今日の産経ニュースほか(2021年6月22日分)

伊達公子さんが新理事 日本テニス協会 - 産経ニュース
 「今まで理事じゃなかった事」が驚きです。


教員免許の更新制廃止を 千葉・熊谷知事が文科相に要望 - 産経ニュース

 千葉県の熊谷俊人知事は21日、東京都内で萩生田光一文部科学相と面会し、教員のなり手不足の解消などを念頭に、教員免許の更新制について廃止を含めた抜本的な見直しを要望した。
 要望書では、講習が教員にとって負担だと指摘し、講習の内容も既存の教員研修と重複すると強調。制度の速やかな廃止か、廃止が困難であれば重複の排除や、定年後の再雇用者は更新不要とすることを求めた。
 面談後、記者団の取材に応じた熊谷知事は「学校現場の現状に応える決断をしていただけると期待している」と話した。

 千葉県は自民党王国であり、現知事(前千葉市長)も勿論、自民系という点が重要ですね(何せ前任知事はトンデモウヨのモリケンですし)。そして面会した萩生田も「ご要望の趣旨にはきちんと対応したい」と答え、事実上「更新制度には問題があり(廃止しないとしても)何らかの改正が必要」との見解を示したと。
 まさにけっきょく教員ばかりか自治体ほかも迷惑しただけだ(教員免許の更新) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)と言う話です。


「父の日」は昔なかった 太田文雄(元防衛庁情報本部長) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 「父の日」についての雑学話でもやるのかと思って読んでみますが、「異常な論調」に絶句します。

 6月第三日曜日である20日は父の日であった。しかし我々が成人するまで父の日はなく、逆に母の日は米南北戦争を機にできていた。戦場では「お母さん」と叫んで戦死する兵士が殆どで、「お父さん」と叫んで死ぬ兵士は稀である。
 我々は母によって生み成され、母によって人となる。子供に与える影響力は(ボーガス注:父親よりも)母親の方が圧倒的に大きいからである。
 「ダボス会議」の名で知られる「世界経済フォーラム」(WEF)は毎年、各国のジェンダー不平等状況を分析した「世界ジェンダー・ギャップ報告書」を公表している。今年3月に公表された最新の順位によれば日本は120位で先進7カ国(G7)中、最低と報じられた。その評価基準は政治参加・経済・教育・健康の4項目で、日本は(ボーガス注:女性の政治家や実業家の数が少なく)政治参加と経済の評価で低いためである。しかし果たして(ボーガス注:女性が)政治家になったり経済界で枢要な地位に就いたりすることが高い価値なのだろうか。

 「他のG7諸国(米英仏独伊カナダ)と比べて日本に女性の政治家や実業家が少なくても大した問題じゃない。」「女性がすべきことはそんなことじゃない。妻として夫を支え、母として子を育てることだ」と堂々と時代錯誤なことが言える国基研にはいつもながら呆れます。
 安倍ですら「ジェンダーギャップ指数を改善したい」と少なくとも建前では言っていたし、その結果、安倍政権下で

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 - Wikipedia2015年9月4日公布、施行
政治分野における男女共同参画の推進に関する法律 - Wikipedia2018年5月23日に公布、施行

と言う法律まで制定されてるのに。


【産経抄】6月22日 - 産経ニュース

 「周りからやめろという声があったんですが…」。
 大会ボランティアの一部が辞退した問題の背景にも、多くのメディアによる否定的な報道やSNSでの誹謗(ひぼう)中傷があった。

 おいおいですね。まず第一に「批判報道」と誹謗は違います。「批判報道するな」とは全く何を考えてるのか。
 第二に辞退者には「渋々辞退」もいるでしょうが、「積極的な辞退(政府の感染予防措置が信用できない)」もいるでしょう。全てを「渋々辞退」であるかのように描き出す産経は完全にデマです。

 東京五輪を第二次大戦中のインパール作戦にたとえる反対論にも、違和感を覚える。無能な司令官の独断専行により、3万人の戦死者を出した「史上最悪の作戦」が、平和の祭典である五輪の比喩として、果たして適切だろうか。

 『コロナ禍での五輪(蔓延の危険性大)』は「合理性の欠如」と言う意味で『兵站無視で餓死者、病死者が続出のインパール作戦並みに無謀』という批判への反論には全くなっていない珍論です。ここは「人数制限など感染予防措置をとるからインパールとは違う」と言うべきでしょうに。いやそういったとて「説得力皆無」とは思いますが。
 なお、「牟田口のインパール作戦」が無謀なことは事実ですが、基本的に太平洋戦争での日本軍の作戦は「インパール」に限らず兵站無視の無茶苦茶な代物ばかりで餓死者、病死者が続出であることは、藤原彰『餓死した英霊たち』(2018年、ちくま学芸文庫)などが指摘していることです。
 まあ、そもそも「大国米国相手に勝てる*1と思って戦争すること」自体が無謀ですが。

 先週末に放映された朝ドラ「おちょやん」の総集編にこんな場面があった。大阪・道頓堀は空襲によって焼け野原となる。廃虚となった稽古場で一人演じる千代を憲兵が見とがめて、連行しようとする。
 「この非常時に不謹慎だ!」
▼あえて戦争を持ち出すなら、小欄には五輪・パラリンピックをひたすら貶(おとし)める人たちと、この憲兵が重なって見える。千代はひるまない。
 「うちらはずっと芝居して、兵隊さんや銃後を守っている人たちを励ましてきたんだす」。
 五輪に集うアスリートたちも、コロナ禍で疲れ果てた人たちを必ず励ましてくれる。

 吹き出しました。千代(浪花千栄子がモデル)が焼け跡で芝居しても人は死にませんが、「選手が日本に来ればコロナが蔓延し、死人が出る恐れがある」のだから全然、適切なたとえになっていません。つうか、その産経の詭弁なら「コロナ禍で疲れ果てた人たち」を励ますために「三密云々など無視して芝居やコンサートなどをどんどんやろう」「酒も居酒屋で好きなだけ飲ませろ」ということにもなりかねません。


【正論】はばかられる男女性区別の論点 東京大学名誉教授・平川祐弘 - 産経ニュース
 産経文化人らしいいつもの詭弁です。問題にされてるのは差別であって区別ではないし、誰も「男女について全てを同じに出来る」とは思ってないし、そんなことは主張もしていない。
 もちろん「差別か区別か」意見が分かれるグレーゾーンはありますが、そんなことは女性差別に限った話ではなく、全ての差別で「ある話」です。

 男に婦女暴行罪があるなら女にも男子暴行罪があるべきだ、と言うから、「女が男を強姦(ごうかん)できるのですか」と教室で笑いかけたが、周囲は笑わない。

 おいおいですね。確かに強姦(強制性行為)を「ペニスを膣に挿入することだ」と定義(『安倍政権下での法改正』以前の定義は実はこれですが)すれば「女は男を強姦できない」でしょう。
 しかし「性的な行為を強要すること=強姦(強制性行為)」とすればもちろん「女は男を強姦できる」わけです。
 体力的な意味で「男よりたくましい女」もいれば、「上司と部下」「金持ちと貧乏人」といった権力関係にあれば、その権力関係を利用して「女は男を強姦できる」。というか安倍政権下(!)の刑法改正で「性的な行為を強要すること=強姦(強制性行為*2)」と改正された。「つまり女が男を強姦(強制性行為)した場合処罰されることになった」ので「お前は何を言ってるんだ?」ですね。安倍政権下での刑法改正を「安倍信者のはず」の平川は批判するのかといったら、「そうした法改正の事実を知らない」のでしょう。全くお粗末な話です。
 しかし多分安倍は「法務官僚の出した案を興味もないので、ろくに見ずにそのまま通した」だけで積極的に法改正を推進したわけでもないでしょうが、安倍政権下において「男子暴行罪があるべきだ」という主張が現実に刑法に反映されたのは興味深い話です。そうした事実を平川が全く知らないらしいのも興味深い話ですが。


森友経緯のファイル遺族に開示、麻生財務相「再調査考えていない」 - 産経ニュース
 開示したといったところで重要部分はほとんど黒塗りというから話になりません。当然、遺族もこんなことで行政訴訟を辞めたりはしません。なお、テレビ報道で未亡人が「麻生さんは疑惑の当事者。その人が再調査しないというなんて全くおかしい。泥棒が警官をやるようなもの」と言っていましたが同感ですね。


【政治デスクノート】「新政権」の所信先取りも 支持率上がらない立民に勝算なし - 産経ニュース
 産経がまさに「日刊自民党」であることが分かる記事です。確かに「自民党の支持率(20%程度)」と「立民の支持率(9%程度)」ではダブルスコアが常時付いています。したがって政権交代には「野党共闘が不可避であること(現状の支持率では立民単独では無理)」、にもかかわらず「連合や立民内ウヨ議員の反共姿勢」で野党共闘が進んでないことを考えれば、俺もそれほど楽観視はしていません。
 しかし産経が言うように「立民恐れるに足りず、菅政権は今後も盤石」と思ってるならこんな記事は書かずに黙ってれば良い。
 内心は「一番多い無党派層がどう動くか分からない」「コロナ無策が主たる理由だが菅政権の支持率が低下傾向」ということで産経が衆院選について「政権交代があるかも」「いや、それはないにしても野党が躍進して自民が議席を減らし、菅が退陣。後釜が石破になるかも」と怯えてることは確かでしょう。

*1:といってもさすがにこの「勝利」は「日露戦争での日本海海戦パターン(米国に大打撃を与えて戦意を喪失させ和平に持ち込む)」であってさすがに米国上陸なんか想定してませんが。

*2:とはいえ法改正前でも強姦(強制性行為)より罪が軽いとは言え、「女の男に対する性的暴行」は強制わいせつには該当しました。