「幸せって何?」と思ったら見てみたい「ブータン 山の教室」 | 大手小町(読売新聞文化部 恩田泰子)
幸せって、なんだっけ。
「幸せって、なんだっけ、なんだっけ、ポン酢醤油のある家さ、ポン酢醤油はキッコーマン(明石家さんまが出演したCM)」とボケたくなります。ちなみに「幸せって、なんだっけ」でググったら
◆ヘレン・ラッセル 『幸せってなんだっけ?:世界一幸福な国*1での「ヒュッゲ」な1年』(2017年、CCCメディアハウス)
という「デンマーク紹介」本がヒットしました。まあ「福祉、医療、教育」「経済的豊かさ」と言う意味ではよほどデンマークの方がブータンより幸せでしょう。
なお、「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年3/27分:高世仁の巻)(追記あり) - bogus-simotukareのブログでも「いくつか」デンマーク紹介本を紹介しましたがデンマークについては
【デンマーク:紹介は出版年順(出版年が同じ場合は著者名順)】
◆岡本祐三*2『デンマークに学ぶ豊かな老後』(1993年、朝日文庫)
◆福田成美『デンマークの環境に優しい街づくり』(1999年、新評論)
◆小島ブンゴード孝子*3『福祉の国は教育大国:デンマークに学ぶ生涯教育』(2004年、丸善ブックス)
◆澤渡夏代ブラント『デンマークの子育て・人育ち:「人が資源」の福祉社会』(2005年、大月書店)
◆高田ケラー有子『平らな国*4デンマーク:「幸福度」世界一の社会から』(2005年、NHK生活人新書)
◆ケンジ・ステファン・スズキ『なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか:どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか』(2008年、合同出版)
◆澤渡夏代ブラント『デンマークの高齢者が世界一幸せなわけ』(2009年、大月書店)
◆千葉忠夫『世界一幸福な国デンマークの暮らし方』(2009年、PHP新書) 、
◆ケンジ・ステファン・スズキ『デンマークが超福祉大国になったこれだけの理由』(2010年、合同出版)、『消費税25%で世界一幸せな国デンマークの暮らし』(2010年、角川SSC新書)
◆野村武夫『「生活大国」デンマークの福祉政策』(2010年、ミネルヴァ書房)
◆銭本隆行『デンマーク流「幸せの国」のつくりかた』(2012年、明石書店)
◆ケンジ・ステファン・スズキ『デンマークという国を創った人びと: ”信頼”の国はどのようにして生まれたのか』(2014年、合同出版)
◆千葉忠夫『格差と貧困のないデンマーク:世界一幸福な国の人づくり』(2014年、PHP新書)
◆マレーヌ・ライダル『デンマーク人が世界で一番幸せな10の理由』(2015年、サンマーク出版)
◆芳子ビューエル『世界一幸せな国、北欧デンマークのシンプルで豊かな暮らし』(2017年、大和書房)
◆中島健祐『デンマークのスマートシティ:データを活用した人間中心の都市づくり』(2019年、学芸出版社)
◆小賀久*5『幸せつむぐ障がい者支援:デンマークの生活支援に学ぶ』(2020年、法律文化社)
◆小島ブンゴード孝子、澤渡夏代ブラント『デンマークの女性が輝いているわけ:幸福先進国の社会づくり』(2020年、大月書店)
なんて本もあります(もはや「デンマーク本ブーム」と言えるのでは無いか)。勿論、デンマークだって「地上の楽園ではない」でしょう。これらの本には「多少割り引くところ(ひいきの引き倒し)」もあるかもしれませんが「福祉国家」等という面では「日本が学べるところ」が大きいのでは無いか。
それは人にとって、映画にとって、永遠の問い。一度見つけたと思っても、世の中が変われば、価値観も変わる。だが、どんなに社会が変わっても輝きを失わないものがあるのではないか。
近代化の波に直面するブータンを舞台にした本作の主人公、都会育ちの教師ウゲン(シェラップ・ドルジ)は、転勤先の辺境で、そうした揺るぎないものに触れる。都市生活者が田舎で目覚めるなんて、よくあるパターンのようだけれど、見れば、きっと驚く。彼が出会う人々の美しさに。
きらきらと輝く目をしたルナナの子供たちと、その未来をひらこうとする大人たち。自然と共にあるつつましく、たくましい暮らし。雄大な風景の中、響き渡る伝統歌。
そのすべてが心から離れなくなる。なぜ、そんなにも美しく、力強いのかと思う。
以前、高世仁に突っ込む(2021年4/8日分)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで批判的に紹介した高世仁の記事さわやかな映画「ブータン 山の教室」 - 高世仁の「諸悪莫作」日記(ブータンの田舎生活を手放しで美化)の「寝言」「与太」「世迷い言」と同レベルで心底呆れます。「そんなにブータンが素晴らしいと思うなら移住しろよ」と言いたい。
ヒマラヤの王国、ブータンを訪れたのはバブル景気が終わったばかりの平成4年である。
4階以上の建物は禁止され、テレビ放送もまだなかった。それから猛烈なスピードで近代化が進んでいく。立憲君主制を取り入れ、インターネットが解禁された。
現在の首都ティンプーの暮らしぶりは、日本とほとんど変わらないそうだ。
▼上映中の映画「ブータン山の教室」の主人公である若い教師ウゲンは、そんな大都会から北部にある標高4800メートルの村ルナナへの赴任が決まる。電気は通じておらず、子供たちは自動車を見たことがない。片時もスマホが手放せないウゲンは、30年前の小欄と同じような衝撃を受ける。
▼素朴な村人との交流を通じて気持ちに変化が生じていくものの、オーストラリアで歌手になる夢は捨てきれない。
「この国は世界で一番幸せな国といわれているそうだが、先生のような若者は外国に行きたがる」。
ルナナの村長が嘆く場面もあった。近代化と伝統文化の間であえぐ「幸せの国」の苦悩を映画は映し出していた。
以前、高世仁に突っ込む(2021年4/8日分)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで批判的に紹介した高世仁の記事さわやかな映画「ブータン 山の教室」 - 高世仁の「諸悪莫作」日記(ブータンの田舎生活を手放しで美化)に比べれば「まとも」かと思います。
ふと「おら、こんな国(ブータン)、嫌だ、おらこんな国、嫌だ。豪州へ出るだー(吉幾三の俺ら東京さ行ぐだ - Wikipedia風に)」というネタが思い浮かびました。
すでに全人口の75%が、少なくとも1回目の(ボーガス注:新型コロナワクチンの)接種を終えている。
▼(ボーガス注:日本の接種率の低さを思うとブータンの)政府の奮闘ぶりには、羨望を覚えるばかりだ。
別にブータンと比べる必要も無い*6ですが「接種率2%」という日本の惨状は「自民応援団産経」ですらこのように嘆くように論外でしょう。
【参考】
ブータン、成人9割超にワクチン接種 首相の指導力奏功: 日本経済新聞
ブータンが新型コロナウイルスのワクチン接種で成果をあげている。これまでに成人の9割以上が1回のワクチン接種を受けた。人口が比較的少ないことに加え、政府の積極的な対応が迅速な接種につながったと評価されている。