「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年5/19分:荒木和博の巻)

拉致問題と「矛盾」について(R3.5.19): 荒木和博BLOG
 7分程度の動画です。
 荒木の言う「矛盾*1」とは関係なく俺の考える「拉致問題の矛盾」と言えば

拉致被害者家族は、感情的には「北朝鮮への経済支援」をしたくないだろうが、現実問題として「経済支援」との「バーター取引」以外に問題は解決しない

◆外務省はバーター取引で解決したいだろうが、家族会がそれに反対するので事実上身動きが取れない

つう話ですね。
 感情的には家族会は「支援なんかしたくない!」でしょう。それは俺も分かります。
 しかし、「支援しません!、でも拉致被害者の帰国は実現できます!」で解決するなら苦労しない。そこは「何故、犯罪被害を受けた側(日本)が加害者(北朝鮮)に支援するのか」という矛盾を感じても「支援せざるを得ない」。「拉致は犯罪だ、無条件で返せ」と言っても帰るわけがない。
 これは北方領土問題など他の問題だって同じです。
 北方領土の元島民からすれば

◆感情的には「ロシアへの経済支援」などしたくないだろうが、現実問題として「経済支援」との「バーター取引」以外に問題は解決しない

でしょう。「北方領土支配はロシアの不当な侵略だ、無条件で返せ」といっても返還されるわけがない。
 経済支援が嫌だというなら「拉致被害者の帰国」も「北方領土の返還」も諦めるしかないという話です。
 経済支援とのバーター以外に恐らく解決法はない。
 あるいは俺が思うに、「荒木ら救う会における拉致問題の矛盾」とは「拉致への関心の風化」あるいは「蓮池透氏との対立」ですね。
 荒木たちにとって「拉致への関心の風化」は「政治力の衰退」に直結するため、風化しては困る。
 しかし拉致問題が解決の方向に進展しなければ「拉致被害者家族」という当事者を除いて、拉致への関心は薄れていく。当たり前の話です。自分が当事者でない問題が「膠着状態」にあるとき、そんなもんに関心を持つ人は普通居ない。
 拉致被害者家族会だって「自分が当事者でない問題」、例えば「例は何でも良いですが」先日、国の賠償責任を認める最高裁判決が出た「アスベスト石綿)被害問題」なんか「自分も家族もアスベスト被害者ではない」ので何一つ関心は無いでしょう。
 まあ、これはアスベスト被害者だって大部分は「拉致に関心などない」でしょうから「ある意味、お互い様」ですが。
 風化させない為に必要なことは「拉致が解決の方向に進展すること」ですが、「拉致を口実に日朝国交正常化を妨害すること」が「本当の目的」である荒木等にとって「そう言う進展は困る」「拉致はいつまでも解決しない方が良い」。
 だから「特定失踪者なんてデマを流す」し「即時一括全員帰国でない限り制裁解除するな(段階的帰国など不可)」「平壌に常駐事務所など置くな」「日朝合同調査などしなくていい」「いっそ、日朝平壌宣言ストックホルム合意を破棄しろ」などと無茶苦茶なことも言う。
 しかし進展しないと拉致への関心が風化する。今や拉致はテレビや新聞もろくに取り上げない。一番取り上げられてるのはコロナです。拉致への関心が風化すると荒木等の政治力が衰退する。
 あるいは「国内で何人も発見された特定失踪者は嘘じゃ無いか。そんなもん日朝交渉に持ち出すな。政府認定拉致被害者だけ持ち出せ」という蓮池氏を荒木等は「邪魔者」として家族会から追放しました。
 しかしそのことは「蓮池氏の救う会批判」を強め、「何故、蓮池氏を除名したのか、おかしいじゃないか」と世間の救う会への疑念や不信を深め、拉致への関心の風化を助長しました。拉致への関心が風化すると荒木等の政治力が衰退する。
 この「難問(?)」は
1)拉致への関心が風化し、荒木等の政治力が衰退しても構わないから、特定失踪者というデマを続け、蓮池氏と敵対し続け、国交正常化を妨害し続けるか
2)拉致への関心を再び高め、荒木等の政治力を回復するために、「特定失踪者というデマ」や「即時一括全員帰国」などの無茶な主張をやめ、蓮池氏と和解し拉致の解決を進展させるか(とはいえ今更荒木等救う会が自らの非を認めても、世間の扱いは『あまりにも遅すぎ』『今更お前らなんか信用するか』で政治力は回復しない可能性大ですし、だからこそ荒木等救う会はそれができませんが。その結果、1)になるわけです)
どっちかしかない。
A)「特定失踪者というデマを続け、蓮池氏と敵対し続け、拉致解決の展望をなくし、拉致への関心を風化させながら」、政治力を回復させるとか、
B)「特定失踪者というデマを続け、蓮池氏と敵対し続け、拉致解決の展望をなくしながら」拉致への国民の関心を回復させるとか
等出来る話ではない。しかし「特定失踪者というデマを続け、蓮池氏と敵対し続けること」がやめられない荒木等は拉致への関心を風化させ、政治力を衰退し続けるわけです。「拉致への関心の風化」を主観的には希望しないのに、「客観的には」荒木等は、「拉致解決妨害」によって拉致への関心の風化を助長しているという矛盾がある。

*1:正直、荒木の言ってる『矛盾』の意味がさっぱり分かりません。したがって積極的には動画視聴をお薦めしません。