては、森喜朗という生粋の政界人が、その任に起用されたのか。また森前会長の後任の座に就いたのは、橋本聖子前五輪相であったけれども、その後任選定の折に財界から名前が挙がってこなかったのは、なぜであるか。

 財界人が会長にならないといけない理由はどこにもない上に、「財界出身の役員はいる」ので「はあ?」でしかありません。
 むしろ「スポーツ組織」であるのだから「スポーツ界からの登用」を主張すべきでは無いのか。

 古来、日本では、「名誉」に係る基準は、朝廷に対する近さを反映した以上、この件での曖昧さは、日本の立憲君主制度の行方に影響を及ぼすであろう。「名誉」に係る合意を構築し直すべき秋(とき)である。

 意味がさっぱり分かりません。「名誉」が「国家による褒賞制度」を意味するならそれは曖昧どころか「春(秋)の褒賞」「文化勲章」「国民栄誉賞」などいろいろあります。かつ、そうした褒賞制度は別に「天皇制」と直接関係するわけでもない。
 それらの褒賞制度が「ろくでもない人間に高い賞が与えられてる」として「国民にあまり評価されてない*4」としてもそれは「曖昧」云々という話とは違う。
 いずれにせよ「「名誉」に係る合意を構築し直すべき」と桜田が大言壮語しても「どう見直すべき」か何も具体案がないのだからずっこけます。


「選択的別姓」実現目指し自民有志が議連 - 産経ニュース

 選択的夫婦別姓制度の早期導入を目指し、自民党有志が議員連盟を設立することが19日、分かった。25日に国会内で設立総会を開く。呼びかけ人代表は浜田靖一*5元防衛相で、野田聖子*6幹事長代行、岸田文雄政調会長らも呼びかけ人に連ねた。

 「夫婦別姓反対のウヨ」安倍首相にへいこらして禅譲狙いだった岸田氏(第二、第三次安倍内閣外相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代))がメンバーというのが興味深い。今のままでは忘れられてしまうという焦りがあるのでしょうが、「安倍にへいこらした御仁」なので、こういう物には参加しないかと思ってました。それはともかく、今や「前政調会長、元外相の派閥ボス(岸田氏)」がこうした議連のメンバーでも不思議でない程度には「自民党内での夫婦別姓の扱い」も変わってきたようで、まあ俺的には悪いことではありません。それにしても「宮沢ケンジ君(明らかな言い間違い)は人殺し」の元ヤクザ「ハマコー」の「息子(浜田元防衛相)」がそんなもんに関わるとは意外です。てっきり反対派かと思ってました。


丸川珠代のしどろもどろ振りに苦笑する
東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部(2021.2.26)

(記者)
 丸川大臣は、森前会長と同じく清和会、日本最大の極右団体である日本会議の国会議員懇談会、そして神道政治連盟の国会議員懇談会にも所属していらっしゃいます。
 大臣にとって清和会の大先輩である森氏は、総理在籍中に、神道政治連盟国会議員懇談会の結成30周年記念の祝賀会で挨拶をし、その中で、「日本の国、まさに天皇を中心としている神の国であるということを国民の皆さんにしっかりと承知をしていただく」との発言をして批判を浴び、(ボーガス注:低支持率にあえぎ首相を辞任して)失脚されました。
 日本国憲法が、天皇を中心とする天皇主権の神の国ではなく、国民が主人公である国民主権の民主国家と定めていますが、丸川大臣の夫婦別姓を認めない「私個人の信念」とは、森氏が開陳した現行憲法の理念に反する皇国史観に類するような主張でしょうか。
 可能なところで教えてください。
(大臣)
 私、森会長の個人のお考えにそんなには詳しくないので、あまりその点についてお話をしたり、また、直接そのお話をされているところに居合わせたことがありませんので、よく存じ上げません。
(記者)
 丸川大臣のおっしゃった「私個人の信念」ということに関して、森さんのことは関係なくていいんですけど、丸川大臣の個人の信念というのは何か、お答えください。
(大臣)
 私は民主主義国家の一員だということです。
 日本国憲法の下で立法をしながら、国民の声を聞くに当たっては様々な声を聞く。東京都選挙区選出ですけれども、国会議員というのは、東京の声だけではなくて国全体の声を聞くようにということが、私たちの課せられた使命だと思っております。

 「丸川大臣の夫婦別姓に反対する信念とは『天皇を中心とする神の国森元首相)』という皇国史観的、国家神道的な戦前美化の思想ですか?。丸川さんは森さんの派閥のメンバーで、森さんが『神の国』発言をした神道政治連盟議連のメンバーですよね?」というのも随分と「ストレートな質問」ですが、これについて丸川が「その通りです」とも「そんな物を支持してない」ともいえずしどろもどろなのが実に滑稽です。


中国や北の脅威に対応強化 警視庁外事課が体制改編 - 産経ニュース
 米国、中国、ロシアと言った「大国のみ」を対象とする課ならばわかります。
 「小国で、日本と国交のない北朝鮮のみを担当する課」なんておよそ正気では無いでしょう。拉致事件のようなことが今後多発するとも思えない。「反北朝鮮ウヨらしい菅首相への忖度なのか」と聞きたくなります。
 

プーチン氏、バイデン氏に「ご健康を」“人殺し”発言めぐり - 産経ニュース
 確かにプーチンには「政敵暗殺疑惑」がささやかれてるとは言え、仮にも米国大統領が「人殺し」呼ばわりは問題がありすぎでしょう。
 例えば、バイデンは「安倍(菅)」に向かって「森友、加計疑惑(総務省疑惑)の汚職政治家」などとは言わないわけですし。

 プーチン氏は「ある人が他人や他国を評価するというのは、鏡を見ているようなものだ。常に自分自身を相手に投影しているのだ」とも述べた。
 一方、ペスコフ露大統領報道官は同日、バイデン氏の発言は「歴史上、(前例が)なかった」と批判。今後の対米関係については、発言を受けて一時帰国が命じられたアントノフ駐米大使から報告を受けた上で検討されるとした。 

というロシアの「対立姿勢」は当然と言えるでしょう。


【産経抄】3月19日 - 産経ニュース

 東京五輪パラリンピックの式典に出演予定だった女性タレントの容姿を侮辱する。式典を統括するディレクターが、LINE(ライン)上で吐いたとんでもない暴言を週刊文春がすっぱ抜いた。

 と言う書き出しでは「森前会長の女性差別発言」とセットで五輪組織委員会批判が始まるかと思いきや

▼無料通信アプリのLINEは、国内だけで約8600万人が利用している。その膨大な個人情報が海外に筒抜けになっていた。安全保障のリスクにつながりかねない実態を暴いたのは朝日新聞である。システムの管理を委託していた中国の関連会社で閲覧可能な状態になっていたという。実際中国人スタッフが、日本のサーバーに少なくとも32回アクセスしていた。
▼さらに利用者間でメッセージをやりとりする「トーク」に投稿されたすべての画像と動画が、韓国内のサーバーに保管されていることもわかった。情報が両国の政府に流れていたらと想像するとゾッとする。
 LINEは今月1日、ヤフーを傘下に持つZホールディングスと経営統合したばかりである。今のところ巨大IT企業の責任を果たしているとは、とても思えない。

と「あらぬ方向」に話が行く産経です。
 「ラインの情報管理がずさん*7」つう話だけしたいのなら「週刊文春」云々は全く必要ない。むしろ文春の入手情報が、「ラインからの情報漏洩と誤解されかねない(実際にはこのディレクターとラインのやりとりをした人間の文春への内部告発らしい)」と言う意味で「週刊文春」云々は全く有害な文です。

*1:1886~1976年。安川電機社長、九州電力会長、日本原子力発電社長、九州経済連合会会長など歴任。1970年(昭和45年)に電力・原子力事業への貢献と1964年東京オリンピック運営に尽力した功績により勲一等旭日大綬章を授与(安川第五郎 - Wikipedia参照)

*2:戦前、農商務省資源局調査課長、企画院調査部長、企画院次長などを、戦後、フジテレビ社長、会長、ニッポン放送社長、会長、日本航空会長、経済団体連合会事務局長、会長などを歴任(植村甲午郎 - Wikipedia参照)

*3:新日鉄社長、会長、経団連会長など歴任(斎藤英四郎 - Wikipedia参照)

*4:そんなこともないと思いますが。

*5:麻生内閣防衛相、自民党国対委員長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*6:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、第四次安倍内閣総務相などを経て現在、自民党幹事長代行

*7:杜撰なのかどうかは判断を保留しますが