自民&日経「尖閣を埋め立てて中国は2万人居住させる気なんだよ!」、黒井文太郎「な、何だって(そんなことあるわけねえだろ!)」(追記あり)

 記事タイトルは「週刊少年マガジンに1990~1999年まで連載された陰謀論漫画MMR マガジンミステリー調査班 - Wikipedia」風に書いてみました。産経新聞ではないのですが「産経並みに反中国デマが酷い」ので「産経新聞」タグを付けておきます。

黒井文太郎がリツイート
◆ぺりかんめも
 その『尖閣諸島の未来計画』という動画は、ネットの都市開発シミュレーションゲーム「シティーズ:スカイライン」で、娯楽作品として作られたものです。
 ゲームの中国名は「城市:天际线」や「都市:天际线」。
 動画はこちら。
https://ixigua.com/6666485209115918855?logTag=Zn0QTcGaJ5gDiVhrDTSkT
 (ボーガス注:自民党の)外交部会で(ボーガス注:「中国の尖閣侵攻の脅威」として)まじめに取り上げられるとは驚きです。
尖閣、中国の脅威増す グレーゾーン対処に隙: 日本経済新聞(加藤晶也、甲原潤之介)
 安全保障関連法の制定当時、『武力衝突に至らないグレーゾーン事態*1』への対処が論点になった。離島占拠などを想定し警備拡充の法整備を求める意見も与野党で上がった。施行から5年が過ぎ、沖縄県尖閣諸島周辺で中国の脅威が増すなかで議論が再燃してきた。
『中国は尖閣諸島を埋め立てて2万人が居住する計画を持っている』
 24日、自民党の会議に招かれた有識者が示した資料に出席議員は息をのんだ。
(以下略)

 おいおいですね。
 さすがの「反中国ウヨ」黒井*2&「黒井の類友ウヨ」も呆れていますが『尖閣周辺を埋め立てて2万人が住む』なんて中国政府の計画が「中央政府習近平指導部)」であれ「地方政府」であれ、「普通に考えてあるわけがない」。MMR並の与太です。
 そんなことをするメリットがあるとは思えない。埋め立てて2万人居住させて何をするのか。
 尖閣に工場でも作るのか。はたまた「ディズニーランド」のようなイベント施設か。「在日米軍基地」のように、軍事基地をつくって大量の軍人でも住まわせるのか。
 いずれにせよ「尖閣ほどそんなことをするのに条件の悪い場所もない(領土紛争地なので)」し、他にいくらでも好立地はある。
 普通に考えて

◆日本ウヨのデマでそんなものはいかなる形でも何もないんじゃ無いか。
◆仮にそう言う計画があるにしても、これは政府計画で無くて「荒木和博」の「自衛隊拉致被害者救出論」のような「中国ウヨ(中国版・荒木和博)の放言」じゃないか(黒井がリツイートした「ぺりかんめも氏」のツイートに寄れば『桃太郎電鉄』や『架空戦記(例:半村良戦国自衛隊』、かわぐちかいじジパング』)』あるいは『架空戦記ゲーム(例:真・三國無双シリーズ戦国BASARA)』のようなお遊びだそうですが)

ですよねえ。
 まあ、これが「国基研」のような「非常識ウヨ」の民間団体の会議なら「お前はアホか(横山ホットブラザーズ風に)」で問題ない。好意的に*3報じたメディアも『月刊HANADA』『ウィル』辺りなら「バカだねえ、お前は。本当にバカだねえ(『男はつらいよ』のおいちゃん風に)」で問題ない。
 まずいのは
1)安倍政権誕生後、反中国、非常識ウヨ化が深刻とは言え、一応政権与党の自民党の外交部会(このネタを自民に持ち込んだのは有本香、河添恵子宮崎正弘などのトンデモウヨでしょうが*4)で
2)これを記事にした「全国紙」日経にも黒井のような「そんな与太を流すのは辞めろ」という「批判精神のかけらもない」ことですね。
 まあ「2万人云々」は「前振りにすぎない*5」とはいえ、そして前振り後の記事は「中国海警法がー」「尖閣周辺での中国艦船の航行ガー」などであって、「2万人」云々にはほとんど触れないとはいえ、反中国ウヨ「黒井」ですら呆れて、ツイッターで批判するように「2万人」云々なんて「明らかなデマ」を前振りに使う意味はどこにもありません。「話の本筋とは関係ない」などという言い訳は通用しない。だったらそんな与太は最初から紹介すべきではない。
 むしろこんなデマを前振りに使ったことで「中国による尖閣侵攻の危機ガー*6」というこの記事の論調全体に「完全に説得力が無くなった」といっていいでしょう。
 というか「中国による尖閣侵攻の危機ガー」という反中国ウヨの黒井が突っ込んでるのはまさに「そう言う意味合い」ですね。
 黒井的には

◆俺は日経や自民同様に「尖閣への中国侵攻があり得る」という立場だ。
◆しかし、だからこそ「尖閣埋め立てで2万人居住なんてデマ」はやめろ。「尖閣への中国侵攻があり得る」という俺たち「中国脅威論者」の主張自体に説得力が無くなる

つうことです。
 それプラス、黒井的には「有本香、河添恵子なんか呼んでそんな与太を語らせたあげく、ギャラを払うくらいなら俺を呼んで、ギャラをくれ!。俺は有本や河添よりはずっとマシだぞ!」つう話でしょう。
 それにしても、「黒井ですら呆れる」、昨今の「反中国なら何でもあり」つう日本国内の風潮にはマジでうんざりします。
 特に「浅井基文氏」などはこうした日本の風潮「反中国なら何でもあり」にかなり批判的で、俺も浅井氏の「中国認識など全て」に賛同しているわけではない*7ですが、その問題意識には大いに共感します。
 これについては浅井ブログの

中国をどう見るか|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
中国をどう見るか-朝日新聞社説批判-|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
日本共産党委員長発言(朝日新聞)|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
『日中友好新聞』がんばれ!!|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
日本人の対中感情悪化の原因(中国専門家分析)|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ

を紹介しておきます。
 しかし、澤藤統一郎の憲法日記 » 踏みにじられた香港の民主主義と、踏みにじった中国の非道を忘れないの「澤藤統一郎」など、自称リベラルが「中国批判ばかりすること」にはマジでうんざりします。
 「党員でも後援会員でもない、党外からのライトな支持」「立民、国民民主、社民、れいわよりはマシ(なお、自民、公明、維新は論外)という消去法」とはいえ日本共産党支持者の端くれの俺ですが、この点では昨今の「日本共産党の中国批判」にも「そうした点で日本共産党に批判的な」浅井氏同様「不満」というか「違和感」というか賛同できないものがあります。
 浅井氏などは「産経などウヨの無茶苦茶な中国非難(今回の日経記事もその一つです)を容認していては、それを口実にした九条改憲を助長しかねない」と護憲派ハト派、リベラル派としての危惧の念を表明していますが「アンチ中国」の澤藤(自称護憲派、リベラル派)などにはそうした「危惧の念」は何もないようです(もしかして日本共産党にもない?)。澤藤のような輩には心底呆れます(「支持者として」の「弱み」というか「身びいき」というかその種の感情から日本共産党についてはそこまで悪口はしませんが)。
 もちろん俺も浅井氏も「中国批判するな」とは言っていません。澤藤のような輩が「あいつらは中国シンパだ」などと因縁をつけない*8ように、念のためにお断りしておきます。

【追記】
 ”中国は尖閣諸島を埋め立てて2万人が居住する計画”だって? それ、オンラインゲームの話です。(追記あり) - pelicanmemoによればこの「デマを自民に持ち込んだトンデモ有識者」は意外なことに「川島真・東大教授」だそうです。
 それが事実ならば

◆『中国近代外交の形成』(2004年、名古屋大学出版会)
◆『近代国家への模索 1894-1925〈シリーズ 中国近現代史 2〉』(2010年、岩波新書)
◆『中国のフロンティア:揺れ動く境界から考える』(2017年、岩波新書)

という「まともそうな著書」がある人間が「突然劣化した」or「ついに隠し続けていた化けの皮が剥がれた(呉座のように?)」といったところでしょうか。 
 まあ、あの「デマ屋・楊海英」ですら

◆『中国とモンゴルのはざまで:ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』(2013年、岩波現代全書)
◆『「知識青年」の1968年:中国の辺境と文化大革命』(2018年、岩波書店
◆『墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録(上)(下)』(2018年、岩波現代文庫)

として岩波から本を出してることを考えれば今や「岩波から本が出てる」なんてことは何ら「リベラル性の証明ではない」ようです。

*1:『中国の正規軍隊では無く、民兵組織(建前は民間人)が尖閣に(武器を隠し持って)上陸する』などという「ねえよ、バカ」つう設定が『武力衝突に至らないグレーゾーン事態』です。

*2:尖閣自衛隊が駐留するか、灯台などの建設物を設置すべきだ」とツイッターで公言する黒井は明らかに反中国ウヨです。

*3:と言うと言い過ぎかもしれませんが少なくとも日経記事には黒井のような「そんなことはあるわけもない」という批判的な論調はどこにもありません。こんな与太を「淡々と客観報道」なんてことはしていいことではない。「日経もそうした事態が起こりうると思ってるんだ」と読者を誤解させかねません。いや正直「誤解で無く、日経も同意見」という可能性を否定できないのがマジで頭痛ですが。

*4:追記:この予想に反しどうやら「川島真・東大教授」のようです。

*5:というか「前振りにすぎない」と言うこと自体、明らかに日経が「この情報をデマだ」と認識しながら、『反中国を煽るため』にわざわざ利用し、しかし『自民党での会議の内容を紹介しただけで、その会議内容は支持してない』『日経が支持したというのは誤解だ』『この記事のメインはそこではなく「中国海警法」や「尖閣周辺での中国船舶航行」だ(確かにメインはそうなのですが)』と逃げを打ってるとみるべきでしょう。いわゆる「ご飯論法」「『消防署の方から来ました』論法」「『誤解する方が悪い』論法」の一種であり、「卑劣の極み」です。日経がここまで酷いデマ右翼新聞とは思いませんでした

*6:とはいえ常識的に考えて「尖閣侵攻」などするわけもないでしょう。日経も自民も本気でそう考えてるという寄りは「尖閣を口実に九条改憲自衛隊の海外派兵、軍拡を狙ってる」、あるいは「日本国内で反中国ムードを煽ってる(ただし常識人にとってはむしろ日経のデマ体質にドン引きですが)」と見るべきでしょう。要するに「故意のデマ垂れ流し」です。しかし「中国ビジネス」を重視してしかるべき経済新聞が何でこんな異常な記事を書くのか?

*7:と言うか中国素人なので判断保留の部分が多いですが

*8:といったところで「澤藤のような輩」は因縁を付けるのでしょうが。