高世仁に突っ込む(2021年4/4日分)

ウイグルで姿を消す日本留学経験者 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 きょうは近くの地域センターで、子ども向けの「宇宙史講座」のお話会があり、私が講師をつとめた。

 前も書いてることですが「研究者どころか科学ジャーナリストですらない」素人の高世がそんな講演をするなという話です。
 頼む方もバカなら引き受ける高世もバカです。

 相手が子どもなので、超新星爆発で元素ができたなどという話はできないしと、けっこう悩んだ。子ども向けの宇宙史、生物史などの本を7~8冊読んで、パワーポイントをつくって・・とまる1週間ほど準備についやした。
 参加は小学生の子どもたち17人と父兄ら大人約10人。
 父兄からも喜ばれて、またやってほしいと言われた。よかった。準備したかいがあった。
 むしろ大人がおもしろがってくれたので、そのうち講座の内容をこのブログで書こう。

 1週間かけたという高世ですがまさか高額ギャラを取ったわけでも無いでしょう。今の高世は「事実上無職」「ジャーナリスト廃業」「貯金で食ってる」んでしょうね。高世みたいな素人の講演を聴く人間が「たった10人(子どもは進んで聞いてるのでは無く「大人たちの教育的指導」でしょう)」とはいえ、いることが驚きです。

 で、タイトルは「私たちが生きのこるには、どうしたらいいのか」にし、子どもたちが好きな恐竜を盛り込んで生態系の重要性を語ることに。

 「生態系の重要性」と「宇宙史」など全く関係ないので実に馬鹿馬鹿しい。
 ちなみに「生き残るにはどうしたら良いのか」ということで昨今提唱されてるのが「SDGs(持続可能な開発目標)」と言う奴ですね。
 小生も無知なのでSDGsの詳しい説明はしませんが。

 NHK「国際報道」がきのう、日本とゆかりのあるウイグル人が次々に行方不明になっていることを報じた。
 「日本ウイグル協会」によると、新疆ではウイグル人社会を支えてきた知識人がたくさん居なくなっている。そしてその中には、日本の大学が育てあげた著名な知識人も入っているという。
 消息を絶った日本留学経験のあるウイグル知識人は少なくとも9人いる。
 アブドゥカデリ・ジャラリディンさんもその一人だ。2002年、石川県の大学に留学し、帰国後、新疆師範大学で教授をつとめていた。ところが3年前、公安当局により連行され、以来消息が分からないという。
 娘のブルブルナズ・ジャラリディンさん(30)が取材に応じた。

 これについては以下の記事を参考に紹介しておきます。
【参考】

日本留学経験ある ウイグル知識人 “9人が現地で不明” と訴え | NHKニュース
 日本に住むウイグルの人たちで作る団体などがオンラインの講演会を開き、日本に留学経験のあるウイグル族の知識人らが現地で行方不明になっていると訴えました。
 講演会は日本ウイグル協会や中国の人権問題に詳しい日本の研究者、それに人権団体などが26日夜、オンラインで開いたもので、およそ70人が参加しました。
 この中で日本ウイグル協会の担当者は、自治区では、大勢の人たちが強制的に収容されているなどと強調したうえで日本に留学経験のある現地の大学教授ら9人も行方不明になっていると説明しました。
 また、大学教授の父親*1が3年前に警察に連行されてから連絡が取れなくなっているというウイグル族の女性*2は「不当に拘束され、苦しんでいるすべての人たちが一刻も早く元の生活に戻れるよう、日本や世界の皆さんに声を上げてほしい」と訴えました。

【参考終わり】

 私は、中国で予定されている冬季オリンピックのボイコットには賛成だ。五輪精神とは相いれないジェノサイド*3が進行中なのだから。

 おいおいですね。
 高世のその理屈なら、例えば「五輪精神と相容れないはずの同性愛差別をロシア政府が実施し、一部のLGBT活動家からボイコット論が出ていたソチ五輪(2014年)」はどうなるのか。
 日本はボイコットすべきだったのか?。
 あるいは、俺が持ってる本、谷口源太郎*4『スポーツを殺すもの』(2002年10月刊行、花伝社)掲載の論文「これが平和の祭典か?:ソルトレーク冬季オリンピックのまやかし」(初出は週刊金曜日2002年2月22日号)ではソルトレーク五輪(2002年2月)について「前年の同時多発テロの影響による厳しい警備→そんな危険な場所で五輪はすべきでない(2002年ソルトレークシティオリンピック - Wikipedia参照)」や「ブッシュ子が行ったアフガン侵攻への抗議」と言う理由から「JOCは参加をボイコットすべきだった」と書いていますが高世は「谷口氏のボイコット論」についてどう思うのか?。
 なお、2002年ソルトレークシティオリンピック - Wikipediaによれば日本はソルトレーク五輪では

◆銀メダル
清水宏保*5(日本、スピードスケート男子500m)
◆銅メダル
里谷多英*6(日本、フリースタイルスキー女子モーグル

ということで2人のみのメダルに止まり不振でした。
 あるいは「ソ連のアフガン侵攻批判を口実にした西側のモスクワ五輪ボイコット(1980年)」、「米国のグレナダ侵攻を口実にしたソ連東欧のロス五輪ボイコット(1984年)」が「アフガンやグレナダへの侵攻の撤回」につながらなかったことは高世的にどう理解されるのか。
 ということで俺は「北京五輪ボイコット論」にははっきり言って反対です(まあ、そもそも、ボイコットなどされないでしょうけど)。むしろ「五輪を廃止すべき」ではないのか。
 「五輪精神」なんて「事実上嘘」なのだから、そして「長野五輪東京五輪で買収疑惑が発覚し、東京五輪については竹田JOC会長が引責辞任したこと」を考えれば五輪などなくして「個別の国際スポーツ大会(世界陸上世界水泳など)」に切り替えれば良いだけでは無いのか。
【参考:五輪いろいろ】

2002年ソルトレークシティオリンピック - Wikipedia
 ソルトレークシティ五輪では、以下のようにトラブルがたびたび発生している。
◆開催地決定後の1998年、ソルトレークシティ招致委員会によるIOC委員の買収疑惑が持ち上がった。その後、過去の招致でも各都市による買収工作が行われていた疑惑が発覚し、IOC全体を巻き込む一大スキャンダルとなった。
◆開会式のジョージ・W・ブッシュ大統領の開会宣言も本来ならばオリンピック憲章第58条3項の規定で定められている「私は、第○回オリンピック冬季競技大会(開催都市名)大会の開会を宣言します」とするところをブッシュ大統領は宣言の前に「誇り高く、優雅なこの国を代表して」と政治的色彩のある言葉を付け加え、IOC副会長が批判し、五輪憲章に違反するという指摘が各方面からされた。
 開会式では、世界貿易センタービルの残骸から出てきた星条旗が掲揚された。これをマスメディアが取り上げ、アメリカ政府の五輪政治利用という負の面を象徴していると批判的に報じられた。
 他にもアメリカ寄りと見られた不当な判定が多く目立ったことなどから、地元のマスメディアからもエイブラハム・リンカーンの演説をもじった「アメリカの、アメリカによる、アメリカのための五輪」と揶揄された。さらには、一部の選手や役員が閉会式を実際にボイコットした。
・前年の同時多発テロの影響による厳しい警備とそれに伴う交通渋滞、ソルトレークシティが飲酒を禁忌とするモルモン教の聖地(宗教都市)であるためにアルコールを提供する飲食店が高級ホテルのレストランなどごく一部に限られていたことも、大会関係者や報道陣のストレスを増幅させる原因の1つとなった。

水島朝穂*7たかが一人、されど一人 2002年3月4日
 1936年8月1日、第11回ベルリン大会は、ヒトラーの開会宣言で始まった。ナチスベルリン五輪を徹底的に利用した。
  ソルトレーク五輪でもまた、平和の祭典の理想とはほど遠く、「ブッシュの戦争」を正当化する露骨な演出が行われた。貿易センタービルの破れた星条旗を入場の際に使い、観客席も星条旗で埋め尽くされた。大統領ブッシュは米国選手団のなかに入って、米国礼賛の愛国的熱狂のなかで開会宣言を行った。米国の国歌が流れたとき、ブッシュとソルトレーク五輪組織委員長のロムニー会長は右手を胸にあてて敬礼したが、国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長だけは敬礼しなかった。あまりに米国中心主義、愛国主義の突出に、世界は眉をひそめた。特にブッシュの開会宣言は、歴史に残る最悪のものだった。さすがのヒトラーでさえ、オリンピックの普遍主義への敬意を表したのに、ブッシュはオリンピック憲章で定められた宣言文の前に、「誇り高く、優雅なこの国を代表して」という愛国的な言葉を付け加えたのだ。オリンピック憲章69条「開会式および閉会式」の細則1-9 は、国家元首は開会宣言に、「私は○○(開催都市の名前)で開催する第○回オリンピック冬季競技大会の開会を宣言いたします」という短い文章を指定している。ブッシュはこの原則を破った。この最悪の開会式は、その後の競技の中身にも反映した。判定における不正、米国優位の偏向判定は、世界中でテレビ観戦している人々の心を次第に冷えたものにしていった。米国にメダルをもたらして国威発揚をはかる演出のなか、オリンピックを政治的に歪めた罪は重い。オリンピック憲章第9条の理念が現実と乖離していることは分かっていたが、ここまで露骨かつあけすけにやられると、「こんなものいらない」のなかにオリンピックを含めたい気分になる。

朝日新聞デジタル:「ソチ五輪の開催撤回を」 ロシアの反同性愛法に反発 - オリンピック2013年8月19日
 ロシアで同性愛者への差別や圧力につながりかねない法律が成立し、波紋を呼んでいる。スポーツ選手が標的になる可能性があり、国際オリンピック委員会(IOC)のジャック・ロゲ会長は、モスクワで開かれた陸上の世界選手権で懸念を表明。冬季五輪のソチ開催を撤回するよう求める意見も相次いでいる。
 問題の法律は6月に成立した同性愛宣伝禁止法。未成年者に「非伝統的な性的関係」について情報提供することを禁じており、レストランなど不特定多数が集まる場所で同性愛について語ったり、同性愛者が公然と交際したりすることも処罰の対象になり得るのではないかと指摘されている。

*1:高世記事が紹介する「アブドゥカデリ・ジャラリディンさん」のことか?

*2:高世記事が紹介する「ブルブルナズ・ジャラリディンさん」のことか?

*3:ただし中国はその事実を否定しています。なおジェノサイドという批判も多くはいわゆる「文化的ジェノサイド(同化)」を意味しておりナチスホロコーストのような「物理的殺害」を意味していません。

*4:著書『堤義明とオリンピック』(1992年、三一書房)、『日の丸とオリンピック』(1997年、文藝春秋)、『巨人帝国崩壊:スポーツの支配者たち』(2005年、花伝社)、『スポーツ立国の虚像:スポーツを殺すもの〈PART2〉』(2009年、花伝社)など

*5:1998年長野五輪で金メダル1個(スピードスケート男子500m)、銅メダル1個(スピードスケート男子1000m)、2002年ソルトレークシティ五輪で銀メダル(スピードスケート男子500m)を獲得(清水宏保 - Wikipedia参照)

*6:1998年長野五輪で金メダル、2002年ソルトレークシティ五輪で銅メダル(フリースタイルスキー女子モーグル)を獲得(里谷多英 - Wikipedia参照)

*7:早稲田大学教授。著書『現代軍事法制の研究』(1995年、日本評論社)、『戦争とたたかう:憲法学者・久田栄正のルソン戦体験』(2013年、岩波現代文庫)、『はじめての憲法教室』(2013年、集英社新書)、『ライブ講義・徹底分析!集団的自衛権』(2015年、岩波書店)、『平和の憲法政策論』(2017年、日本評論社)など