「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年5/3分:島田洋一の巻)

島田洋一
 「私たちは地獄の門までビンラーディンを追いかけ、仕留めたのだ*1」。その作戦に最後まで反対したのがバイデン副大統領だった。バイデンは言葉と行動のギャップが非常に大きい人物、はっきり言ってデマゴーグだという認識を我々は常に持っておく必要がある。

 バイデンがデマゴーグかはともかく、「コロナは風邪」「モリカケ、桜での安倍批判はフェイクニュース」「トランプの『バイデン不正選挙論』には一理ある」「トランプは上院襲撃を扇動していない。ツイッター社のトランプアカウント永久停止は不当な言論弾圧」「慰安婦は公娼、河野談話は間違ってる」のデマ屋・島田がよくもこんなことが言えたもんです。恥を知れと言いたい。

島田洋一
 栄養過多で(ボーガス注:糖尿病という?)基礎疾患*2を抱えた*3金正恩の感染リスクを限りなくゼロに近づけるためには、アスリートの夢や長年の汗など弊履の如く捨てて顧みない*4ということだろう
北朝鮮、W杯予選も不参加 新型コロナを懸念―サッカー:時事ドットコム
 韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮が6月に韓国で開催される予定のワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選H組の試合に参加しない方針をアジア・サッカー連盟(AFC)に伝えていたことが分かった。韓国サッカー協会が3日に確認した。
 北朝鮮側は不参加の理由として、新型コロナウイルスに対する懸念を挙げている。2次予選は新型コロナの影響で延期されていたが、AFCは韓国と北朝鮮が含まれるH組について残り試合を6月に韓国で行うことを決定していた。 
 北朝鮮東京五輪についても、「新型コロナによる世界的な保健危機の状況から選手を守るため」として、既に不参加を決定している。

 「東京五輪不参加」に続き「W杯予選不参加」を表明した北朝鮮への悪口雑言です。
 しかし、「W杯予選不参加」はともかく、1)東京五輪については日本国民ですら延期論、中止論が過半数越えてる(マスコミ世論調査による)、2)政治的アドバルーンとして発言したものの、「予想を超える中止、延期論の盛り上がり」に慌てて、すぐに「一つの案にすぎない」と火消しに走ったが二階幹事長も「中止、延期の可能性」に言及したことを考えれば、「他の件はともかく」少なくとも「東京五輪不参加」は「北朝鮮が正しい」と言うべきでしょう。
 あの「アンチ北朝鮮高世仁ですら、

戦争遺跡になった松の木3 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 (ボーガス注:ワクチン接種についてどこの自治体も)医師や看護師の確保がむずかしいという。
 各地で集団接種が本格化すると人材の取り合いになる。
 そこに東京五輪組織委員会は日本看護師協会に、大会中の医療スタッフとして看護師500人の派遣を要請したからたまらない。病院や福祉施設などの労働者でつくる日本医療労働組合連合会医労連)は30日、「派遣要請は直ちに見直すべき」だとする談話を発表した。
 コロナ感染の拡大で各地で医療崩壊が起きるなか、菅首相は「休んでいる看護師が多い」から500人の確保は可能だなどと、浮世離れした認識を披露。「こんな状態で五輪をやれるのか」との問いに、「五輪を開くのはIOCだから、ぼくは知らないよ・・」と繰り返すばかり。
 世論調査では7割が中止か延期すべきとの結果で、五輪開催はまったく歓迎されていない。「無観客でもやる」というのが政府の「決意」らしいが、28日付の「かたえくぼ」(朝日新聞)には・・
 「無選手」でも開催しそう――国民 (東京・イエスマン
 もう力なく笑うしかない。

として五輪開催論を批判しています。
 しかし、ソ連のアフガン侵攻への抗議を口実とした「1980年モスクワ五輪ボイコット(全盛期の瀬古利彦長崎宏子が参加できず)」を容認し、今また、中国のウイグル問題などを理由に「来年の北京冬期五輪ボイコット」を口にする島田がよくもまあ「北朝鮮東京五輪不参加やW杯予選不参加(本音はともかく*5、選手のコロナ感染の危険が表向きの理由)」について「北朝鮮の選手がかわいそう」などと心にも無いことがほざけるもんです。島田に限りませんが「白血病から復帰した池江璃花子*6」などを持ち出してお涙頂戴で「東京五輪強行」を狙うのも大概にして欲しい。

島田洋一
 (ボーガス注:衆参の2/3が改憲派という状況では無く、)9条改正は当面困難*7だが、河野談話の上書きは、政府がその気になれば(ボーガス注:閣議決定で?)明日にでもできる。河野談話修正すらできない政治が、憲法改正案の発議に到達できるはずがない。

 「はあ?」ですね。
 河野談話慰安婦制度は戦争犯罪で人権侵害)というのは「事実の問題」です。
 一方、改憲は「価値観の問題」です。
 「事実の問題」と「価値観の問題」は全然違う。事実の問題を否定することは「歴史修正主義」というデマゴギーですが「改憲論それ自体」はデマゴギーではない(改憲論の一部には「改憲しないと拉致が解決しない、コロナが終息しない」というデマがありますが、それは改憲論自体がデマだという話ではない)。
 まともな改憲派なら「改憲派全てが河野談話否定論(つまり歴史修正主義デマゴーグ)」であるかのような島田の暴言に激怒してしかるべきでしょう。
 そして、むしろ「河野談話維持すらできない政治が、憲法改正案の発議に到達できるはずがない」ですね。
 河野談話否定とは「形式論理上」は「自衛隊が海外に派兵したときに自衛官に対して慰安所をつくって、その慰安所に現地女性を徴用していい」と言うことを意味するからです(とはいえ、さすがにそんなことをする気は、島田も含め、ほとんどのウヨには無く、戦前日本の非を認めたくないという居直りにすぎないでしょうが、形式論理上はそう言う話になります)。
 どこの世界にそんなことを公言する国に「改憲して海外派兵して欲しい*8」なんて思う国があるのか。少なくとも「中国、韓国」といった日本の侵略被害国は「改憲するな」と思うでしょうし、そうなれば改憲がしづらくなる。
 もちろん「改憲しやすくすること」が河野談話の目的では無く
1)中国、韓国などとの友好関係構築
2)被害者である慰安婦の人権擁護
3)日本が二度とああした愚行を起こさないこと
が談話の目的ですが、談話否定論なんか公言すれば結果として中韓の反発で改憲がしづらくなります。その程度の事も分からないらしい島田らウヨは「どうしようもないバカ」と言うべきでしょう。
 「話が脱線しますが」そう言う意味では島田らウヨの「モリカケ、桜疑惑の安倍擁護」も改憲を困難にする愚行でした。
 どこの世界にあそこまで行政を私物化して歪めて恥じない男に改憲を許そうと思う人間がいるのか。
 本当に改憲を進めたいのなら島田等は「安倍をきっちり批判すべきだった」でしょう。しかし、島田等は「安倍ほど改憲に熱心な議員は他にいない。安倍が辞めたら改憲が困難になる」という逆の理解で無茶苦茶な安倍擁護をしたわけです。
 もちろんモリカケ、桜批判とは「改憲しやすくする」と言う話ではないですし、そもそもあんな行政私物化をして恥じない安倍自体がどうしようもないバカですが。

*1:このバイデン発言が「ラディン暗殺は国際法違反では無いか」「むしろ暗殺は彼を殉教者にして、逆効果では無いか」等「島田とは別の意味」で「非常に問題だ」と思うことについては以前、拙記事「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年5/2分:島田洋一の巻) - bogus-simotukareのブログで指摘しました

*2:金正恩について言えば「かなりの肥満なので糖尿などの基礎疾患があるので無いか」とは言われてますがそれは「一つの説」にすぎず確定的事実ではありません。

*3:毎度毎度「基礎疾患(高血圧、心臓病、腎臓病、糖尿病など)患者と高齢者以外は、コロナはただの風邪」というデマを流布する島田には呆れます。まあ、仮に「基礎疾患患者と高齢者以外はコロナはただの風邪」が事実だとしてもそこから島田のように「コロナの危険性否定」を始めるのは「基礎疾患患者と高齢者の人命を軽視する暴論」ですが。

*4:というか「北朝鮮の選手がコロナ感染する可能性(そして、その選手が白血病から復帰した池江のように何らかの疾患を持ち重症化する可能性)」は充分あるわけで「お前は何を言ってるんだ?」「馬鹿は黙れ」ですね。

*5:W杯予選不参加について言えば「韓国への政治的揺さぶり」の可能性があるかと思います。ただし韓国でコロナの蔓延が始まったことや「日本並みにワクチン接種率が低いこと」は事実なので「コロナを理由とした不参加」は決して「全く根拠のない話ではない」と個人的には思います。

*6:そもそも我々「池江の病状を知らない医療素人」はうかつなことは言えませんが、「コロナについては分からないことが多い」し、「白血病だった池江がコロナ感染して重症化する可能性」は否定できないでしょう。むしろ池江の復帰は「五輪延期、中止論」につながる話だと思います。

*7:ちなみに「閣議決定でいわゆる芦田修正論を採用すると決めれば明日にでも集団的自衛権が行使できる。明文改憲など不要」と放言するのが大森勝久氏ですが、さすがに島田はそこまで無茶苦茶では無いわけです。

*8:改憲は必ずしも「九条改憲」を意味しませんが島田らウヨの「改憲の本丸」は九条改憲です。