三浦小太郎に突っ込む(2021年5月9日分)

ラグタイムララバイ(三浦小太郎)のアマゾン書評『トマト缶の黒い真実』(ジャン=バティスト・マレ 、2018年、太田出版
 何のことかと言えばどうも最近騒がれてる「新疆トマトはウイグル族の強制労働ガー*1」「カゴメとか多くのトマト加工品は新疆トマトガー(但しカゴメは新疆トマトの購入は辞めるそうですが)」らしいですね。
 三浦曰く「2018年にこうした本が出てるのに何故最近まで話題になってなかったのか」て、「お前らウヨだってウイグルガーで中国叩き開始したの、最近のことだろ?」ですよねえ。太田出版なんて大手出版社とは言いがたいし。


ラグタイムララバイ(三浦小太郎)のアマゾン書評『無用ノ介・1巻』(さいとうたかを、2013年、リイド社

 私はこの「無用ノ介」こそ、さいとうたかをの最高傑作だと思う。

 どうでも良いと言えばどうでも良いのですが、今回に限らず、三浦が何かと言えば「最高傑作!」と言いたがるのには吹き出しますね。どんだけボキャブラリー貧困なのか。
 しかも「最高傑作!」と叫ぶ割には「何故そう思うのか」をまともに説明できないのだから滑稽です。単に「面白かった」「すばらしかった」と評価するのは「最高傑作!」と言う話とは違う。
 例えばさいとうなら彼の代表作としては「無用ノ介*2」以外にも

ゴルゴ13(1968年~現在まで、小学館ビッグコミック』に連載中)
 1973年に高倉健主演で、1977年に千葉真一主演で実写映画化。また1983年に劇場用アニメとして、1998年にOVAとして、2008~2009年にテレビアニメ(テレビ東京系で放送)としてアニメ化。
◆影狩り(1969~1973年まで小学館週刊ポスト』に連載)
 1972年に石原裕次郎(影狩り三人組のリーダー・室戸十兵衛役)主演で実写映画化。また、1983年(仲代達矢主演)、1992年(村上弘明主演)にフジテレビで2時間ドラマ化。

という代表作がある。一般には「連載期間が一番長く、当然一番有名なゴルゴ13」が「最高傑作」と評価されることが多いわけで、三浦に「何で無用ノ介が最高傑作なんですか?」と質問してもまともには説明できないでしょうね。単に「三浦が一番好きな作品が無用ノ介」程度の話にすぎないからです。
 しかしそれなら「私、三浦の一番好きな作品は無用ノ介です」と言えば良い話です。

 特に私が好きなのは三作目の「(ボーガス注:無用ノ介・1巻)夕日と弓と無用ノ介」で、宝欲しさに民百姓の味方を装っていた浪人のリーダーが、実は最後に無用ノ介に切られるシーンで「実は俺は、民百姓の本当の味方になりたくなってきていたんだ…」とつぶやきながら死んでいく場面は感動的。しかし残念ながら、このセリフは今は差別的とされたのか「みんなの本当の味方に」と変えられてしまっている。民百姓、と言わなければこのセリフの魅力は出てこない。こういう「改悪」が本当に作品への冒涜だと気づいてほしい

 三浦の言うような事情で改変したのか、果たして別の事情か、どうなんですかね。
 いずれにせよ「事情がどうあれ」原作者・さいとう(1936年生まれ)は今も存命で、ゴルゴ13を今も連載中。『無用ノ介』コミック本の版元・リイド社リイド社 - Wikipediaを見れば分かるように、事実上「さいとうが創業者*3」で、「さいとう作品以外*4も雑誌連載orコミックス刊行している」とはいえ、収益の最大の柱が「さいとう作品」ですのでねえ(小学館ビッグコミック』連載のゴルゴ13も実は単行本は小学館では無くリイド社から刊行されている)。
 たとえ、渋々でアレ「さいとうの意思」で改変が容認されてるところ、それに触れず「作品への冒涜」とまるでさいとうが既に故人で、死後改変されたかのような、誤解を招く三浦の書きぶりはいかがな物か。

*1:なお、中国側はデマとして否定しています。

*2:1967年~1970年まで講談社週刊少年マガジン』に連載。1969年に日本テレビ伊吹吾郎主演でドラマ化(無用ノ介 - Wikipedia参照)

*3:つまりはさいとうなりに「自分が人気下降で売れなくなったときや体調不良で漫画が描けなくなったときのこと(実際には今もゴルゴ13の連載がありますが)」や「自分の死後のさいとうプロ関係者のこと」等を考えて保険としてリイド社を設立したのでしょう。大手出版社(マンガ関係で言えば講談社集英社小学館など)に比べれば『中小企業』とはいえ、今も続いていますし、そんな漫画家は恐らくさいとう以外に「いないorほとんどいない」のでその点は「スゴイ」と思います。まあ、さいとうみたいなことをしなくても「ドラえもんの藤子F(藤本弘)」のようにビッグヒットを飛ばしてしまえば、作者死後も「関係各位」も「遺産」である程度やっていけるし、さいとうの「ゴルゴ13」はそれに当たる気もしますが。

*4:有名作品としては例えば、みなもと太郎風雲児たち』がある。