今日の産経ニュース(2021年5月10日分)

皇位継承の女系拡大 百地氏「皇室の伝統破壊」 有識者会議聴取、賛成論も - 産経ニュース

 女系への皇位継承資格の拡大について、国士舘大百地章*1特任教授(憲法学)は「2千年近い『皇室の伝統』を破壊するだけでなく、憲法違反の疑い*2さえある」と女系への拡大に反対した。
 岡部喜代子*3最高裁判事(親族法・相続法)は「女系天皇を認めることが憲法違反であるとの説を採ることはできない」としつつ、女系への拡大は「強固な反対がある」として男系女子にとどめるべきだと結論付けた。
 京大の大石眞*4名誉教授(憲法)は「内親王・女王にも認めるとともに女系の皇族にも拡大するというのが、基本的な方向としては妥当」とする一方、男系男子で継承してきた「伝統」も重視すべきだと説明した。
 東大の宍戸常寿*5教授(憲法)は「憲法第2条の世襲は(ボーガス注:百地氏の解釈とは違い)女系を排除するものではなく、国事行為およびそれに準ずる活動*6は女系の天皇でも可能」と主張した。

 ウヨ連中に対する「ガス抜き」にすぎず、結局は「女性天皇導入」と言うことは充分あるかと思いますがそれにしても「百地なんか呼ぶのか?(呆)」ですよね。あいつは学者というよりは「ただのプロ右翼活動家」ですから。
 しかし「プロ右翼の百地」は論外だとしても所詮「自民党が呼ぶような人間」だとこうなるんですかね。ストレートに「男女平等の観点から女性天皇、皇族がよろしい」と言ってる人間があまりいないようですから。


首相、「従軍慰安婦」の教科書記述認めない考え「政府の統一見解踏まえ対応」 - 産経ニュース
 教育への不当な政治介入にも程があるでしょう。怒りを禁じ得ません。そもそも閣議決定に教科書会社が従わないといけない正当な理由はどこにもない(もちろん閣議決定歴史学の蓄積を無視した酷い代物ですが)。
 とはいえ「従軍慰安婦の事実を書くな」では無く「従軍慰安婦と書くな」と菅がいうのならば「完全に時代遅れ」としか言いようがない。
 以前も書きましたが「従軍看護婦、従軍記者(もちろん人権侵害ではない)」のイメージから、「従軍慰安婦」では「違法性」のニュアンスが出ないと言うことで「従軍慰安婦」という言葉は最近は使われない傾向にあるからです。
 ただし「従軍」を取ってしまうと「軍と関係ない民間施設」の誤解を招く危険性があるため

【刊行年順】
◆吉見義明『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(2010年、岩波ブックレット)
◆石川逸子『日本軍「慰安婦」にされた少女たち』(2013年、岩波ジュニア新書)
林博史『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)
◆吉見義明『買春する帝国:日本軍「慰安婦」問題の基底』(2019年、岩波書店)

というように「日本軍慰安婦」や「軍慰安婦」という表記が使われる傾向にあります。慰安婦にカギ括弧が就いてるのは「慰安婦という言葉が広く普及してるので慰安婦と呼んでるが性奴隷とでも良くべき制度」という意味合いがあります。
 ダライラマシンパが「いわゆるチベット解放」等と書くのと同じような話です。


日本の感染は「さざ波」と発信 内閣参与の高橋洋一氏、政権は言及回避 - 産経ニュース
 東京や大阪で緊急事態宣言が発令されてるのによくもこんな馬鹿なことが言えたもんです。もちろん「ワクチン接種の遅れ」「東京五輪開催論」に対する批判への「居直り」でしょうがこんなことを言ったところで、そうした批判が収まるどころかむしろ、激化すると言うことも分からないらしい高橋の馬鹿さには心底呆れます。


【産経抄】5月10日 - 産経ニュース

 かつて本紙連載「教科書が教えない歴史」が好評を得た

 ウヨ業界で好評だっただけで、世間からはまともに相手にされてなかったと言うべきでしょう。
 何せ「教科書が教えない」云々とは
1)南京事件否定論などデマなので教えなくて当然
2)マイナー知識すぎて、義務教育では教えないのが当然
3)実は最近は「最近の学説」として教科書で教えてるのに、「故意にデマる」ため、または「教科書についての知識が古いままでアップデートされてない」ため「教えてない」と事実誤認
の3パターンのどれかでしかないことが批判派によって後に明らかにされたからです。もちろん特に酷いのが1)ですが。

▼平和政策の推進、自衛以外の軍隊の不保持など、憲法に平和条項を導入している多くの国がある。本紙「正論」欄でもおなじみの西修駒沢大学名誉教授の新著『知って楽しい世界の憲法』(海竜社)が教えてくれる。

 問題は「平和条項」があったところで「海外での軍事力行使が可能な法システムになっている」ため、実際には「平和条項が機能してない(単なる建前に終わってる)」ということですね。
 「専守防衛」が義務づけられ「海外での武力行使は不可」という自衛隊とはそこが大きく違います。

 たとえばドイツの憲法基本法)は1949年の制定当時、国防軍に関する規定をもたず、50年代に国防軍などの条項を加えた。その後、北大西洋条約機構NATO)域外への軍隊派遣が可能か争われた事案で、連邦憲法裁判所は94年、議会の事前同意があれば合憲との判断を下した。

 注意しなければいけないのはこうしたドイツの方向性の「是非」はともかく、こうした方向性でも「九条改憲論」が中韓など隣国の批判を受ける日本と違い、ポーランドなど隣国から大きな反対がないのは「ドイツ政府がナチの侵略についてそれなりの反省をしているから」です。
 別に俺は「日本政府が過去の侵略を真摯に反省しても」、九条改憲に反対*7ですが、実際は安倍ら「自民のウヨ政治家連中」は真逆ですかからね。
 東条英機A級戦犯を英雄視する靖国に参拝して恥じない。慰安婦や「日本軍による沖縄集団自決強要」など日本軍の黒歴史を必死に否定しようとする。
 それで国内外から「九条改憲反対」の声が出なかったらその方がおかしい。産経らウヨは本気で改憲したいなら「日本軍の黒歴史」について「それなりに反省すべき」ですが逆に「デマで居直る」から話になりません。
 そんな居直りをすれば「日本軍(南京事件慰安婦など)のように、自衛隊が不祥事を起こしても、産経らウヨは『不祥事などない』とデマで居直るのか?」という疑念を招き確実に改憲の障害になる。
 そう言う意味で言えば「モリカケ、桜」も最悪でしたね。あんな無茶苦茶な政治私物化をやる男・安倍に「武力組織(自衛隊)」なんて物騒な物についての制度改正(九条改憲)を許してもいいと思う人は、特に「野党支持層」には少ないでしょう。

来春から使われる高校の教科書では新科目「歴史総合」で、北朝鮮による拉致問題を取り上げる教科書が半数未満だという。

 おいおいですね。教育を「政治の道具」と勘違いするのも大概にしろという話です。

*1:著書『憲法政教分離』(1991年、成文堂)、『政教分離とは何か』(1997年、成文堂)、『靖国憲法』(2003年、成文堂)、『憲法の常識 常識の憲法』(2005年、文春新書)、『憲法と日本の再生』(2009年、成文堂)、『日本国憲法 八つの欠陥』(2021年、扶桑社新書)など

*2:憲法第2条の言う「皇室の世襲」とは「過去の経緯(つまり伝統と歴史)」から「男性世襲」と明文で書いていなくても「当然に男性世襲のみ」を意味し、従って「女性天皇違憲」という「百地のようなウヨ」しか唱えてない少数説です。

*3:東京家裁判事、東洋大教授、慶應義塾大学教授、最高裁判事など歴任。著書『親族法への誘い』(1999年、八千代出版)、『相続法への誘い』(2001年、八千代出版)など(岡部喜代子 - Wikipedia参照)

*4:著書『議院法制定史の研究』(1990年、成文堂)、『憲法と宗教制度』(1996年、有斐閣)、『立憲民主制』(1997年、信山社)、『憲法史と憲法解釈』(2000年、信山社)、『統治機構憲法構想』(2016年、法律文化社)、『日本憲法史』(2020年、講談社学術文庫)など

*5:著書『憲法解釈論の応用と展開(第2版)』(2014年、日本評論社)、『憲法裁判権の動態(増補版)』(2021年、弘文堂)など

*6:「それに準ずる活動」とはいわゆる「公務(例:いわゆる皇室外交や植樹式など政府公式行事への出席)」という奴です。

*7:したがってドイツの海外派兵にも否定的な考えです。