今日の中国ニュース(2021年6月22日分)(副題:楊海英の馬鹿さに心底呆れる)

香港、色あせる国際都市 経済は中国本土と一体化: 日本経済新聞

 2019年の大規模デモ、2020年の香港国家安全維持法(国安法)施行を経て社会が激変するなか、香港の金融市場は平静を保つ。同法施行前と比べて預金残高は6%増え、株価指数のハンセン指数は2割上がった。
 ここでもけん引するのは中国だ。今年に入り、動画投稿アプリの快手科技や京東物流、検索大手の百度バイドゥ)など中国企業の大型上場が相次いだ。HSBC*1シティグループ*2など欧米の主要金融機関は中国ビジネスをにらんで、香港で採用拡大に動く。「自由なくして金融なし」と撤退を示唆したSBIホールディングス*3も、現地法人が撤退しない意向を示した。
 中国の国内総生産GDP)に対する香港の比率は返還前の19%から2%台まで下がった。

 ということで日経記事も「けっきょく香港の中国における相対的地位の低下、利用価値の低下に話は尽きると思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)」を裏付けていますし、欧米企業も「政治よりも経済の方が重要」のわけです。こうした事態に気づかず(?)「デモをやたらエスカレートさせ」中国の介入を助長した香港デモ隊は政治センスがなかったと改めて思います。


【産経抄】6月23日 - 産経ニュース

 香港国家安全維持法(国安法)違反の容疑で、民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏らとともに、黎氏を逮捕した。その後も国安法を使って、黎氏や蘋果日報の資産を凍結、あるいは編集幹部を逮捕するなど締め付けを強めてきた。経営に行き詰まった蘋果日報は発行停止に追い込まれそうだ。
 「ペンは剣よりも強し」という言葉は、(ボーガス注:現在では)言論は暴力に勝るという意味で使われている。19世紀の英国の作家、リットン*4が手掛けた戯曲(ボーガス注:『リシュリュー』)のなかのセリフなのだが、実は「(ボーガス注:フランス国王ルイ13世の宰相リシュリューという)偉大なる人物の統治の下では」との条件がつく。つまり、(ボーガス注:ルイ13世反対派、リシュリュー反対派が)剣を振りかざして抵抗しても、(ボーガス注:ルイ13世リシュリューという)権力者がペンでサインした令状で押さえ込めるというのだ。
▼香港の報道の自由を(ボーガス注:逮捕令状や家宅捜索令状で)圧殺した中国当局のおかげで、名言が本来の意味を取り戻した。

 「へえ?」ですね。つまりは「ペンは剣よりも強し」の元々(?)の意味は今とは違っていたわけです。
 元々の意味は

真のジャーナリスト本多勝一氏 : 大阪の弁護士大川一夫のブログ
 私自身も学生時代、本多氏の著作には影響を受けた一人である。
 何冊も読んだ。
 その一つに「法学教室」(第二期・第5号・1974年6月発行)という法学部の学生向けの冊子に、彼の寄せた随想がある。
 表題は「巨大な犯罪ほど『合法的』である」
 理不尽な不正でも権力者はそれを「合法化」する力を持っている。ニクソンベトナム戦争で大量虐殺をするとき「合法的」手続きを踏んだ。
 そしてそこで言う「法と秩序」のおかしさを皮肉ったあと本多氏は次のように締めくくる。
「よく私はいうのだが、侍は権力者が人民を弾圧するための刀使いであった。ところが逆にその刀を支配者に向けた例外的侍もある。法律はその刀であり、法曹人はそれを使う侍だ。侍たちよ。あなたがたの誰が「例外」たりうるだろうか。私たち「法で支配される側」は期待している。」

と言うような話だったわけです。


【知論考論】周庭氏釈放の先読み的中の上久保教授「厄介払いの英亡命ある」 - 産経ニュース

 中国は今月12日、無許可集会扇動の罪などで服役させていた香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(24)の刑期を短縮して釈放した。半年前にこの「知論考論」のページで釈放を予測していた立命館大上久保誠人教授と、台湾で香港民主化運動を支援する香港出身の弁護士、桑普(そう・ふ)氏に情勢を分析してもらった。

 「釈放を予測していた」云々と、まるで「競馬予想が当たって大喜び」的なこの「ふざけた態度」には「はあ?」ですね。桑普(そう・ふ)氏はともかく、そもそも上久保氏は中国研究者と言える御仁ではなく、彼に意見を聞くこと自体がおかしい(上久保誠人 - Wikipedia参照)。


中国の民族問題を経済で語る「識者」たちの偽善(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース
 この楊の文章の「何に呆れるか」といえば

 民族問題を経済と関連させ、経済的格差に問題の原因を求めようとする「識者」は、少数民族地域を貧しく、漢民族地域を豊かだとみているらしい。諸民族と漢民族との格差が解消されれば政治的な衝突もなくなる、と夢想している。

と書きながら、「その識者や『識者の書いた論文名や著書名』の具体的名前が一つも出てこない」し、「識者の具体的文章の引用も一つも出てこない」ことです。
 およそ学者の肩書きを持つ人間が書く文章ではない。ニューズウィーク日本版もよくこんなお粗末な文章を掲載したもんです。


◆楊のツイート

楊海英
 隣国の事は必ず日本に影響が及ぶ。それでも、媚中政策を取るならば、香港とモンゴル*5ウイグルの二の舞になる。

 やれやれですね。中国が日本侵略をするとでも強弁する気なのか。

*1:英国に本社がある大手金融機関。1865年に香港で創設された香港上海銀行が起源であり、今も香港での収益がかなりのウェイトを占める(HSBCホールディングス - Wikipedia参照)

*2:米国に本社がある大手金融機関(シティグループ - Wikipedia参照)

*3:日本の大手金融機関(SBIホールディングス - Wikipedia参照)

*4:著書『ポンペイ最後の日』(邦訳:2001年、講談社青い鳥文庫)、『来るべき種族』(邦訳:2018年、月曜社)。リットン調査団で知られるヴィクター・ブルワー=リットンの祖父(エドワード・ブルワー=リットン - Wikipedia参照)

*5:外モンゴルではなく内モンゴル自治区のこと