新刊紹介:「経済」2021年4月号

「経済」4月号について、俺の説明できる範囲で簡単に紹介します。赤旗の記事紹介でお茶を濁してる部分が多いです。
 http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/
世界と日本
◆米バイデン新政権が始動(西村央)
(内容紹介)
 トランプの酷さからバイデンに期待をしながらも「判断保留」と言うスタンスです。
 これは1)バイデンがどれほど期待できるのか(そもそも日本共産党に限らず多くの左派はバイデンが副大統領だったオバマ政権を手放しで褒めていたわけではありません)という面もあれば、2)その政治力が未だ侮れない共和党に対してきちんと対決していけるのかという面もあります。


◆イギリスのEU離脱とその後(宮前忠夫*1
(内容紹介)
 EU離脱を契機に「EU残留論が多数派である北アイルランドスコットランド」で独立論が高まりかねないという話です。


特集「福島原発事故から10年:将来をひらく復興像」
◆座談会「福島の避難者は何を訴えてきたか」(今野秀則*2、金井直子*3、吉田千亜*4、除本理史*5、鈴木浩*6
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
東日本大震災・原発事故10年/現状・課題・支援策は/志位委員長、福島の市民らと懇談/オンライン
東日本大震災・原発事故から10年/“福島切り捨て”に対抗する運動を/志位委員長と福島の市民との懇談(詳報)


◆二つの正義:「生業訴訟」は最高裁での「頂上決戦」へ(馬奈木厳太郎*7
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
原発被害 全面救済を/訴訟原告団など全国集会/「国と東電は謝れ」駅前アピール
福島原発事故 生業訴訟 国と東電断罪/仙台高裁 国の責任認定は二審初/賠償額2倍に
原発事故 再び国を断罪 “対策すれば防げた”/千葉訴訟 避難住民が逆転勝訴/東京高裁


◆福島・被害者の実態と政府の「復興政策」の問題点(岩渕友*8
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

原発避難者 苦難なお/岩渕議員、国に実態調査求める/「持病が悪化」46%
 東京電力福島第1原発事故の避難者が健康問題や経済的困難から回復していない問題について、日本共産党の岩渕友議員は2日の参院東日本大震災復興特別委員会で、実態調査と対策を求めました。
 岩渕氏は、政府が原発事故避難者の実態を把握せずに住民税減免措置や応急仮設住宅の供与などを次々と打ち切っていることを批判。「『被災者に寄り添いきめ細かな対応をする』と言うなら、国が責任を持って実態を調査すべきだ」と迫りました。平沢復興相は「実態把握することは施策の大前提。正確な実態把握にさらに力を入れたい」と答弁しました。


福島原発事故後の廃炉と汚染水処理問題(柴崎直明*9
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
汚染水濃度今以上も/高橋氏 福島第1廃炉ただす
主張/福島原発汚染水/海洋放出の決定を強行するな


◆反原発運動10年の発展と「原発ゼロ基本法」制定の取り組み(伊東達也*10
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
主張/原発ゼロ基本法案/世論を広げ制定を実現しよう
反原連が国会前集会/原発なくすまで声上げ続ける これからも


東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の動きと闘いの展望(立石雅昭*11
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
柏崎刈羽 原発の液状化対策など調査/再稼働認められない/藤野・井上・武田議員ら
再稼働対策1.2兆円/柏崎刈羽 コスト高は明白/東電 施設費 試算の1.7倍
新潟・柏崎刈羽原発 再稼働へ圧力/県、検証委半数入れ替え/県民から不安や批判


◆環境危機の時代のエネルギー政策:原子力発電も、火力発電も無い社会へ(大島堅一*12
(内容紹介)
 「放射性廃棄物」「事故の危険」と言う問題がある原発、「CO2による温暖化」と言う問題がある火力発電をゼロとし、他の発電方法(水力、太陽光、地熱、潮力、風力など)に切り替えることを求めています。個人的には「原発ゼロ=賛同」「石炭火力ゼロ=賛同」「火力ゼロ=懐疑的」と言った立場ですね。
 CO2排出量が石油や天然ガスに比べ多く、また経済的ともいいかねる(石炭価格が石油や天然ガスに比べ高い)とされる「石炭火力」はゼロにすべきでしょうが、火力発電それ自体を果たしてゼロにすべきかどうかは個人的には疑問に思っています。そもそも「環境破壊のない発電方法」は残念ながらどこにもありません。「石炭火力」はともかく火力発電自体は必ずしも廃止する必要は無いのでは無いか。
【参考:石炭火力発電】
主張/石炭火力依存/世界の流れに逆行したままか
主張/石炭火力発電/撤退求める声に政府は応えよ
石炭火発廃止へ急げ/市田氏 工程表政府に求める


原発の運転期間ルールを骨抜きにする原子力規制委員会(向直也)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
原発40年ルール骨抜き/藤野議員 規制委の「解釈」を批判/衆院原子力特別委


◆政府の賠償・廃炉スキームは東電救済、原発業界を温存(薄木正治
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
東電救済 原発継続を前提/賠償支援法案 衆院委で可決/高橋議員が反対討論
主張/原賠機構法改定/際限ない国民負担に道開くな
主張/原発事故の賠償/国と東電は被害者と向き合え


◆デジタル通貨をめぐる最近の動向について(建部正義*13
(内容紹介)
 正直「読んでもよくわからない」というのが正直な感想です。もちろんその「大きな理由の一つ」は「小生の頭が悪いから」ですが、もう一つの大きな理由は「実態がないから」ですね。

日銀 「デジタル通貨」の実証実験へ | IT・ネット | NHKニュース
 紙幣や硬貨と同じように使える「デジタル通貨」について、日銀は、この春から機能を確かめるための実証実験を始めることになりました。
 この分野では中国が先行し、各国の中央銀行も研究を進めていて、日銀としては国際的な環境変化に対応する準備を進めたい考えです。

ということでデジタル通貨は現段階では「実態がある」とはとてもいえません。
 実態がない以上、議論はどうしても「デジタル通貨はホニャララになるだろう」という予想しか出来ませんし、その予想が正しいかどうかは現時点では確証がありません。
 「現在の電子決済と大して変わらない」と言う見方もあれば、「政治経済を大きく変える」「中国が開発を目指すデジタル人民元は脅威だ(中国脅威論の一種)」という見方もあるようですが、そのどちらが正しいのかはなかなか判断が難しい。

*1:著書『企業別組合は日本の「トロイの木馬」』(2017年、本の泉社)、『あなたは何時間働きますか?:ドイツの働き方改革と選択労働時間』(2018年、本の泉社)など

*2:浪江・津島原発訴訟原告団長。元浪江町津島地区区長

*3:福島原発避難者訴訟原告団事務局長

*4:著書『ルポ 母子避難:消されゆく原発事故被害者』(2016年、岩波新書)、『その後の福島:原発事故後を生きる人々』(2018年、人文書院)、『孤塁:双葉郡消防士たちの3.11』(2020年、岩波書店)など

*5:大阪市立大学教授。著書『環境被害の責任と費用負担』(2007年、有斐閣)、『原発事故の被害と補償:フクシマと「人間の復興」』(大島堅一氏との共著、2012年、大月書店)、『原発賠償を問う:曖昧な責任、翻弄される避難者』(2013年、岩波ブックレット)、『公害から福島を考える:地域の再生をめざして』(2016年、岩波書店)、『きみのまちに未来はあるか?:「根っこ」から地域をつくる』(共著、2020年、岩波ジュニア新書)など

*6:福島大学名誉教授。元福島県復興計画策定委員会委員長。著書『日本版コンパクトシティ:地域循環型都市の構築』(2007年、学陽書房)、『東日本大震災からの復興まちづくり』(共著、2011年、大月書店)、『地域再生:人口減少時代の地域まちづくり』(編著、2013年、日本評論社)など

*7:「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟弁護団事務局長

*8:参院議員。日本共産党中央委員

*9:福島大学教授

*10:原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員。原発事故被害いわき市民訴訟原告団長。全国革新懇代表世話人。著書『これでいいのか福島原発事故報道』(共著、2011年、あけび書房)

*11:新潟大学名誉教授。著書『地震列島日本の原発柏崎刈羽と福島事故の教訓』(2015年、リーダーズノート)

*12:龍谷大学教授。著書『再生可能エネルギーの政治経済学』(2010年、東洋経済新報社)、『原発のコスト』(2011年、岩波新書)、『原発はやっぱり割に合わない:国民から見た本当のコスト』(2012年、東洋経済新報社)など

*13:中央大学名誉教授。著書『貨幣・金融論の現代的課題』(1997年、大月書店)、『金融危機下の日銀の金融政策』(2010年、中央大学出版部)、『21世紀型世界経済危機と金融政策』(2013年、新日本出版社)、『なぜ異次元金融緩和は失策なのか』(2016年、新日本出版社)など