今日の中国ニュース(2021年5月1日分)

中国がコロナ大流行のインドを積極支援 クアッドから引きはがす思惑も - 産経ニュース
 中国の思惑が何でアレ、「中国のワクチン提供によってインドの惨状が少しでもまともになる」のであればそれはいいことです。そもそもファイザーなど他のワクチンを早急に入手できる可能性があるなら話は別*1ですが、「中国の思惑に問題があるからワクチンいらない」といえるような状況ではない。
 しかし、インドのモディ首相はあまりにも無能すぎでしょう。


【産経抄】5月1日 - 産経ニュース

 3月25日の記者会見で、世界の現状について「民主主義勢力と専制主義勢力*2の戦いだ」と説いたバイデン米大統領は、4月28日の施政方針演説では中国の習近平国家主席を名指しして呼んだ。
 「専制主義者」。

 現実問題として「打倒中国」なんて無理だし、何も「独裁的国家」は中国限定ではない。
 エジプト軍事独裁、サウジ王制などの独裁的国家を「米国にとっての国益」から事実上容認している米国がこんなこと言っても「経済大国として米国のライバル化しつつある中国を人権ネタで叩いてるだけ(偽善行為)」という感想しかないですね。中国が「親米国家*3」あるいは「米国にとってどうでも良い存在感の小国(米中国交正常化当時はそうでしょう*4)」なら米国もここまで中国非難しないでしょう。
 正直「1980年代の日米貿易摩擦」などと性格は同じでしょう。

 専制主義国である中国・武漢発のコロナ禍によって、かえって民主主義国家の脆弱さが目立つ事態となったのは皮肉でもある。

 民主主義国である豪州やニュージーランドなどが現時点において「コロナをほぼ封じ込めてると評価されてること」を考えればそんなことは言えません。
 独裁国家・中国にしても「科学的に適切な対応をとった」から封じ込めたのであって「独裁ならコロナ封じ込めにベター」ではない。
 ただし「コロナに限りませんが」民主主義の担い手である国民は「必ずしも専門家(学者など)ではない」。
 国民が選んだ政治家も必ずしも「専門家ではない」。
 必ずしも「専門家ではない」国民が選んだ、必ずしも「専門家ではない」政治家が「専門家の意見を無視」すれば当然問題は解決しません(「専門家がろくでもないことがある」という話はひとまずここでは論じません)。
 結果的に「専門家の意見に耳を傾ける独裁者」の方が「善政」ということがありうる。そもそも民主主義とは「みんなで話し合って決めた方が良い」「どうしても結論が一つにまとまらない場合は多数決にしよう」と言う話であって「民主主義なら正しい結論が出る」という話ではない。
 民主主義で正しい結論を出すには「民主主義の担い手」が賢くなる必要があります。豪州やニュージーランドなどの例で分かるように「政治家も国民も賢くない民主国家(例:日本やインド)」が「コロナ対応を失敗しただけ」の話にすぎません。

 ただ、手順を踏み熟議を重ねることと、やるべきことを放棄し、議論を引き延ばすのとは全く別である。

 ああ、はいはい、「野党の審議拒否」への因縁ね(あるいは与党の強行採決の正当化)、と言う話です。
 「モリカケ証人喚問要求」等を「野党の正当な要求」を無視するからこその審議拒否でしょうに。
 「中国の独裁は汚い独裁、自民党強行採決は野党が悪い」とはいつもながら産経も良い度胸です。

*1:浅井基文氏もインドにおけるコロナまん延と米中の対応|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページで指摘していますが、バイデン政権も「自国が深刻なコロナ蔓延でそれどころではない」のでしょうが「中国封じ込め」を目論みながら、「中国のワクチン提供姿勢」に対抗する形でのインドへのワクチン提供が出来ない(インド政府の提供要求に対し能力的に無理と断った)のだからお粗末ではあります。

*2:米国の友好国(例:サウジ)にはいくらでも専制国家は存在するし、「(中国やロシアを盟主とする?)専制国家の同盟」が「(米国を盟主とする?)民主主義国家の同盟」に闘いを挑んでるなんて構図はどこにもないのでバイデン発言は「事実に反する虚言」でしかない。「中国やロシア」などと米国の様々な対立は単に「国益の対立」にすぎません(中国やロシアが米国といたずらに対立しているわけではない)。中国やロシアの側に付く国にしてもそれは「ケースバイケースの国益判断」であって、「(中国やロシアを盟主とする?)専制国家の同盟」の構成員として常に中国やロシアを支持してるわけではない。

*3:中国は反米とまでは言えませんが、「日本のように」米国の主張に唯々諾々と従ってるわけでもありません。「中国の考える国益」のために、ある種の「自主性」を確保しようとしています。

*4:当時も中国の市場規模は大きいとは言え「文革のダメージ」によって中国の政治力や経済力は到底、米国に対抗できるものではありません。